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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 収録時点 令和8年7月4日読了 8 分8 分8 分

信託法 第160条(債権者の異議)

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  1. 新規信託分割をする場合には、従前の信託の信託財産責任負担債務に係る債権を有する債権者は、受託者に対し、新規信託分割について異議を述べることができる。ただし、新規信託分割をしても当該債権者を害するおそれのないことが明らかであるときは、この限りでない。
  2. 2.前項の規定により同項の債権者の全部又は一部が異議を述べることができる場合には、受託者は、次に掲げる事項を官報に公告し、かつ、同項の債権者で知れているものには、各別に催告しなければならない。ただし、第二号の期間は、一箇月を下ることができない。
  3. 一新規信託分割をする旨
  4. 二前項の債権者が一定の期間内に異議を述べることができる旨
  5. 三その他法務省令で定める事項
  6. 3.前項の規定にかかわらず、法人である受託者は、公告(次に掲げる方法によるものに限る。)をもって同項の規定による各別の催告に代えることができる。
  7. 一時事に関する事項を掲載する日刊新聞紙に掲載する方法
  8. 二電子公告
  9. 4.第一項の債権者が第二項第二号の期間内に異議を述べなかったときは、当該債権者は、当該新規信託分割について承認をしたものとみなす。
  10. 5.第一項の債権者が第二項第二号の期間内に異議を述べたときは、受託者は、当該債権者に対し、弁済し、若しくは相当の担保を提供し、又は当該債権者に弁済を受けさせることを目的として信託会社等に相当の財産を信託しなければならない。ただし、当該新規信託分割をしても当該債権者を害するおそれがないときは、この限りでない。

この条文の基本情報

債権者の異議とは何ですか?

定義債権者の異議とは、信託法第160条に定められた規定で、「新規信託分割をする場合には、従前の信託の信託財産責任負担債務に係る債権を有する債権者は、受託者に対し、新規信託分割について異議を述べることができる。ただし、新規…」と規定しています。

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 信託法第160条(債権者の異議)は、日本の信託法に含まれる条文です。
  2. 信託法第160条の条文原文は「新規信託分割をする場合には、従前の信託の信託財産責任負担債務に係る債権を有する債権者は、受託者に対し、新規信託分割について異議を述べることができる。ただし、新規…」で始まります。
  3. 信託法第160条は第二款 新規信託分割に置かれています。
  4. 信託法の公布日は平成18年12月15日です。
  5. 信託法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
  6. 信託法第160条の前の条は信託法第159条です。
  7. 信託法第160条の次の条は信託法第161条です。
  8. 信託法第160条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式信託法(平成十八年法律第百八号)第160条
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/418AC0000000108
  • 本サイト収録信託法(平成十八年法律第百八号)第160条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/418AC0000000108/160

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点信託法160条は、新規信託分割の際、従前の信託の債権者に異議権を認め、受託者に官報公告と個別催告を義務付ける。異議期間は1か月以上である。

Q · 家族信託を二つに分けるとき、ローンを貸している銀行への手続は必要?

必要。公告と催告をし、1か月以上の異議期間を置く

信託法160条により、新規信託分割をする場合、従前の信託の債務の債権者は受託者に異議を述べることができます。受託者は官報で公告し、知れている債権者には各別に催告しなければならず、異議期間は1か月以上です。期間内に異議がなければ承認とみなされ、異議があれば受託者は弁済・相当の担保提供・信託会社等への財産の信託のいずれかをしなければなりません。ただし債権者を害するおそれがない場合は不要です。

解説

信託を二つに割る。家族信託でアパートを長男用と次男用に分けたい、ファンドの資産を切り出して別の受益者に回したい。そんな場面では、受託者と委託者・受益者の合意だけで決まるように見える。だが、蚊帳の外に置かれた人がいる。その信託に貸したお金や工事代金を回収できていない債権者である。分割で借金だけが中身の薄い側に寄せられれば、債権者は担保価値の消えた信託を相手にすることになる。そこで信託法160条は、新規信託分割(一つの信託から財産の一部を切り出し、新しい信託を立ち上げること)について、債権者に「待った」をかける権利を与えた。受託者は官報で公告し、知れている債権者には一人ずつ催告しなければならない。異議期間は最低1か月。法人の受託者に限り、官報に加えて日刊新聞紙か電子公告でも公告すれば、個別の催告を省略できる。期間内に黙っていれば承認したものとみなされ、異議を出せば、受託者は弁済するか、担保を出すか、信託会社等に財産を信託しなければならない。あなたが債権者なら、この1か月が交渉力の源泉になる。あなたが受託者なら、この手続を飛ばした分割はいつまでも足元が不安定なままになる

法的な位置づけ

信託法160条は、新規信託分割における債権者異議手続を定める規定である。従前の信託の信託財産責任負担債務に係る債権者は受託者に異議を述べることができ、受託者は官報公告と知れている債権者への各別の催告を行う義務を負う。異議期間は1か月以上とされ、期間内に異議がなければ承認とみなされる。

手順・フロー

AI による整理。効力は条文原文が基準です

手順

  1. 1.債権者の洗い出し 受託者は分割計画の策定と並行して、従前の信託の信託財産責任負担債務に係る債権者を一覧化し、知れている債権者を漏れなく特定する
  2. 2.官報公告と各別の催告 新規信託分割をする旨、1か月以上の異議期間などを官報に公告し、知れている債権者に各別に催告する。法人受託者は日刊新聞紙または電子公告を併用すれば各別の催告に代えられる
  3. 3.異議期間の管理 異議期間(1か月以上)の満了日を確定し、期間内に届いた異議を記録する。異議がなければ当該債権者は承認したものとみなされる
  4. 4.異議への対応 異議を述べた債権者に対し、弁済、相当の担保の提供、または信託会社等への相当の財産の信託のいずれかを行う。害するおそれがないと言える場合はその根拠資料を整える

よくある質問 AI による整理

Q1新規信託分割とは何ですか?

ある信託の信託財産の一部を受託者を同一とする新たな信託の信託財産として移転することです。定義は信託法2条、手続は159条以下が定めます。

Q2信託分割の債権者異議期間はいつまで?

受託者が公告・催告で定める期間で、1か月を下ることはできません(信託法160条2項ただし書)。満了日は公告・催告書面で確認します。

Q3信託分割の公告に異議を述べなかったらどうなる?

期間内に異議を述べなければ、その新規信託分割を承認したものとみなされます(160条4項)。期間経過後に分割自体を争うのは困難になります。

Q4信託分割で異議を述べられない債権者はいる?

分割をしても当該債権者を害するおそれのないことが明らかな場合、その債権者は異議を述べられません(160条1項ただし書)。

Q5信託分割の「知れている債権者」とは誰のこと?

受託者が債権者であることを認識している者を指すと解されます。借入先の金融機関、未払いの工事業者などが典型で、漏れなく催告が必要です。

Q6信託分割の公告は何に載せる?

官報への公告が必須です。法人受託者は、さらに日刊新聞紙への掲載または電子公告をすれば、知れている債権者への各別の催告を省略できます。

Q7信託分割への異議はどう書けばいい?

法定の書式はありませんが、債権の内容と分割に異議を述べる旨を明記し、期間内到達を証明できる内容証明郵便で送るのが実務上安全です。

Q8信託分割の公告にはどんな事項を載せる?

新規信託分割をする旨、債権者が一定期間内に異議を述べられる旨、その他法務省令で定める事項です(160条2項各号)。

この条文についての質問 AI による整理

Q1家族信託の受託者をやっているんですが、個人でも官報公告って必要なんですか?

必要です。新規信託分割で異議を述べられる債権者がいる場合、受託者は個人でも官報公告をし、知れている債権者には個別に催告しなければなりません(160条2項)。新聞・電子公告で個別催告を省けるのは法人受託者だけです(同3項)。実務のポイント:家族信託の組成時には分割まで想定していないことが多く、いざ分割するときに初めて官報公告の手配や日程を知るケースが多い。分割案を作る段階で、司法書士に公告スケジュールも組み込んでもらうとよい

Q2異議を出したら、分割そのものを止められますか?

止めることが目的の制度ではありません。異議が出ると、受託者は弁済、相当の担保の提供、または信託会社等への相当の財産の信託のいずれかをしなければなりません。ただし、分割しても債権者を害するおそれがない場合は不要です(160条5項)。実務のポイント:債権者側の実務では、異議を「担保を差し替えさせる交渉カード」として使うのが基本で、強硬に止めにいくより回収条件を改善させる方が成果につながりやすい

間違えやすい点 AI による整理

  • 「信託の中身をどう分けるかは受益者と受託者の内輪の話」と思われがちだが、法律から見れば、信託財産責任負担債務(信託財産で払うべき借金や代金)の債権者は、分割で回収可能性が変わる当事者である。内輪の合意(159条)が整っても、160条の公告・催告と異議期間の経過を待たないと、分割は債権者との関係で完了しない
  • 異議を出せる権利があることは知っていても、黙っていた場合の重みを知らない人は多い。期間内に異議を述べなければ、その分割を承認したものとみなされる(4項)。「後で文句を言えばいい」は通用せず、異議期間の満了が反論できる最後の機会になる
  • 「異議を出せば分割を止められる」と考えるのは、問いの立て方が少しずれている。異議の効果は分割を止めることではなく、受託者に弁済・担保提供・財産の信託のいずれかを義務付ける点にある(5項)。債権者が手にするのは拒否権ではなく、回収を確実にさせる交渉カードである
比較の観点この条文ほかの条文
対象となる行為160条:新規信託分割(新たな信託を立ち上げる)156条:吸収信託分割(既存の別信託へ移転)
152条:信託の併合
異議を述べられる債権者従前の信託の信託財産責任負担債務に係る債権者分割信託・承継信託双方の債務の債権者
従前の各信託の債務の債権者
公告・催告官報公告+各別の催告(法人受託者は二重公告で催告省略可)同様の官報公告・催告構造
同様の官報公告・催告構造
異議の効果弁済・担保提供・信託会社等への財産の信託(害するおそれなければ不要)同様の保護措置
同様の保護措置

他国ではどう定めているか 3 か国

台湾
台湾信託法

台湾の信託法には信託分割の明文規定がなく、日本のような信託単位の債権者異議手続は置かれていない。再編時の債権者保護は会社法制(公司法)側で整備されている

韓国
신탁법(2011年全面改正)

韓国は2011年の信託法全面改正で信託の合併・分割制度を導入し、公告と債権者保護の手続を設けたとされる。条番号は要確認

アメリカ
Uniform Trust Code § 417

米国 UTC は受益者の権利を害さない等の要件の下で受託者に信託の分割を認めるが、日本のような公告・催告による債権者異議手続は定めていない

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • あなたは地方銀行の融資担当で、家族信託の受託者である長男にアパートローンを貸している。ある朝、官報に「新規信託分割をする旨」の公告が載った。異議期間の締切まであと3週間。ローンが収益物件の少ない側に寄せられていないか、今すぐ分割計画を確認しなければならない
  • 父のアパートを家族信託で預かる長男として、弟と揉めないよう信託を二つに分けることにした。司法書士に頼んで受益者とは合意済み。だが、外壁塗装の代金をまだ払い終えていない工務店へ個別に催告するのを、誰も覚えていなかった
  • 異議を述べたのに、受託者が「分割してもあなたは害されない」と言って何もしない。そんな場合、債権者はどうなるのか? 受託者側の言い分が通るのは、害するおそれがないと実際に言える場合だけだ。立証の材料を揃えるのは受託者の側である
  • 信託銀行の法務担当として、不動産ファンドの信託を切り分ける案件を任された。法人受託者だから、官報に加えて電子公告もすれば個別催告を省けるが、電子公告の調査機関の手配が遅れると、分割の効力発生日がまるごと後ろにずれる

取るべき行動

被害を受けた側:1. 官報公告または催告書を受け取ったら、異議期間の満了日をまずカレンダーに入れる2. 分割計画で、自分の債権がどちらの信託に帰属し、そこにどれだけの財産が残るのかを受託者に照会する3. 回収可能性が下がるなら、期間内に書面(内容証明郵便が望ましい)で異議を述べる4. その上で、弁済・相当の担保提供・信託会社等への信託のどれを求めるか交渉する(160条5項)

訴えられた側:1. 受託者は分割の合意(159条)と並行して、債権者一覧を作り、知れている債権者を漏れなく洗い出す2. 官報公告と各別の催告を行う。法人受託者なら日刊新聞紙か電子公告との二重公告で個別催告を省くことを検討する3. 異議が出たら、害するおそれがないと言える根拠資料(財産の配分表など)を準備しつつ、弁済か担保提供で早く収める4. 手続に漏れがあると分割後に責任を問われるおそれがあるため、161条も併せて確認する

時効(請求できる期限):異議期間は受託者が公告・催告で定める期間で、1か月を下ることはできない(160条2項ただし書)。期間内に異議を述べなければ承認とみなされる(同4項)。債権そのものには一般消滅時効(民法166条、知った時から5年または権利を行使できる時から10年)が適用される

改正沿革 AI による整理

  • 平成18年(2006年)信託法全面改正(平成19年9月30日施行) 旧信託法にはなかった信託の分割制度の新設に伴い、新規信託分割の債権者異議手続として新設された。その後の改正の有無は人的検証が必要

改正の年表

  1. 1.平成18年(2006年) 新設:信託法全面改正(平成18年法律第108号)により信託の分割制度が創設され、新規信託分割の債権者異議手続として本条が新設された。平成19年9月30日施行

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信託法の全文を見る所属する編章節を開く:第二款 新規信託分割

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

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