電気事業法 第55条の8(承継)
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- 第五十五条の二第一項の規定により事業用電気工作物を設置する者(認定高度保安実施設置者に限る。)の地位を承継した者は、認定高度保安実施設置者でないとき、又は認定高度保安実施設置者である場合において次の各号のいずれかに該当するときは、同項の規定にかかわらず、認定高度保安実施設置者の地位を承継しない。
- 一その行う承継が分割による承継であつて、認定に係る事業の全部を承継するものでないとき。
- 二その認定に係る組織の使用する事業用電気工作物に関して、その責めに帰すべき事由により、電気その他による災害を発生させた日から二年を経過しないとき。
- 三第五十五条の五第一項第三号から第五号までのいずれかに該当するとき。
この条文の基本情報
承継とは何ですか?
定義承継とは、電気事業法第55条の8に定められた規定で、「第五十五条の二第一項の規定により事業用電気工作物を設置する者(認定高度保安実施設置者に限る。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 電気事業法第55条の8(承継)は、日本の電気事業法に含まれる条文です。
- 電気事業法第55条の8の条文原文は「第五十五条の二第一項の規定により事業用電気工作物を設置する者(認定高度保安実施設置者に限る。」で始まります。
- 電気事業法第55条の8は第六款 認定高度保安実施設置者に置かれています。
- 電気事業法の公布日は昭和39年7月11日です。
- 電気事業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 電気事業法第55条の8の前の条は電気事業法第55条の7です。
- 電気事業法第55条の8の次の条は電気事業法第55条の9です。
- 電気事業法第55条の8には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
電気事業法(昭和三十九年法律第百七十号)第55条の8 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/339AC0000000170 - 本サイト収録
電気事業法(昭和三十九年法律第百七十号)第55条の8(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/339AC0000000170/55_8
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点電気事業法55条の8は、設置者の地位を承継しても、承継者が認定を持たない場合や、責めに帰すべき災害から2年以内の場合などは、認定高度保安実施設置者の地位を承継しないと定める。
Q · 認定を持っている発電所を買収したら、その「スマート保安の認定」も一緒に引き継げるの?
自動では移らない。承継者自身の認定と三要件の確認が必要
電気事業法55条の8により、設置者の地位(55条の2第1項)を承継しても、承継者自身が認定高度保安実施設置者でなければ認定上の地位は承継されません。承継者が認定を持っていても、①会社分割で認定に係る事業の一部しか承継しない、②責めに帰すべき事由による電気その他の災害から2年が経過していない、③55条の5第1項第3号から第5号に該当する、のいずれかに当たれば承継されません。
解説
「認定」は会社の看板ではなく、保安体制という中身に付いている。電気事業法55条の8は、事業用電気工作物の設置者の地位を引き継いでも、認定高度保安実施設置者(IoT やデータ解析などで高度な自主保安ができると国に認められた設置者)としての地位は自動では付いてこない、と定める。条文の書き方では、承継した側がそもそも認定高度保安実施設置者でなければ、認定上の地位は引き継げない。承継した側が認定を持っていても、引き継げない場合が三つある。(1)会社分割で、認定に係る事業の一部しか受け取っていない。(2)認定に係る組織が使う設備で、責めに帰すべき事由による電気その他の災害が起きてから2年が経っていない。(3)55条の5第1項第3号から第5号に当たる。あなたが発電所や工場の買収を担当しているなら、事業価値の計算に入れていた「保安のゆるやかな運用」が、クロージングの日に消えるかもしれない。その前提で契約を組む必要がある。
法的な位置づけ
電気事業法55条の8は、認定高度保安実施設置者の地位の承継制限を定める規定である。同法55条の2第1項により設置者の地位が承継された場合でも、承継者が認定高度保安実施設置者でないとき、または分割による一部承継、責めに帰すべき事由による災害発生から2年未経過、55条の5第1項第3号から第5号該当のいずれかに当たるときは、認定上の地位は承継されない。
よくある質問 AI による整理
Q1認定高度保安実施設置者とは?
IoT やデータ解析などを活用した高度な自主保安体制を持つと国から認定を受けた、事業用電気工作物の設置者です。認定を受けると保安規制の運用が合理化されます。
Q2電気事業法55条の8とは?
設置者の地位を承継した者について、認定高度保安実施設置者の地位がどのような場合に承継されないかを定めた条文です。承継者自身の認定が前提になります。
Q3発電所 事業譲渡 認定 引き継ぎ できる?
承継者自身が認定高度保安実施設置者で、分割による一部承継・災害から2年未経過・欠格事由のいずれにも当たらない場合に限り、認定上の地位も承継されます。
Q4会社分割で発電事業の一部だけ承継したら認定はどうなる?
認定に係る事業の全部を承継しない分割であれば、電気事業法55条の8第1号により認定上の地位は承継されません。通常の保安体制で運用する必要があります。
Q5感電事故から何年経てば認定を承継できる?
責めに帰すべき事由による災害の発生日から2年を経過していれば、第2号による承継否定には当たりません。起算点は災害の発生日です。
Q6自然災害による事故でも認定の承継が否定される?
第2号の対象は設置者側の責めに帰すべき事由による災害です。保安管理上の過失がない純粋な自然災害であれば、文言上は当たらないと考えられます。
Q7認定が承継されなかったら新たに申請できる?
承継者は自ら認定を申請することが考えられます。要件や手続は経済産業省(産業保安監督部)に事前相談し、最新の運用を確認することが推奨されます。
Q8設置者の地位の承継と認定の承継は別物?
別に判断されます。設置者の地位は55条の2で承継されても、認定高度保安実施設置者の地位は55条の8の要件を満たさない限り承継されません。
この条文についての質問 AI による整理
Q1うちは認定持ってないけど、認定済みの会社を丸ごと合併すれば認定も手に入るよね?
条文上は手に入らない。電気事業法55条の8は、承継者が認定高度保安実施設置者でない場合、認定上の地位を承継しないと定めている。合併で設置者の地位(55条の2)は移っても、認定は移らない。実務のポイント:認定は「会社」ではなく「保安組織の実力」に対する評価である。合併で取り込んだ相手の保安チームを解散させずに残し、その体制で自社として新規認定を取りにいく。実務ではこの順序のほうが早いことがある
Q22年前の事故って、うちのミスじゃなく台風のせいでもアウトになるの?
第2号の対象は、設置者側の「責めに帰すべき事由」による災害に限られる。純粋な自然災害で、設置者側に落ち度がなければ、文言上は当たらない。ただし、台風対策の不備など保安管理上の過失が認められれば、責めに帰すべき事由と評価されうる。実務のポイント:事故報告書の原因欄の書き方が、後の判断に影響する。事故直後の報告で原因を正確に、過不足なく書くことが、2年後の取引を守ることにつながる
間違えやすい点 AI による整理
- 「法人格ごと引き継ぐ合併なら、許認可は全部ついてくる」と考えがちだが、本条は承継者自身が認定高度保安実施設置者であることを前提にしている。合併という形式だけでは足りず、買い手の保安体制そのものが問われる
- 事故歴が取引価格に影響することは誰でも知っている。見落とされやすいのは、責めに帰すべき事由による災害から2年以内なら、規制上の地位そのものが移らないという点だ。数字の減額ではなく、運用モデルの前提が崩れる
- 「どうすれば認定を引き継げるか」と問う前に、認定は事業の一部ではなく、保安組織の能力に対する評価だと理解すべきである。会社分割で事業の一部だけを切り出すと、それを支えていた組織の全体像が崩れる。第1号はその考え方を形にしたものだ
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律対象 | 電気事業法55条の8:認定高度保安実施設置者の地位の承継制限 | 電気事業法55条の2:事業用電気工作物の設置者の地位の承継(原則) 電気事業法55条の5:認定に関する欠格事由等(引用元) |
| 承継の効果 | 要件を満たさなければ認定上の地位は承継されない | 相続・合併・分割等により設置者の地位が承継される 該当すれば認定を受けられない事由を定める |
| M&A 実務での論点 | 取引形態・事故歴・承継者自身の認定の有無 | 設置者としての義務(保安規程・主任技術者等)が承継者に移るか 承継者や役員が欠格事由に当たらないか |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾は電業の許可・登記と設備安全を電業法体系で規律する。保安能力に対する認定を事業承継から切り離す本条のような規定は確認できない
韓国は2021年に電気安全管理を独立法として整備。事業承継時の安全管理上の地位の扱いは同法の個別規定を要確認
ドイツはエネルギー設備の技術的安全を一般に認められた技術規則への適合で担保し、事業者認定の承継という構造はとらない
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 認定を持つ製造業グループから、メガソーラー部門だけを会社分割で受け取ったら、どうなる? 認定に係る事業の全部を承継していないので、第1号に当たって認定上の地位は移らない。受け取った翌日から、通常の保安規程と点検体制で運用しなければならない
- あなたは買い手側の法務担当で、クロージングまで残り10日。対象工場で1年半前に感電事故があったと、デューデリジェンスの最終段階で分かった。設置者側の責めに帰すべき事由と評価されれば、第2号の「2年」の範囲内である。認定が引き継がれない前提で、価格調整条項を今週中に入れ直す必要がある
- 売り手の立場で考えると、「認定済みなので保安コストが低い」と買い手に説明していたなら、それは表明保証違反の火種になる。認定は事業と一緒に売れる資産ではない
- 自社では認定を持たない投資ファンドが、認定済みのバイオマス発電事業を合併で取得した。条文上、承継者が認定高度保安実施設置者でない時点で、認定上の地位は承継されない。運用会社に保安体制を組み直す費用が、取得直後に発生する
取るべき行動
被害を受けた側:(認定を引き継げると期待していた買い手の場合)1. 対象事業の災害記録、責めに帰すべき事由の評価、発生日を一覧にして第2号の該当性を確かめる2. 自社が認定高度保安実施設置者かどうか、分割の範囲が認定に係る事業の全部かどうかを確認する3. 承継できない場合に備えて、通常の保安体制へ移るまでのコストを価格調整条項や表明保証に組み込む4. 経済産業省(産業保安監督部)に事前に相談し、新規認定の見通しを確かめる
訴えられた側:(認定を売りに事業を譲る売り手の場合)1. 「認定ごと引き継げる」と表明すれば保証違反のリスクを負う。本条の三つの要件を前提にした開示文言に改める2. 事故歴があるなら、発生日から2年を過ぎるまでクロージングを遅らせることを検討する3. 分割スキームなら、認定に係る事業の全部を一体で移す設計にできないか検討する4. 移行期間の保安支援を契約に盛り込み、価格の目減りを抑える
時効(請求できる期限):本条に特定の時効はない。第2号は、責めに帰すべき事由による災害を発生させた日から2年が経っていない場合に承継を否定する(起算点は災害の発生日)。承継に伴う届出などの期限は、55条の2と電気事業法施行規則の定めを確認すること(最新の改正状況をご確認ください)。契約上の請求には一般消滅時効(民法166条:権利を行使できると知った時から5年、行使できる時から10年)が適用される
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和39年(1964年) 新設:電気事業法制定(昭和39年法律第170号)。本条は後年の改正で追加されたもので、制定当初の条文ではない
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