電気事業法 第66条(準用)
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第六十一条第三項、第六十二条及び第六十三条の規定は、小売電気事業者、特定卸供給事業者及び自家用電気工作物を設置する者に準用する。この場合において、第六十一条第三項中「電線路を著しく損壊して電気の供給に重大な支障を生じ、又は火災その他の災害を発生して公共の安全を阻害する」とあるのは、「火災その他の災害を発生して公共の安全を阻害する」と読み替えるものとする。
この条文の基本情報
準用とは何ですか?
定義準用とは、電気事業法第66条に定められた規定で、「第六十一条第三項、第六十二条及び第六十三条の規定は、小売電気事業者、特定卸供給事業者及び自家用電気工作物を設置する者に準用する。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 電気事業法第66条(準用)は、日本の電気事業法に含まれる条文です。
- 電気事業法第66条の条文原文は「第六十一条第三項、第六十二条及び第六十三条の規定は、小売電気事業者、特定卸供給事業者及び自家用電気工作物を設置する者に準用する。」で始まります。
- 電気事業法第66条は第四章 土地等の使用に置かれています。
- 電気事業法の公布日は昭和39年7月11日です。
- 電気事業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 電気事業法第66条の前の条は電気事業法第65条です。
- 電気事業法第66条の次の条は電気事業法第66条の2です。
- 電気事業法第66条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
電気事業法(昭和三十九年法律第百七十号)第66条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/339AC0000000170 - 本サイト収録
電気事業法(昭和三十九年法律第百七十号)第66条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/339AC0000000170/66
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点電気事業法66条は、緊急伐採を定める61条3項等を自家用電気工作物設置者等に準用し、伐採理由を火災等による公共の安全阻害のおそれに限定する。
Q · 自家用の電線に隣の木がかかったら、工場側が勝手に切ってもいいの?
火災など公共の危険がある緊急時に限り可能
電気事業法66条により、自家用電気工作物の設置者にも61条3項の緊急伐採が準用されます。ただし読み替えにより、伐採できる理由は「火災その他の災害を発生して公共の安全を阻害する」おそれに限られ、自社の停電や供給支障の防止は理由になりません。伐採後は遅滞なく植物の所有者に通知する必要があります。小売電気事業者・特定卸供給事業者も同じ扱いです。
解説
電線に倒れかかった一本の木を、持ち主の許可なく切ってよいのは誰か。答えは電力会社だけではない。電気事業法66条は、緊急時の伐採・移植の権限を定めた61条3項と、それに付随する62条・63条を、小売電気事業者、特定卸供給事業者(複数の発電設備や蓄電池を束ねて電気を卸す事業者)、自家用電気工作物(工場やビルの高圧受電設備、事業用の太陽光発電所など)を設置する者にも準用する。ただし大事な読み替えがある。一般送配電事業者なら「電気の供給に重大な支障が出るおそれ」を理由に緊急伐採できるが、本条の対象者に残る理由は「火災その他の災害で公共の安全を害するおそれ」だけである。自社工場の電気が止まりそうという理由では、他人の木に手を出す根拠にならない。切った後は遅滞なく植物の所有者に通知する義務も残る(61条3項後段)。準用される62条・63条の細かい内容は、最新の法令データで確認すること。
法的な位置づけ
電気事業法66条は、一般送配電事業者等に認められた緊急時の植物伐採・移植の規定(61条3項)および関連規定(62条・63条)を、小売電気事業者、特定卸供給事業者および自家用電気工作物設置者に準用する規定である。準用に際し、伐採等の要件は火災その他の災害による公共の安全阻害のおそれに限定される。
手順
- 1.危険の状況を記録する 伐採を決める前に、火花・焦げ跡・枯れ葉の堆積・倒木の接触状況を写真と動画で撮影し、気象情報(強風・台風予報)も保存する。後に「公共の安全を阻害するおそれ」の有無が争われたときの立証資料になる
- 2.所有者への連絡と専門家の評価 可能であれば植物の所有者に連絡を試み、連絡を試みた記録を残す。あわせて電気主任技術者等に火災リスクの評価を求め、書面またはメッセージで残す
- 3.必要最小限の伐採・移植 火災その他の災害による公共の安全阻害を防ぐために必要な範囲に限って伐採または移植する。自社の停電防止を理由とした範囲拡大は避ける
- 4.遅滞なく所有者へ通知する 伐採後、遅滞なく植物の所有者へ、伐採の日時・範囲・理由(公共の安全阻害のおそれ)を通知する。内容証明郵便など送付記録が残る方法を選ぶ
- 5.損失の補償について協議する 所有者と樹木の価値、植え替え費用等について協議し、合意内容を書面化する。平時に伐採が必要な木は事前合意書の締結も検討する
よくある質問 AI による整理
Q1電気事業法66条とは?
小売電気事業者・特定卸供給事業者・自家用電気工作物設置者に、緊急時の植物伐採等の規定(61条3項・62条・63条)を準用する条文です。
Q2自家用電気工作物とは何ですか?
一般送配電事業等の用に供する以外の電気工作物で、高圧受電の工場やビル、一定規模の事業用太陽光発電所などが該当しうるものです(電気事業法38条)。
Q3電線にかかった木を切ったら、所有者に連絡は必要?
必要です。準用される61条3項後段により、伐採・移植後は遅滞なく植物の所有者に通知しなければなりません。
Q4停電を防ぐために隣の木を切るのは違法?
小売電気事業者や自家用設備の設置者の場合、供給支障の防止は伐採理由から外されています。火災等の公共の危険がなければ根拠を欠き、損害賠償の対象となりえます。
Q5太陽光発電所の業者に木を切られたらどうする?
切り株や現場の写真を残し、どの法的根拠で切ったか、火災等の危険が何だったか、通知はいつかを書面で照会します。そのうえで補償・賠償を協議します。
Q6緊急伐採の通知はいつまでにすべき?
条文上は「遅滞なく」とされ、具体的な日数の定めはありません。実務では伐採後できるだけ早く、書面で日時と方法の記録が残る形で通知するのが安全です。
Q7新電力の会社も木を切る権限がある?
小売電気事業者は本条の対象ですが、伐採理由は公共の安全阻害のおそれに限られます。家の前の配電線の管理者は通常、地域の一般送配電事業者です。
Q8木を切られた損害賠償の時効は?
不法行為として請求する場合、損害と加害者を知った時から3年、行為時から20年です(民法724条)。早めの証拠保全が重要です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1うちの工場の電線に木が倒れそう。電力会社みたいに勝手に切っていいの?
自家用電気工作物の設置者なら、本条で61条3項が準用されるので、緊急時の伐採はありうる。ただし理由は「火災その他の災害で公共の安全を害するおそれ」に限られ、供給支障は理由にならない。実務のポイント:現場では「停電したら困る」が本音でも、記録と説明は火災リスクで組み立てる。保安業務の委託先の電気主任技術者に、その場で危険の評価を一筆もらっておくと強い
Q2勝手に木を切られたけど、通知もなかった。泣き寝入り?
泣き寝入りする必要はない。準用される61条3項後段は、伐採後に遅滞なく所有者へ通知することを求めている。通知がなければ手続面の不備になり、公共の安全を害するおそれが本当にあったかも改めて問える。実務のポイント:相手が電力会社ではなく工場や発電所の運営会社なら、法務部門が本条の読み替えを把握していないことが多い。根拠の照会状を一通送るだけで、相手の態度が変わる
Q3新電力の会社も木を切れるって本当?
小売電気事業者も本条の対象なので、緊急時の伐採の規定は準用される。ただし、多くの小売電気事業者は送配電網を持たず、電線路を管理するのは一般送配電事業者である。実務のポイント:家の前の電柱の電線に木がかかっているなら、連絡先は契約している新電力ではなく、地域の送配電会社である。ここを間違えると対応が数日遅れる
間違えやすい点 AI による整理
- 設置者から見れば「自分の電線を守るための当然の措置」でも、法律から見れば守っているのは「公共の安全」である。自社の停電リスクは、本条の読み替えによってあえて理由から外された。この落差が、後の損害賠償請求で設置者を追い詰める
- 緊急伐採が許されることは知っていても、切った後の通知義務の重さを知らない人は多い。61条3項後段は、遅滞なく所有者に通知することを求めている。現場で正しく判断しても、通知を怠れば手続違反の側面が残り、所有者との信頼関係も一気に崩れる
- 「電力会社じゃないから、うちには関係ない条文だ」という問いの立て方そのものがずれている。自家用電気工作物の設置者には、高圧受電の工場、商業ビル、病院、事業用の太陽光発電所まで含まれうる。電気の小売をしていなくても、本条の当事者になる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 対象者 | 66条:小売電気事業者・特定卸供給事業者・自家用電気工作物設置者 | 61条3項:一般送配電事業者等(準用元) 民法233条:越境した竹木の隣地所有者 |
| 伐採が許される理由 | 火災その他の災害による公共の安全阻害のおそれのみ | 電気の供給の重大な支障のおそれ、または公共の安全阻害のおそれ 枝の越境(一定の要件で自ら切除可) |
| 対象となる木 | 電線路に障害を及ぼす植物(越境の有無を問わない) | 電線路に障害を及ぼす植物(越境の有無を問わない) 境界線を越えた枝・根 |
| 事後の手続 | 遅滞なく所有者へ通知(61条3項後段の準用) | 遅滞なく所有者へ通知 切除前の催告等(民法233条3項の要件) |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾も電業者による線路設置に伴う障害竹木の剪除と補償を定めるが、自家用設備設置者への準用構造は日本ほど明確に分化していない
フランスは送配電線の公益地役(servitude)として樹木の伐採・剪定権を定め、所有者への補償を前提とする
米国は送電線の植生管理を信頼度基準で義務付け、私有地の伐採権限は州法や地役権契約に委ねられる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 工場の構内から変電設備までを結ぶ自家用の高圧線に、隣の雑木林の杉が台風で傾いてもたれかかった。枝が線に触れて火花が散っている。ここで火災の危険が明らかなら、緊急伐採の根拠が立つ。単に「停電すると生産ラインが止まる」というだけなら、根拠は立たない
- もし、あなたの山林の木が、知らないうちに太陽光発電所の業者に切られていたら、どうなる? 業者に「通知はあったか」「火災等の危険は本当にあったか」をまず問う。どちらかが欠けていれば、交渉の主導権はあなたにある
- あなたは郊外の野立て太陽光発電所の保安担当者。週末の見回りで、隣地の竹が自営線に覆いかぶさり、乾燥した枯れ葉が碍子の近くに溜まっているのを見つけた。土地の持ち主とは連絡がつかない。今夜は強風予報。切るなら火災リスクの写真を撮ってから、そして月曜の朝には通知書を出す
- 友人から「うちの畑の柿の木を、近所の工場の人に勝手に切られた」と相談された。最初に確認すべきは、工場側が自家用電気工作物の設置者として緊急伐採をしたのか、それとも単なる越権か。これで話の筋がまったく変わる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 木を切られたら、切り株・残材・現場の写真をすぐ保存する2. 相手に、どの法的根拠で切ったのか、火災等の危険が具体的に何だったのかを書面で照会する3. 通知が遅れた、または通知がなかった事実を時系列で記録する4. 損失の補償・賠償の協議に入る。樹木の市場価値だけでなく、庭木なら景観価値や植え替え費用も見積もる
訴えられた側:1. 伐採前後の写真、気象情報、点検記録をまとめ、火災その他の災害のおそれがあったことを示す2. 所有者への通知の日時と方法を証拠に残す。まだなら直ちに出す3. 「供給確保のため」という説明は避け、公共の安全の観点で説明を組み立てる4. 損失の補償について早めに協議を申し出て、紛争化を防ぐ5. 平時の伐採が必要な木は、事前に所有者と合意書を結んでおく
時効(請求できる期限):特定の時効はないが、一般消滅時効(民法166条、債権5年または10年)が適用される。不法行為として請求する場合は、損害と加害者を知った時から3年(民法724条)。伐採後の所有者への通知は「遅滞なく」が求められる(電気事業法61条3項後段、本条で準用)
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成26年(2014年) 改正:電力システム改革に伴う改正で小売電気事業者の類型が設けられ、本条の準用対象に含まれる(2016年4月施行)
- 2.令和2年(2020年) 改正:エネルギー供給強靱化に関する改正で特定卸供給事業者(アグリゲーター)の類型が設けられ、本条の準用対象に加わる(2022年4月施行)
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