電気事業法 第55条の9(認定の取消し)
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- 経済産業大臣は、認定高度保安実施設置者が次の各号のいずれかに該当するときは、認定を取り消すことができる。
- 一認定に係る組織の使用する事業用電気工作物に関して、その責めに帰すべき事由により、電気その他による災害を発生させたとき。
- 二認定に係る組織の使用する事業用電気工作物に関して、その責めに帰すべき事由により、電気その他による災害の発生のおそれのある事故を発生させたとき。
- 三第四十条の規定により電気工作物の使用の一時停止の命令又は使用の制限の処分を受けたとき。
- 四第五十五条の四各号のいずれかに該当していないと認められるとき。
- 五第五十五条の五第一項第三号又は第五号に該当するに至つたとき。
- 六不正の手段により認定又はその更新を受けたとき。
この条文の基本情報
認定の取消しとは何ですか?
定義認定の取消しとは、電気事業法第55条の9に定められた規定で、「経済産業大臣は、認定高度保安実施設置者が次の各号のいずれかに該当するときは、認定を取り消すことができる。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 電気事業法第55条の9(認定の取消し)は、日本の電気事業法に含まれる条文です。
- 電気事業法第55条の9の条文原文は「経済産業大臣は、認定高度保安実施設置者が次の各号のいずれかに該当するときは、認定を取り消すことができる。」で始まります。
- 電気事業法第55条の9は第六款 認定高度保安実施設置者に置かれています。
- 電気事業法の公布日は昭和39年7月11日です。
- 電気事業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 電気事業法第55条の9の前の条は電気事業法第55条の8です。
- 電気事業法第55条の9の次の条は電気事業法第55条の10です。
- 電気事業法第55条の9には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
電気事業法(昭和三十九年法律第百七十号)第55条の9 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/339AC0000000170 - 本サイト収録
電気事業法(昭和三十九年法律第百七十号)第55条の9(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/339AC0000000170/55_9
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点電気事業法55条の9は、認定高度保安実施設置者が事故・行政処分・基準割れ・欠格・不正認定のいずれかに当たるとき、経済産業大臣が認定を取り消せると定める。
Q · けが人も火災もない事故でも、高度保安の認定は取り消されるの?
「おそれ」のある事故でも対象。ただし取消しは大臣の裁量
電気事業法第55条の9第2号は、事業者の責めに帰すべき事由により、災害の発生のおそれのある事故を発生させたことを取消事由としています。実害がなくても対象になり得ます。ただし条文は「取り消すことができる」と定めており、取消しは経済産業大臣の裁量判断です。原因が経年劣化や不可抗力であれば帰責性を争う余地があり、事故報告の内容や再発防止策の質が判断を左右します。
解説
取消事由の一覧を読むと、意外な点が二つ見えてくる。第一に、実際の災害まで起きなくてよい。第二号のとおり、「災害の発生のおそれのある事故」を自分の責めに帰すべき事由で起こしただけで、取消しの対象になる。いわゆるヒヤリハットに近い事故であっても、原因が自社の管理の甘さにあれば、経済産業大臣は認定を取り消すことができる。第二に、取消事由は事故だけではない。第40条にもとづく使用の一時停止命令や使用制限の処分を受けたこと、認定基準(第55条の4)を満たさなくなったこと、欠格事由(第55条の5第1項第3号・第5号)に当たるようになったこと、不正の手段で認定や更新を受けたこと、これらも取消事由である。つまり認定は一度取れば終わりの勲章ではなく、毎日の運用で維持し続ける資格だ。条文は「取り消すことができる」と書いているので、取消しは大臣の裁量(役所が事情を見て決められる判断の幅)に委ねられている。だからこそ事故後の報告内容、原因分析、再発防止策の質が、認定を残せるかどうかを左右する。認定を持つプラントの保安担当者であれば、事故報告書は自社の言い分を記録に残す最初の場でもあると理解しておく必要がある
法的な位置づけ
電気事業法第55条の9は、認定高度保安実施設置者に対する認定取消しの要件を定める規定である。帰責事由による災害・事故の発生、第40条の処分、第55条の4の基準不充足、第55条の5第1項第3号・第5号の欠格該当、不正手段による認定・更新の六号を取消事由とし、取消しの可否は経済産業大臣の裁量に委ねている。
よくある質問 AI による整理
Q1認定高度保安実施設置者とは?
高度な保安技術と組織体制を持つとして経済産業大臣の認定を受け、自主保安に関する手続上の特例を受けられる事業用電気工作物の設置者です。
Q2高度保安認定が取り消される事由は何ですか?
電気事業法55条の9が定める六つで、帰責事由による災害・事故、第40条の処分、認定基準割れ、欠格事由該当、不正手段による認定・更新です。
Q3災害の発生のおそれのある事故とは?
実際の被害は出ていないものの、放置すれば感電・火災などの災害に至り得た事故を指します。本条2号では、帰責事由があれば取消事由になります。
Q4高度保安認定の取消しは必ず行われますか?
いいえ。条文は「取り消すことができる」であり、経済産業大臣の裁量です。原因、帰責性、改善状況などを踏まえて判断されます。
Q5認定取消し前に聴聞はありますか?
認定の取消しは不利益処分に当たり、原則として行政手続法13条に基づく聴聞が行われます。記録の閲覧を求め、反証を準備できます。
Q6高度保安認定の取消しに不服がある場合は?
審査請求(原則として知った日の翌日から3か月以内)や取消訴訟(知った日から6か月以内)を検討します。期限は処分通知の教示欄で確認します。
Q7人員削減で高度保安認定は取り消されますか?
人員削減で第55条の4の認定基準を満たさなくなれば、事故がなくても第4号の取消事由に当たる可能性があります。組織変更前の影響評価が重要です。
Q8認定取消し後、電気設備は使えなくなりますか?
取消しで失うのは認定に基づく特例です。設備の使用停止は第40条の命令という別の処分であり、取消し後は通常の保安規制の下で運用します。
この条文についての質問 AI による整理
Q1けが人も設備被害もない小さなトラブルでも、本当に取消しになるんですか?
第55条の9第2号は、災害の発生の「おそれ」がある事故を、自社の責めに帰すべき事由で起こした場合を取消事由としています。ただし取消しは「できる」規定で、裁量判断です。実務のポイント:実務で効くのは事故の規模より、原因分析と再発防止策の説得力です。初報で原因を曖昧にしたまま運用ミスを隠すと、のちに不正の評価までされかねません
Q2取消しになったら、すぐ設備を止めなきゃいけないんですか?
認定の取消しは、認定にもとづく特例を失わせるものです。設備の使用停止そのものを命じるのは、第40条の命令という別の処分です。実務のポイント:取消し後は通常の保安規制に戻るため、保安規程や手続の切替え準備が必要になります。取消し後に慌てて整えると、手続の空白が次の指摘の原因になりかねません。平時から通常手続への切替え手順書を用意しておく事業者は強いです
Q3取消しの前に、こっちの言い分を聞いてもらえますか?
認定のような許認可の取消しは不利益処分に当たり、原則として行政手続法13条にもとづく聴聞が行われます。実務のポイント:聴聞では文書の閲覧を求められます(同法18条)。役所がどの記録を根拠にしているかを先に確認し、それに対応する反証を揃えることが基本戦略です
間違えやすい点 AI による整理
- 「認定の取消しは大事故を起こした会社の話だ」と思われがちだが、第二号は災害の「おそれ」がある事故で足りる。実害の大小より、原因が自社の責めに帰すべきかどうかが問題になる
- 事故が起きたら必ず取り消されると恐れる人もいるが、条文は「取り消すことができる」であり、取消しは義務ではない。経年劣化や不可抗力が主な原因なら、「責めに帰すべき事由」の要件で争う余地がある。問題設定は「事故を起こしたか」ではなく「誰の落ち度か、それを示す記録があるか」である
- 現場から見れば、組織改編は経営判断にすぎない。しかし法律から見れば、認定の前提となる組織そのものの変更である。人員削減や外部委託化で第55条の4の基準を割れば、無事故でも取消事由になる。この認識のずれが、気付かないうちに資格を失わせる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 処分の内容 | 55条の9:認定(自主保安の特例)を取り消す | 40条:電気工作物の使用の一時停止・使用制限を命じる 55条の4:認定の基準を定める(処分規定ではない) |
| 発動のきっかけ | 事故・処分歴・基準割れ・欠格・不正の六事由 | 電気工作物が技術基準に適合していないこと 認定申請時・更新時の審査 |
| 相互関係 | 40条の処分を受けたこと自体が3号の取消事由になる | 40条の処分が55条の9第3号の入口になる 基準を満たさなくなれば55条の9第4号の取消事由 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾では電気設備の保安は主務機関の監督と専任技術者制度が中心で、日本の高度保安認定のような自主保安特例の認定制度は確認できない
韓国は2020年施行の電気安全管理法で電気設備の安全管理を体系化。自主保安特例の認定取消しに直接対応する規定の有無は要確認
ドイツはエネルギー設備に一般に認められた技術規則の遵守を求める方式で、事業者認定による特例付与とは構造が異なる
米国は労働安全規則(OSHA)と業界基準(NFPA 70E)による規律が中心で、国による保安特例認定の制度とは性格が異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- センサーの警報閾値を現場判断で緩めたまま放置し、変圧器の異常発熱に気付くのが遅れた。発火はせず、けが人も出なかった。それでも「災害の発生のおそれのある事故」で、原因が自社の運用にあると評価されれば、第二号の取消事由に当たりうる。「何も燃えていないから大丈夫」という感覚は、この条文の前では通用しない
- もし、認定申請のときに提出した保安体制の説明が実態より盛られていて、監査で発覚したらどうなる? 第六号の「不正の手段」に当たれば、取消しの対象になる。申請書を書いたのが前任者だとしても、会社の責任であることに変わりはない
- あなたは保安部門の責任者で、事故の翌朝に電気関係報告規則にもとづく速報の期限が迫っている。原因が設備の経年劣化なのか、運用ミスなのか。報告書にどう書くかで、「責めに帰すべき事由」の評価が変わってくる。残された時間は数時間しかない
- 親会社の再編で保安部門の人員が三割減った。認定時に評価された組織体制が崩れれば、第55条の4の基準を満たさないと判断される可能性がある。事故が一件もなくても、組織図の書換え一枚が取消しの入口になりうる
取るべき行動
被害を受けた側:取消しを受けかねない事業者の立場で整理する。1. 事故直後から時系列、ログ、点検記録を保全する。原因の切り分けを社内で文書化しておく2. 電気関係報告規則にもとづく報告は期限を守り、事実と推測を分けて書く3. 聴聞の通知が来たら、改善策の実施証拠を準備する4. 取消処分を受けた場合は、審査請求や取消訴訟を検討する
訴えられた側:近隣住民や取引先が事業者の保安に疑問を持った場合の手順。1. 事故の事実関係を記録し、所管の産業保安監督部に情報提供する2. 損害があれば、取消しとは別に民法709条で事業者に賠償を請求する3. 取消しは被害の回復手段ではないため、民事の請求は別に組み立てる
時効(請求できる期限):取消処分に対する取消訴訟は、処分があったことを知った日から6か月以内(行政事件訴訟法14条)。審査請求は原則として知った日の翌日から3か月以内(行政不服審査法18条)。不服申立てに関する個別法の特例の有無は、処分通知書の教示欄で確認すること(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説(講学上の撤回と取消しの区別):本条1号から5号は認定後に生じた事由に基づくため、講学上は撤回に当たる。6号の不正手段による認定は成立時の瑕疵に基づくため、講学上の取消しに近い。法文はいずれも「取消し」と表記している。
通説(裁量的撤回):「取り消すことができる」との文言から、取消しの要否と時期は大臣の裁量とされる。ただし事実誤認や比例原則違反があれば、裁量権の逸脱・濫用として違法となり得る(行政事件訴訟法30条)。
改正沿革 AI による整理
- 令和4年(2022年)改正(要確認) 高圧ガス保安法等の一部を改正する法律により、認定高度保安実施設置者制度が創設され、取消規定も設けられたとみられる。創設か既存条文の改正かを含め、人的検証が必要
- 電気事業法 第40条技術基準適合命令、第三号の取消事由
- 電気事業法 第55条の4認定基準、第四号で充足喪失を問う
- 電気事業法 第55条の5欠格事由、第五号の取消事由の参照元
- 電気事業法 第55条の2高度保安実施設置者の認定根拠(現行効力を要確認)
- 行政手続法 第13条許認可取消し前の聴聞手続
- 行政事件訴訟法 第14条取消訴訟の出訴期間
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