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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 収録時点 令和8年9月5日読了 7 分7 分7 分

刑事訴訟法 第480条

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拘禁刑又は拘留の言渡しを受けた者が心神喪失の状態にあるときは、刑の言渡しをした裁判所に対応する検察庁の検察官又は刑の言渡しを受けた者の現在地を管轄する地方検察庁の検察官の指揮によつて、その状態が回復するまで執行を停止する。

この条文の基本情報

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 刑事訴訟法第480条は、日本の刑事訴訟法に含まれる条文です。
  2. 刑事訴訟法第480条の条文原文は「拘禁刑又は拘留の言渡しを受けた者が心神喪失の状態にあるときは、刑の言渡しをした裁判所に対応する検察庁の検察官又は刑の言渡しを受けた者の現在地を管轄する地方検察庁…」で始まります。
  3. 刑事訴訟法第480条は第一章に置かれています。
  4. 刑事訴訟法の公布日は昭和23年7月10日です。
  5. 刑事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
  6. 刑事訴訟法第480条の前の条は刑事訴訟法第479条の2です。
  7. 刑事訴訟法第480条の次の条は刑事訴訟法第481条です。
  8. 刑事訴訟法第480条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第480条
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000131
  • 本サイト収録刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第480条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000131/480

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点刑事訴訟法480条は、拘禁刑または拘留を言い渡された者が心神喪失の状態にあるとき、検察官の指揮で回復するまで執行を停止すると定める。刑は消えず凍結され、回復後に再開される。

Q · 心を病んだ受刑者は、そのまま刑務所に入れられてしまうの?

いいえ、心神喪失なら回復まで執行が停止されます

刑事訴訟法480条により、拘禁刑または拘留を言い渡された者が心神喪失の状態にあるときは、検察官の指揮で、その状態が回復するまで執行が停止されます。重要なのは、刑が消えるのではなく凍結されるという点です。回復すれば残りの刑が執行されます。また、ここでいう心神喪失は犯行時の責任能力(刑法39条)とは別物で、『今、刑を受け止められるか』を問うものです。実務では精神鑑定が事実上の前提となります。

解説

あなたの家族が罪を犯し、刑が確定した。収監を待つ間に本人の精神が崩れ、もはや自分が誰かも、なぜ罰を受けるのかも分からなくなったとしたら。刑事訴訟法480条は、まさにこの瞬間のための条文だ。拘禁刑または拘留を言い渡された者が「心神喪失」の状態にあるとき、検察官の指揮で、回復するまで執行が止まる。誤解してはならないのは二つ。第一に、刑は消えるのではなく「凍結」される。心が戻れば刑の時計はまた動き出す。第二に、ここでいう心神喪失は、刑法39条の「犯行時に責任能力がなく無罪」とは全く別物だ。480条が問うのは犯行時ではなく「今、刑を受ける時点で」本人が罰を罰として受け止められるか。罰は、受け止める心があってはじめて罰になる。その心を失った者を閉じ込めても、それは刑罰ではなくただの収容だ。だから法は時計を止める。そして判断を下すのは裁判官でも医師でもなく、検察官である。

法的な位置づけ

刑事訴訟法480条は、刑の執行段階における心神喪失者に対する執行停止を定める規定である。拘禁刑または拘留の言渡しを受けた者が、刑罰の意味を理解できない心神喪失の状態にある場合、検察官の指揮によって、その状態が回復するまで執行を停止する。犯行時の責任能力を問う刑法39条とは時間軸が異なり、執行の確実性と人道的配慮を調整する制度として機能する。

手順・フロー

AI による整理。効力は条文原文が基準です

手順

  1. 1.本人の異変に気づいたら精神科を受診させ記録を残す 錯乱・自分の状況を理解できない等の兆候があれば、できるだけ早く精神科を受診させ、診断書と通院記録を残す。収監後に『獄中で発症した』と立証するより、状態を早期に客観的記録として残すほうが執行停止の判断は通りやすい
  2. 2.弁護人・当番弁護士・法テラスに連絡する 弁護人がいれば直ちに連絡、いなければ当番弁護士または法テラスに相談する。執行停止の申入れは弁護人を通じて行うのが実務上スムーズで、検察官への働きかけの窓口を確保する
  3. 3.管轄の検察官に心神喪失の状態を申し入れる 刑を言い渡した裁判所に対応する検察庁、または本人の現在地を管轄する地方検察庁の検察官に対し、心神喪失の状態であることを申し入れる。どの検察庁に対し誰がいつ促すかで処遇が変わる
  4. 4.精神鑑定に耐える医学的資料を整え判断を待つ 検察官は医学的資料をもとに執行停止を判断するため、鑑定に耐える資料の厚みを整える。停止されても刑は消えず凍結されるだけである点を理解し、回復後の処遇や時効への影響まで見据える

よくある質問 AI による整理

Q1刑の執行停止とは何ですか?

刑が確定した後、受刑者が心神喪失の状態にあるときなどに、検察官の指揮で執行を一時的に止める制度です。刑そのものは消えず、回復後に再開されます(刑訴480条)。

Q2心神喪失と心神耗弱の違いは?

心神喪失は刑罰の意味を理解できない重い状態、心神耗弱はその能力が著しく低下した状態です。480条が執行停止の対象とするのは原則として心神喪失のレベルです。

Q3執行停止は誰が決めるのですか?

裁判官でも医師でもなく検察官です。刑を言い渡した裁判所に対応する検察庁、または本人の現在地を管轄する地方検察庁の検察官が指揮します(刑訴480条)。

Q4刑の執行停止と刑の時効の関係は?

執行停止中は刑の時効(刑法32条)の進行が止まる扱いとなります。停止すれば時効で刑が消える、という誤解に注意が必要です(最新の改正状況をご確認ください)。

Q5執行停止中に回復したらどうなりますか?

回復したと判断されれば執行が再開され、残りの刑を執行されます。回復評価に納得できないときは、独立した精神科医のセカンドオピニオンが争う材料になります。

Q6刑訴480条と482条の違いは?

480条は心神喪失による必要的な執行停止、482条は疾病・高齢・妊娠等を理由とする裁量的な執行停止です。停止が義務か検察官の裁量かが分かれます。

Q7死刑の場合も心神喪失で執行が止まりますか?

止まります。ただし根拠は480条ではなく479条で、死刑については心神喪失や妊娠を理由に法務大臣の命令で執行が停止される仕組みです。

Q8家族が執行停止を求めるにはどうすればいい?

弁護人を通じて、刑を言い渡した裁判所に対応する検察庁または本人の現在地の地方検察庁の検察官に、心神喪失の状態を申し入れます。診断書など医学的資料の厚みが鍵です。

この条文についての質問 AI による整理

Q1心神喪失で執行が止まったら、もう刑務所に入らなくていいんですか?

いいえ、入らなくてよくなるのではなく、入る時期が先送りされるだけです。480条は「その状態が回復するまで」執行を停止すると定めており、回復すれば残りの刑が執行されます(刑訴480条)。実務のポイント:実務では「回復したかどうか」の判断が曖昧で、主治医の意見と検察官の判断がぶつかることがある。回復評価に納得できないときは、独立した精神科医のセカンドオピニオンを早めに用意しておくと、再開のタイミングを争う材料になる

Q2判決のときは心神喪失じゃなかったのに、あとから発症しても止まるんですか?

止まります。480条が見るのは犯行時ではなく「刑を受ける時点」の状態です。だから判決確定後や収監後に発症しても対象になります(刑訴480条。疾病等による裁量的停止の482条も併存)。実務のポイント:刑法39条の「犯行時の心神喪失」(無罪・減軽)と、480条の「執行時の心神喪失」(執行停止)は全く別の制度です。弁護士でもこの二つを口頭で雑に混ぜて説明する人がいるが、家族にとっては駆け込む窓口も主張も違う。どちらの時間軸の話かを最初に確認すること

間違えやすい点 AI による整理

  • 「心神喪失で無罪になったのでは?」と問う人がいるが、その問いそのものがずれている。480条の心神喪失は無罪とは無関係だ。すでに有罪・刑確定が前提で、執行の段階の話。犯行時の責任能力(刑法39条)とは、見ている時間軸がまるで違う
  • 「心神喪失なら刑を免れる」と思われがちだが、免れるのではなく先送りされるだけだ。回復すれば残りの刑をきっちり執行される。逃げ道ではなく、待機室である
  • 執行停止は検察官が機械的に出すものと思われているが、実務では精神鑑定が事実上の前提になる。「止まる」という結果だけ知っていても意味がない。その前段にある鑑定の質、誰が鑑定資料を整えるかが、停止されるか収監されるかを現実に左右する
比較の観点この条文ほかの条文
対象となる刑480条:拘禁刑・拘留(自由刑)479条:死刑
482条:拘禁刑等(自由刑)
停止事由480条:心神喪失479条:心神喪失・妊娠
482条:疾病・高齢・妊娠・出産・重大な利害等
停止の性質480条:必要的停止(『停止する』)479条:必要的停止
482条:裁量的停止(『停止することができる』)
判断権者480条:検察官の指揮479条:法務大臣の命令
482条:検察官の指揮

他国ではどう定めているか 4 か国

台湾
中華民国刑事訴訟法 第467条

受徒刑・拘役の言渡しを受けた者が心神喪失の場合、検察官の指揮で回復まで執行を停止する点で、日本480条とほぼ同構造。

韓国
대한민국 형사소송법 제470조

심신장애로 의사능력이 없는 수형자について、検事の指揮で回復まで形執行を停止する規定で、日本480条と対応する。

ドイツ
StPO § 455 Abs. 1

ドイツは受刑者が精神疾患(Geisteskrankheit)にある場合の執行延期・中断を定める。日本の必要的停止に近い運用がなされる。

アメリカ
Ford v. Wainwright, 477 U.S. 399 (1986)

米国は受刑能力を欠く者の死刑執行を修正8条違反とするが、自由刑一般の執行停止は州法・矯正実務に委ねられる。

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • もし、収監直前に身内が重度の精神疾患を発症したら、そのまま刑務所に入れられてしまうのか? 答えは、480条により執行は止まる。だが「心神喪失」のレベルに達しているかが分水嶺だ。軽い鬱や不安では足りず、刑罰の意味そのものを理解できないほどの状態が要求される。そのラインをどう立証するかで、収監か停止かが分かれる
  • 服役中の受刑者が獄中で精神を病み、自分がなぜそこにいるのかも分からなくなった。家族が動かなければ、誰も率先して執行停止を申し出ない。検察官の職権発動を、いつ、どの検察庁に対して促すか。その一手で本人の処遇が変わる
  • 判決後、被告人が拘置所で錯乱状態に陥った。検察官は収監ではなく執行停止を指揮した。刑は消えていない、回復を待っているだけだ

取るべき行動

被害を受けた側:1. 本人の異変に気づいたら、できるだけ早く精神科を受診させ、診断書と通院記録を残す。2. 弁護人がいれば直ちに連絡、いなければ当番弁護士・法テラスへ。3. 弁護人を通じ、刑を言い渡した裁判所に対応する検察庁、または本人の現在地を管轄する地方検察庁の検察官に、心神喪失の状態を申し入れる。4. 検察官は医学的資料をもとに執行停止を判断するので、鑑定に耐える資料の厚みが鍵。5. 停止されても刑が消えるわけではない点を理解し、回復後の処遇まで見据える

訴えられた側:1. 執行停止中に「回復した」と判断されれば執行が再開されるので、回復評価が時期尚早でないか主治医・弁護人と確認する。2. 再開判断に異議があれば、医学的根拠を示して再評価を求める。3. 停止期間が刑の時効に与える影響(時効の停止扱い)を把握し、不利な誤解で権利を失わない。4. 判断能力が戻らないまま長期化する場合は、成年後見や医療的処遇の併用も視野に、弁護人と方針を立てる

時効(請求できる期限):特定の申立期限はない。心神喪失の状態が続く限り執行は停止し、回復すれば再開される。ただし刑そのものには刑の時効(刑法32条、拘禁刑の期間に応じる)があり、執行停止中は時効の進行が止まる扱いとなる。停止=刑が時効で消える、という誤解に注意(最新の改正状況をご確認ください)

学説

通説:480条の心神喪失は、刑罰の意味を理解し受け止める能力(受刑能力)を欠く状態を指し、刑法39条の責任能力(犯行時の弁識・制御能力)とは区別される。執行段階での人道的配慮と刑罰目的の確保を調整する規定と解される。

改正沿革 AI による整理

  • 令和4年(2022年)公布、令和7年(2025年6月1日)施行 懲役・禁錮の拘禁刑への統合に伴い、本条の刑名表記が「拘禁刑」に改められた。執行停止の対象となる自由刑の枠組み自体は維持

改正の年表

  1. 1.昭和23年(1948年) 新設:現行刑事訴訟法の制定に伴い、刑の執行段階における心神喪失者の執行停止規定として整備された。
  2. 2.令和4年(2022年)公布・令和7年(2025年6月1日)施行 改正:懲役・禁錮を拘禁刑へ統合する刑法等改正に伴い、本条の刑名表記が『拘禁刑』に改められた。執行停止の枠組み自体は維持。

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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

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