信託法 第108条(受益者集会の招集の決定)
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- 受益者集会を招集する者(以下この款において「招集者」という。)は、受益者集会を招集する場合には、次に掲げる事項を定めなければならない。
- 一受益者集会の日時及び場所
- 二受益者集会の目的である事項があるときは、当該事項
- 三受益者集会に出席しない受益者が電磁的方法(電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であって法務省令で定めるものをいう。以下この款において同じ。)によって議決権を行使することができることとするときは、その旨
- 四前三号に掲げるもののほか、法務省令で定める事項
この条文の基本情報
受益者集会の招集の決定とは何ですか?
定義受益者集会の招集の決定とは、信託法第108条に定められた規定で、「受益者集会を招集する者(以下この款において「招集者」という。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 信託法第108条(受益者集会の招集の決定)は、日本の信託法に含まれる条文です。
- 信託法第108条の条文原文は「受益者集会を招集する者(以下この款において「招集者」という。」で始まります。
- 信託法第108条は第二款 受益者集会に置かれています。
- 信託法の公布日は平成18年12月15日です。
- 信託法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 信託法第108条の前の条は信託法第107条です。
- 信託法第108条の次の条は信託法第109条です。
- 信託法第108条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
信託法(平成十八年法律第百八号)第108条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/418AC0000000108 - 本サイト収録
信託法(平成十八年法律第百八号)第108条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/418AC0000000108/108
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点信託法108条は、受益者集会の招集者が日時・場所、議題、電磁的方法による議決権行使の可否、法務省令事項を事前に定めるべきことを規定する。
Q · 受益者集会の日時や議題は誰が決めるの?
招集者(通常は受託者)が招集時に決める
信託法108条により、受益者集会を招集する者(通常は受託者)は、集会の日時・場所、会議の目的である事項(議題)、出席しない受益者が電磁的方法で議決権を行使できるか否か、法務省令で定める事項を定めなければなりません。これらは109条により集会日の2週間前までに受益者へ通知されます。ただし受益者集会は信託行為に定めがある場合の制度で、定めがなければ受益者の意思決定は原則全員一致です(105条)。
解説
受益者集会の招集通知を開く前に、勝負の大半はもう決まっている。信託法108条によれば、招集者(通常は受託者、つまり財産を預かって管理する側)は通知を出す前に、日時・場所、議題、欠席者が電磁的方法で議決権を行使できるかどうか、法務省令で定める事項を決めなければならない。議題を決めるのも、開催日を決めるのも、オンライン投票を認めるかどうかを決めるのも招集者である。遠方に住む受益者にとって、オンライン投票が認められるかどうかは、事実上の参加権そのものだ。それも招集の段階で決まり、当日になって変えることはできない。だから受益者のあなたが見るべきなのは当日の議論ではない。通知に書かれた議題と行使方法である。議題に挙がっていない事項がその場で決議されそうになったら、それは手続の瑕疵を疑う入口になる。そもそも受益者集会は、信託行為(信託契約や遺言)に定めがある場合にしか開かれない(105条)。定めがなければ、受益者が二人以上いる信託の意思決定は原則として全員一致である
法的な位置づけ
信託法108条は受益者集会の招集の決定を定める規定であり、招集者が受益者集会を招集する際に、日時及び場所、目的である事項、欠席受益者による電磁的方法での議決権行使の可否、法務省令で定める事項を定めることを義務付ける。109条の招集通知と一体となり、受益者に集会の内容を事前に開示する手続の起点となる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.信託行為の集会条項を確認する 信託契約・遺言に受益者集会の定め(多数決の旨、招集方法、行使方法の指定など)があるかを確認する。定めがなければ108条以下の手続ではなく、原則全員一致のルールになる(105条)。
- 2.日時・場所を決める 受益者の居住地や勤務状況を踏まえ、参加しやすい日時・場所を定める。受託者には公平義務(33条)があるため、特定の受益者を締め出す設定は紛争の火種になる。
- 3.議題を具体的に定める 会議の目的である事項を「その他」で済ませず、決議したい内容が受益者に分かる程度に具体的に書く。議題外の決議は後で効力を争われる原因になる。
- 4.電磁的方法による行使の可否を決める 遠方・海外の受益者がいる場合は、電磁的方法による議決権行使を認めるかを明示的に決める。認める場合はその旨を定め、行使期限や方式も整理する。
- 5.法務省令事項を点検し通知する 信託法施行規則で求められる事項の漏れがないか専門家の確認を受け、決定事項を記載した招集通知を集会日の2週間前までに発送する(109条)。
よくある質問 AI による整理
Q1受益者集会とは何ですか?
受益者が複数いる信託で、信託行為に定めがある場合に多数決で受益者の意思決定を行う会議です。定めがなければ原則全員一致で決めます(信託法105条)。
Q2受益者集会は誰が招集できますか?
原則として受託者が招集します(信託法106条)。一定の受益者は受託者に招集を請求でき、応じない場合の手当ても107条に置かれています。
Q3受益者集会の招集通知はいつまでに届く?
招集者は、受益者集会の日の2週間前までに、108条で決めた事項を記載して受益者に通知しなければなりません(信託法109条)。
Q4受益者集会でオンライン投票はできる?
招集者が電磁的方法による議決権行使を認めると定めた場合に限られます(信託法108条3号)。認めない決定も適法です。
Q5受益者集会の議題は誰が決める?
招集者が招集の段階で会議の目的事項として定めます(108条2号)。受益者は招集請求の際に目的事項を示して開催を求めることができます。
Q6家族信託で受益者集会は必要?
必須ではありません。ただ受益者が複数なら、集会の定めがないと意思決定は原則全員一致になるため、契約段階で多数決の仕組みを入れるか検討する価値があります。
Q7受益者集会の招集手続に違反するとどうなる?
手続上の瑕疵として決議の効力が問題になり得ます。信託法には株主総会のような決議取消しの訴えの明文がなく、争い方は解釈が分かれるため弁護士に相談を。
Q8受益者集会の法務省令で定める事項とは?
信託法施行規則が細目を定めています。具体的な項目は改正の可能性があるため、e-Govで現行の信託法施行規則を確認するのが確実です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1兄が受託者で、勝手に受益者集会の日を決めてきた。日程の変更を求められないの?
招集の決定権は招集者にあり(106条、108条)、受益者に日程の変更権はない。ただし、ことさらに参加を妨げる日時や場所を選んだ場合は、受託者の公平義務(33条)違反を問題にできる余地がある。実務のポイント:変更を要求するより、電磁的方法での行使を認めるよう書面で求める方が通りやすい。拒否された記録自体が、後の紛争で受託者の不公平を示す材料になる
Q2通知の議題に書いてないことを当日決めようとしてきたら、どうすればいい?
108条2号は、会議の目的である事項を招集の段階で定めるよう求めている。議題外の事項を決議すれば手続上の瑕疵が問題になる。会社法の株主総会と違い、信託法には決議取消しの訴えの明文がないため、効力をどう争うかは実務上解釈が分かれる。実務のポイント:その場で異議を述べ、議事録に記載するよう求める。記録が残っているかどうかで、後の交渉の強さがまったく違う
間違えやすい点 AI による整理
- 「受益者が複数いれば、当然多数決で決められる」と思われがちだが、問いの立て方が違う。信託行為に受益者集会の定めがなければ、受益者の意思決定は原則として全員一致である(105条1項)。108条の手続に乗れるのは、最初の設計段階で集会を組み込んだ信託だけだ
- 招集通知の議題欄は形式的な記載だと読み流されやすい。ところが受託者側から見れば、議題を設定することは議論の範囲を独占することである。受益者側から見れば、議題に載らなかった事項は原則としてその場で決められないという防御線になる。この見え方のずれに気付かないと、不利な決議を止める機会を逃す
- オンライン投票は時代の流れで当然認められると思うかもしれないが、法律上は招集者の選択事項である(108条3号)。それを認めないという決定も適法にできる。遠方の受益者が参加できるかどうかは、権利ではなく設計の問題なのだ
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律する段階 | 信託法108条:招集時に何を決めるか | 信託法106条:誰が招集するか 信託法109条:決定事項をいつ・どう通知するか |
| 主な義務者 | 招集者(通常は受託者) | 受託者(原則的な招集権者) 招集者 |
| 受益者側の関与 | 決定権はなく、通知内容を点検する立場 | 107条により招集請求が可能 通知受領後、2週間で準備・照会 |
| 適用の前提 | 信託行為に受益者集会の定めがあること(105条) | 同左 同左 |
他国ではどう定めているか 2 か国
台湾では信託法本体に受益者集会の一般規定がなく、証券化商品の受益人會議として個別法で規律される点が日本と異なる
韓国も全部改正で複数受益者の意思決定と受益者集会の仕組みを整備しており、日本の制度設計と近い
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 受益者集会の通知が届いた日から開催日まで、あと10日しかない。議題は「信託報酬の改定」の一行だけ。この短い記載で何を決めるつもりなのか。いまのうちに受託者へ書面で説明を求め、議決権の行使方法も確認しておかないと、当日は追認するしかなくなる
- 父の家族信託で受益者は兄弟三人。長男が受託者として集会を招集したが、日時は平日の昼、場所は長男の地元、オンライン参加は認められていなかった。東京で働く次男と三男は事実上出席できない。招集の決定そのものが、多数決の結果を左右している
- あなたが受託者として初めて受益者集会を開くとき、議題に「その他」とだけ書いて通知を出したらどうなるか。当日、重要な議案を決議しても、後で受益者から「通知に載っていない事項だ」と効力を争われる種をまくことになる
- 受益証券発行信託の受益者で、海外赴任中。電磁的方法による議決権行使は招集の決定事項なので、招集者が認めていなければ、メールで「賛成」と送っても有効な行使にならない可能性がある
取るべき行動
被害を受けた側:受益者側の手順である。1. まず信託契約に受益者集会の定めがあるか確認する(105条)。定めがなければ集会決議自体の拘束力を疑う。2. 通知に議題、日時・場所、電磁的方法の可否が明記されているか点検する。3. 曖昧な点は開催前に受託者へ書面で照会し、記録を残す。4. 出席できない場合は、書面や電磁的方法による議決権行使が可能かを確認する。5. 瑕疵がある決議の効力をどう争うかは、実務上解釈が分かれる。弁護士へ早めに相談する
訴えられた側:招集者(受託者)側の手順である。1. 信託行為の集会条項と108条の各号を照合し、決定事項を議事録化しておく。2. 議題は「その他」で済ませず具体的に書く。3. 遠方の受益者が多い場合は、電磁的方法による行使を認めて参加機会を確保し、後の紛争リスクを下げる。4. 法務省令(信託法施行規則)で定める事項の漏れがないか、司法書士・弁護士の確認を受ける
時効(請求できる期限):108条自体に期限はないが、決定した事項は、受益者集会の日の2週間前までに受益者へ通知しなければならない(109条)。逆算すると、招集の決定はそれより前に済ませておく必要がある(最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
- 平成18年(2006年)信託法全部改正 旧信託法には受益者集会の制度がなく、全部改正によって受益者集会の規定群とともに設けられたとみられる。その後の改正の有無は人的検証が必要
改正の年表
- 1.平成18年(2006年) 新設:信託法全部改正(平成18年法律第108号)により、受益者が複数いる信託の意思決定方法として受益者集会の規定群が設けられ、本条で招集の決定事項が定められた
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