要点道路交通法 101 条の 8 は、医師が診察の結果、一定の病気や認知症、中毒に該当すると認めた免許保有者を、公安委員会へ届け出ることができると定める。届出は義務ではなく裁量である。
Q · 病気のことを医師が警察に伝えることって、本当にあるんですか?
あります。届出は適法ですが、義務ではなく医師の裁量です
道路交通法 101 条の 8 第 1 項により、医師は診察した者が同法 103 条 1 項 1 号(一定の病気)、1 号の 2(認知症)、3 号(麻薬・覚醒剤等の中毒)に該当すると認め、その者が免許保有者等であると知ったときは、診察結果を公安委員会へ届け出ることができます。第 3 項が刑法の秘密漏示罪その他の守秘義務規定はこの届出を妨げないと明記しているため、届け出た医師が守秘義務違反を問われることは原則ありません。ただし条文は「できる」であって義務ではなく、実務ではまず本人に自主返納や自己申告を促したうえで判断されるのが通例です。
持病のことは主治医との間だけの秘密だと思っていないか。てんかんの発作で数年ぶりに受診した、親が認知症と診断された、覚醒剤依存の治療を受けている。こうした場面で、あなたが運転免許を持っていることを医師が知ったとき、医師はその診察結果を公安委員会(各都道府県警察を管理する行政委員会、免許の取消権限を持つ)に通報できる。道路交通法 101 条の 8 がそれを正面から認めている。ここで効いてくるのが第 3 項だ。刑法の秘密漏示罪その他の守秘義務に関する法律の規定は、この通報を妨げるものと解釈してはならない、と明記されている。つまり通報した医師は守秘義務違反に問われない。ただし条文は「しなければならない」ではなく「できる」。あくまで医師の裁量であり、実務では通常、まず本人に自主返納や自己申告を促したうえで判断する。守秘義務という壁は、公共の安全という一点に向かってだけ、扉が開いている。
道路交通法 101 条の 8 は医師の任意届出制度を定める規定であり、医師が診察を受けた者を同法 103 条 1 項 1 号・1 号の 2・3 号に該当すると認め、その者が免許保有者等であることを知った場合に、診察結果を公安委員会へ届け出ることができる旨を規定する。届出は義務ではなく裁量であり、守秘義務規定の適用は第 3 項により排除される。
AI 輔助整理,以條文原文為準
道路交通法 101 条の 8 に基づき、医師が診察した免許保有者について一定の病気等に該当すると認めたとき、診察結果を公安委員会へ任意で届け出られる制度です。2014 年 6 月に施行されました。
義務ではありません。条文は「届け出ることができる」という裁量規定で、届け出るかどうかは医師の判断に委ねられます。届け出なかったこと自体で医師が責任を問われることも原則ありません。
道路交通法 103 条 1 項 1 号の政令で定める病気、1 号の 2 の認知症、3 号の麻薬・大麻・あへん・覚醒剤の中毒です。政令で定める病気の具体的範囲は改正されることがあるため最新の政令をご確認ください。
できます。101 条の 8 第 2 項により、医師から免許保有者かどうかの確認を求められた公安委員会は、これに回答するものとされています。医師が推測で判断する必要はありません。
届出を受けた公安委員会は、管轄外に居住する者については、その者の居住地を管轄する公安委員会へ届出内容を通知しなければなりません(第 4 項)。県境をまたいでも情報は居住地へ届きます。
届出は判断材料の一つにすぎません。公安委員会は必要に応じて臨時の適性検査や診断書の提出を求め、その結果を踏まえて 103 条による免許の取消し・停止を判断します。届出=即取消しではありません。
対象です。国際運転免許証または外国運転免許証を所持する者も含まれます。ただし本邦に上陸した日から起算して滞在期間が 1 年を超えている者は除かれます(第 1 項かっこ書)。
本条は届出を義務づけていないため、届け出なかったこと自体を理由に医師が刑事・行政上の責任を負う仕組みにはなっていません。個別事案での民事責任は事情により判断されます。
自動的に取り消されるわけではない。医師の通報は判断材料の一つで、実際の取消し・停止は 103 条の手続き、意見の聴取や臨時適性検査を経て決まる。業界裏話ヒント:主治医が症状や運転適性について「運転可能」と評価する診断書を出せば、取消しを免れる余地がある。また取消処分を待つより自主返納を選んだ方が、その後の再取得の扱いで不利になりにくい。医師や免許センターは聞かれなければこの違いを積極的には説明しない
訴えても原則通らない。101 条の 8 第 3 項が、刑法 134 条の秘密漏示罪その他の守秘義務規定はこの通報を妨げないと明記しており、民事上も違法性が阻却される。業界裏話ヒント:一方で通報は義務ではなく裁量なので、実務指針では医師はまず本人に説明し自主的手続きを促す運用になっている。逆に、医師が通報しなかったこと自体で責任を問われることも原則ない。だから診断後に医師とどう向き合うかが、その後を大きく左右する
更新時の質問票に虚偽の記載をすると、それ自体が処罰の対象になりうる(道路交通法 117 条の 4、最新の改正状況をご確認ください)。しかも隠しても、主治医の通報という別ルートから情報が公安委員会に届く可能性がある。業界裏話ヒント:質問票と医師通報の二方向があるため、隠すことは二重のリスクを抱え込むだけになりやすい。正直に申告したうえで「運転可能」の医学的評価を添える方が、結果的に免許を残せる可能性が高い
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 101 条の 8:医師から公安委員会への情報伝達(届出) | — |
| 動く主体 | 医師(届出するかは裁量、義務ではない) | — |
| 本人への効果 | 直接の法的効果はなく、判断材料が行政に届くだけ | — |
| 打てる手 | 届出前に自主返納・自己申告・診断書の確保で主導権を取る | — |
ログインすると、他の読者と一緒にこの条文へメモを残せます。
ログインして共同ノートを始める以下は各文が単独で意味の通る客観的事実です。引用は e-Gov法令検索を基準としてください。