道路交通法 第70条(安全運転の義務)
クイックジャンプ
車両等の運転者は、当該車両等のハンドル、ブレーキその他の装置を確実に操作し、かつ、道路、交通及び当該車両等の状況に応じ、他人に危害を及ぼさないような速度と方法で運転しなければならない。
この条文の基本情報
安全運転の義務とは何ですか?
定義安全運転の義務とは、道路交通法第70条に定められた規定で、「車両等の運転者は、当該車両等のハンドル、ブレーキその他の装置を確実に操作し、かつ、道路、交通及び当該車両等の状況に応じ、他人に危害を及ぼさないような速度と方法で…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 道路交通法第70条(安全運転の義務)は、日本の道路交通法に含まれる条文です。
- 道路交通法第70条の条文原文は「車両等の運転者は、当該車両等のハンドル、ブレーキその他の装置を確実に操作し、かつ、道路、交通及び当該車両等の状況に応じ、他人に危害を及ぼさないような速度と方法で…」で始まります。
- 道路交通法第70条は第一節 運転者の義務に置かれています。
- 道路交通法の公布日は昭和35年6月25日です。
- 道路交通法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 道路交通法第70条の前の条は道路交通法第69条です。
- 道路交通法第70条の次の条は道路交通法第71条です。
- 道路交通法第70条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
道路交通法(昭和三十五年法律第百五号)第70条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/335AC0000000105 - 本サイト収録
道路交通法(昭和三十五年法律第百五号)第70条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/335AC0000000105/70
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点道路交通法70条は、車両等の運転者に装置の確実な操作と他人に危害を及ぼさない速度・方法での運転を義務づける包括規定で、事故が発生しなくても脇見や片手運転だけで違反が成立する。
Q · 事故を起こしていないのに、切符を切られることってあるんですか?
あります。事故がなくても脇見や片手運転だけで成立します
道路交通法70条は、装置の確実な操作と、他人に危害を及ぼさない速度・方法での運転を義務づけています。結果として事故が起きたことは要件ではないため、脇見運転、片手運転、動静不注視、安全不確認といった運転行為そのもので違反が成立し、青切符が交付されます。適用対象は「車両等」であり、軽車両である自転車の運転者も含まれます。争う余地があるなら、反則金を納付する前にドライブレコーダー等の証拠を確認してください。
解説
信号待ちでスマホをちらっと見た、缶コーヒーを飲みながら片手でハンドルを握った、後部座席の子どもを振り返った。事故は起きていない。それでも警察官はあなたに切符を切れる。根拠が道路交通法70条、安全運転の義務だ。この条文は「ハンドル、ブレーキその他の装置を確実に操作」し「他人に危害を及ぼさないような速度と方法で運転」せよと命じる。ポイントは、具体的な速度違反も信号無視もないのに適用できる包括規定(個別ルールから漏れた危険運転をすべてすくい上げる受け皿)だという点。脇見、片手運転、動静不注視、安全不確認、その大半はこの一条で処理される。さらに見落とされがちなのが、対象が「車両等」であること。自動車だけでなく自転車も車両に含まれる。スマホ片手の自転車も、70条の射程に入っている。あなたが思っている「違反」の輪郭より、この条文はずっと広い。
法的な位置づけ
道路交通法70条は安全運転の義務を定める規定であり、車両等の運転者に対し、装置の確実な操作と、道路・交通・当該車両等の状況に応じた他人に危害を及ぼさない速度・方法での運転を義務づける。個別の禁止規定が捕捉しない危険運転を補充する一般条項として機能し、軽車両である自転車の運転者にも適用される。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.停止を求められたら、自分の運転態様を落ち着いて整理する 警察官がどの運転行為を問題としているのか(脇見・片手運転・安全不確認など)を具体的に確認する。曖昧なまま頷かず、自分が実際に何をしていたかを時系列で思い出して整理する
- 2.青切符にサインする前に、認めるか争うかを判断する 交通反則告知書へのサインと反則金の納付は、事実上の違反受け入れとして扱われる。納得できない場合はその場で認めず、争う意思があることを伝える。感情的な口論は避け、事実だけを述べる
- 3.ドライブレコーダー等の記録を上書き前に保全する 自分の操作が適切だったことを示す映像・車載記録は、走行を続けると上書きされる。当日中にSDカードを抜く、あるいは該当区間をエクスポートして別媒体に保存する
- 4.反則金の納付期限内に、納付か正式裁判かを確定させる 指定期日までに納付しなければ通告手続を経て刑事手続へ移行する。証拠が揃っていて争う覚悟があるなら納付せず、正式裁判で主張する道を選ぶ。判断できる時間は限られている
- 5.人の死傷が生じている場合は、交通違反ではなく刑事事件として動く 負傷結果があれば過失運転致傷(自動車運転死傷行為処罰法5条)が問題になる。実況見分に立ち会って調書に自分の言い分を正確に反映させ、早期に弁護士へ相談して示談交渉を検討する
よくある質問 AI による整理
Q1安全運転義務違反とは何ですか?
道路交通法70条が定める義務に反する運転行為の総称です。装置の操作が不確実な運転や、他人に危害を及ぼす速度・方法での運転が該当し、脇見・片手運転・安全不確認などが典型例です。
Q2安全運転義務違反の反則金はいくらですか?
車種によって金額が異なり、普通車では一万円未満の水準が一般的です。金額は政令で定められ改正されることがあるため、交付された交通反則告知書の記載金額を必ず確認してください。
Q3安全運転義務違反の点数は何点ですか?
基礎点数が加算され、人身事故を伴う場合は付加点数がさらに積み上がります。反則金を納付しても点数は消えず、累積によって免許停止・取消しに近づく点が実務上の要注意ポイントです。
Q4脇見運転はどこからが違反になりますか?
何秒からという明文の基準はありません。道路・交通・車両の状況に照らし、装置の操作が不確実になり他人に危害を及ぼしうる状態かで判断されるため、短時間の視線移動でも成立し得ます。
Q5動静不注視と安全不確認の違いは何ですか?
動静不注視は他の車両や歩行者の動きを見ていながら注意を怠る類型、安全不確認は発進・進路変更時などに確認自体をしない類型です。いずれも70条の安全運転義務違反として処理されます。
Q6運転中の飲食は違反になりますか?
飲食そのものを直接禁じる規定はありませんが、片手運転や視線移動により装置の確実な操作を欠けば70条の対象になります。取締りの現場では運転態様全体で判断されます。
Q7カーナビの操作は安全運転義務違反ですか?
走行中の注視や操作は、ながら運転を規律する規定に加え、態様によっては70条でも捕捉されます。停止中の操作か走行中かで評価が大きく変わるため、操作は停車後に行うのが安全です。
Q8自動運転支援中の事故でも運転者の責任になりますか?
現在普及している運転支援は運転者の監視義務を前提とするため、装置を確実に操作する最終責任は運転者に残ります。システム任せで危険を生じさせれば70条違反を問われ得ます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1青切符の反則金って、払わなかったらどうなるんですか?
反則金の納付は任意で、払えばその違反は刑事手続に進まず終了します(道路交通法125条以下の交通反則通告制度)。払わなければ通告を経て刑事手続に移り、正式裁判で争うことになります。実務のポイント:実務では、反則金不納付でも最終的に起訴されず終わる例が相当数ある。ただし『払わなければ必ず前科』というわけでも『払わなければ得』でもなく、事案の重さ次第。争う覚悟と証拠がある人だけが選ぶ道だと理解しておく
Q2自転車でスマホをいじってたら捕まるって本当ですか?
本当です。自転車は道路交通法上の『車両』(2条1項8号の軽車両)にあたり、70条の安全運転義務を負います。さらに令和6年改正で自転車のながら運転・酒気帯びに特化した罰則が整備されました。実務のポイント:これまで自転車の危険運転は『注意されて終わり』の空気があったが、近年は取締りと罰則が急速に強化されている。車と同じ『車両』だという前提を持っているかどうかで、事故を起こしたときの責任の重さの見え方がまるで変わる(最新の改正状況をご確認ください)
Q3誰にもぶつかっていないのに違反って、納得いかないんですが?
70条は『他人に危害を及ぼさないような速度と方法』での運転を義務づけ、結果の発生を要件にしていません。だから事故ゼロでも脇見や操作不適で成立します。実務のポイント:この抽象性ゆえに、条文の明確性(罪刑法定主義との関係)が実務・学説で議論されてきた。現場の警察官の裁量も入りやすい。だからこそ、映像などで自分の運転の適切さを示せる材料があるなら、その場で認めず争う価値がある
間違えやすい点 AI による整理
- 「事故を起こさなければ違反にならない」と考えている人が多いが、70条は結果の発生を要件にしていない。脇見や片手運転そのものが違反であり、誰にもぶつからなくても切符は切れる。多くの人は違反の深刻さではなく、成立の早さを見誤っている
- あなたから見れば「自転車は交通ルールの外側にいる乗り物」かもしれないが、法律から見れば自転車は『車両』であり、70条の安全運転義務を丸ごと負う。この認識のズレが、スマホ片手の自転車事故で加害者になったとき、想定外の刑事責任として跳ね返ってくる
- 「青切符の反則金を払うと前科がつく」と思い込んでいる人がいるが、この問いの立て方自体がずれている。反則金の納付は前科ではなく行政的な処理で終わる。ただし前科がつかない代わりに違反点数は確実に加算され、免許の停止・取消しに積み上がっていく
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定の性質 | 70条:抽象的文言で危険運転を包括的に捕捉する受け皿規定 | 71条:運転者の遵守事項を個別具体的に列挙する規定 117条の2の2:妨害運転(あおり運転)という特定類型を切り出した規定 |
| 成立の要件 | 装置の操作が不確実、または他人に危害を及ぼす速度・方法での運転。結果の発生は不要 | 列挙された各号の行為(泥はね防止、安全な速度での通行など)に該当すること 特定の違反行為を、他の車両等の通行を妨害する目的で行うこと |
| 典型的な適用場面 | 脇見、片手運転、動静不注視、安全不確認など個別規定から漏れた危険運転 | 個別に明文化された遵守事項に反した運転 執拗な車間距離不保持、幅寄せ、急ブレーキなどのあおり運転 |
| 処分の重さの傾向 | 反則金と基礎点数による処理が中心(人身結果があれば刑事事件へ) | 各号ごとに罰則・点数が定められ、態様により差がある 懲役刑を含む重い罰則が定められ、免許取消しに直結し得る |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も「注意車前狀況並隨時採取必要之安全措施」という抽象的な一般義務を置き、個別規定から漏れる不注意運転を捕捉する構造。処罰は道路交通管理處罰條例による行政罰が中心で、日本の反則金制度と機能的に近い
韓国も装置の確実な操作と他人に危害を及ぼさない運転を義務づけ、条文構造が日本法と極めて近い。日本法を強く参照した立法であり、自転車を含む車両概念の広さも共通する
ドイツは道路交通規則の冒頭に「絶えざる注意と相互の配慮」という基本原則を置き、個別規定に先立つ総則的義務として機能させる。日本の70条が個別規定の後ろに置かれた受け皿であるのに対し、ドイツは前段に置かれた指導原理という配置の違いがある
米国は連邦統一法ではなく州法で規律し、過失の程度により careless driving(軽度)と reckless driving(重度)を区分する。抽象的文言を用いる点は共通するが、reckless は刑事罰として明確に重く扱われる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 後部座席で泣き出した子どもをあやそうと振り返った数秒。物損も人身もなかった。それでも後続のパトカーに停められ、脇見運転として安全運転義務違反の切符を切られる。事故ゼロでも違反は成立する
- 赤信号で止まっている間にスマホの地図を見ただけでも捕まる? 停止中というだけで直ちに70条違反とは限らないが、発進後に操作不適や動静不注視があれば射程に入る。線引きは想像より曖昧だ
- イヤホンで音楽を聴き、片手でスマホを操作しながら自転車で交差点へ。歩行者と接触しかけた。自転車も『車両』であり、あなたの片手運転はそのまま70条の対象になる
- 青切符を手渡され、反則金の納付書が届いた。支払えば点数がつき、拒めば正式裁判へ進む。判断できる時間はおおむね一週間ほど。払うか争うかを、その間に決めなければならない
- 交差点でわき見の車に追突され、むち打ちで通院。相手には安全運転義務違反に加え、負傷結果があるため過失運転致傷(自動車運転死傷行為処罰法5条)が問われうる。実況見分調書にどう残るかが、その後の民事賠償まで左右する
取るべき行動
被害を受けた側:1. 相手のわき見・片手運転など安全運転義務違反の様子を、ドラレコ映像・目撃者・現場写真で確保2. 警察の実況見分に立ち会い、相手の運転態様を調書に正確に残させる(ここでの記録が後の過失割合を決める) 3. 負傷があれば診断書を取得し、過失運転致傷(自動車運転死傷行為処罰法5条)の刑事事件として扱われるか確認4. 損害賠償は別途民事(民法709条)で。保険会社任せにせず、調書の内容を自分でも把握しておく
訴えられた側:1. 違反事実に納得できないなら、青切符に安易にサインしない。サインと反則金納付は事実上の違反受け入れになる2. ドラレコ・車載記録で操作の適切さを立証できるか確認3. 争うなら反則金を納付せず、後日の正式裁判(略式または通常)で主張する道を選ぶ4. 事故で人を負傷させていれば単なる交通違反ではなく刑事事件。早期に弁護士へ相談し、被害者との示談を検討する
時効(請求できる期限):青切符(交通反則告知書)交付後、指定期日までに反則金を納付しなければ、通告手続を経て刑事手続へ移行する(道路交通法125条以下)。刑事罰としての公訴時効は、罰金以下にあたる安全運転義務違反で3年(刑事訴訟法250条2項)。事故で負傷結果が生じた場合は過失運転致傷として別途の時効・起算点が問題になる(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説(補充的適用説):70条は抽象的な一般条項であるため、個別の禁止規定で捕捉できる行為にはまず個別規定を適用し、本条はその隙間を埋める補充的規定として運用すべきとする理解。明確性の要請と包括性の要請を調整する立場として実務にも定着している
明確性批判説:「確実に操作」「他人に危害を及ぼさないような速度と方法」という文言は処罰範囲の予測可能性を欠き、罪刑法定主義の明確性の原則との緊張が大きいとして、適用の限定または要件の具体化を求める立場
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和35年(1960年) 新設:道路交通法の制定に伴い、安全運転の義務として本条が置かれた。モータリゼーションの進展に対し、個別の禁止規定だけでは捕捉できない危険運転を包括的に規律する一般条項として機能してきた
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