刑事訴訟法 第188条の2
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- 無罪の判決が確定したときは、国は、当該事件の被告人であつた者に対し、その裁判に要した費用の補償をする。ただし、被告人であつた者の責めに帰すべき事由によつて生じた費用については、補償をしないことができる。
- 2.被告人であつた者が、捜査又は審判を誤らせる目的で、虚偽の自白をし、又は他の有罪の証拠を作ることにより、公訴の提起を受けるに至つたものと認められるときは、前項の補償の全部又は一部をしないことができる。
- 3.第百八十八条の五第一項の規定による補償の請求がされている場合には、第百八十八条の四の規定により補償される費用については、第一項の補償をしない。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 刑事訴訟法第188条の2は、日本の刑事訴訟法に含まれる条文です。
- 刑事訴訟法第188条の2の条文原文は「無罪の判決が確定したときは、国は、当該事件の被告人であつた者に対し、その裁判に要した費用の補償をする。ただし、被告人であつた者の責めに帰すべき事由によつて生じた…」で始まります。
- 刑事訴訟法第188条の2は第十六章 費用の補償に置かれています。
- 刑事訴訟法の公布日は昭和23年7月10日です。
- 刑事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 刑事訴訟法第188条の2の前の条は刑事訴訟法第188条です。
- 刑事訴訟法第188条の2の次の条は刑事訴訟法第188条の3です。
- 刑事訴訟法第188条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第188条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000131 - 本サイト収録
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第188条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000131/188_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点刑事訴訟法188条の2は、無罪判決が確定したとき、国が裁判に要した費用を補償すると定める。請求は確定後6か月以内に必要で、弁護士報酬は基準額に縛られる。
Q · 無罪になったら、払った弁護士費用は国に返してもらえるの?
188条の2で国に費用補償を請求できる。ただし6か月以内。
刑事訴訟法188条の2により、無罪の判決が確定したときは、国が被告人であつた者にその裁判に要した費用を補償します。対象は弁護士報酬や出廷の旅費などです。ただし弁護士報酬は刑事訴訟費用等に関する法律の基準額に縛られ、実際に払った全額が戻るとは限りません。さらに本人の責めに帰すべき費用や、虚偽自白により起訴された場合は補償が制限されます。最大の注意点は期限で、請求は判決確定から6か月以内(188条の3)に行わなければ権利が消滅します。
解説
痴漢の冤罪で起訴され、一年半争って、ようやく無罪判決。私選弁護人への報酬は三百万円を超え、仕事も失いかけた。判決が確定した瞬間、多くの人は「やっと終わった」と胸を撫で下ろし、その費用は泣き寝入りだと思い込む。だが刑事訴訟法188条の2は、無罪が確定したとき、国がその裁判に要した費用を補償すると定めている。あなたが払った弁護士報酬、出廷の旅費、これらを国に請求できる。ただし全額ではない。報酬は刑事訴訟費用等に関する法律の基準額に縛られるので、払った三百万円がそのまま戻るわけではない。そして最大の落とし穴は期限だ。請求は判決確定から6ヶ月以内(188条の3)。これを知らずに過ぎれば、補償を受ける権利そのものが消える。無罪を勝ち取ったあなたが、最後にもう一手だけ動くべき理由がここにある。
法的な位置づけ
刑事訴訟法188条の2は、無罪判決が確定した場合の費用補償を定める規定であり、国が被告人であつた者に対し、その裁判に要した費用(弁護士報酬・旅費等)を補償する旨を規定する。ただし本人の責めに帰すべき費用や、虚偽自白により起訴された場合は補償の全部又は一部が制限される。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.無罪確定日を起算点に6か月の期限を記録 無罪判決が確定したら、その日を起算点として6か月の請求期限(188条の3)をカレンダーに記入する。起算は言渡日ではなく確定日であることに注意する
- 2.弁護士報酬・旅費の証憑を収集 私選弁護人への報酬の領収書、出廷の交通費・宿泊費の証憑、確定判決の謄本を集める。報酬は基準額に縛られる前提で、実費部分を漏れなく整理する
- 3.判決をした裁判所に費用補償請求書を提出 判決をした裁判所に対し、費用補償の請求書を必要書類とともに提出する。費用補償は請求して初めて動く制度であり、放置しても国は自動的に返さない
- 4.勾留されていたなら刑事補償も同時申立 勾留されたまま無罪になった場合、刑事補償法に基づく拘禁日数分の補償(1日最大12,500円)も同じ事件記録で同時に申し立てる。片方の取り逃しを防げる
- 5.決定に不服なら即時抗告 補償額の決定や減額・不支給の決定に不服があるときは、即時抗告で争う。各費用の必要性を説明できる記録を準備しておく
よくある質問 AI による整理
Q1費用補償とは何ですか?
無罪判決が確定した際に、国が被告人であつた者に裁判費用(弁護士報酬・旅費等)を補償する制度です。刑事訴訟法188条の2が根拠です。
Q2無罪後の費用補償はどう請求しますか?
判決をした裁判所に対し、弁護士報酬の領収書や旅費の証憑、確定判決の謄本を添えて費用補償の請求書を提出します。請求して初めて手続が動きます。
Q3費用補償の請求期限はいつまでですか?
無罪の判決が確定した後6か月以内です(188条の3第1項)。これを過ぎると費用補償請求権そのものが消滅します。
Q4費用補償の起算日は判決確定日ですか?
起算点は判決言渡日ではなく『判決確定日』です。上訴期間の満了などで確定した日から6か月をカウントします。
Q5国選弁護人でも費用補償を受けられますか?
国選弁護人の報酬は国がすでに負担しているため、補償の実益は旅費等の実費が中心になります。私選で高額報酬を払った人ほど請求の意義が大きくなります。
Q6費用補償の請求に必要な書類は何ですか?
弁護士報酬の領収書、出廷の旅費・宿泊の証憑、確定判決の謄本などです。報酬は基準額に縛られる前提で、実費部分を漏れなく計上します。
Q7費用補償の決定に不服がある場合はどうしますか?
補償額の決定に不服があるときは即時抗告で争うことができます。減額や不支給の決定が出た場合も同様です。
Q8検察官が上訴した場合の費用補償はどうなりますか?
検察官の上訴に係る費用補償は188条の4が定める別枠で、請求手続は188条の5によります。188条の2とは枠組みが異なります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1無罪になったら、弁護士費用は全額国が返してくれるんですか?
全額ではありません。188条の2で補償されますが、弁護士報酬は刑事訴訟費用等に関する法律の基準額に縛られ、実際に払った額より低くなるのが通常です。実務のポイント:私選で高額報酬を払った人ほど差額の持ち出しが大きいので、請求しないと損が確定します。逆に国選弁護だった人は報酬を国が負担済みなので補償対象は実費中心。自分の弁護がどちらだったかで請求の実益が変わります(最新の基準額をご確認ください)
Q2刑事補償ともらえるお金、何が違うんですか? 両方もらえる?
別物で、両方請求できます。刑事補償法は「拘禁された日数」に対する補償(1日1,000円から12,500円、刑事補償法4条)、188条の2の費用補償は「裁判に要した費用」(弁護士費用や旅費など)です。実務のポイント:勾留されて無罪になった人は、この二つを同時に申し立てるのが定石。刑事補償だけ請求して費用補償を取り逃す人が実際にいます。無罪確定時は『拘禁分』と『費用分』の二本立てで考える
Q3取調べで嘘の自白をしてしまった場合でも、無罪なら費用補償はもらえますか?
もらえないことがあります。188条の2第2項は、捜査や審判を誤らせる目的で虚偽の自白をしたり偽の有罪証拠を作ったりして起訴されるに至ったと認められる場合、補償の全部または一部をしないことができると定めます。実務のポイント:取調べで早く帰りたくてやってもいないことを認めてしまうケースは多いですが、それが『誤らせる目的』と認定されると、無罪でも費用が戻らないリスクがある。取調べ段階の供述は無罪後の補償にまで響きます
間違えやすい点 AI による整理
- 無罪を勝ち取っても弁護士費用は自腹を切るしかない、と多くの人が信じている。実際は188条の2で国に費用補償を請求できる。無実が証明された費用まで泣き寝入りする必要はない
- 費用補償の存在を知っている人でも、払った弁護士報酬が全額戻ると思っているケースが多い。実際は報酬部分が刑事訴訟費用等に関する法律の基準額に縛られ、三百万円払っても戻るのは一部。「補償される」と「全額返ってくる」は別物だ
- 「無罪なんだから、放っておいても国が費用を返してくれる」という前提自体が誤っている。補償は請求して初めて動く制度で、しかも判決確定から6ヶ月という期限がある。問うべきは『いつ戻るか』ではなく『いつまでに請求するか』だ
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 補償の対象 | 188条の2:裁判に要した費用(弁護士報酬・旅費等) | 188条の4:検察官の上訴に係る費用 刑事補償法:拘禁された日数そのもの |
| 発生原因 | 無罪の判決の確定 | 検察官の上訴後の無罪等 抑留・拘禁を受けた後の無罪 |
| 請求期限・手続 | 確定後6か月以内(188条の3) | 188条の5の手続による 無罪裁判確定から3年以内(刑事補償法7条) |
| 金額基準 | 弁護士報酬は刑事訴訟費用等に関する法律の基準額 | 同上の費用範囲に準じる 1日1,000円〜12,500円(刑事補償法4条) |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は無罪確定者への補償を主に刑事補償法で扱う。防御費用の補償は日本ほど明文化が進んでおらず、制度設計に差がある
韓国も刑事訴訟法に無罪費用補償の明文規定を置き、請求期限を定める点で日本188条の2と構造が近い
ドイツは無罪時の費用を原則国庫負担とし、訴追措置による損害は StrEG で補償する。費用と損害を分けて手当てする
米国は無罪でも弁護士費用は原則自己負担。検察の不当訴追が認められる限定的場合にのみ費用償還が可能で、補償の射程が狭い
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 痴漢冤罪で起訴され、私選弁護人に三百万円を払って一年半。ついに無罪確定。だが解放感に浸るうち、費用補償の6ヶ月の期限がじわじわ迫る。確定直後に動いた人と、半年後に思い出した人の差は、数百万円の現金だ
- もし、勾留されたまま無罪になったとしたら? あなたは刑事補償法で拘禁日数分(1日最大12,500円)を、188条の2で弁護士費用を、二本立てで請求できる。両方を知っているかどうかで、取り戻す総額が倍違ってくる
- 窃盗で起訴された大学生が無罪に。弁護士費用は親が立て替えた。だが188条の2で補償を請求できるのは「被告人であつた者」本人だけ。立て替えた親への返済は、当事者間で別に解決するしかない
- 無罪確定からすでに5ヶ月。あと一ヶ月で費用補償の請求期限が切れる。今から弁護士報酬の領収書、出廷の旅費の証憑、確定判決の謄本をかき集めて裁判所に出さなければ、数百万円の請求権が永遠に消える
取るべき行動
被害を受けた側:1. 無罪判決が確定したら、その日を起算点に6ヶ月の期限をカレンダーに記入する(188条の3)。2. 弁護士報酬の領収書、出廷の旅費・宿泊の証憑、確定判決の謄本を集める。3. 判決をした裁判所に費用補償の請求書を提出する。4. 勾留されていたなら刑事補償法の補償も同時に申し立てる。5. 補償額の決定に不服なら即時抗告できる。報酬は基準額に縛られる前提で、実費部分を漏れなく計上する
訴えられた側:1. 取調べで虚偽の自白をした、または捜査を混乱させたと国側に主張されると、2項により補償を減額・拒否される可能性がある。自白の経緯(取調べの録音録画、弁護人の立会記録)を保全しておく。2.「自分の責めに帰すべき費用」(不必要に審理を引き延ばした等)とされそうな部分は、各費用の必要性を説明できる記録を残して争えるようにする。3. 減額・不支給の決定が出たら即時抗告で争う
時効(請求できる期限):無罪の判決が確定した後6ヶ月以内に請求しなければならない(刑事訴訟法188条の3第1項)。起算点は「判決確定日」であり、判決言渡日ではない。この6ヶ月を過ぎると費用補償請求権は消滅する。なお検察官の上訴に係る188条の4の費用補償は、別枠の手続(188条の5)による
学説
通説:188条の2の費用補償は、無罪者の防御費用を国が填補する制度であるが、実費全額の填補ではなく定型的な基準額による補償にとどまる。本人の責めに帰すべき費用(1項但書)や虚偽自白による起訴(2項)は補償の制限事由とされ、原状回復と濫用防止・財政的節度の均衡を図るものと解されている。
改正沿革 AI による整理
- 平成16年(2004年) 司法制度改革に伴う刑事訴訟法改正により、無罪判決確定時の費用補償制度(188条の2から188条の7)を新設。従来、無罪となっても自己の防御費用は本人負担であったが、国による費用補償の道を開いた
改正の年表
- 1.平成16年(2004年) 新設:司法制度改革に伴う刑事訴訟法改正により、無罪判決確定時の費用補償制度(188条の2から188条の7)を新設。従来は無罪となっても自己の防御費用は本人負担であったが、国による費用補償の道を開いた。
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