刑事訴訟法 第299条の7
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- 検察官は、第二百九十九条の四第一項、第二項、第六項若しくは第七項の規定により付した条件に弁護人が違反したとき、又はこれらの規定による時期若しくは方法の指定に弁護人が従わなかつたときは、弁護士である弁護人については当該弁護士の所属する弁護士会又は日本弁護士連合会に通知し、適当な処置をとるべきことを請求することができる。
- 2.裁判所は、第二百九十九条の五第三項若しくは第四項若しくは前条第一項から第四項までの規定により付した条件に弁護人が違反したとき、又はこれらの規定による時期若しくは方法の指定に弁護人が従わなかつたときは、弁護士である弁護人については当該弁護士の所属する弁護士会又は日本弁護士連合会に通知し、適当な処置をとるべきことを請求することができる。
- 3.前二項の規定による請求を受けた者は、そのとつた処置をその請求をした検察官又は裁判所に通知しなければならない。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 刑事訴訟法第299条の7は、日本の刑事訴訟法に含まれる条文です。
- 刑事訴訟法第299条の7の条文原文は「検察官は、第二百九十九条の四第一項、第二項、第六項若しくは第七項の規定により付した条件に弁護人が違反したとき、又はこれらの規定による時期若しくは方法の指定に弁護…」で始まります。
- 刑事訴訟法第299条の7は第一節 公判準備及び公判手続に置かれています。
- 刑事訴訟法の公布日は昭和23年7月10日です。
- 刑事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 刑事訴訟法第299条の7の前の条は刑事訴訟法第299条の6です。
- 刑事訴訟法第299条の7の次の条は刑事訴訟法第300条です。
- 刑事訴訟法第299条の7には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第299条の7 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000131 - 本サイト収録
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第299条の7(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000131/299_7
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点刑事訴訟法299条の7は、証人の氏名等秘匿の条件に違反した弁護人について、検察官・裁判所が所属弁護士会に通知し、適当な処置を請求できると定める。
Q · 弁護士が証人の住所を漏らしたら、検察官や裁判所が直接罰せられるの?
直接罰せない。所属弁護士会に通知し処置を請求するだけ
刑事訴訟法299条の7により、氏名等秘匿措置(299条の4以下)に関して付された条件に弁護人が違反したとき、検察官または裁判所は、その弁護人が所属する弁護士会または日本弁護士連合会に通知し、適当な処置をとるべきことを請求できます。検察官や裁判所が弁護人を直接逮捕・処罰することはできません。請求を受けた弁護士会は、とった処置を請求者へ報告する義務を負います(3項)。
解説
暴力団事件やストーカー事件の証人になったあなたの住所を、検察官は被告人に知られないよう守ることができる。刑訴法299条の4以下の氏名等秘匿の仕組みだ。だが、その情報を扱う唯一の相手は被告人の弁護人である。もし弁護人が付された条件を破ってあなたの住所を被告人に漏らしたら、誰が止めるのか。ここで多くの人が誤解する。検察官や裁判所が弁護人を法廷侮辱で罰したり、過料を科したりはできない。できるのは、その弁護人が所属する弁護士会または日本弁護士連合会に通知し、適当な処置をとるよう請求することだけだ。国家が弁護人を直接叩けないのは、弁護士自治という原則を守るためである。そして第3項が効いている。請求を受けた弁護士会は、どんな処置をとったかを必ず請求者へ報告し返さなければならない。投げっぱなしは許されない。
法的な位置づけ
刑事訴訟法299条の7は、氏名等秘匿措置に関して付された条件に弁護人が違反した場合の処置請求を定める規定である。検察官および裁判所は、当該弁護人の所属する弁護士会または日本弁護士連合会に通知し、適当な処置をとるべきことを請求でき、請求を受けた者はとった処置を請求者に通知しなければならない。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.情報漏れの兆候を具体的に記録する 被告人が事件記録にしか存在しないあなたの住所・勤務先・氏名を口にした、不審な手紙が届いたなど、秘匿された情報が漏れた疑いのある事実を日時とともに記録する
- 2.担当検察官または被害者支援室に通報する 記録した事実をただちに担当検察官または検察庁の被害者支援室に伝える。299条の7の処置請求を発動できるのは、違反を認識した検察官・裁判所であり、放置するほど後の立証が難しくなる
- 3.並行して秘匿措置の強化・保護の見直しを求める 弁護人への処置請求とは別の手続きとして、自身の安全確保のため秘匿措置の強化や証人保護の見直しを求める。両者を同時に動かす
- 4.弁護士会の処置結果の報告を確認する 検察官・裁判所が弁護士会・日弁連へ通知し処置を請求すると、第3項により弁護士会はとった処置を請求者へ報告する。請求者を通じて処置の結果を確認する
よくある質問 AI による整理
Q1氏名等秘匿措置とは何ですか?
証人等の氏名や住居を被告人側に知られないよう開示を制限する仕組みです。刑訴法299条の4以下が定め、検察官や裁判所が条件を付して情報を扱わせます。
Q2弁護士会への処置請求とはどのような手続きですか?
検察官・裁判所が、条件違反をした弁護人の所属弁護士会または日弁連に通知し、適当な処置をとるよう求める手続きです。処置内容の判断は弁護士会に委ねられます。
Q3弁護人が秘匿条件を破ったら誰が処分するのですか?
処分するのは国家ではなく、弁護人が所属する弁護士会または日本弁護士連合会です。弁護士自治の原則により、懲戒権は同業者の団体にあります。
Q4証人として住所が被告人に漏れたらどうすればいいですか?
情報漏れの兆候を具体的に記録し、ただちに担当検察官や被害者支援室に伝えます。299条の7を発動できるのは違反を認識した検察官・裁判所だからです。
Q5弁護士会の懲戒にはどんな種類がありますか?
戒告、2年以内の業務停止、退会命令、除名の4種です(弁護士法57条)。除名されると弁護士資格を失うため、職業生命に直結する重い処分です。
Q6弁護士会は処置請求を無視できますか?
できません。299条の7第3項により、請求を受けた者はとった処置を請求した検察官または裁判所へ通知しなければならず、放置は許されません。
Q7なぜ国家は弁護人を直接処罰できないのですか?
弁護士自治を守るためです。国家が弁護人を直接叩ける制度だと弁護人が権力に萎縮し、被告人の防御が弱るため、制裁をあえて同業者の弁護士会に委ねています。
Q8処置請求や懲戒に時効はありますか?
弁護士法63条により、懲戒の事由があったときから3年を経過すると懲戒手続を開始できません。起算点は条件に違反した時です(最新の改正状況をご確認ください)。
この条文についての質問 AI による整理
Q1弁護士が証人の住所を漏らしたら、逮捕されたりしないんですか?
299条の7は刑罰を定めていません。動くのは弁護士会または日本弁護士連合会への通知と処置請求だけで、検察官や裁判所が弁護人を直接逮捕・処罰することはできません。実務のポイント:これは弁護士自治のためで、国家が弁護人を直接叩ける制度にすると弁護人が権力に萎縮し、被告人の防御が弱る。だから制裁をあえて同業者の手に委ねている。軽く見えて、弁護士会の懲戒は除名まである重い手続きだ
Q2弁護人が条件を破ったら、その裁判はやり直しになりますか?
なりません。299条の7が発動するのは弁護人個人への処置請求で、証拠の証拠能力や裁判の進行そのものには影響しません。被告人の刑事手続はそのまま続きます。実務のポイント:被害者や証人は「漏れたら事件が崩れる」と思い込みがちだが、崩れるのは弁護人の職業生命であって事件ではない。自分の安全確保は、秘匿措置の見直しという別ルートで同時に求める必要がある
間違えやすい点 AI による整理
- 弁護人が裁判所の条件を破れば、裁判所が法廷侮辱や過料で直接罰せると思われがちだが、299条の7が用意したのは弁護士会への通知と処置請求だけ。国家は弁護人を直接叩けない構造になっている
- 弁護士会への「処置請求」を軽い注意程度と侮る向きがあるが、弁護士会の懲戒は戒告から業務停止、最も重い除名まである。除名されれば弁護士でなくなる。職業生命に直結する重さを、多くの人が見誤っている
- 「弁護人が条件を破ったら証言や証拠が使えなくなるのか」という問い自体がずれている。299条の7が動かすのは弁護人個人の処置請求であって、証拠の証拠能力や裁判の成否ではない。被告人の事件はそのまま進む
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定の局面 | 299条の7:条件違反をした弁護人への処置請求 | 299条の4:検察官による氏名等の開示制限・条件付与 299条の6:裁判所による開示の時期・方法の指定と条件 |
| 主体 | 検察官(1項)・裁判所(2項) | 検察官 裁判所 |
| 効果 | 所属弁護士会・日弁連への通知と処置請求(直接制裁ではない) | 証人等の氏名・住居の開示を制限する措置の発動 開示の時期・方法を限定し弁護人に条件を付す |
| 違反時の帰結 | 弁護士会の懲戒(戒告〜除名)へ。証拠能力・裁判の成否には影響しない | 措置に対しては299条の5で裁判所に裁定を求められる 条件違反は299条の7第2項の処置請求の対象となる |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も弁護士の懲戒は律師懲戒委員会という自律機関が担い、証人身分の保密は證人保護法が規律する。違反弁護士を懲戒手続に乗せる構造は日本と類似するが、刑訴に専用の処置請求条文を置く点は日本独自
韓国も弁護士の懲戒は弁護士会・大韓弁護士協会の自治に委ねる。証人保護は別法で規律し、条件違反弁護士への対応は懲戒制度経由となる点で日本に近い
ドイツは弁護士の規律違反を弁護士裁判所(Anwaltsgericht)が処理する自治的懲戒制度を持つ。証人保護に関する弁護人の守秘条件違反も職業規律違反として扱われ得る
米国では弁護士懲戒は各州の弁護士会・州最高裁の規律機関が担う。プロテクティブオーダー違反は contempt の対象にもなり得る点で、国家が直接制裁できない日本の設計とは異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし、暴力団関係者の裁判で証人になったあなたの住所が、法廷で被告人の口から出てきたら? それは事件記録にしか載っていない情報だ。弁護人が秘匿条件を破った疑いが濃い。検察官はその弁護人を所属弁護士会に通知し、適当な処置をとるべきことを請求できる
- あなたは弁護人として、実効的な防御には証人の素性を依頼人に伝える必要があると判断し、付された条件に反して開示した。数週間後、所属弁護士会から綱紀委員会の調査開始通知が届き、弁明書の提出期限まで二週間しかない。あなたの判断は正当な弁護活動か、それとも秘匿措置違反か。裁く相手は裁判所ではなく同業者である
- 弁護士会に処置請求の通知が届く。会はそれを放置できない。とった処置を、請求した検察官や裁判所へ必ず報告し返さなければならない
取るべき行動
被害を受けた側:1. 被告人が事件記録にしか存在しないあなたの住所・勤務先・氏名を口にした、手紙が届いたなど、情報漏れの兆候を具体的に記録する2. ただちに担当検察官または被害者支援室に伝える。299条の7の処置請求を発動できるのは、違反を認識した検察官・裁判所だ3. 並行して秘匿措置の強化や保護の見直しを求める。弁護人への処置請求と、あなた自身の安全確保は別の手続きとして同時に動かす
訴えられた側:1. 弁護士会から綱紀委員会の調査通知が届いたら、提出期限内に弁明書を出す。裁くのは裁判所ではなく同業者の委員会だ2. 条件違反ではなく正当な弁護活動の範囲だったという主張を、具体的な防御上の必要性とともに組み立てる3. 戒告から除名まで処分の幅は広い。記録の取り扱い経緯を時系列で残し、依頼人への開示が真に不可欠だった事情を立証する
時効(請求できる期限):299条の7の通知・処置請求そのものに固有の期限はない。ただし弁護士法63条により、懲戒の事由があったときから3年を経過すると懲戒手続を開始できない。起算点は秘匿条件に違反した時(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:本条は氏名等秘匿措置の実効性を確保しつつ、制裁を国家ではなく弁護士会の自律的懲戒に委ねることで弁護士自治を尊重する設計と理解される。第3項の報告義務は、自治が身内のかばい合いに堕すのを防ぐ歯止めとされる。
改正沿革 AI による整理
- 平成28年(2016年)新設 刑事訴訟法等の一部を改正する法律により、証人等の氏名・住居等の情報を保護する氏名等秘匿措置(299条の4から299条の6)を新設するのに伴い、弁護人がその条件等に違反した場合の弁護士会・日本弁護士連合会への通知と処置請求の仕組みとして本条を新設した。2016年12月1日施行
改正の年表
- 1.平成28年(2016年) 新設:刑事訴訟法等の一部を改正する法律により、証人等の氏名・住居等を保護する氏名等秘匿措置(299条の4から299条の6)の新設に伴い、弁護人が条件等に違反した場合の弁護士会・日弁連への通知と処置請求の仕組みとして本条を新設。2016年12月1日施行
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