刑事訴訟法 第188条の5
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- 前条の補償は、被告人又は被告人であつた者の請求により、当該上訴裁判所であつた最高裁判所又は高等裁判所が、決定をもつてこれを行う。
- 2.前項の請求は、当該上訴に係る原裁判が確定した後二箇月以内にこれをしなければならない。
- 3.補償に関する決定で高等裁判所がしたものに対しては、第四百二十八条第二項の異議の申立てをすることができる。この場合には、即時抗告に関する規定をも準用する。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 刑事訴訟法第188条の5は、日本の刑事訴訟法に含まれる条文です。
- 刑事訴訟法第188条の5の条文原文は「前条の補償は、被告人又は被告人であつた者の請求により、当該上訴裁判所であつた最高裁判所又は高等裁判所が、決定をもつてこれを行う。」で始まります。
- 刑事訴訟法第188条の5は第十六章 費用の補償に置かれています。
- 刑事訴訟法の公布日は昭和23年7月10日です。
- 刑事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 刑事訴訟法第188条の5の前の条は刑事訴訟法第188条の4です。
- 刑事訴訟法第188条の5の次の条は刑事訴訟法第188条の6です。
- 刑事訴訟法第188条の5には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第188条の5 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000131 - 本サイト収録
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第188条の5(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000131/188_5
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点刑事訴訟法188条の5は、検察官の上訴が棄却された際の費用補償を、上訴裁判所が決定により行うと定める。請求は原裁判の確定後二箇月以内が必須で、自動では支払われない。
Q · 検察に控訴されて勝った費用、どうやって国に請求するの?
上訴裁判所に請求すれば戻るが、確定後二箇月以内が絶対条件
刑事訴訟法188条の5により、検察官の上訴に巻き込まれて生じた費用の補償は、当該上訴を裁いた最高裁または高裁に対し、被告人本人が請求して初めて受けられます。自動では一円も払われません。請求期限は原裁判の確定後二箇月以内(同2項)で、起算点は判決言渡日ではなく『確定日』です。高裁がした補償決定の額に不服があれば、428条2項の異議申立てで争えます(同3項)。
解説
検察官だけが控訴し、その控訴が棄却されて、あなたの無罪や軽い判決が確定した。やっと終わった、もう関わりたくない、そう思った瞬間に時計が動き出している。刑事訴訟法188条の5は、検察官の上訴に付き合わされて生じた費用を、国に払い戻させるための手続を定めている。前条188条の4が「国が補償する」という権利そのものを作り、この188条の5が「では、どうやって取り戻すか」を決める。請求先は、その上訴を裁いた最高裁または高裁。判断は決定という形で示される。だが落とし穴はここにある。原裁判が確定してから二箇月以内に請求しなければ、その権利は静かに消える。弁護士費用、交通費、出頭のための休業、検察官の都合で削られた金は、黙っていれば一円も戻らない。国は自動では払わない。あなたが二箇月の窓を自分でこじ開けて、手を伸ばさなければならない。
法的な位置づけ
刑事訴訟法188条の5は、前条の費用補償を実現するための手続規定であり、被告人または被告人であった者の請求に基づき、当該上訴裁判所であった最高裁判所または高等裁判所が決定をもって補償を行う旨、及び請求期間を原裁判確定後二箇月以内とする旨を定める。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.原裁判が確定した正確な日を確認する 弁護人または裁判所書記官に、原裁判が『確定』した正確な日を確認する。期限はこの確定日から二箇月。判決言渡日ではないことに注意し、カレンダーに期限を印づけする
- 2.上訴審で生じた費用を項目別に整理する 私選弁護人費用、出頭のための旅費・日当・宿泊費などを項目別に整理し、領収書をすべて集める。補償の範囲は刑事訴訟費用の基準に準拠する(188条の6)ため、対象になる費目を確認する
- 3.上訴裁判所に費用補償請求書を提出する 当該上訴を裁いた最高裁または高裁宛に、費用補償の請求書を提出する(188条の5第1項)。確定後二箇月以内に必ず到達させる
- 4.決定額に不服なら異議申立てを検討する 高裁がした補償決定の額が実費より著しく低い場合、428条2項の異議申立てを検討する(同条3項)。内訳を取り寄せ、基準の当てはめに誤りがないか確認してから判断する
よくある質問 AI による整理
Q1費用補償の請求はどこの裁判所にするの?
当該上訴を裁いた最高裁判所または高等裁判所に請求します(刑事訴訟法188条の5第1項)。第一審裁判所ではなく、上訴審を担当した裁判所が窓口です。
Q2費用補償の請求期限はいつまで?
原裁判が確定した後、二箇月以内です(同条2項)。起算点は判決言渡日ではなく『確定日』。上告がなく上告期間の経過で確定した場合は、その確定日を正確に押さえる必要があります。
Q3費用補償の請求期限を過ぎたらどうなる?
二箇月を過ぎると請求権は失われ、弁護士費用や出頭費用は一切戻りません。期間の追完は原則認められないため、確定日からの日数管理が決定的に重要です。
Q4費用補償は誰が請求できるの?
被告人または被告人であった者です(同条1項)。本人が請求主体であり、国の側から積極的に案内されることは期待できません。
Q5補償の請求は決定と判決どちらで判断される?
判決ではなく『決定』という簡易な形式で判断されます(同条1項)。口頭弁論を経ずに書面審理で結論が出るのが通常です。
Q6高裁の補償決定に不服があるとき争えるの?
高等裁判所がした補償決定には、428条2項の異議申立てができます(同条3項)。即時抗告に関する規定も準用されます。
Q7費用補償と刑事補償は何が違うの?
刑事補償法は身柄拘束(逮捕・勾留)への補償、188条の5は上訴に伴う費用への補償で別制度です。両方の要件を満たせば同時に請求できます。
Q8国選弁護でも費用補償を請求できる?
対象は弁護士費用に限らず、出頭の旅費・日当・宿泊費を含みます。国選でも自腹で払った交通費等は補償対象になる余地があります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1検察に控訴されて勝ったんですが、弁護士費用って本当に国が返してくれるんですか?
検察官のみが上訴し、それが棄却または取下げで原裁判が確定したなら、その上訴で生じた費用の補償を国に請求できます(刑事訴訟法188条の4、188条の5)。ただし自動ではなく、確定から二箇月以内の請求が必須です。実務のポイント:この制度を知らずに期限を逃す元被告は珍しくありません。弁護人も『事件は終わった』と区切りをつけて、費用補償の案内まではしないことがある。判決確定の連絡が来たら、自分から『費用補償は請求できますか』と一言聞くだけで、数十万から百万円単位の差が生まれます。
Q2決定で出た補償額が、実際にかかった額よりずっと低いんですが、諦めるしかないですか?
高等裁判所がした補償の決定には、428条2項の異議申立てができます(188条の5第3項)。即時抗告に関する規定も準用されるので、不服があれば争う道は残っています。実務のポイント:補償の範囲は刑事訴訟費用の基準に準じて算定され(188条の6)、私選弁護人の費用は実費全額ではなく一定の基準での算定になることが多い。だからこそ『なぜこの額なのか』の内訳を取り寄せ、基準の当てはめに誤りがないかを確認してから、異議を出すかどうかを決めるのが筋です。
間違えやすい点 AI による整理
- 「無罪になったのだから費用は全部国が払ってくれる」と思いがちだが、188条の5の費用補償は自動ではない。請求して初めて動く制度であり、しかも二箇月の期限つき。黙っていれば国は一円も出さない
- 「期限があるのは知っている」という人でも、起算点を取り違える。期限は判決を言い渡された日からではなく、原裁判が『確定』した日から二箇月(188条の5第2項)。控訴棄却の判決後、上告期間の経過で確定した日を正確に押さえないと、数日のズレで権利を失う。知っているつもりの深刻さを、知らない
- 「国選弁護だったから自分には請求するものがない」と問いを立てる人がいるが、その問いそのものがずれている。補償の対象は弁護士費用だけではなく、出頭のための旅費・日当・宿泊費を含む。国選でも自腹で払った分は取り戻せる余地がある
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 188条の5:費用補償の請求手続・期間・不服申立て | 188条の4:費用補償の権利そのものを創設 188条の2:無罪判決時の費用補償 |
| 補償の場面 | 検察官の上訴が棄却・取下げで確定した場合 | 同上(権利の根拠) 無罪の判決が確定した場合 |
| 請求期間 | 原裁判の確定後二箇月以内 | 規定なし(手続は188条の5による) 無罪確定後の請求(188条の3) |
| 補償の範囲基準 | 刑事訴訟費用の基準に準拠(188条の6) | 同基準 同基準 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も無罪確定者等への補償制度を持つが、上訴主体に着目した費用補償という日本の構成とは枠組みが異なる
韓国も無罪確定時の費用補償(비용보상)を定め、請求期間の制限を置く点で日本と類似する
ドイツは無罪等の場合に原則として国庫が被告人の必要費用を負担する構成で、請求というより裁判所の費用負担決定の形をとる
米国には起訴された被告人への一般的な費用補償制度はなく、悪意の訴追等に対する別個の救済に依拠する
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 無罪を勝ち取った後、検察官が控訴。半年戦って控訴棄却、確定。安心して書類を引き出しにしまい込んだまま、二箇月の請求期限が静かに過ぎた。私選弁護人に払った百万円超は、もう取り戻せない。あと数日早く動いていれば。
- もし検察官だけが控訴して、それが途中で取り下げられたとしたら? あなたが控訴審のために費やした旅費や日当も、国に請求できる。多くの人はこの制度の存在自体を知らず、自腹を切ったまま泣き寝入りしている
- 友人が「検察に控訴されて勝ったけど、弁護士代で大赤字だ」とこぼしたとき、あなたは「確定してから二箇月以内に費用補償の請求はした?」と聞ける。その一言が、相手の数十万円を生き返らせる
取るべき行動
被害を受けた側:1. まず原裁判が確定した正確な日を、弁護人または裁判所書記官に確認する。この日から二箇月が走り出す2. 上訴審で生じた費用を項目別に整理:弁護士費用、出頭の旅費・日当・宿泊費、領収書をすべて集める3. 当該上訴を裁いた最高裁または高裁宛に、費用補償の請求書を提出する(188条の5第1項) 4. 二箇月の期限(同2項)を絶対に過ぎないこと。決定額が低ければ、高裁の決定には異議申立て(428条2項)を検討する
訴えられた側:1. 検察官以外にあなた自身も上訴していなかったかを確認、補償の前提(検察官のみの上訴の棄却・取下げによる確定)に当てはまるかを整理する2. 補償は『その上訴によって生じた費用』に限られ、第一審から通してかかった費用全部ではない、対象範囲を188条の6と刑事訴訟費用の基準で確認する3. 無罪判決があった場合の取扱いとの関係を整理する4. 請求が一部しか認められなくても、高裁決定であれば428条2項の異議で争う余地が残る
時効(請求できる期限):当該上訴に係る原裁判が確定した後、二箇月以内に請求しなければならない(刑事訴訟法188条の5第2項)。起算点は判決言渡日ではなく『確定日』。上告がなく上告期間の経過で確定した場合は、その確定日を正確に把握すること(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:188条の5は費用補償の権利を定める前条を受けた手続規定であり、補償の請求主体・管轄裁判所・請求期間・不服申立てを画する。請求は形成的であり、二箇月の期間は除斥期間として厳格に解される。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成16年(2004年) 新設:刑事訴訟法改正により費用補償制度(188条の2から188条の7)が導入され、本条はその請求手続・請求期間・不服申立てを定める規定として新設された(最新の改正状況は要確認)。
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