刑事訴訟法 第281条の2
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裁判所は、公判期日外における証人尋問に被告人が立ち会つた場合において、証人が被告人の面前(第百五十七条の五第一項に規定する措置を採る場合並びに第百五十七条の六第一項及び第二項に規定する方法による場合を含む。)においては圧迫を受け充分な供述をすることができないと認めるときは、弁護人が立ち会つている場合に限り、検察官及び弁護人の意見を聴き、その証人の供述中被告人を退席させることができる。この場合には、供述終了後被告人に証言の要旨を告知し、その証人を尋問する機会を与えなければならない。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 刑事訴訟法第281条の2は、日本の刑事訴訟法に含まれる条文です。
- 刑事訴訟法第281条の2の条文原文は「裁判所は、公判期日外における証人尋問に被告人が立ち会つた場合において、証人が被告人の面前(第百五十七条の五第一項に規定する措置を採る場合並びに第百五十七条の六第…」で始まります。
- 刑事訴訟法第281条の2は第一節 公判準備及び公判手続に置かれています。
- 刑事訴訟法の公布日は昭和23年7月10日です。
- 刑事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 刑事訴訟法第281条の2の前の条は刑事訴訟法第281条です。
- 刑事訴訟法第281条の2の次の条は刑事訴訟法第281条の3です。
- 刑事訴訟法第281条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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- 正式書式
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第281条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000131 - 本サイト収録
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第281条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000131/281_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点刑事訴訟法281条の2は、公判期日外の証人尋問で証人が被告人の面前では充分に供述できないとき、弁護人在廷を条件に被告人を退席させる制度を定める。
Q · 裁判で証人尋問のとき、被告人を部屋から出すことって本当にできるの?
弁護人在廷が条件で、退席後も要旨告知と尋問機会が保障される
刑事訴訟法281条の2により、公判期日外の証人尋問で証人が被告人の面前では圧迫を受け充分に供述できないと裁判所が認めるとき、被告人を退席させることができます。ただし弁護人が立ち会っている場合に限られ、検察官と弁護人の意見を聴く必要があります。さらに供述終了後は被告人に証言の要旨を告知し、その証人を尋問する機会を与えなければなりません。退席させられても証人審問権(憲法37条2項)は時間差で行使でき、完全には失われません。
解説
法廷であなたが席を外すよう命じられる瞬間がある。証人があなたの顔を前にすると怖くて話せない、そう裁判所が判断したときだ。刑事訴訟法281条の2は、公判期日外の証人尋問で被告人であるあなたを退席させる権限を裁判所に与えている。だが、この権限には三つの鎖がついている。第一に、弁護人が立ち会っている場合に限る。弁護人不在で被告人だけ追い出すことは許されない。第二に、検察官と弁護人の意見を聴かなければならない。第三に、供述が終わった後、あなたに証言の要旨を告知し、その証人を尋問する機会を与えなければならない。つまり、部屋から出されても、何を言われたかを知る権利と、反対尋問する権利を失うわけではない。憲法37条2項が保障する証人審問権は、あなたが部屋にいなくても消えない。この告知と尋問機会が欠ければ、その証拠調べ手続には法令違反があり、控訴理由になりうる。
法的な位置づけ
刑事訴訟法281条の2は、公判期日外の証人尋問における被告人の退席を定める規定である。証人が被告人の面前では圧迫を受け充分な供述をできないと裁判所が認める場合に、弁護人在廷を要件として、検察官および弁護人の意見を聴いた上で供述中に被告人を退席させることを認める。退席後は証言の要旨の告知と尋問機会の付与を義務づける。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.尋問前に退席・保護措置の要否を整理 被害者・証人側は検察官に、被告人側は弁護人に、被告人の面前で供述できるかの不安や反対尋問したい点を事前に共有する。退席だけでなく遮蔽措置・ビデオリンク方式の併用も検討する
- 2.弁護人の在廷を必ず確認 被告人退席は弁護人在廷が絶対条件である。退席を命じられる前に弁護人が確実に法廷に在廷しているかを確認する。弁護人不在の退席は要件違反であり、その場で指摘できる
- 3.退席前に反対尋問のポイントを弁護人へ託す 退席を命じられたら、被告人は自分の言い分と反対尋問してほしい点を弁護人に十分共有しておく。退席中に証人を尋問するのは弁護人だからである
- 4.要旨告知の場で尋問機会を行使 供述終了後の要旨告知では内容をメモし、矛盾や不自然な点を弁護人に伝え、必ず尋問機会を行使する。要旨告知や尋問機会が省略されたら、その場で異議(刑訴法309条)を述べ記録に残させる
よくある質問 AI による整理
Q1被告人の退席とは何ですか?
公判期日外の証人尋問で、証人が被告人の前では話せないと裁判所が認めたとき、供述中だけ被告人を部屋の外に出す制度です。刑事訴訟法281条の2が根拠で、弁護人在廷が条件です。
Q2刑事訴訟法281条の2の要件は?
証人が被告人の面前で圧迫を受け充分に供述できないこと、弁護人が立ち会っていること、検察官と弁護人の意見を聴くこと、退席後に要旨告知と尋問機会を与えること、の四点です。
Q3弁護人がいないと被告人を退席させられない?
退席させられません。281条の2は弁護人が立ち会っている場合に限ると明記しています。弁護人不在で被告人だけ退席させた手続は要件違反となります。
Q4公判期日外の証人尋問とは?
法廷の正式な公判期日とは別に、裁判所外や別期日で行う証人尋問です。証人が高齢・病気・遠隔地などの事情で公判廷に出にくい場合などに使われます。
Q5遮蔽措置やビデオリンクと退席はどう違う?
遮蔽措置(157条の5)は衝立で視線を遮り、ビデオリンク(157条の6)は別室から映像で尋問します。退席(281条の2)は被告人を物理的に部屋から出す点でより強い措置で、併用もできます。
Q6証人が怖くて話せないとき被害者はどうすればいい?
尋問前に検察官へ不安を具体的に伝えてください。検察官が裁判所に被告人退席の必要性を主張でき、遮蔽措置やビデオリンク方式の併用も求められます。
Q7退席命令に異議は出せる?
要旨告知や尋問機会が与えられないなど手続違反があれば、刑事訴訟法309条により証拠調べに関する異議を述べ、調書に記録させることができます。
Q8被告人退席で得た証言は控訴で争える?
要旨告知や尋問機会を欠くなど手続違反があれば、訴訟手続の法令違反(刑訴法379条)として控訴審で争えます。ただし第一審で異議を述べ記録化しておくことが重要です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1裁判で被告人を部屋から出すって、それ被告人の権利侵害じゃないんですか?
完全な侵害にはなりません。281条の2は被告人の証人審問権(憲法37条2項)を守る仕掛けを内蔵しているからです。退席させられるのは弁護人が在廷している場合に限られ、供述終了後には必ず証言の要旨が告知され、その証人を尋問する機会が与えられます。実務のポイント:この制度の急所は『弁護人在廷』です。弁護人を選任していない被告人には、そもそも退席措置を採れません。だからこそ重大事件では弁護人を早く確保しておくこと自体が、手続上の自分の立場を守ることにつながります
Q2退席させられたら、その証言に反論できないまま不利になるんじゃないですか?
反論できます。供述が終わった後に証言の要旨が告知され、その証人を尋問する機会が必ず与えられるので、時間差で反対尋問ができます。公判期日の法廷でも同じ趣旨の規定(刑訴法304条の2)があり、被告人退廷後の尋問機会は手続の必須要件です。実務のポイント:もし要旨告知や尋問機会が飛ばされたら、その場で異議(刑訴法309条)を述べて調書に残させることが決定的です。記録に残っていれば、控訴審で訴訟手続の法令違反(刑訴法379条)として争えます。黙って見過ごすと、後から問題にしても取り合ってもらえません
間違えやすい点 AI による整理
- あなたから見れば『被告人を追い出すなんて不公平だ』と映るが、法律から見れば、これは証人が萎縮せず真実を語るための装置であり、同時に弁護人在廷と要旨告知で被告人の権利も守る精密なバランスだ。この構造を知らないまま不公平だと叫ぶだけでは、手続上の本当の争点を見逃す
- 被告人退席の制度があること自体は知っていても、その効力が『弁護人在廷』という一点に全面的に依存している深刻さを知る人は少ない。弁護人が立ち会っていない退席は、そもそも条文の要件を満たさず、退席させて得た証言の手続的正当性が根元から揺らぐ
- 『退席させられたら証人に何も言い返せない』と思われがちだが、実際は供述終了後に必ず尋問機会が与えられる。反対尋問の権利は退席によって消えるのではなく、時間差で行使されるだけだ
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 対象となる場面 | 281条の2:公判期日外の証人尋問における被告人の退席 | 304条の2:公判期日の証人尋問における被告人の退廷 157条の5・6:遮蔽措置/ビデオリンク方式(被告人は在廷) |
| 被告人の位置 | 供述中だけ部屋から退席させる | 供述中だけ法廷から退廷させる 在廷したまま視線を遮る/別室と接続する |
| 必須の担保 | 弁護人在廷 + 意見聴取 + 要旨告知 + 尋問機会 | 退廷後の要旨告知 + 尋問機会 弁護人の在廷と尋問機会は維持される |
他国ではどう定めているか 4 か国
審判長は証人が被告の面前で自由に陳述できないと予想する場合、その陳述時に被告を退廷させられる。退廷後に陳述の要旨を告げる点で日本と類似する
証人が被告人の面前で充分に陳述できないおそれがあるとき裁判所は被告人を退廷させられる。退廷後に陳述の要旨を告知する点で日本と構造が近い
ドイツは被告人の在廷が証人の真実供述を妨げる等の場合に被告人を退席させ、復帰後に審理内容を告知する。弁護人在廷を前提とする点で日本と共通
米国は対面権(Confrontation Clause)を原則としつつ、児童被害者保護等の重要な公益があれば閉回路テレビ等の代替手段を許容。証人保護と対質権の調整という課題は共通
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 性犯罪の被害者として証言する日、加害者である被告人と同じ部屋にいて、声が出るだろうか? 281条の2はまさにこの場面のための条文だ。証人が被告人の面前で圧迫され充分に話せないと裁判所が認めれば、被告人を退席させて証言を続けさせられる。さらに遮蔽措置やビデオリンク方式と組み合わせて、証人の負担を一段下げることもできる
- あなたが被告人で、ある日突然『退席してください』と命じられる。何を証言されているか分からないまま、隣室で待たされる。だが弁護人は法廷に残っている。あなたの代わりに証言を聞き、反対尋問の材料を握っているのは弁護人だ。退席後の要旨告知で、あなたは初めて何が語られたかを知る
- 退席を命じられ、隣室で待つ。証言が終わり、あなたに要旨が告知される。この瞬間に弁護人へ反対尋問のポイントを伝えなければ、せっかくの尋問機会は流れていく
取るべき行動
被害を受けた側:証人として被告人の前では話せないと感じるなら、尋問の前に検察官にその不安を具体的に伝えること。検察官が裁判所に被告人退席の必要性を主張できる。あわせて遮蔽措置(刑訴法157条の5)やビデオリンク方式(同157条の6)の併用も求められる。被告人退席は弁護人在廷が条件なので、これらの保護措置を組み合わせ、あなたが安心して証言できる環境を裁判所に整えさせる
訴えられた側:退席を命じられたら、まず弁護人が確実に在廷しているかを確認する。弁護人不在の退席は要件違反だ。退席に先立ち、あなたの言い分と反対尋問してほしい点を弁護人に十分共有しておく。供述終了後の要旨告知では告知内容をメモし、不明点や反論したい点を弁護人に伝えて、必ず尋問機会を行使する。告知や尋問機会が与えられなければ、その場で異議(刑訴法309条)を述べ、記録に残させる
時効(請求できる期限):特定の時効はないが、手続上の権利なのでその場で行使する必要がある。要旨告知や尋問機会の欠落など手続違反があれば、第一審の証拠調べの時点で異議(刑訴法309条)を述べて記録化し、控訴審で訴訟手続の法令違反(刑訴法379条)として争う。異議を述べずに見過ごすと、控訴審での主張が困難になる
学説
通説:281条の2の被告人退席は証人保護のための例外であり、弁護人在廷・意見聴取・要旨告知・尋問機会という担保を欠くことはできない。これらの手続を欠いた証拠調べには法令違反があり、被告人の証人審問権(憲法37条2項)の実質的保障の観点から控訴審で問題となりうるとされる。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成12年(2000年) 改正:犯罪被害者保護の一連の法改正により、遮蔽措置(157条の5)やビデオリンク方式(157条の6)など証人保護の特例が整備され、被告人退席の運用もこれらと併用される枠組みが整えられた。
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