刑事訴訟法 第304条の2
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裁判所は、証人を尋問する場合において、証人が被告人の面前(第百五十七条の五第一項に規定する措置を採る場合並びに第百五十七条の六第一項及び第二項に規定する方法による場合を含む。)においては圧迫を受け充分な供述をすることができないと認めるときは、弁護人が出頭している場合に限り、検察官及び弁護人の意見を聴き、その証人の供述中被告人を退廷させることができる。この場合には、供述終了後被告人を入廷させ、これに証言の要旨を告知し、その証人を尋問する機会を与えなければならない。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 刑事訴訟法第304条の2は、日本の刑事訴訟法に含まれる条文です。
- 刑事訴訟法第304条の2の条文原文は「裁判所は、証人を尋問する場合において、証人が被告人の面前(第百五十七条の五第一項に規定する措置を採る場合並びに第百五十七条の六第一項及び第二項に規定する方法によ…」で始まります。
- 刑事訴訟法第304条の2は第一節 公判準備及び公判手続に置かれています。
- 刑事訴訟法の公布日は昭和23年7月10日です。
- 刑事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 刑事訴訟法第304条の2の前の条は刑事訴訟法第304条です。
- 刑事訴訟法第304条の2の次の条は刑事訴訟法第305条です。
- 刑事訴訟法第304条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第304条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000131 - 本サイト収録
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第304条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000131/304_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点刑事訴訟法304条の2は、証人が被告人の面前で圧迫を受け十分に供述できない場合、弁護人の在廷を条件に証言中の被告人退廷を認める。証言後は要旨告知と反対尋問の機会が必要となる。
Q · 性被害の裁判で、加害者の目の前で証言しなくて済む方法はありますか?
あります。証言中だけ被告人を退廷させられます
刑事訴訟法304条の2により、証人が被告人の面前では圧迫を受け十分に供述できないと裁判所が認める場合、証言中に限り被告人を退廷させることができます。発動には弁護人の在廷が絶対条件で、検察官・弁護人の意見聴取も必要です。遮へい措置(157条の5)やビデオリンク方式(157条の6)を併用してもなお不十分なときの最終手段です。証言終了後は被告人を入廷させ、証言の要旨を告知し、反対尋問の機会を与えることで防御権を回復させます。
解説
性犯罪やストーカー、DV の被害に遭い、ようやく告訴まで漕ぎ着けた。だが法廷で待っているのは、加害者と同じ空間で、その視線を浴びながら被害の詳細を語る試練だ。多くの被害者がこの一点で証言を諦める。刑事訴訟法304条の2は、その壁を壊すための条文である。証人が被告人の面前では圧迫を受けて十分に話せないと裁判所が認めれば、その証言の間だけ被告人を法廷から退廷させられる。衝立で姿を隠す遮へい措置や、別室からモニター越しに証言するビデオリンク方式を使っていても、なお足りないと判断されれば、被告人本体を物理的に外に出せる。ただし条件がある。弁護人が法廷にいること、検察官と弁護人の意見を聴くこと、そして証言が終われば被告人を呼び戻し、証言の要旨を伝え、反対尋問の機会を必ず与えること。被告人の防御権を完全には奪わない、緻密な設計になっている。
法的な位置づけ
刑事訴訟法304条の2は被告人の退廷措置を定める規定であり、証人が被告人の面前で圧迫を受け十分な供述ができないと認められる場合に、弁護人が出頭していることを前提として、証言中に限り被告人を法廷から退廷させる手続を規律する。遮へい措置やビデオリンク方式を併用してもなお不十分な場合の最終手段として機能する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.公判前の証人テストで恐怖を具体的に伝える 公判当日ではなく事前の証人テストの段階で、検察官に『被告人の面前では十分に話せない』と伝える。過呼吸・声が出ない・手が震えるなどの身体反応があれば必ず具体的に申告する
- 2.遮へい・ビデオリンクの併用も同時に求める 遮へい措置(刑訴法157条の5)やビデオリンク方式(同157条の6)の併用を同時に申し入れる。退廷措置はこれらを使ってもなお足りない場合の最終手段なので、段階的に組み合わせる
- 3.被害者参加で早期に弁護士をつける 被害者参加制度(刑訴法316条の33)を使い、被害者側の弁護士を早期につける。各保護措置の通りが格段に良くなり、検察官・裁判所との段取りがスムーズになる
- 4.退廷措置を検察官を通じて申し立てる 遮へい・ビデオリンクでも不十分なら、検察官を通じて304条の2の退廷を申し立てる。最終判断は裁判所だが、弁護人の在廷と意見聴取という要件を満たす形で進める
- 5.(被告側)弁護人の在廷と要旨告知を厳格にチェック 被告側は退廷命令を拒否できないが、弁護人を必ず在廷させ、退廷中の証言内容をメモさせる。入廷後の証言要旨告知が形式的・不十分なら、その場で異議を述べて補充を求め、反対尋問を準備して臨む
よくある質問 AI による整理
Q1被告人の退廷措置とは何ですか?
証人が被告人の面前で圧迫を受け十分に話せないと裁判所が認めるとき、証言中だけ被告人を法廷から退廷させる措置です。刑事訴訟法304条の2が根拠で、弁護人の在廷が条件です。
Q2被告人を退廷させるための条件は何ですか?
弁護人が出頭していること、検察官と弁護人の意見を聴くこと、そして証言終了後に被告人を入廷させ要旨を告知し反対尋問の機会を与えること。この三点がすべて必要です。
Q3遮へい措置やビデオリンクと退廷措置はどう違いますか?
遮へい(157条の5)は衝立で視線を遮り、ビデオリンク(157条の6)は別室から証言します。304条の2の退廷はそれらを使ってもなお足りない場合に被告人本体を物理的に外に出す最終手段です。
Q4子どもの証人でも被告人を退廷させられますか?
できます。虐待した親が被告人の事件などで、付添人やビデオリンクを使っても萎縮するときは、親である被告人を退廷させて子どもの証言を引き出せます。
Q5退廷措置を申し立てるのは誰ですか?
最終判断は裁判所ですが、実務では証人側が検察官を通じて求めます。公判前の証人テストで「被告人の前では話せない」と伝えておくと発動しやすくなります。
Q6退廷している間、被告人の防御権はどうなりますか?
証言終了後に被告人は入廷させられ、証言の要旨を告知され、反対尋問の機会を必ず与えられます。退廷は防御権の放棄ではなく、時間軸をずらして審問権を保障する設計です。
Q7退廷措置に被告人は異議を出せますか?
退廷命令自体は拒否できませんが、弁護人不在での退廷や、入廷後の要旨告知が不十分な場合は手続違反として異議を述べ、最終的には控訴で争えます。
Q8退廷手続の違反は控訴で争えますか?
争えます。要旨告知の欠落や反対尋問機会の不付与は、訴訟手続の法令違反(刑訴法379条)として控訴の理由になります。控訴の申立期間は判決宣告日から14日です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1性犯罪の裁判で、どうしても加害者の顔を見たくないんですが、何か方法はありますか?
あります。証言中に被告人を退廷させる制度(刑訴法304条の2)に加え、衝立で視線を遮る遮へい措置(同157条の5)、別室からモニター越しに証言するビデオリンク方式(同157条の6)があり、これらは組み合わせて使えます。実務のポイント:これらは『申請すれば自動で発動』ではなく、検察官が裁判所に働きかけて初めて動きます。証人テストの段階で具体的な恐怖や身体症状を検察官に伝えておかないと、当日に『もう日程と段取りが決まっている』と流されることがある。早めに、具体的に伝えるのが鍵です
Q2被告人を退廷させて証言させたら、後から『公正な裁判じゃない』と無効になりませんか?
要件を満たせば適法で、無効にはなりません。ただし条件が厳格で、弁護人の在廷、検察官と弁護人の意見聴取、証言後の被告人入廷・要旨告知・反対尋問機会の付与(刑訴法304条の2後段)がすべて必要です。実務のポイント:実務で問題になるのは、この『証言の要旨告知』が雑なケース。裁判官が一言二言でまとめて済ませ、被告人が実質的な反対尋問をできなかった場合、控訴審で訴訟手続の法令違反(刑訴法379条)として争われる。被告側弁護人はこの告知の中身を必ず記録し、チェックします
間違えやすい点 AI による整理
- 被告人から見れば「自分の裁判なのに締め出された、不公平だ」と映る。だが法律から見れば、退廷は防御権の放棄ではない。証言終了後の要旨告知と反対尋問の機会が必ずセットになっており、この二点が欠ければ手続違反として上訴で覆る。あなたの視点と法律の視点のこの落差を知らないと、争えるものを争えずに終わる
- 「衝立やビデオリンクがあるから被害者は守られている」とは知られているが、それでも足りない場面があることまでは知られていない。同じ建物の同じ空間に加害者がいる、その事実だけで一言も出ない人がいる。この条文は遮へい・ビデオリンクの『さらに先』に置かれた最終手段である
- 「被告人を退廷させるかは裁判官の裁量で決まる」と思われがちだが、入口の要件は厳格だ。弁護人の在廷が絶対条件で、私選も国選も弁護人がいない公判では、どんなに証人が怯えていても被告人を退廷させることはできない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 保護の手段 | 304条の2:証言中に被告人を物理的に退廷させる | 157条の5:衝立等で被告人と証人を遮へい 157条の6:別室からモニター越しに証言(ビデオリンク) |
| 被告人の在廷 | 証言中は法廷外に退廷(不在) | 在廷したまま視線のみ遮断 在廷したまま映像で証言を視聴 |
| 発動の位置づけ | 遮へい・ビデオリンクでも不十分な場合の最終手段 | 比較的軽度の圧迫緩和措置 対面回避の中間的措置 |
| 防御権の回復 | 証言後の入廷・要旨告知・反対尋問が必須 | 被告人は終始在廷し直接聴取 被告人は終始映像で聴取 |
他国ではどう定めているか 4 か国
被告の在廷が真実発見を妨げる虞があるときに退廷を命じ、証言後に証言要旨を告知する点で日本の304条の2と構造が酷似する。
韓国も証人が被告人の面前で十分に陳述できないと認めるときに被告人を退廷させ、退廷後に要旨を告知して反対尋問の機会を与える同様の枠組みを持つ。
ドイツも証人が被告人の面前で真実を述べないおそれや健康上の重大な不利益がある場合に被告人を退廷させ、再入廷後に証言内容を告知する。手続保障の構造が近い。
米国は対面権(Confrontation Clause)を原則としつつ、児童証人保護の必要性が個別に認められれば一方向クローズドサーキットでの証言を合憲とした。退廷というより遠隔証言で調整する点が日本と異なる。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 性被害の公判で、あなたは証言台に立つ。衝立を立てても加害者の気配が消えず、声が喉で固まる。検察官を通じて「被告人の退廷を求めます」と伝えれば、裁判官がこの条文で動ける。証言の間、加害者はあなたの視界から完全に消える。話せるかどうかの分水嶺がここにある
- もし、虐待を受けた子どもが証人として法廷に呼ばれたら? 加害した親の前で本当のことを話せるはずがない。付添人をつけ、ビデオリンクを使い、それでも萎縮するなら、親である被告人を退廷させる。子どもの口から真実を引き出す最後の手段がこれだ
- あなたが被告人で、ある日「証人尋問の間、退廷してください」と命じられた。法廷の外で待つ数十分、何が聞かれ何が答えられたか分からない。だが戻れば証言の要旨が告げられ、反対尋問の機会が与えられる。そこで弁護人と何を問い返すか、短時間で決めなければならない
取るべき行動
被害を受けた側:1. 公判前の証人テストで検察官に『被告人の面前では十分に話せない』と具体的に伝える。過呼吸・声が出ない・手が震える等の身体反応があれば必ず申告する2. 遮へい措置(刑訴法157条の5)やビデオリンク方式(同157条の6)の併用も同時に求める3. それでも不十分なら検察官を通じて304条の2の退廷を申し立てる。最終判断は裁判所4. 被害者参加制度(刑訴法316条の33)で被害者側の弁護士を早期につけると、各措置の通りが良くなる
訴えられた側:1. 退廷命令そのものは拒否できないが、弁護人を必ず在廷させる。弁護人不在では退廷自体が違法になり、後で争える2. 退廷中、弁護人に証言内容を逐一メモさせる3. 入廷後の『証言の要旨告知』が形式的・不十分なら、その場で異議を述べ補充を求める4. 反対尋問の機会は必ず与えられる。退廷で失った防御を取り戻す最後の場なので、質問を準備して臨む
時効(請求できる期限):特定の時効はない。退廷措置は証人尋問のたびに裁判所がその場で判断する。被告側が手続の瑕疵(要旨告知の欠落、反対尋問機会の不付与など)を争う場合は、その公判廷で異議を述べ、最終的には控訴(刑訴法379条、訴訟手続の法令違反)で主張する。控訴の申立期間は判決宣告日から14日
学説
通説:304条の2の退廷措置は、被告人の証人審問権(憲法37条2項)と証人保護の調整を、退廷自体は認めつつ証言後の要旨告知と反対尋問機会で審問権の実質を回復させる二段構えで解決するものと理解される。弁護人の在廷と事後の反対尋問が手続的保障の核心とされる。
改正沿革 AI による整理
- 平成12年(2000年) 犯罪被害者保護のための刑事訴訟法改正で新設。遮へい措置・ビデオリンク方式の導入とあわせ、証人が被告人の面前で圧迫を受け十分に供述できない場合に被告人を退廷させる規定として追加された
- 平成28年(2016年) 証人等保護関連規定の整備に伴い、本条が引用する条番号が遮へい措置・ビデオリンク方式の現行番号(157条の5、157条の6)に更新された(引用条番号の現行効力を要確認)
改正の年表
- 1.平成12年(2000年) 新設:犯罪被害者保護のための刑事訴訟法改正で新設。遮へい措置・ビデオリンク方式の導入とあわせ、証人が被告人の面前で圧迫を受け十分に供述できない場合に被告人を退廷させる規定として追加された。
- 2.平成28年(2016年) 改正:証人等保護関連規定の整備に伴い、本条が引用する遮へい措置・ビデオリンク方式の条番号が現行番号(157条の5、157条の6)に更新された(引用条番号の現行効力は要確認)。
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