刑事訴訟法 第307条の2
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- 検察官、被告人又は弁護人の請求により、電磁的記録の取調べをするについては、裁判長は、証拠となる事項に応じ、その取調べを請求した者に、その内容を朗読させ、表示させ、又は再生させなければならない。ただし、裁判長は、自らこれらの措置をとり、又は陪席の裁判官若しくは裁判所書記官にこれらの措置をとらせることができる。
- 2.裁判所が職権で電磁的記録の取調べをするについては、裁判長は、自ら前項に規定する措置をとり、又は陪席の裁判官若しくは裁判所書記官にこれらの措置をとらせなければならない。
- 3.第三百五条第三項及び第四項の規定は、前二項の規定による措置について準用する。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 刑事訴訟法第307条の2は、日本の刑事訴訟法に含まれる条文です。
- 刑事訴訟法第307条の2の条文原文は「検察官、被告人又は弁護人の請求により、電磁的記録の取調べをするについては、裁判長は、証拠となる事項に応じ、その取調べを請求した者に、その内容を朗読させ、表示させ…」で始まります。
- 刑事訴訟法第307条の2は第一節 公判準備及び公判手続に置かれています。
- 刑事訴訟法の公布日は昭和23年7月10日です。
- 刑事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 刑事訴訟法第307条の2の前の条は刑事訴訟法第307条です。
- 刑事訴訟法第307条の2の次の条は刑事訴訟法第307条の3です。
- 刑事訴訟法第307条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第307条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000131 - 本サイト収録
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第307条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000131/307_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点刑事訴訟法307条の2は、電磁的記録の取調べについて、請求した者が証拠となる事項に応じて内容を朗読・表示・再生すると定める。裁判長や職権による取調べも認められる。
Q · ドラレコや LINE のデータが刑事裁判の証拠になったら、誰がどう法廷で見せるの?
請求した側が必要な場面を朗読・表示・再生します
刑事訴訟法307条の2により、電磁的記録(デジタルデータ)の取調べでは、それを請求した検察官・被告人・弁護人が、証拠となる事項に応じてその内容を朗読し、画面に表示し、または再生します。裁判長が自ら、または陪席の裁判官・裁判所書記官にこれらの措置をとらせることもでき、裁判所が職権で取り調べる場合は裁判長側が措置をとります。つまり「データを出す」だけでなく「どの場面をどう見せるか」が手続として定められており、見せ方の主導権が争点になります。
解説
スマホの位置情報、ドライブレコーダーの映像、LINE のトーク履歴、防犯カメラのデータ。あなたが関わるかもしれない刑事事件で、証拠の主役はもはや紙の書類ではなくデジタルデータだ。だが、そのデータが法廷でどう扱われるかを定めた条文があることを、ほとんどの人は知らない。刑訴法307条の2は、電磁的記録を証拠調べするとき、それを請求した側、つまり検察官か被告人か弁護人が、証拠となる事項に応じてその内容を朗読し、画面に表示し、または再生しなければならないと定める。ここに見落とされがちな力学がある。同じ一時間のドラレコ映像でも、どの十秒を再生し、どの場面を切り出すかは、出した側が選ぶ。あなたが被告人なら、検察官が選んだ場面だけで法廷の空気が固まる前に、有利な場面の再生を自ら請求できる立場にある。裁判長が自ら再生することも、職権で取り調べることもある。証拠の中身そのものではなく、見せ方が争点になる。
法的な位置づけ
刑事訴訟法307条の2は、電磁的記録(デジタルデータ)の証拠調べの方式を定める規定である。証拠書類の朗読(305条)や証拠物の展示(306条)と並ぶ取調べ方式として、電磁的記録については請求者または裁判所側が証拠となる事項に応じて内容を朗読・表示・再生する手続を規律する。2023年の刑事手続 IT 化により新設された。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.証拠開示で電磁的記録の全体を確認する 検察官が電磁的記録の取調べを請求したら、まず開示された元データの全体を確認する。法廷で再生される予定の範囲が、全体のどの部分にあたるのかを把握しておく
- 2.再生範囲が一部か全体かをチェックする 法廷で「どこからどこまで」再生されるかを必ずメモする。検察官が核心の数秒だけを切り取り、不利な前後の文脈を省いていないかを確認する
- 3.有利な場面の再生を自ら請求する 同じ記録に有利な場面があるなら、その部分の再生を弁護側から請求する。裁判官の心証が固まる前に、同じデータで文脈を取り戻す
- 4.再生方法に異議があれば直後に申し立てる 再生方法や表示が不正確・誤導的なら、その証拠調べの直後に刑訴法309条で異議を申し立てる。データの同一性に疑義があれば、証拠能力そのものを争う
よくある質問 AI による整理
Q1電磁的記録とは刑事裁判で何を指しますか?
スマホの位置情報、ドラレコ映像、LINE のトーク履歴、防犯カメラ映像など、電子的に記録されたデータ全般を指します。307条の2はこれらの取調べ方式を定めます。
Q2デジタル証拠の朗読・表示・再生はどう違いますか?
テキストは朗読、画像や文書データは画面に表示、音声や動画は再生します。証拠となる事項に応じて、どの方式で見せるかを請求者または裁判所側が選びます。
Q3裁判官が職権でデジタル証拠を取り調べることはありますか?
あります。307条の2第2項により、裁判所が職権で取り調べる場合、裁判長が自ら、または陪席の裁判官・裁判所書記官に朗読・表示・再生をさせます。
Q4弁護人もデジタル証拠の再生を請求できますか?
できます。条文は検察官・被告人・弁護人の請求を等しく認めており、検察官が一部だけ再生した同じ記録から、弁護側が別の場面の再生を請求できます。
Q5デジタル証拠の再生方法に異議は出せますか?
出せます。再生方法や表示が不正確・誤導的なら、その証拠調べの直後に刑訴法309条で異議を申し立てます。タイミングを逃すと失権します。
Q6LINE のトーク履歴は刑事裁判の証拠になりますか?
なり得ます。電磁的記録として307条の2の取調べ方式で法廷に現れます。ただしデータの同一性(改変の有無)は別途争える独立の争点です。
Q7刑事手続の IT 化で証拠調べはどう変わりましたか?
従来は書類と証拠物しか想定していなかった取調べ方式に、電磁的記録の朗読・表示・再生という方式が加わりました。デジタルデータが正面から取調べの対象になりました。
Q8307条の2はいつ新設されましたか?
令和5年(2023年)法律第28号により、刑事手続の電子化に伴い新設されました。施行は段階的であり、最新の施行状況の確認が必要です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1ドラレコや防犯カメラの映像って、裁判で全部見せられるんですか?
全部とは限りません。刑訴法307条の2は、請求した側が「証拠となる事項に応じて」再生すると定めており、争点に関係する部分を選んで再生されるのが通常です。実務のポイント:検察官は不利な前後の文脈を省き、核心の数秒だけを再生することがあります。弁護人はこれに対し、同じ記録の別の場面を再生請求して文脈を取り戻す。映像が出たら「どこからどこまで流れたか」を必ずメモする習慣が効く
Q2デジタルデータの証拠って、本物かどうかどうやって確かめるんですか?
再生方法を定めた307条の2とは別に、そのデータが改変されていないか(同一性、真正性)は独立した争点になります。ハッシュ値の照合や、データ取得の経緯が問われます。実務のポイント:弁護実務では、検察官が出した電磁的記録の「取得から法廷提出までの履歴」の開示を求めるのが定石です。一部だけ抜き出されたデータは、元データとの照合を求めることで、切り取りの不当性を可視化できる
間違えやすい点 AI による整理
- デジタル証拠が裁判で使われること自体は知っていても、その「見せ方」を出した側が選べるという深刻さに、多くの人は気付いていない。一時間の映像のうち法廷で流れるのは数十秒。その数十秒を誰が選ぶかで、裁判官の心証は大きく動く
- 「デジタルデータは客観的だから、出せばそのまま真実が伝わる」という前提そのものが誤っている。電磁的記録は朗読、表示、再生という人の操作を経て初めて法廷に現れる。操作する人がいる以上、そこには必ず取捨選択が入り込む
- あなたから見れば「証拠を提出した、つまり中身が全部見られる」だが、手続から見れば「請求した者が、証拠となる事項に応じて見せる」。全データの開示と法廷での再生は別物だ。この落差を知らないと、不利な切り取りに気付けない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 取調べの対象 | 307条の2:電磁的記録(デジタルデータ) | 305条:証拠書類 306条:証拠物 |
| 取調べ方式 | 朗読・表示・再生(事項に応じて選択) | 朗読 展示 |
| 措置をとる主体 | 請求者/裁判長・陪席裁判官・裁判所書記官 | 請求者または裁判長等 請求者または裁判長等 |
| 争い方 | 再生方法への異議(309条)+同一性の争い | 朗読範囲への異議(309条) 展示方法への異議(309条) |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も録音・録影・電磁紀錄について「適当な設備で音声・影像・符号・資料を顕示する」と方式を明文化しており、デジタル証拠の調査方式を独立に規定する点で日本と方向性が一致する。
韓国は図面・写真・録音テープ・ビデオテープ・コンピュータ用ディスク等の調査方式を最高裁判所規則に委任する構造をとり、デジタル証拠の取調べを規則で具体化する点で日本と手法が異なる。
ドイツは独立した『デジタル証拠調べ』条文を持たず、音声映像データの再生を検証(Augenschein)の枠組みで処理する。日本のように方式を明文化した独立条文を新設した点が対照的。
米国は electronically stored information を文書・録音・写真の定義に取り込み、提示の方式より authentication(Rule 901)に重点を置く。見せ方の方式を条文で定める日本と力点が異なる。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- あおり運転で起訴され、検察官があなたのドラレコ映像のうち急ブレーキの瞬間だけを再生請求した。次回公判まであと二週間。あなた側は、その直前にあった相手の幅寄せが映る場面の再生を請求できる。同じ記録から、どの場面を法廷で流すかの主導権争いが始まる
- もし、あなたのスマホに残った位置情報が「現場にいた証拠」として法廷に出されたら、どう反論する。電磁的記録の取調べでは、表示されるデータの範囲や正確性そのものを争える。出された画面が全体の一部にすぎないなら、その点を突く余地がある
- 友人が痴漢の疑いで起訴され、駅の防犯カメラ映像が証拠になった。あなたは「カメラがあるなら無罪だろう」と思った。だが、どの角度のどの数秒を再生するかで、法廷に残る印象は変わる
取るべき行動
被害を受けた側:1. あなたが被害者で、スマホの脅迫メッセージや録音を証拠にしたいなら、まず元データを改変せず保全する(スクショだけでなく原本のバックアップ)。2. 検察官に証拠調べ請求を促し、どの場面を朗読、表示、再生してほしいか具体的に伝える。3. 証拠となる事項を時系列で整理し、文脈が伝わる再生範囲を提案する。一部だけ切り取られると意図が伝わらない
訴えられた側:1. 検察官が電磁的記録の取調べを請求したら、再生される範囲が全体の一部にすぎないか必ず確認する。2. 有利な場面が同じ記録にあるなら、その部分の再生を自ら請求する。3. 再生方法や表示が不正確、誤導的なら、その証拠調べの直後に刑訴法309条で異議を申し立てる。4. データの同一性(改変の有無)に疑義があれば、証拠能力そのものを争う
時効(請求できる期限):電磁的記録の取調べ自体に時効はない。ただし手続上の急所は二つ。証拠調べ請求は証拠調べ手続の段階で行い、再生方法への異議は当該証拠調べの直後に申し立てなければ失権する(刑訴法309条)。タイミングを逃すと、不利な見せ方を後から覆せない
学説
通説:本条は当事者主義のもと、証拠の意味を最もよく知る請求者に電磁的記録の顕出方法を委ねつつ、裁判長の主宰権と職権取調べ(2項)、305条3項・4項の準用により裁判所による中立的コントロールを確保したものと理解される。デジタル証拠の取捨選択の危険には、再生方法への異議(309条)と同一性・真正性の争いが対抗手段となる。
改正沿革 AI による整理
- 令和5年(2023年)法律第28号 刑事手続の電子化(IT 化)に伴い新設。従来は書類と証拠物しか想定していなかった証拠調べの方式に、電磁的記録(デジタルデータ)の朗読、表示、再生という新たな取調べ方式を加えた。施行は段階的であり、最新の施行状況をご確認ください
改正の年表
- 1.令和5年(2023年) 新設:法律第28号により、刑事手続の電子化(IT 化)に伴い新設。従来は証拠書類(305条)と証拠物(306条)しか想定していなかった証拠調べの方式に、電磁的記録の朗読・表示・再生という取調べ方式を加えた。施行は段階的で、最新の施行状況の確認を要する。
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