要点道路交通法 80 条は、道路管理者が道路の維持・修繕など管理のため工事を行うとき、77 条 1 項の道路使用許可ではなく、所轄警察署長への協議で足りると定める特例規定である。
Q · 家の前の道路工事、あれって警察の許可を取ってやっているんですか?
役所自身の工事なら許可は不要、協議だけで足ります
道路交通法 80 条 1 項により、道路法上の道路管理者が道路の維持・修繕その他の管理のために工事又は作業を行うときは、77 条 1 項の道路使用許可は不要で、所轄警察署長に協議すれば足ります。許可は拒否や条件付けができる処分ですが、協議にはその効果がなく、事前審査の密度が私人の場合と大きく異なります。したがって工事への苦情や要望は、許可を出していない警察ではなく、工事を決めた道路管理者(市・都道府県・国道事務所)に向けるのが筋です。
深夜、家の前でアスファルトを削る重機の音。眠れないまま、あの工事は誰の許可で動いているのかと考える。答えは多くの人の予想を裏切る。市や県、つまり道路法上の道路の管理者が、その道路の維持や修繕のために工事をするとき、警察署長の「許可」は要らない。道交法80条は、私人には課される77条1項の許可制を正面から外し、管理者は「協議すれば足りる」と定めた。あなたが同じ路上でイベントをやれば許可申請と審査が必要なのに、管理者本人は協議一本で動ける。この差は単なる手続の軽重ではない。許可は拒否できるが、協議は原則として拒否という結論になじまない。つまり道路管理者の工事には、警察の事前ブレーキがほとんど効かない構造になっている。
道路交通法 80 条は道路管理者の特例を定める規定であり、道路法上の道路管理者が当該道路の維持、修繕その他の管理のために工事又は作業を行う場合、第 77 条第 1 項の道路使用許可制の適用を受けず、所轄警察署長との協議で足りるとする。私人に課される許可制に対し、主体を基準として設けられた例外である。
道路管理者が維持・修繕その他の管理のため工事を行う際、77 条 1 項の道路使用許可を要さず、所轄警察署長への協議で足りると定める特例規定です。協議事項は府省令に委任されています。
道路法上の管理者を指し、国道は国土交通大臣(国道事務所)、都道府県道は都道府県、市町村道は市町村が原則です。工事現場の看板の発注者欄で確認できます。
許可は申請を審査して拒否や条件付けができる行政処分ですが、協議は安全対策を摺り合わせる手続で、拒否という結論になじみません。事前統制の強さが根本的に違います。
管理者自身の管理工事なら 77 条の許可書は存在せず、あるのは協議の記録だけです。内容を知りたい場合は道路管理者への情報公開請求という形になります。
80 条の協議を経た管理工事であれば道交法上は適法です。渋滞回避のため夜間施工が選ばれます。生活妨害が受忍限度を超える場合は、別途民事の差止め等を検討します。
管理者の管理工事に当たらない私人の作業であれば 77 条 1 項違反となり、罰則の対象になります。管理工事の一部だと書面で示せるかどうかが分かれ目です。
80 条 2 項が内閣府令・国土交通省令に委任しています。協議すべき事項や様式など具体的な内容は、当該府省令の定めによります。
道路管理者が公表する工事情報や現場の予告看板で確認できます。着手前に協議を終える必要があるため、管理者側では日程が先に固まっています。
工事の主体で宛先が変わる。市や県などの道路管理者自身の工事なら、道交法80条により警察の許可ではなく協議で行われているので、苦情の相手は許可を出していない警察ではなく、その道路管理者だ。工事看板の発注者欄を見れば分かる。業界裏話ヒント:管理者の工事には77条の許可がそもそも存在しないため、「不許可にしてほしい」という筋の申立ては空振りに終わる。効くのは工事時間の変更や騒音対策を求める行政への要望、そして受忍限度を超える場合の民事の差止めだ
その工事が道路管理者の維持・修繕・管理のための工事に当たり、管理者が道交法80条の協議を済ませていれば、77条の許可制の外にある。あなた個人が別途許可を取る必要はない。業界裏話ヒント:問題は現場で警察に止められたとき即座に証明できるかだ。元請け管理者が協議した事実は、下請けの手元に書面がないことが多い。着工前に協議の写しか、管理者名義の工事だと示す書類を現場に置いておくと、無用なトラブルを避けられる
済まない。ガス・電気・水道などの事業者は道路管理者ではないので、80条の特例は使えない。道路法32条の占用許可(道路を継続的に使う許可)と、道交法77条の道路使用許可、原則として二枚が必要だ。業界裏話ヒント:この二つは窓口が違い(占用は道路管理者、使用は警察)、審査も別々に走る。都市部では両者の調整に時間がかかるため、インフラ工事のスケジュールは許可取得からの逆算で組まれている。管理者本人の協議一本とは、負担がまるで違う
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 誰が主体か | 道交法 80 条:道路法上の道路管理者(国・都道府県・市町村) | — |
| 必要な手続 | 所轄警察署長への協議のみ | — |
| 拒否・条件付けの可否 | 協議のため拒否という結論になじまない | — |
| 苦情・争いの宛先 | 工事を決めた道路管理者(取り消すべき許可処分が存在しない) | — |
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