信託法 第161条(新規信託分割後の従前の信託及び新たな信託の信託財産責任負担債務の範囲等)
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新規信託分割がされた場合において、第百五十九条第一項第六号の債務は、新規信託分割後の従前の信託の信託財産責任負担債務でなくなり、新規信託分割後の新たな信託の信託財産責任負担債務となる。この場合において、従前の信託の信託財産限定責任負担債務であった債務は、新たな信託の信託財産限定責任負担債務となる。
この条文の基本情報
新規信託分割後の従前の信託及び新たな信託の信託財産責任負担債務の範囲等とは何ですか?
定義新規信託分割後の従前の信託及び新たな信託の信託財産責任負担債務の範囲等とは、信託法第161条に定められた規定で、「新規信託分割がされた場合において、第百五十九条第一項第六号の債務は、新規信託分割後の従前の信託の信託財産責任負担債務でなくなり、新規信託分割後の新たな信託の信託…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 信託法第161条(新規信託分割後の従前の信託及び新たな信託の信託財産責任負担債務の範囲等)は、日本の信託法に含まれる条文です。
- 信託法第161条の条文原文は「新規信託分割がされた場合において、第百五十九条第一項第六号の債務は、新規信託分割後の従前の信託の信託財産責任負担債務でなくなり、新規信託分割後の新たな信託の信託…」で始まります。
- 信託法第161条は第二款 新規信託分割に置かれています。
- 信託法の公布日は平成18年12月15日です。
- 信託法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 信託法第161条の前の条は信託法第160条です。
- 信託法第161条の次の条は信託法第162条です。
- 信託法第161条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
信託法(平成十八年法律第百八号)第161条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/418AC0000000108 - 本サイト収録
信託法(平成十八年法律第百八号)第161条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/418AC0000000108/161
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点信託法161条は、新規信託分割の合意で指定した債務が、分割後は従前の信託の負担から外れて新たな信託の信託財産責任負担債務となることを定める。限定責任債務は性質を維持する。
Q · 信託を分割したら、信託の借金はどっちの信託が払うの?
合意書で指定した債務だけが新しい信託へ移り、元の信託からは外れる
信託法161条により、新規信託分割の合意(159条1項6号)で新たな信託に移すと定めた債務は、分割の効力発生後、従前の信託の信託財産責任負担債務ではなくなり、新たな信託の信託財産責任負担債務となります。指定しなかった債務は従前の信託に残ります。信託財産だけで払えばよいとされていた限定責任債務は、移転後も限定責任のままです。債権者は160条の異議手続で分割に異議を述べることができます。
解説
信託を二つに割ると、借金の行き先は「分割の合意書に何と書いたか」だけで決まる。信託法161条はその結果を定めた条文である。新規信託分割(同じ受託者のまま、元の信託の財産の一部を切り出して新しい信託を作る手続、信託法2条11項)では、事前に「どの債務を新しい信託に移すか」を合意する(159条1項6号)。分割の効力が生じると、合意で指定した債務は元の信託の負担から外れ、新しい信託の信託財産責任負担債務(その信託の財産で払う義務がある債務、2条9項)になる。元の信託で「信託財産だけで払えばよい」とされていた債務(信託財産限定責任負担債務、21条2項)は、その性質のまま新しい信託へ移る。あなたが債権者なら、まず確認すべきことがある。分割後、元の信託の財産にはもう原則として手を出せない。受け皿が小さい信託に債務だけ移されたら、回収できる財源は確実に細る。ただし、法律は債権者に異議を述べる機会(160条)と、個別の催告を受けなかった場合の救済(162条)を用意している。分割の通知を「事務連絡」と思って放置するかどうかで、回収できる額は変わる。
法的な位置づけ
信託法161条は、新規信託分割の効果として債務の帰属を定める規定である。159条1項6号の合意で新たな信託に承継させるとされた債務は、分割後、従前の信託の信託財産責任負担債務から外れ、新たな信託の信託財産責任負担債務となる。従前の信託で信託財産限定責任負担債務であったものは、新たな信託でも同じ性質を維持する。
よくある質問 AI による整理
Q1新規信託分割とは何ですか?
同じ受託者のまま、ある信託の信託財産の一部を新たな信託の信託財産として移転する手続です。信託法2条11項に定義があります。
Q2信託財産責任負担債務とは?
受託者が信託財産に属する財産をもって履行する責任を負う債務のことです(信託法2条9項)。信託の「財布」で払う義務がある債務を指します。
Q3信託分割で移す債務はどこに書きますか?
新規信託分割の合意事項として、新たな信託に移す債務を定めます(159条1項6号)。ここに記載された債務だけが161条で新たな信託へ移ります。
Q4信託分割 債権者 異議 期間はいつまで?
受託者が官報公告・個別催告で定める期間で、1か月を下ることができません(160条)。期間内に異議を述べないと分割を承認したものとみなされます。
Q5信託分割の合意書に書かなかった債務はどうなる?
新たな信託には移らず、従前の信託の信託財産責任負担債務として残ります。161条は合意で指定した債務だけを移す仕組みだからです。
Q6信託財産限定責任負担債務とは?
受託者が信託財産に属する財産のみで履行責任を負う債務です(21条2項)。受託者の固有財産には請求できない点が通常の債務と異なります。
Q7信託分割の催告が来なかった債権者はどうなる?
個別催告を受けるべき債権者が催告を受けなかった場合、162条により一定の範囲で従前の信託と新たな信託の双方の財産に請求できる余地があります。
Q8家族信託は途中で分割できる?
信託法上は受託者・受益者等の合意と債権者異議手続を経て新規信託分割ができます。ただしローン契約上の承諾条項など、契約面の確認が別途必要です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1家族信託で兄弟それぞれの信託に分けたいんですが、アパートローンはどうなるんですか?
新規信託分割の合意(159条1項6号)で新しい信託に移すと定めれば、分割後はその信託の債務になり、元の信託の債務ではなくなります(161条)。定めなければ元の信託に残ります。実務のポイント:信託法上は受益者などとの合意と債権者の異議手続で分割できますが、実務ではローン契約に「信託変更には銀行の承諾が必要」という条項が入っていることが多い。法律より先に融資契約を確認しないと、期限の利益を失うおそれがあります
Q2受託者をやってますが、分割したら自分が個人で払う範囲は変わりますか?
新規信託分割は同じ受託者のまま行うもので、分割で受託者個人の責任が広がるわけではありません。元の信託で信託財産だけで払う債務(信託財産限定責任負担債務、21条2項)だったものは、新しい信託でも同じ扱いです(161条後段)。実務のポイント:怖いのは債務の性質ではなく手続の漏れです。催告漏れの債権者がいると162条で両方の信託の財産が狙われ、受益者から善管注意義務違反(29条)を問われる火種になります
Q3分割の通知が来たけど、無視すると何かまずいんですか?
異議期間内に異議を述べないと、分割を承認したものとみなされます(160条)。自分の債権が新しい信託に移っていれば、分割後は元の信託の財産からは原則として回収できません(161条)。実務のポイント:受託者は財産と債務の割り振りを自分に都合よく設計できる立場にあります。通知を受け取った段階で、両方の信託の財産目録と債務一覧を出させるだけで、割り振りの偏りが見えてきます
間違えやすい点 AI による整理
- 「信託を分けても借金は元の信託と新しい信託の両方で連帯して払う」と考えがちだが、161条の原則は逆である。合意で指定した債務は元の信託の負担から外れ、新しい信託だけの債務になる。会社分割の感覚で「みんなで責任を持つ」と思い込むと誤る。両方の信託の財産に手が届くのは、個別の催告を受けられなかった債権者などに限られた例外である(162条、適用範囲は条文を確認すべき)
- 受託者の立場では「分割は受益者と合意すれば終わり」と思いがちだが、それは手続の半分にすぎない。債権者には異議手続が用意されており(160条)、知れている債権者への個別催告を省くと、その債権者は分割後も両方の信託の財産に請求できる余地が生じる。手続を省いた分だけ、分割で切り離したはずのリスクが戻ってくる
- 「信託財産限定責任負担債務」は分割を機に普通の債務へ変わる、つまり受託者が個人で払うことになると心配する受託者もいるが、条文は後段で「限定責任のまま移る」と明記している。問題は性質の変化ではなく、その債務を払う財源が新しい信託の財産だけに絞られることにある。債権者にとってはこちらの方が深刻だ
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 分割の型 | 161条:新規信託分割(新たな信託を作る) | 157条:吸収信託分割(既存の別信託へ移す) 162条:新規信託分割で催告を受けなかった債権者の救済 |
| 債務の移転基準 | 159条1項6号の合意で指定した債務 | 155条1項6号の合意で指定した債務 移転の基準ではなく、催告漏れ時の請求先拡張 |
| 従前の信託の責任 | 指定債務は従前の信託の債務でなくなる | 指定債務は分割信託の債務でなくなる 催告漏れの債権者は従前・新たな信託双方の財産に一定範囲で請求可 |
| 限定責任債務の扱い | 新たな信託でも限定責任のまま | 承継信託でも限定責任のまま 条文で範囲を確認すべき |
他国ではどう定めているか 3 か国
信託分割の明文制度はない。分割後の債務承継の考え方は、公司法第319条の1の会社分割規定が参考になる
韓国は2011年の信託法全部改正で信託の合併・分割制度を導入しており、日本と同様に分割計画と債権者保護手続を組み合わせる構造をとる
受託者は受益者の権利を害しない等の要件のもとで信託を分割できるとするが、債務帰属を条文単位で細かく規律する日本型とは異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 父が設定した家族信託で、アパート2棟と銀行のアパートローンをまとめて管理している。兄弟で1棟ずつ分けたいという話になったとき、ローンをどちらの信託に付けるか書かなかったら、どうなる? 合意で指定しない限り債務は元の信託に残る。新しい信託は借金なしで、元の信託がローンを全部抱えることになる
- あなたは信託の受託者として新規信託分割を進めている。新しい信託に移す債務を合意書に列挙したが、取引先の工事代金を書き忘れた。その代金は元の信託の債務のままで、新しい信託の財産からは請求されない。逆に移すつもりの債務が抜けていれば、元の信託側の受益者から不満が出る
- 信託財産を担保に融資した金融機関に、受託者から「信託分割のお知らせ」が届いた。異議を述べられる期間は最低1か月。担当者が読み流して期間を過ぎると、分割を承認したものとみなされ、貸付金は財産の少ない新しい信託だけが受け皿になる可能性がある
- 友人が「受託者を引き受けたけど、分割したら個人で借金をかぶるの?」と聞いてきた。新規信託分割は受託者が同じ者のまま行う手続なので、受託者本人の責任の範囲が分割で突然広がるわけではない。元々「信託財産だけで払う」とされていた債務は、移った後もその扱いが維持される
取るべき行動
被害を受けた側:債権者として分割の通知を受けた場合:1. 受託者に159条の合意内容、特に新しい信託に移る債務の一覧と、各信託に属する財産の内容を書面で求める2. 自分の債権が財産の少ない側に移るなら、異議期間内に書面で異議を述べる(160条) 3. 個別の催告が来ないまま分割されたことが分かったら、162条による両方の信託の財産への請求を検討し、弁護士に相談する4. 受託者個人に責任を問えるかは、自分の債権が信託財産限定責任負担債務かどうかで変わるため、契約書の責任限定条項を確認する
訴えられた側:受託者として分割を進める場合:1. 159条1項各号の事項を書面化し、移す債務を契約番号と残高で特定する2. 知れている債権者を洗い出し、官報公告と個別催告の手続(160条)を漏れなく行う。省略すると162条の責任が残る3. 限定責任債務と通常の債務を区別した一覧表を作り、受益者に説明する4. 不動産を移す場合は信託の登記の変更が必要になるため、司法書士と早めに段取りを組む
時効(請求できる期限):本条自体に時効はない。債権者が異議を述べられる期間は一定の期間(1か月を下ることができない)とされ、その期間内に異議を述べなければ分割を承認したものとみなされる(信託法160条、最新の改正状況をご確認ください)。移った債務そのものの消滅時効は一般原則(民法166条、権利を行使できることを知った時から5年、行使できる時から10年)による
改正沿革 AI による整理
- 平成18年(2006年)信託法全部改正 旧信託法(大正11年法律)に代わる新信託法の制定で、信託の分割制度が導入され、新規信託分割後の債務の帰属を定める本条が設けられたと考えられる。その後の改正の有無は人による検証が必要
改正の年表
- 1.平成18年(2006年) 新設:信託法全部改正(平成18年法律第108号)により信託の分割制度が導入され、新規信託分割後の債務の帰属を定める本条が設けられた。その後の改正の有無は e-Gov の改正履歴で要確認
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