道路交通法 第83条(工作物等に対する応急措置)
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- 警察官は、道路又は沿道の土地に設置されている工作物等又は転落積載物等が著しく道路における交通の危険を生じさせ、又は交通の妨害となるおそれがあり、かつ、急を要すると認めるときは、道路における交通の危険を防止し、又は交通の妨害を排除するため必要な限度において、当該工作物等又は転落積載物等の除去、移転その他応急の措置を採ることができる。
- 2.前項に規定する措置を採つた場合において、工作物等又は転落積載物等を除去したときは、警察官は、当該工作物等又は転落積載物等を、当該工作物等が設置されていた場所又は当該転落積載物等が在つた場所を管轄する警察署長に差し出さなければならない。この場合において、警察署長は、当該工作物等又は転落積載物等を保管しなければならない。
- 3.第八十一条第三項から第十二項までの規定は、前項の規定による保管について準用する。
この条文の基本情報
工作物等に対する応急措置とは何ですか?
定義工作物等に対する応急措置とは、道路交通法第83条に定められた規定で、「警察官は、道路又は沿道の土地に設置されている工作物等又は転落積載物等が著しく道路における交通の危険を生じさせ、又は交通の妨害となるおそれがあり、かつ、急を要する…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 道路交通法第83条(工作物等に対する応急措置)は、日本の道路交通法に含まれる条文です。
- 道路交通法第83条の条文原文は「警察官は、道路又は沿道の土地に設置されている工作物等又は転落積載物等が著しく道路における交通の危険を生じさせ、又は交通の妨害となるおそれがあり、かつ、急を要する…」で始まります。
- 道路交通法第83条は第二節 危険防止等の措置に置かれています。
- 道路交通法の公布日は昭和35年6月25日です。
- 道路交通法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 道路交通法第83条の前の条は道路交通法第82条です。
- 道路交通法第83条の次の条は道路交通法第84条です。
- 道路交通法第83条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
道路交通法(昭和三十五年法律第百五号)第83条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/335AC0000000105 - 本サイト収録
道路交通法(昭和三十五年法律第百五号)第83条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/335AC0000000105/83
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点道路交通法83条は、工作物等や転落積載物等が著しい交通の危険を生じさせ急を要するとき、警察官が必要な限度で除去・移転できると定める。除去物は警察署長が保管する。
Q · 台風で倒れかけたうちの看板、警察官がその場で撤去したのは適法なの?
要件を満たせば事前通告なしでも適法。争点は限度超過の有無
道路交通法83条1項は、工作物等や転落積載物等が著しく交通の危険を生じさせ又は妨害となるおそれがあり、かつ急を要すると認めるとき、警察官が必要な限度で除去・移転その他の応急措置を採れると定めます。事前の命令や所有者への通告は要件ではなく、行政法上の即時強制にあたります。除去された物は現場を管轄する警察署長に差し出され、署長が保管し(同条2項)、81条3項から12項の手続が準用されて公示後に売却・処分されうる点も同時に押さえる必要があります。
解説
台風の翌朝、あなたの店の袖看板が道路側に倒れかけている。あるいは、あなたの会社のトラックから鉄骨が高速道路に転げ落ちた。この二つの場面で共通して動くのが道路交通法83条だ。通常、他人の工作物を強制的に動かすには命令や事前の手続がいる。だがこの条文は、交通の危険が著しく、かつ「急を要する」とき、警察官一人の判断で、令状も事前通告もなしに、あなたの工作物や落下した積載物を撤去・移転できると定めている。行政法でいう「即時強制」(相手の意思を待たず役所が直接実力行使する仕組み)の一種だ。しかも撤去された物は現場を管轄する警察署長に引き渡され、警察署が保管する。あなたはそれを警察署まで取りに行く側になる。さらに81条の保管手続が準用されるため、引き取らずに放置すれば、公示のうえ売却・処分されうる。あなたの財産が、あなたの知らないうちに動かされ、やがて処分される流れがここにある。
法的な位置づけ
道路交通法83条は、道路又は沿道の土地に設置された工作物等及び転落積載物等に対する警察官の応急措置を定める規定である。著しい交通の危険又は妨害のおそれと緊急性が認められる場合に、事前の命令を経ずに必要な限度で除去・移転を行う即時強制を認め、除去物については警察署長の保管義務と81条の保管手続の準用を定める。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.撤去された事実を確認し保管先を特定する 工作物や積載物が見当たらない場合、まず現場を管轄する警察署に電話し、道路交通法83条2項に基づく保管物として差し出されていないかを確認する。物件の形状、設置場所、日時を伝えると照会が早い
- 2.撤去前の現場状況を証拠として固定する 現場が復旧される前に、撤去跡、周辺の交通状況、破損状態、天候記録を写真と時刻付きで残す。防犯カメラやドライブレコーダーの映像は上書き前に保全を依頼する
- 3.引取り時に撤去の経緯と判断根拠を聴取・記録する 警察署へ保管物を引き取りに行く際、撤去した警察官の所属、撤去日時、危険と緊急性をどう判断したか、どの範囲まで除去したかを聞き取り、その場でメモに残す。後の相当性判断の争点はここに集約される
- 4.公示期間を確認し、速やかに引き取る 83条3項が準用する81条3項から12項の手続により、保管物は公示され、期間経過後は売却・処分されうる。公示の日付と期限を警察署で確認し、期限内に引取りを完了させる(最新の政令をご確認ください)
- 5.限度超過が疑われるなら国家賠償の検討に入る 危険も緊急性もなかった、あるいは必要な限度を明らかに超える範囲まで壊された・運び去られたと考える場合、収集した記録を持って弁護士に相談し、国家賠償法1条の請求を検討する。時効管理も同時に行う
よくある質問 AI による整理
Q1道路交通法83条とは何ですか?
道路や沿道の工作物等、転落した積載物が著しい交通の危険を生み、急を要するときに、警察官が必要な限度で除去・移転できると定める規定です。除去物は警察署長が保管します。
Q2即時強制とは何ですか?
相手方の義務違反や事前の命令を待たず、行政機関が直接実力を行使して目的を実現する仕組みです。83条の応急措置はその典型で、事前通告なしに撤去が可能になります。
Q3工作物等にはどんなものが含まれますか?
道路又は沿道の土地に設置された物件が対象で、袖看板、塀、自動販売機、仮設物などが典型です。設置場所が沿道でも、道路交通に著しい危険を及ぼせば対象になります。
Q4撤去された荷物はどこに保管されますか?
83条2項により、物があった場所を管轄する警察署長に差し出され、その警察署長が保管します。引き取りは所轄の警察署に確認するのが最短ルートです。
Q5台風で看板が道路に倒れたら誰に連絡すればいいですか?
交通に危険が及んでいるなら警察(110番)、道路の管理そのものに関わるなら道路管理者です。所有者側から先に通報すると、その後の評価も費用交渉も進めやすくなります。
Q6撤去のとき所有者の立会いは必要ですか?
83条は立会いを要件としていません。所有者に連絡がつかなくても、著しい危険と緊急性が認められれば撤去は進みます。事後に警察署で保管の有無を確認します。
Q7撤去に不服がある場合、どんな手続で争えますか?
撤去は一瞬で完了する事実行為のため、取消訴訟の余地は狭く、実務上は国家賠償法1条による損害賠償が中心になります。撤去の必要性と限度が争点です。
Q8転落積載物を落としたらまず何をすべきですか?
二次事故防止を最優先に、安全を確保したうえで直ちに通報し、回収に協力します。自ら申告した記録があるかどうかで、その後の過失評価と費用交渉が変わります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1警察が勝手にうちの看板を撤去したんですが、これって違法じゃないんですか?
83条1項の三つの要件、つまり『著しい交通の危険や妨害のおそれ』『急を要すること』『必要な限度』を満たせば適法です。事前通告がなくても即時強制として認められます。ただしこの枠を超えた過剰な撤去は違法で、国家賠償の対象になります。実務のポイント:適法か違法かの分かれ目は『そこまでやる必要が本当にあったか』の相当性判断です。引き取りに行ったその場で、撤去前の状況と判断根拠を聞き取って記録しておく人はほとんどいません。だからこそ、それをやった人だけが後から撤去の当否を具体的に争えます
Q2落とした荷物、警察署に置いてあるらしいけど放っておいたらどうなりますか?
83条3項が81条3項から12項の保管手続を準用しているため、警察署長が保管し、公示のうえ一定期間内に引き取られなければ売却・処分されます(最新の政令をご確認ください)。実務のポイント:これは落とし物が遺失物法で処分されていくのと同じ流れです。『警察が片付けてくれた』と安心している間に、あなたの財産は権利ごと消えていきます。しかも処分されても撤去費用の負担や道路をふさいだ責任は別に残る。放置は一番損な選択です
Q3積荷が落ちたのは自分のせいだけど、撤去費用まで払わないといけないんですか?
原因を作った側が撤去や後始末の費用を負担しうる仕組みがあり、請求されることがあります。金額の根拠と内訳を書面で確認してから対応するのが基本です。実務のポイント:ここで効くのが『警察が動く前に自分から通報したか』です。放置して撤去された側と、自ら申告して回収に協力した側では、その後の過失評価も費用負担の交渉も空気が変わります。落下に気づいた瞬間の一本の通報が、後の立場を左右します
間違えやすい点 AI による整理
- 「自分の所有物を役所が撤去するには、必ず事前の命令や通知がいる」と思い込んでいる人が多い。だが83条は即時強制であり、著しい交通の危険と緊急性があれば、事前の命令も相手方への通告もなしに撤去できる。正面手続を要求する81条の例外として設計された、いわば非常時のバイパスだ
- 撤去されても「警察がやったことだから泣き寝入り」と諦める人がいる。だが即時強制にも限界がある。要件は『著しい危険』『急を要する』『必要な限度』の三点で、この枠を超えた過剰な撤去は違法となり、国家賠償法1条で損害賠償を請求できる。適法な撤去と違法な撤去の境目を知っているかどうかで、取れる行動がまるで変わる
- 「落ちた荷物は警察が処分してくれて手間が省ける」と気楽に構える人がいるが、これは深刻さの読み違えだ。保管物は準用される81条の手続で公示され、期間経過後は売却・処分される。放置すれば財産を失うだけでなく、撤去費用の負担や、道路をふさいだこと自体の責任が別途残る。処分は救済ではなく、あなたの権利が消えていく時計の針だ
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 発動の仕方 | 83条:事前の命令なしに警察官が直接除去・移転(即時強制) | 81条:違法工作物等の所有者等への除去命令等を経る正面手続 82条:沿道の工作物等に対する措置(命令を軸とする手続) |
| 発動要件 | 著しい交通の危険・妨害のおそれ+急を要すること+必要な限度 | 工作物等が違法に設置されていること等 沿道工作物が交通に危険等を及ぼすおそれがあること |
| 対象物 | 道路又は沿道の工作物等および転落積載物等 | 道路上の違法な工作物等 沿道の土地に設置された工作物等 |
| 除去後の処理 | 警察署長へ差し出し+署長保管、81条3項〜12項を準用して公示・売却処分 | 保管手続の本体規定(83条・51条等が準用する原型) 措置命令の履行確保が中心 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は即時強制を行政執行法に一般法として集約し、道路上の障礙物は道路交通管理處罰條例で処罰と除去を組み合わせる。日本のように道交法内へ即時強制条項を置く形とは配置が異なる
韓国も道路交通法の中に道路上の危険物件への措置権限を置く点で日本と構造が近い。具体的条番号は最新の法令をご確認ください
ドイツは道路交通法規で妨害物の設置禁止と除去義務を定め、実力行使の根拠は州警察法の直接執行に置く二層構造。即時強制の理論的源流にあたる
米国は州ごとの Vehicle Code で落下物の投棄禁止と除去、費用求償を定め、緊急時は行政による即時の nuisance 除去が判例法上認められる。州ごとに要件が分かれる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 運送会社のあなたのトラックから、固定が甘かった建材が交差点に落下。渋滞と二次事故の危険が生じ、臨場した警察官がその場で撤去した。荷物は所轄署に保管され、あなたは会社名で引き取りに行く。撤去に要した費用や、道路をふさいだことによる別の責任評価が、この後あなたに跳ね返ってくる
- 台風で沿道のあなたの自販機や塀が道路にせり出し、走行車線を塞いだ。道路管理者の手続を待つ時間はなく、警察官が応急で移動させた。あなたが「勝手に動かすな」と抗議しても、要件を満たす限りこの撤去は適法。争うなら撤去の必要性・相当性が過剰でなかったかが焦点になる
- もし、深夜にあなたの看板が強風で倒れかけ、通報を受けた警察官が到着したら、どうなるか? 所有者であるあなたに連絡がつかなくても、危険と緊急が認められれば撤去は進む。あなたが状況を知るのは、翌朝、撤去済みの現場を見たときかもしれない
- 落下した積荷を取りに行かないまま数週間。準用される81条の保管手続に従い、公示期間を過ぎたその荷物は、売却または処分の対象になる。あと数日で引取りの機会が消えるという通知を、あなたは見落としているかもしれない(最新の政令をご確認ください)
取るべき行動
被害を受けた側:1. 工作物・積載物が撤去されたと分かったら、まず現場を管轄する警察署に保管の有無を確認する(83条2項で署長保管が義務)。2. 引き取りの際、撤去の必要性・緊急性の根拠、撤去前の状況を聞き取り、保管品を写真で記録。3. 撤去が『必要な限度』を明らかに超えていた、または危険も緊急もなかったと考えるなら、国家賠償法1条での損害賠償を検討。4. 保管物は準用される81条の手続で公示後に売却・処分されうるため、判明後は速やかに引き取る(最新の政令をご確認ください)
訴えられた側:1. あなたの積載物落下や工作物が原因なら、警察が動く前に自ら通報・回収に協力する姿勢を示し、経緯を記録。2. 撤去費用の負担を求められたら、その根拠条文と金額の内訳を書面で確認してから対応。3. 積載方法の不備や落下は別途、道路交通法上の他の義務違反として評価されうるため、再発防止の記録を残す。4. 過剰・不当な費用請求だと考えるなら、支払い前に弁護士または行政に相談し、争う余地を確認する
時効(請求できる期限):83条自体に特定の時効はない。撤去が違法だったとして国家賠償を求める場合は、損害および加害者を知った時から3年(人の生命・身体侵害なら5年、民法724条・724条の2)、行為時から20年で除斥。撤去処分そのものを取消訴訟で争う余地は即時強制の完了により狭く、実務上は国賠が主戦場。保管物は公示後の一定期間経過で売却・処分されうるため、引取りは判明後速やかに(最新の政令をご確認ください)
学説
通説(行政法学):83条の応急措置は義務の存在を前提としない即時強制であり、事前の命令・告知を要しない。ただし警察比例の原則により「必要な限度」に厳格に拘束され、これを超える措置は違法となって国家賠償の対象になる、と整理される。
通説(救済法):即時強制は瞬時に完了する事実行為であるため、取消訴訟による救済は訴えの利益の点で機能しにくい。実務上の救済経路は国家賠償に一元化され、争点は危険性・緊急性・限度の三要件の充足に集約されるとされる。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和35年(1960年) 新設:道路交通法(昭和35年法律第105号)の制定に伴い、道路上の危険物に対する警察官の応急措置規定として設けられた。個別具体的な改正経緯は最新の改正沿革をご確認ください
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