電気事業法 第119条の3
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- 次の各号のいずれかに該当する場合には、その違反行為をした推進機関の発起人、役員又は職員は、三十万円以下の罰金に処する。
- 一第二十八条の十四第一項又は第二項の規定による申請書又は添付書類に虚偽の記載をしてこれを提出したとき。
- 二第二十九条第二項(同条第四項において準用する場合を含む。)又は第三十三条の二第三項の規定による送付をしなかつたとき。
- 三第百六条第八項の規定による報告若しくは資料の提出をせず、又は虚偽の報告若しくは資料の提出をしたとき。
- 四第百七条第六項の規定による検査を拒み、妨げ、又は忌避したとき。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 電気事業法第119条の3は、日本の電気事業法に含まれる条文です。
- 電気事業法第119条の3の条文原文は「次の各号のいずれかに該当する場合には、その違反行為をした推進機関の発起人、役員又は職員は、三十万円以下の罰金に処する。」で始まります。
- 電気事業法第119条の3は第九章 罰則に置かれています。
- 電気事業法の公布日は昭和39年7月11日です。
- 電気事業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 電気事業法第119条の3の前の条は電気事業法第119条の2です。
- 電気事業法第119条の3の次の条は電気事業法第119条の4です。
- 電気事業法第119条の3には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
電気事業法(昭和三十九年法律第百七十号)第119条の3 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/339AC0000000170 - 本サイト収録
電気事業法(昭和三十九年法律第百七十号)第119条の3(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/339AC0000000170/119_3
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点電気事業法119条の3は、推進機関の発起人・役員・職員が虚偽申請・計画不送付・虚偽報告・検査拒否をしたとき、行為者個人を三十万円以下の罰金に処すと定める。
Q · 推進機関の職員が国に嘘の報告をしたら、本人が罰せられるの?
はい。違反した職員個人に三十万円以下の罰金が科されます
電気事業法119条の3により、電力広域的運営推進機関の発起人・役員・職員が、106条8項の報告徴収に応じないか虚偽の報告・資料提出をした場合、違反行為をした本人が三十万円以下の罰金に処されます。罰金は刑法9条の主刑であり、略式命令で終わっても前科となります。上司の指示に従っただけという事情は、構成要件から外れる理由になりません。ただし処罰には原則として故意が必要です(刑法38条1項)。
解説
三十万円以下の罰金。数字だけを見れば、少し重い交通違反と変わらないように見える。だが、この条文が罰する相手は会社ではない。電力広域的運営推進機関(全国の電力の需給を見張り、電力会社どうしの融通を調整する認可法人で、通称は OCCTO)の発起人、役員、そして職員の一人ひとりである。処罰されるのは四つの行為だ。設立認可の申請書に嘘を書くこと、供給計画を送付すべきなのに送付しないこと、国の報告徴収に応じないか嘘の報告をすること、立入検査を拒んだり妨げたりすること。どれも、国が電力網の実態を正しく知るための情報の通り道を詰まらせる行為である。罰金は刑事罰なので、略式命令(法廷を開かず、書面の審理だけで罰金を言い渡す簡易な手続)で終わっても前科は残る。推進機関に出向している電力会社の社員が上司の指示で数字を整えた報告書を出した場合、条文上、処罰の対象になるのは「違反行為をした」その個人である。「組織として判断した」という説明は、構成要件から外れる理由にはならない。
法的な位置づけ
電気事業法119条の3は、電力広域的運営推進機関の発起人、役員又は職員を名宛人とする行政刑罰規定である。設立認可申請の虚偽記載、供給計画等の送付懈怠、報告徴収に対する不報告・虚偽報告、立入検査の拒否・妨害・忌避の四類型について、違反行為者個人を三十万円以下の罰金に処する旨を定める。
よくある質問 AI による整理
Q1電力広域的運営推進機関とは何ですか?
全国の電力需給を監視し、電力会社間の融通や送電網の広域運用を調整する、電気事業法に基づく認可法人です。通称は OCCTO です。
Q2電気事業法119条の3の罰則の対象は誰ですか?
推進機関の発起人、役員、職員のうち、実際に違反行為をした個人です。条文は「その違反行為をした」者を処罰対象として名指ししています。
Q3立入検査を拒否したら違法ですか?
推進機関の役職員が107条6項の検査を拒み、妨げ、又は忌避した場合、本条4号により三十万円以下の罰金の対象となります。
Q4検査の「忌避」とはどういう意味ですか?
正面から拒否せず、不在を装う・鍵を開けないなどの口実で検査を事実上避けることです。結果として検査を妨げたかが問われます。
Q5供給計画を送付しないとどうなりますか?
29条2項(同条4項の準用を含む)又は33条の2第3項の送付をしなかった場合、本条2号により違反行為者個人が罰金の対象となります。
Q6虚偽報告の罰金はいくらですか?
三十万円以下の罰金です。金額は小さく見えますが刑事罰であり、確定すれば前科となる点に注意が必要です。
Q7うっかり報告を漏らしても処罰されますか?
刑罰の適用には原則として故意が必要です(刑法38条1項)。過失を処罰する特別の規定がない限り、単なる見落としは区別されます。
Q8推進機関の罰則の時効は何年ですか?
法定刑が罰金のみのため、公訴時効は3年です(刑事訴訟法250条2項7号)。起算点は犯罪行為が終わった時です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1罰金三十万円って、払えば終わりですか? 前科になるんですか?
罰金は刑法9条に定められた主刑なので、略式命令で済んだ場合でも前科になります。ただし、罰金を納め終えてから罰金以上の刑を受けずに5年が経てば、刑の言渡しは効力を失います(刑法34条の2)。実務のポイント:資格の欠格事由や採用時の経歴申告で問題になるのは、この5年の間です。転職を考えているなら、時期の計算を先に済ませておくべきです
Q2出向元の電力会社も一緒に罰せられるんですか?
本条が処罰の対象として名指ししているのは、推進機関の発起人、役員、職員という個人です。法人も併せて罰する両罰規定が本条違反に及ぶかどうかは、電気事業法の別の条文で範囲が決まります(範囲は要確認)。実務のポイント:出向者の懲戒処分を出向元と出向先のどちらの就業規則で行うかは、出向契約で決まります。刑事事件化すると処分が二重になるおそれもあるため、出向契約書を手元で確認しておくことが重要です
Q3罰金がすぐ払えなかったら、どうなりますか?
罰金を完納できない場合は、労役場に留置されます(刑法18条)。留置日数は裁判所が言い渡す換算額で決まります。実務のポイント:検察庁の徴収担当に事情を説明すれば、分納が認められることがあります。放置するのが最も悪い選択で、連絡を入れるかどうかで扱いが変わります
間違えやすい点 AI による整理
- 「罰金三十万円なら、行政から科される過料と同じようなもの」と考えるのは誤りである。過料は刑罰ではないが、罰金は刑法9条に定められた主刑で、確定すれば前科になる。金額が小さいからといって、軽い制裁だと判断してはならない
- あなたから見れば「上司の指示どおりに報告書を作っただけ」でも、法律から見ればあなたは「違反行為をした職員」である。本条は、組織内の指揮命令を処罰しない理由として扱っていない。この見え方の落差が、真面目に指示に従った人ほど危うい立場に置く
- 「推進機関は民間の社団法人のようなものだから、国の検査に協力するかどうかは任意だ」という前提がそもそも誤っている。推進機関は電気事業法に基づく認可法人であり、国の報告徴収(106条)や立入検査(107条)を受ける立場にある。協力するかしないかを選べる場面ではない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定の性質 | 119条の3:違反行為に対する刑事罰(罰金) | 106条:国の報告徴収権限(義務の根拠) 107条:国の立入検査権限(義務の根拠) |
| 名宛人 | 推進機関の発起人・役員・職員である違反行為者個人 | 報告を求められる事業者・推進機関等 検査を受ける事業者・推進機関等 |
| 違反時の効果 | 三十万円以下の罰金(前科となる) | 本条3号の虚偽報告罪・不報告罪の前提となる 本条4号の検査拒否・妨害・忌避罪の前提となる |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾では主管機関の報告要求・検査への不協力は主として行政罰鍰で対応され、個人への刑事罰金を基本とする本条とは制裁の設計が異なる
ドイツは報告・検査義務違反を主に秩序違反(Ordnungswidrigkeit)として過料で処理し、刑事罰の領域とは区別する
米国連邦電力法は故意の違反に刑事罰を定めるが、実務上は FERC による民事制裁金の比重が大きい
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 国の立入検査の当日、担当者が「管理者が不在なので」とサーバー室を開けなかったら、どうなる? 実際には検査を止めたのと同じなので、本条にある検査の「忌避」(正面から拒まず、口実を作って検査を避けること)に当たるおそれがある。断り方が丁寧かどうかは関係なく、結果として検査を妨げたかどうかが問われる
- 推進機関の企画部門に出向中のあなたが、供給計画の取りまとめ締切の直前に、ある事業者の計画を経済産業大臣への送付分から漏らしてしまった。罰則の適用には原則として故意が必要である(刑法38条1項)。そのため、単なる見落としなのか、意図的に外したのかが分かれ目になる。経緯をその日のうちに時系列で記録しておくことが、あなた自身を守る第一歩になる
- 経済産業省から報告を求める文書が届いた。回答期限まであと10日。部長は「都合の悪いデータは出さなくていい」と言った。
- 推進機関で働く友人から「上司が過去の需給データを書き換えた資料を国に出そうとしている。自分も作成者として名前が載る」と相談された。作成者として虚偽報告に加担すれば、本条の対象は上司だけにとどまらない。名前が載る前に記録を残して異議を出せるかどうかが、友人の今後を分ける
取るべき行動
被害を受けた側:虚偽の報告を指示された側、または目撃した側の場合:1. 指示の内容(メール、チャット、会議メモ)を日時付きで保存する。2. 推進機関内のコンプライアンス窓口に相談する。3. 公益通報者保護法に基づく通報を検討する。通報先は組織の内部窓口と、経済産業省など権限を持つ行政機関から選べる(電気事業法違反が通報対象の事実に当たるかは、消費者庁の対象法律一覧で確認する)。4. 作成者として名前が載る前に、書面で異議を残す
訴えられた側:1. 事実の経過を時系列で整理する。故意があったかどうかが最大の分岐点になる(刑法38条1項)。2. 任意の事情聴取の段階から、刑事事件に詳しい弁護士に相談する。3. 速やかに訂正報告を出せば、情状(刑の重さを決めるときに考慮される事情)として有利に働きうる。4. 略式命令を受けた場合、告知を受けた日から14日以内であれば正式裁判を請求できる(刑事訴訟法465条)。前科の扱いも含めて、同意するかどうかを判断する
時効(請求できる期限):公訴時効は3年で、法定刑が罰金のみの罪に当たる(刑事訴訟法250条2項7号)。起算点は犯罪行為が終わった時である(同法253条1項)。報告徴収の回答期限は、経済産業大臣が個別に指定する
学説
行政刑罰論(一般的理解):行政上の義務違反に刑罰を科す場合も刑法総則が適用され(刑法8条)、特別の規定がない限り故意犯のみが処罰される。本条も報告・検査等の義務違反を故意犯として処罰する規定と理解される。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成25年(2013年) 新設:電力システム改革の第一段階として電力広域的運営推進機関の制度が創設され、それに伴い推進機関の発起人・役員・職員に対する罰則として整備されたとみられる(条文単位の改正経過は要確認)。
- 電気事業法 第28条の14設立認可申請、第1号の虚偽記載の対象
- 電気事業法 第29条供給計画の送付義務、第2号の対象
- 電気事業法 第106条国の報告徴収権限、第3号の前提
- 電気事業法 第107条立入検査権限、第4号の前提
- 刑法 第8条刑法総則の他法令への適用
- 刑事訴訟法 第250条罰金のみの罪の公訴時効3年
- 公益通報者保護法 第2条内部告発者の保護範囲を定める定義
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