刑事訴訟法 第316条の21
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- 検察官は、第三百十六条の十三から前条まで(第三百十六条の十四第五項を除く。)に規定する手続が終わつた後、その証明予定事実を追加し又は変更する必要があると認めるときは、速やかに、その追加し又は変更すべき証明予定事実を記載した書面を、裁判所に提出し、及び被告人又は弁護人に送付しなければならない。この場合においては、第三百十六条の十三第一項後段の規定を準用する。
- 2.検察官は、その証明予定事実を証明するために用いる証拠の取調べの請求を追加する必要があると認めるときは、速やかに、その追加すべき証拠の取調べを請求しなければならない。この場合においては、第三百十六条の十三第三項の規定を準用する。
- 3.裁判所は、検察官及び被告人又は弁護人の意見を聴いた上で、第一項の書面の提出及び送付並びに前項の請求の期限を定めることができる。
- 4.第三百十六条の十四第一項、第三百十六条の十五及び第三百十六条の十六の規定は、第二項の規定により検察官が取調べを請求した証拠についてこれを準用する。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 刑事訴訟法第316条の21は、日本の刑事訴訟法に含まれる条文です。
- 刑事訴訟法第316条の21の条文原文は「検察官は、第三百十六条の十三から前条まで(第三百十六条の十四第五項を除く。」で始まります。
- 刑事訴訟法第316条の21は第二目 争点及び証拠の整理に置かれています。
- 刑事訴訟法の公布日は昭和23年7月10日です。
- 刑事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 刑事訴訟法第316条の21の前の条は刑事訴訟法第316条の20です。
- 刑事訴訟法第316条の21の次の条は刑事訴訟法第316条の22です。
- 刑事訴訟法第316条の21には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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- 正式書式
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第316条の21 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000131 - 本サイト収録
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第316条の21(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000131/316_21
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点刑事訴訟法316条の21は、公判前整理手続の一巡後に検察官が証明予定事実と証拠調べ請求を追加できると定める。追加証拠には類型証拠開示等が準用され、裁判所は期限を定められる。
Q · 公判前整理手続が始まった後でも、検察官は立証を追加できるのですか?
追加できます。ただし裁判所が期限を定められます
刑事訴訟法316条の21により、検察官は316条の13から316条の20までの手続が終わった後でも、証明予定事実を追加・変更する書面を提出し(1項)、証拠調べ請求を追加できます(2項)。もっとも3項により裁判所は双方の意見を聴いて期限を定めることができ、4項により追加証拠には請求証拠開示(316条の14第1項)、類型証拠開示(316条の15)、被告人側の意見表明(316条の16)が準用されます。手続終結後は316条の32の制限がかかります。
解説
公判前整理手続は、法廷が開く前に争点と証拠を固める非公開の会議である。裁判員裁判では必ずこれに付される(裁判員の参加する刑事裁判に関する法律49条)。刑事訴訟法316条の21は、その会議が一巡した後に検察官が「やはりこの事実も立証したい」と言い出せる入口を定めた条文だ。見落とされるのは4項である。検察官が追加請求した証拠については、316条の14第1項(請求証拠の開示)、316条の15(類型証拠開示)、316条の16(被告人側の意見表明)が準用される。検察官が一手足すたびに、弁護側には開示を求める窓がもう一度開くという構造だ。さらに3項で、裁判所は双方の意見を聴いて追加の期限を切れる。早めに期限を切らせておけば、終盤の駆け込み追加は手続終結後の壁(316条の32、やむを得ない事由がなければ証拠調べ請求ができない)に当たり、事実上封じられる。追加は不意打ちではなく、条件と代償のついた一手である。
法的な位置づけ
刑事訴訟法316条の21は、公判前整理手続における検察官の追加立証を定める規定である。316条の13から316条の20までの手続終了後、検察官は証明予定事実を追加・変更する書面を提出し、証拠調べ請求を追加することができる。追加請求された証拠には請求証拠開示、類型証拠開示及び被告人側の意見表明の各規定が準用され、裁判所は当事者の意見を聴いて期限を定めることができる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.追加書面の受領日を記録し準用範囲を確認 検察官から証明予定事実の追加・変更書面や追加の証拠調べ請求が届いたら、まず受領日を記録する。次に316条の21第4項が準用する316条の14第1項(請求証拠の開示)、316条の15(類型証拠開示)、316条の16(被告人側の意見表明)のどれが使えるかを弁護人と確認する
- 2.追加立証に対応する類型証拠開示を請求し直す 追加された立証構造との関連性を具体的に書き、316条の15の類型証拠開示を改めて請求する。一度断られた証拠でも、検察官の立証構造が変われば関連性の説明も変わるため、追加立証との関係で請求し直すのが実務の常道である
- 3.検討時間が足りなければ期限設定と期日変更を求める 次回期日まで日がなく検討しきれない場合、316条の21第3項に基づく期限の設定について意見を述べ、あわせて期日変更を裁判所に申し立てる。期限は裁判所が自発的に切るとは限らず、当事者が意見を述べて初めて動くことが多い
- 4.自分側の予定主張は終結までに出し切る 被告人・弁護人側の主張追加は316条の22の別枠であり、公判前整理手続の終結までに出し切る。終結後は316条の32により、やむを得ない事由がなければ証拠調べを請求できなくなる
よくある質問 AI による整理
Q1公判前整理手続とは何ですか?
第一回公判期日の前に、裁判所・検察官・弁護人が争点と取り調べる証拠を整理して確定させる非公開の手続です。刑事訴訟法316条の2以下に規定があり、裁判員裁判では必ず付されます。
Q2公判前整理手続は傍聴できますか?
できません。公判前整理手続は公開の法廷ではなく、非公開で行われます。被告人は出席することができますが、出席が常に義務づけられているわけではありません。
Q3検察官の追加立証に期限はありますか?
316条の21第3項により、裁判所が検察官及び被告人・弁護人の意見を聴いた上で、書面提出・送付と証拠調べ請求の期限を定めることができます。法律上一律の日数が決まっているわけではありません。
Q4公判前整理手続が終わった後でも証拠調べを請求できますか?
原則としてできません。316条の32により、やむを得ない事由によって公判前整理手続で請求できなかったものを除き、終結後は証拠調べを請求できないとされています。
Q5類型証拠開示の請求はやり直せますか?
検察官が316条の21第2項で証拠調べ請求を追加した場合、同条4項により316条の15が準用されるため、追加された証拠との関係で類型証拠開示を改めて請求することができます。
Q6被告人側も主張を追加できますか?
できます。被告人・弁護人側の予定主張の追加・変更は316条の22が定めており、316条の21の対称規定として位置づけられます。追加の際の手続も同条に従います。
Q7裁判員裁判は必ず公判前整理手続に付されますか?
付されます。裁判員の参加する刑事裁判に関する法律49条により、裁判員裁判の対象事件は必ず公判前整理手続に付さなければならないとされています。
Q8証明予定事実の追加書面が届いたら何をすべきですか?
受領日を記録し、弁護人と4項の準用範囲を確認した上で、追加証拠に対応する類型証拠開示を請求し直します。検討時間が足りなければ3項の期限設定と期日変更を裁判所に求めます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1検察官って、公判前整理手続が始まった後でも証拠を足せるんですか?
足せる。316条の21が正面から認めており、1項で証明予定事実の追加・変更、2項で証拠調べ請求の追加ができる。ただし3項で裁判所が期限を定められ、手続終結後は316条の32により「やむを得ない事由」がなければ請求できない。実務のポイント:弁護人が早い段階で3項の期限設定を求めておくと、終盤の駆け込み追加は事実上止まる。期限は裁判所が自発的に切るとは限らず、当事者が意見を述べて初めて動くことが多い
Q2追加されたら、こっちは反論する材料をもらえるんですか?
もらえる。4項により、追加請求された証拠には316条の14第1項(請求証拠の開示)、316条の15(類型証拠開示)、316条の16(被告人側の意見表明)が準用される。実務のポイント:類型証拠開示は一度断られても終わりではない。検察官の立証構造が変われば関連性の説明も変わるため、同じ証拠を追加立証との関係で請求し直すのが実務の常道である
間違えやすい点 AI による整理
- 「検察官はもう証拠を追加できないのか」という問いの立て方自体がずれている。争点は追加できるかどうかではなく、いつまで追加できるかだ。316条の21の段階では追加は認められ、3項で裁判所が期限を切ることができ、手続終結後は316条の32の「やむを得ない事由」が立ちはだかる。時間軸で見なければ、この条文は読めない
- 公判前整理手続が「準備」であることは多くの人が知っている。知られていないのは、その準備が判決の射程をほぼ確定させてしまう深刻さのほうだ。終結後は主張も証拠も原則として追加できない以上、整理手続で出さなかったカードは、控訴審まで持ち越すか、永久に使わないかの二択になる
- 検察官の証明予定事実の追加は弁護側にとって純粋な不利益だと受け取られがちだが、4項が準用する316条の15により、追加立証に対応する類型証拠の開示を請求し直す機会が生まれる。相手の一手が、こちらの情報請求の正当な口実になる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 誰の一手か | 316条の21:検察官の証明予定事実・証拠調べ請求の追加 | 316条の22:被告人・弁護人の予定主張の追加・変更 316条の32:手続終結後の証拠調べ請求の制限 |
| 時期 | 316条の13から316条の20までの手続終了後、公判前整理手続の終結前 | 公判前整理手続の終結前 公判前整理手続の終結後 |
| 相手方への効果 | 4項により316条の14第1項・316条の15・316条の16が準用され、開示の窓が再度開く | 検察官側に主張関連証拠開示(316条の20)を求める前提が動く 原則として新たな証拠調べができず、防御の追加手段が閉じる |
| 裁判所の関与 | 3項により双方の意見を聴いて提出・請求の期限を定めることができる | 同様に期限設定の対象となる やむを得ない事由の有無を判断する |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も第一回公判期日前の準備程序で争点と証拠を整理する。2003年の刑事訴訟法改正で当事者主義化が進められた点で日本と問題意識が近いが、検察官の追加立証に開示義務を連動させる明文の準用規定は置かれていない
韓国は2007年改正で공판준비절차を整備し、公判準備期日の終結による失権効も規定する。日本の316条の21と316条の32の組合せに構造がよく似ている
ドイツは職権主義的構造のため、争点整理は当事者間の開示ではなく裁判所と当事者の手続状況の協議として現れる。検察官の追加立証に対応する開示請求権という発想は薄い
米国は開示の継続義務(continuing duty to disclose)が明文化され、検察官が新たな証拠を得れば速やかに開示する義務を負う。日本の4項の準用は、請求時に開示義務を再発動させる点で近い機能を果たす
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 公判前整理手続の次回期日まであと三日という段階で、検察官から「証明予定事実追加書面」が届いたらどうなる? 4項により、その追加証拠については類型証拠開示(316条の15)の請求をやり直せる。三日で検討しきれないなら、3項に基づく期限の設定と期日変更を裁判所に求める。黙って受け取ると、防御方針を組み直す時間だけが消える
- 否認を続けている被告人の事件で、手続の終盤に検察官が共犯者の新供述を追加してきた。追加のたびに開示の窓が開くと知っているかどうかで、弁護人への注文の出し方が変わる。知らなければ、ただ不利になったと感じて終わる
- 知人が裁判員に選ばれ、「証拠が少なくて判断しにくかった」とこぼした。法廷に出る証拠が絞られているのは、316条の21と316条の32が「公判前に出す・出さない」の線を引いているからだ。当日に新証拠が飛び出さないのは制度設計の結果であって、検察官や弁護人が手を抜いた結果ではない
取るべき行動
被害を受けた側:被害者参加(刑事訴訟法316条の33)を考えるなら、初公判を待たず整理手続の段階で弁護士に相談する。1. 参加の申出と、事件記録の閲覧・謄写ができる範囲を確認2. 担当検察官に、争点が何になりそうかを聴く3. 検察官が証明予定事実を追加する見込みがあるなら、被害の実情に関する立証が漏れていないか伝える4. 意見陳述の原稿づくりは争点確定後では遅い、整理手続と並行して進める
訴えられた側:1. 追加書面を受け取ったら受領日を記録し、4項が準用する316条の14第1項・316条の15・316条の16の適用を弁護人と確認2. 追加立証に対応する類型証拠の開示を請求し直す3. 検討時間が足りなければ3項の期限設定と期日変更を裁判所に求める4. こちら側の主張追加は316条の22の別枠、終結までに出し切る。終結後は316条の32の壁で原則として追加できない
時効(請求できる期限):民事の消滅時効は関係しない。実務上の期限は二段構え。第一に、3項により裁判所が定める書面提出・証拠調べ請求の期限。第二に、公判前整理手続の終結時点であり、以後は316条の32により「やむを得ない事由によって請求できなかった」ものを除いて証拠調べを請求できない。起算点は終結の日
学説
通説:316条の21第4項が開示規定を準用する趣旨は、検察官の追加立証によって被告人側の防御が不意打ちを受けることを防ぐ点にあると理解されている。追加の自由と防御の予測可能性を、開示義務の再発動と裁判所の期限設定によって均衡させる設計と説明される。
改正沿革 AI による整理
- 平成16年(2004年)改正、平成17年(2005年)11月施行 裁判員制度導入に伴い公判前整理手続が創設され、その一部として本条が新設された。検察官が手続の一巡後に証明予定事実と証拠調べ請求を追加できる道と、その際の開示義務の準用を同時に定めた
- 平成28年(2016年)改正 証拠の一覧表の交付制度の新設に伴い316条の14が項に分かれたため、本条1項の括弧書き(316条の14第5項を除く)および4項の引用が「316条の14第1項」へと整理された
改正の年表
- 1.平成16年(2004年) 新設:裁判員制度導入に伴い公判前整理手続が創設され、その一部として本条が新設された。検察官が手続の一巡後に証明予定事実と証拠調べ請求を追加できる道と、その際の開示規定の準用を同時に定めた(平成17年11月施行)
- 2.平成28年(2016年) 改正:証拠の一覧表の交付制度の新設に伴い316条の14が項に分かれたため、本条1項の括弧書き(316条の14第5項を除く)及び4項の引用が「316条の14第1項」へと整理された
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