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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 収録時点 令和8年7月4日読了 7 分7 分7 分

信託法 第139条(受益者代理人の権限等)

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  1. 受益者代理人は、その代理する受益者のために当該受益者の権利(第四十二条の規定による責任の免除に係るものを除く。)に関する一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有する。ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。
  2. 2.受益者代理人がその代理する受益者のために裁判上又は裁判外の行為をするときは、その代理する受益者の範囲を示せば足りる。
  3. 3.一人の受益者につき二人以上の受益者代理人があるときは、これらの者が共同してその権限に属する行為をしなければならない。ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。
  4. 4.受益者代理人があるときは、当該受益者代理人に代理される受益者は、第九十二条各号に掲げる権利及び信託行為において定めた権利を除き、その権利を行使することができない。

この条文の基本情報

受益者代理人の権限等とは何ですか?

定義受益者代理人の権限等とは、信託法第139条に定められた規定で、「受益者代理人は、その代理する受益者のために当該受益者の権利(第四十二条の規定による責任の免除に係るものを除く。」と規定しています。

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 信託法第139条(受益者代理人の権限等)は、日本の信託法に含まれる条文です。
  2. 信託法第139条の条文原文は「受益者代理人は、その代理する受益者のために当該受益者の権利(第四十二条の規定による責任の免除に係るものを除く。」で始まります。
  3. 信託法第139条は第三款 受益者代理人に置かれています。
  4. 信託法の公布日は平成18年12月15日です。
  5. 信託法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
  6. 信託法第139条の前の条は信託法第138条です。
  7. 信託法第139条の次の条は信託法第140条です。
  8. 信託法第139条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式信託法(平成十八年法律第百八号)第139条
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/418AC0000000108
  • 本サイト収録信託法(平成十八年法律第百八号)第139条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/418AC0000000108/139

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点信託法139条は、受益者代理人が受益者の権利に関する一切の裁判上・裁判外の行為をできると定める。ただし受託者の責任免除は権限外で、本人には92条の権利が残る。

Q · 家族信託で受益者代理人を付けたら、親本人はもう自分で権利を使えないの?

本人は92条の権利と契約で残した権利だけ使える

信託法139条4項により、受益者代理人がいる間、受益者本人が行使できるのは92条各号の権利(裁判所への申立て、報告請求、帳簿閲覧、損失てん補請求、差止請求など)と、信託行為で特に定めた権利に限られます。それ以外の受益者の権利は、受益者代理人が1項に基づいて裁判上・裁判外で代わりに行使します。ただし受託者の責任の免除(42条)は代理人の権限から除かれています。

解説

家族信託の契約書に「受益者代理人」という欄がある。小さな欄だが、ここに名前を書いた瞬間、受益者本人の手から権利のほとんどが離れる。信託法139条によれば、受益者代理人は、受益者の権利について裁判の場でも裁判外でも一切の行為ができる。一方で4項により、受益者本人は92条の権利(裁判所への申立て、受託者への報告請求、帳簿の閲覧、損失のてん補請求、差止請求など、信託行為でも奪えない基本的な権利)と、信託行為で特に残した権利しか使えなくなる。認知症に備えた親にとっては、これが安全網になる。だが受託者と代理人が実質的に同じ側の人間なら、親を囲い込む檻にもなりうる。ただし歯止めはある。受託者の責任を免除すること(42条)は代理人の権限から外されているので、代理人が受託者の失敗を勝手に許すことはできない。この欄を誰の名前で埋めるかで、十年後の家族の力関係が決まる。

法的な位置づけ

信託法139条は受益者代理人の権限を定める規定であり、受益者代理人が受益者のために、受託者の責任の免除を除く受益者の権利に関する一切の裁判上・裁判外の行為をする権限を有すること、複数の代理人は原則として共同で権限を行使すること、代理人がある間は受益者本人の権利行使が同法92条各号の権利等に制限されることを規定する。

手順

  1. 1.受益者代理人の候補者を受託者から独立した人で選ぶ 受託者本人は就任できない(144条・124条準用)ため、さらに受託者の配偶者や子を避け、受託者を本気で問いただせる親族や専門職を候補にする。
  2. 2.権限の範囲と行使方法を信託行為に書き込む 1項但書・3項但書を使い、代理人の権限の制限の有無と、複数代理人の場合の単独行使の可否を明記する。共同行使のままだと意見対立で止まる。
  3. 3.受益者本人に留保する権利を決める 4項により本人に残るのは原則92条の権利のみ。信託の変更への本人同意など、本人に残したい権利を信託行為で具体的に列挙する。
  4. 4.代理人が欠けた場合の後任選任方法を定める 受益者代理人は信託行為で指定する制度(138条)のため、辞任や死亡に備えて予備的な候補者や選任方法を契約時点で定めておく。

よくある質問 AI による整理

Q1受益者代理人とは何ですか?

信託行為で指定され、受益者に代わって受益者の権利を行使する者です。権限の範囲は信託法139条が定め、受託者の監督役として機能します。

Q2受益者代理人になれない人は?

未成年者と当該信託の受託者はなれません(信託法144条で124条を準用)。受託者の家族は法律上なれますが、監督の独立性が弱まる点に注意が必要です。

Q3受益者代理人は複数選べますか?

選べます。ただし同じ受益者に二人以上の代理人がいると、原則として共同で行動しなければなりません(139条3項)。単独行使は信託行為で定めておく必要があります。

Q4受益者代理人にはどんな義務がありますか?

善良な管理者の注意をもって権限を行使する義務と、受益者のために誠実かつ公平に行動する義務を負います(信託法140条)。

Q5受益者代理人に報酬は払われますか?

信託行為に報酬の定めがある場合に受け取れるのが原則です(144条で127条を準用)。家族が無報酬で就くケースも多く、契約時に決めておくのが無難です。

Q6受益者代理人は受益者全員の名前を示す必要がある?

不要です。139条2項により、代理する受益者の範囲を示せば足ります。従業員向け信託など受益者が多数の場合を想定した規定です。

Q7受益者代理人を辞めさせることはできますか?

受益者代理人の任務終了は、受託者の任務終了に関する規定の準用で処理されます(信託法141条)。具体的な解任手続は信託行為の定めも確認が必要です。

Q8受益者代理人がいれば成年後見人は不要?

不要とは限りません。受益者代理人が扱えるのは信託の受益者としての権利だけです。信託外の財産管理や介護契約などには、後見等が別途必要になることがあります。

この条文についての質問 AI による整理

Q1親が認知症になったら、あとから受益者代理人を付けられますか?

裁判所に選んでもらう制度はなく、受益者代理人は信託行為の定めで指定するもの(138条)。後から付けるには信託の変更(149条)が必要だが、委託者と受益者を兼ねる親が判断能力を失っていると合意ができない。実務のポイント:信託契約の段階で「代理人の候補者」と「欠けた場合の選任方法」まで書いておくと、詰みを防げる

Q2代理人がいると、受益者本人は何もできなくなるんですか?

何もできないわけではない。本条4項により、92条の権利(裁判所への申立て、報告請求、帳簿閲覧、損失てん補請求、差止請求など)と、信託行為で定めた権利は残る。実務のポイント:契約書に「信託の変更には受益者本人の同意も要する」などの留保を書けば、本人の発言権を守れる。テンプレのままだと、この一行はまず入っていない

Q3代理人が受託者のミスを許したら、もう責任は追及できないの?

本条1項は、受託者の責任の免除(42条)を代理人の権限から明文で外している。代理人が許しても、それだけで免除の効力は生じないのが原則。実務のポイント:但書の「別段の定め」で免除権限まで代理人に与えられるかは、実務上解釈が分かれている。契約書に免除権限の条項があれば、作成者にその根拠を必ず確認する

間違えやすい点 AI による整理

  • 「代理人」と聞くと、本人も並行して権利を使えると考えがちだ。民法上の任意代理ならそのとおりだが、本条4項は逆で、受益者代理人がいる限り、本人は92条の権利と信託行為で留保した権利しか使えない。代理人を置くことは、本人の権利を一時停止することでもある
  • 受益者代理人がいれば受託者の暴走は止められる、と安心するのは半分しか正しくない。止められるのは、代理人が受託者から独立している場合に限られる。受託者は代理人を兼ねられないが、受託者の配偶者や子を代理人にする設計はよく見かける。監視役が身内に取り込まれていれば、安全網はあっても機能しない
  • 「認知症になってから代理人を付ければいい」という発想は、問いの立て方そのものが誤っている。受益者代理人は信託行為で指定する仕組みで(138条)、裁判所が選ぶ制度ではない。後から付けるには信託の変更が必要だが、受益者を兼ねる親が判断能力を失っていれば、その合意自体ができない
比較の観点この条文ほかの条文
選任の方法受益者代理人:信託行為での指定のみ(138条)信託管理人:信託行為または裁判所の選任(123条)
信託監督人:信託行為または裁判所の選任(131条)
前提となる受益者の状況受益者が現に存在し、代理の必要がある場合受益者が現に存在しない場合
受益者は存在するが、受託者の監督が適切にできない場合
行為の名義と権限受益者を代理し、責任免除を除く受益者の権利一切を行使(139条)自己の名で、受益者の権利に関する一切の行為(125条)
自己の名で、92条各号の権利(一部除く)を行使(132条)
受益者本人の権利行使92条の権利と信託行為で定めた権利に制限(139条4項)受益者が存在しないため問題とならない
本人の権利行使は制限されない

他国ではどう定めているか 3 か国

台湾
台湾 信託法第52条以下(信託監察人)

台湾には受益者代理人の制度はなく、信託監察人が受益人のために自己の名義で訴訟上・訴訟外の行為をする。日本の信託監督人・信託管理人に近い設計である

フランス
Code civil art. 2017

fiducie では設定者が、自己の利益の保護を確保する第三者を指定できる。代理ではなく監視役としての位置付けが中心である

アメリカ
Uniform Trust Code § 808

米国では trust protector が受託者への指示・監督の権限を持つ実務が広がっている。権限の範囲は信託証書で自由に設計される

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • 父の認知症が進む前に家族信託を組むことになり、司法書士から「受益者代理人は誰にしますか」と聞かれた。受託者は長男。代理人まで長男側の人で固めたら、父の利益を本気で問いただせる人がいなくなる。さらに受託者本人は受益者代理人になれない(144条で124条を準用)。それでも配偶者や子を代理人に据えれば、実質的に同じ側の人間になる
  • 信託を組んだあとに母が要介護になり、受託者である兄に収支報告を求めたくなったとしたら、誰が動けるのか。受益者代理人がいれば代理人が請求できる。母本人も92条の報告請求権は失っていない。ただし判断能力が落ちていれば、実際に使える人は代理人しかいない
  • 受益者代理人に兄と妹の二人を指定した。兄は信託財産のアパートを売りたい、妹は反対。3項により二人は共同で行動しなければならないので、受託者との合意も裁判も一歩も進まない。信託行為に単独行使の定めを入れていなかったことが原因だ
  • あなたが受託者として親の賃貸物件を管理していて、修繕費の支出を誤り信託財産に損失を出してしまった。受益者代理人である叔父は「家族だから水に流す」と言ってくれた。しかし受託者の責任の免除は代理人の権限から外されている(1項括弧書き)。その一言で責任が消えたと思い込むのは危ない
  • 受託者の不透明な支出に気付いた。登記簿上の信託財産はすでに一部が売却されていて、買主への移転登記は来週だ。受益者代理人として差止請求(44条)や裁判所への保全の申立てを急ぐなら、残りは数日しかない
  • 何百人もの従業員が受益者になっている信託で、代理人が受託者に請求書を出した。受益者全員の名前を並べる必要はない。2項により「〇〇制度の加入者全員」のように範囲を示せば足りる

取るべき行動

被害を受けた側:1. 信託契約書(信託行為)で、受益者代理人の有無、権限の制限、本人に留保された権利、複数代理人の行使方法を確認する2. 自分が代理人なら、受託者に報告と帳簿閲覧を書面で請求し、回答を保存する(36条、38条) 3. 不正の兆候があれば差止請求(44条)や損失てん補請求(40条)を検討する4. 代理人が動かない場合でも、受益者本人は92条の権利で裁判所に申し立てられる。弁護士に早めに相談する

訴えられた側:1. 受託者なら、収支・帳簿・通帳の記録を日付順にそろえ、代理人の請求に速やかに応じる2. 代理人から「責任は免除する」と言われても、42条の免除は代理人の権限外なので記録上は免責されていない前提で処理する3. 代理人の権限行使が信託行為の制限を超えていないか、複数代理人の共同要件を欠いていないか(3項)を確認する4. 争いが深刻なら、信託行為の定めに従い代理人の解任や新たな選任の手続を検討する

時効(請求できる期限):本条に特定の時効はないが、一般消滅時効(民法166条、債権5年または10年)が適用される。受託者の損失てん補責任などの請求権の時効と、その起算の特則(信託法43条)には注意が必要である(最新の改正状況をご確認ください)

改正沿革 AI による整理

  • 平成18年(2006年)信託法全部改正 旧信託法には存在しなかった受益者代理人制度が、新信託法(平成18年法律第108号、平成19年施行)で新設され、本条でその権限が定められた。その後の改正の有無は要検証

改正の年表

  1. 1.平成18年(2006年) 新設:信託法の全部改正(平成18年法律第108号)により受益者代理人制度が新設され、本条でその権限が定められた。平成19年(2007年)施行。

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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

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