道路交通法 第101条の6(医師の届出)
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- 医師は、その診察を受けた者が第百三条第一項第一号、第一号の二又は第三号のいずれかに該当すると認めた場合において、その者が免許を受けた者又は第百七条の二の国際運転免許証若しくは外国運転免許証を所持する者(本邦に上陸(同条に規定する上陸をいう。)をした日から起算して滞在期間が一年を超えている者を除く。)であることを知つたときは、当該診察の結果を公安委員会に届け出ることができる。
- 2.前項に規定する場合において、公安委員会は、医師からその診察を受けた者が免許を受けた者であるかどうかについての確認を求められたときは、これに回答するものとする。
- 3.刑法の秘密漏示罪の規定その他の守秘義務に関する法律の規定は、第一項の規定による届出をすることを妨げるものと解釈してはならない。
- 4.公安委員会は、その管轄する都道府県の区域外に居住する者について第一項の規定による届出を受けたときは、当該届出の内容を、その者の居住地を管轄する公安委員会に通知しなければならない。
この条文の基本情報
医師の届出とは何ですか?
定義医師の届出とは、道路交通法第101条の6に定められた規定で、「医師は、その診察を受けた者が第百三条第一項第一号、第一号の二又は第三号のいずれかに該当すると認めた場合において、その者が免許を受けた者又は第百七条の二の国際運転…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 道路交通法第101条の6(医師の届出)は、日本の道路交通法に含まれる条文です。
- 道路交通法第101条の6の条文原文は「医師は、その診察を受けた者が第百三条第一項第一号、第一号の二又は第三号のいずれかに該当すると認めた場合において、その者が免許を受けた者又は第百七条の二の国際運転…」で始まります。
- 道路交通法第101条の6は第五節 免許証等の更新等に置かれています。
- 道路交通法の公布日は昭和35年6月25日です。
- 道路交通法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 道路交通法第101条の6の前の条は道路交通法第101条の5です。
- 道路交通法第101条の6の次の条は道路交通法第101条の7です。
- 道路交通法第101条の6には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
道路交通法(昭和三十五年法律第百五号)第101条の6 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/335AC0000000105 - 本サイト収録
道路交通法(昭和三十五年法律第百五号)第101条の6(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/335AC0000000105/101_6
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点道路交通法101条の8は、医師が診察の結果、一定の病気や認知症、中毒に該当すると認めた免許保有者を、公安委員会へ届け出ることができると定める。届出は義務ではなく裁量である。
Q · 病気のことを医師が警察に伝えることって、本当にあるんですか?
あります。届出は適法ですが、義務ではなく医師の裁量です
道路交通法101条の8第1項により、医師は診察した者が同法103条1項1号(一定の病気)、1号の2(認知症)、3号(麻薬・覚醒剤等の中毒)に該当すると認め、その者が免許保有者等であると知ったときは、診察結果を公安委員会へ届け出ることができます。第3項が刑法の秘密漏示罪その他の守秘義務規定はこの届出を妨げないと明記しているため、届け出た医師が守秘義務違反を問われることは原則ありません。ただし条文は「できる」であって義務ではなく、実務ではまず本人に自主返納や自己申告を促したうえで判断されるのが通例です。
解説
持病のことは主治医との間だけの秘密だと思っていないか。てんかんの発作で数年ぶりに受診した、親が認知症と診断された、覚醒剤依存の治療を受けている。こうした場面で、あなたが運転免許を持っていることを医師が知ったとき、医師はその診察結果を公安委員会(各都道府県警察を管理する行政委員会、免許の取消権限を持つ)に通報できる。道路交通法101条の8がそれを正面から認めている。ここで効いてくるのが第3項だ。刑法の秘密漏示罪その他の守秘義務に関する法律の規定は、この通報を妨げるものと解釈してはならない、と明記されている。つまり通報した医師は守秘義務違反に問われない。ただし条文は「しなければならない」ではなく「できる」。あくまで医師の裁量であり、実務では通常、まず本人に自主返納や自己申告を促したうえで判断する。守秘義務という壁は、公共の安全という一点に向かってだけ、扉が開いている。
法的な位置づけ
道路交通法101条の8は医師の任意届出制度を定める規定であり、医師が診察を受けた者を同法103条1項1号・1号の2・3号に該当すると認め、その者が免許保有者等であることを知った場合に、診察結果を公安委員会へ届け出ることができる旨を規定する。届出は義務ではなく裁量であり、守秘義務規定の適用は第3項により排除される。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.診断された病名が届出の対象かを主治医に確認する 診察の場で「この病名は運転免許の届出対象になりますか」と直接尋ねる。道路交通法103条1項1号の政令で定める病気、1号の2の認知症、3号の中毒に該当するかが分岐点になる。ここを曖昧にしたまま帰ると、次に情報が動くのは自分の頭越しになる
- 2.運転の可否について医学的評価を書面で確保する 症状が安定し運転に支障がないと主治医が判断できる場合、その旨を診断書として書面化してもらう。103条の取消し判断は医学的評価を重視するため、届出が動く前に運転適性ありの資料が存在するかどうかで結論が変わりうる
- 3.届出を待たず自分から公安委員会・運転免許センターへ相談する 居住地を管轄する都道府県公安委員会(運転免許センターの相談窓口)へ、診断内容と運転状況を自分から相談する。受け身で処分を待つ立場から、手続きを主導する立場へ切り替わる最初の一手になる
- 4.運転に支障がある場合は自主返納または自己申告を選ぶ 医学的に運転継続が難しいなら、取消処分を待つより申請による取消し(自主返納)を選ぶ。運転経歴証明書の交付を受ければ本人確認書類として使え、その後の再取得の扱いでも不利になりにくい
- 5.取消処分が出たら意見の聴取と不服申立てで争う 取消し・停止の前には意見を述べる機会が与えられるため、運転可能とする診断書や症状の安定を示す資料を提出して反論する。処分に不服なら行政不服審査法の審査請求(処分を知った日の翌日から3か月以内)、または取消訴訟(原則6か月以内)で争う
よくある質問 AI による整理
Q1医師の届出制度とは何ですか?
道路交通法101条の8に基づき、医師が診察した免許保有者について一定の病気等に該当すると認めたとき、診察結果を公安委員会へ任意で届け出られる制度です。2014年6月に施行されました。
Q2医師の届出は義務ですか?
義務ではありません。条文は「届け出ることができる」という裁量規定で、届け出るかどうかは医師の判断に委ねられます。届け出なかったこと自体で医師が責任を問われることも原則ありません。
Q3医師の届出の対象になる病気は何ですか?
道路交通法103条1項1号の政令で定める病気、1号の2の認知症、3号の麻薬・大麻・あへん・覚醒剤の中毒です。政令で定める病気の具体的範囲は改正されることがあるため最新の政令をご確認ください。
Q4医師は患者が免許を持っているか確認できますか?
できます。101条の8第2項により、医師から免許保有者かどうかの確認を求められた公安委員会は、これに回答するものとされています。医師が推測で判断する必要はありません。
Q5他県に住む患者を届け出たらどうなりますか?
届出を受けた公安委員会は、管轄外に居住する者については、その者の居住地を管轄する公安委員会へ届出内容を通知しなければなりません(第4項)。県境をまたいでも情報は居住地へ届きます。
Q6届出を受けた公安委員会は何をしますか?
届出は判断材料の一つにすぎません。公安委員会は必要に応じて臨時の適性検査や診断書の提出を求め、その結果を踏まえて103条による免許の取消し・停止を判断します。届出=即取消しではありません。
Q7外国の運転免許を持つ人も届出の対象ですか?
対象です。国際運転免許証または外国運転免許証を所持する者も含まれます。ただし本邦に上陸した日から起算して滞在期間が1年を超えている者は除かれます(第1項かっこ書)。
Q8医師が届け出なかった場合、責任を問われますか?
本条は届出を義務づけていないため、届け出なかったこと自体を理由に医師が刑事・行政上の責任を負う仕組みにはなっていません。個別事案での民事責任は事情により判断されます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1認知症って診断されたら、免許は必ず取り消されるんですか?
自動的に取り消されるわけではない。医師の通報は判断材料の一つで、実際の取消し・停止は103条の手続き、意見の聴取や臨時適性検査を経て決まる。実務のポイント:主治医が症状や運転適性について「運転可能」と評価する診断書を出せば、取消しを免れる余地がある。また取消処分を待つより自主返納を選んだ方が、その後の再取得の扱いで不利になりにくい。医師や免許センターは聞かれなければこの違いを積極的には説明しない
Q2医師が勝手に病気のことを警察に通報したら、プライバシー侵害で訴えられないんですか?
訴えても原則通らない。101条の8第3項が、刑法134条の秘密漏示罪その他の守秘義務規定はこの通報を妨げないと明記しており、民事上も違法性が阻却される。実務のポイント:一方で通報は義務ではなく裁量なので、実務指針では医師はまず本人に説明し自主的手続きを促す運用になっている。逆に、医師が通報しなかったこと自体で責任を問われることも原則ない。だから診断後に医師とどう向き合うかが、その後を大きく左右する
Q3免許更新のとき、持病を正直に書かなかったらどうなりますか?
更新時の質問票に虚偽の記載をすると、それ自体が処罰の対象になりうる(道路交通法117条の4、最新の改正状況をご確認ください)。しかも隠しても、主治医の通報という別ルートから情報が公安委員会に届く可能性がある。実務のポイント:質問票と医師通報の二方向があるため、隠すことは二重のリスクを抱え込むだけになりやすい。正直に申告したうえで「運転可能」の医学的評価を添える方が、結果的に免許を残せる可能性が高い
間違えやすい点 AI による整理
- 「医師には守秘義務があるから、病気のことが警察に伝わることはない」と信じている人が大半だ。だが101条の8第3項は、刑法134条の秘密漏示罪その他の守秘義務規定が、この通報を妨げないと明記している。守秘義務は原則としては固いが、この場面に限って法律自身が例外を作った。壁はあるが、そこに公認の扉がある
- 「診断されたら医師は必ず通報する義務がある」と誤解している人も多いが、条文は『通報することができる』であって義務ではない。通報するかは医師の裁量に委ねられている。だから同じ病名でも、医師の判断や本人の対応次第で通報される人とされない人が出る。義務だと思い込んで身構えるより、通報前の段階で自分から動ける余地があると知る方が、はるかに実益が大きい
- 「通報されたら即、免許取消しだ」と絶望する必要はない。あなたが直面しているのは取消しの決定ではなく、その手前の情報伝達にすぎない。通報はあくまで公安委員会の判断材料であり、実際の取消し・停止は103条の手続き、意見の聴取、適性検査を経て決まる。恐れる相手を一段取り違えると、打てる手を打たないまま結果を待つことになる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 101条の8:医師から公安委員会への情報伝達(届出) | 103条:免許の取消し・停止という不利益処分の根拠 90条:免許の拒否・保留(取得段階の判断) |
| 動く主体 | 医師(届出するかは裁量、義務ではない) | 公安委員会(処分権者) 公安委員会(免許付与の可否を判断) |
| 本人への効果 | 直接の法的効果はなく、判断材料が行政に届くだけ | 免許が取り消され、または効力が停止される 免許が与えられない、または保留される |
| 打てる手 | 届出前に自主返納・自己申告・診断書の確保で主導権を取る | 意見の聴取で反論、審査請求・取消訴訟で争う 質問票への正確な申告と医学的評価の提出 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は体格検査と一定の疾病による運転制限で対応し、医師が監理機関へ任意に届け出る日本型の明文制度は置かれていない。家族や本人の申告に依存する構造
韓国は医療機関等の情報を踏まえた随時適性検査で運転適性を再審査する仕組みを持つ。医師個人の裁量的届出という日本の設計とは入口が異なる
ドイツは医師の守秘義務(StGB § 203)が原則で、明文の届出制度はなく、重大な危険が切迫している場合に緊急避難(StGB § 34)で正当化する実務構成をとる
米国は州ごとに扱いが分かれ、意識喪失を伴う疾患や認知症について医師に報告義務を課す州と、任意報告にとどめる州がある。連邦一律のルールはない
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- てんかんの診断を受け、発作は薬で抑えているが車通勤をやめられない。次の通院で「運転していますか」と聞かれたとき、正直に答えるべきか迷う。あなたが黙っていても、医師はあなたが免許保有者だと知れば公安委員会に通報できる立場にいる
- あなたが医師で、外来患者が明らかに認知症の進行段階にあり、しかも自分で車を運転して通院している。通報すれば患者との信頼関係は壊れる、しかし放置して事故が起きたら。この条文は「通報しても守秘義務違反にならない」とあなたの背中を守るが、通報するかどうかはあなたの判断に委ねられている
- もし、認知症の親が毎日運転を続け、家族がいくら止めても聞かないとしたら? 主治医に事情を伝えれば、医師の通報という制度的なルートが動きうる。家族の説得が効かない相手に、制度が代わりに働く
- 覚醒剤依存の治療のため他県のクリニックに通っている。あなたの居住地は別の県だ。通報を受けた公安委員会は、あなたの居住地を管轄する公安委員会に内容を通知しなければならない(第4項)。県境をまたいでも、情報はあなたの地元まで届く
取るべき行動
被害を受けた側:通報されうる病気(てんかん等の一定の病気、認知症、麻薬・覚醒剤等の中毒)と診断された側なら、まず主治医に運転を続けてよいか率直に確認する。症状が安定し運転可能なら診断書を確保。運転に支障があるなら、通報を待つより先に公安委員会へ相談し、自主返納や自己申告の選択肢を検討する。取消処分が出た場合は意見の聴取で反論し、なお不服なら審査請求・取消訴訟で争う
訴えられた側:あなたが通報するか迷う医師なら、まず103条1項各号(1号の病気、1号の2の認知症、3号の中毒)への該当性を診察上の根拠で確認する。第3項があなたを守秘義務違反から守るため、通報しても刑事・民事責任は原則負わない。実務指針に沿い、通常はまず本人へ自主的手続きを促し、応じない・危険が高い場合に通報を検討。第2項により、対象者が免許保有者かは公安委員会に照会して確認できる
時効(請求できる期限):医師の届出そのものに法定の期限はなく、届出は医師の裁量で行われる。届出を受けた公安委員会が免許の取消し・停止(103条)を行う場合、事前に意見の聴取の機会が与えられる。取消処分に不服があれば、行政不服審査法に基づく審査請求(処分を知った日の翌日から3か月以内)、または取消訴訟(原則6か月以内、行政事件訴訟法14条)で争える(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説的理解:本条3項は、医師の守秘義務を一般的に解除するものではなく、1項の届出という限定された場面についてのみ違法性を阻却する趣旨と理解されている。届出が裁量とされたのは、受診控えによる危険運転者の医療からの離脱を避けるための立法的均衡と説明される
改正沿革 AI による整理
- 平成25年(2013年)法律第43号、平成26年(2014年)6月1日施行 新設。一定の病気等を有する運転者による事故を背景に、医師が診察結果を公安委員会に任意で届け出られる制度を創設。守秘義務違反にならないことを第3項で明記し、更新時の質問票制度や虚偽申告罪と併せて導入された
改正の年表
- 1.平成25年(2013年) 新設:法律第43号により新設され、平成26年(2014年)6月1日施行。一定の病気等を有する運転者による重大事故を背景に、医師が診察結果を公安委員会へ任意で届け出られる制度を創設し、守秘義務違反にならないことを第3項で明記。更新時の質問票制度や虚偽申告に対する罰則と併せて導入された
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