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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 収録時点 令和8年7月4日読了 7 分7 分7 分

信託法 第162条

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  1. 第百六十条第一項の規定により異議を述べることができる債権者(同条第二項の規定により各別の催告をしなければならないものに限る。)は、同条第二項の催告を受けなかった場合には、新規信託分割前から有する次の各号に掲げる債権に基づき、受託者に対し、当該各号に定める財産をもって当該債権に係る債務を履行することを請求することもできる。ただし、第一号に定める財産に対しては新規信託分割がその効力を生ずる日における新たな信託の信託財産の価額を、第二号に定める財産に対しては当該日における従前の信託の信託財産の価額を限度とする。
  2. 一従前の信託の信託財産責任負担債務に係る債権(第百五十九条第一項第六号の債務に係る債権を除く。)新規信託分割後の新たな信託の信託財産に属する財産
  3. 二新たな信託の信託財産責任負担債務に係る債権となった債権(第百五十九条第一項第六号の債務に係る債権に限る。)新規信託分割後の従前の信託の信託財産に属する財産

この条文の基本情報

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 信託法第162条は、日本の信託法に含まれる条文です。
  2. 信託法第162条の条文原文は「第百六十条第一項の規定により異議を述べることができる債権者(同条第二項の規定により各別の催告をしなければならないものに限る。」で始まります。
  3. 信託法第162条は第二款 新規信託分割に置かれています。
  4. 信託法の公布日は平成18年12月15日です。
  5. 信託法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
  6. 信託法第162条の前の条は信託法第161条です。
  7. 信託法第162条の次の条は信託法第163条です。
  8. 信託法第162条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式信託法(平成十八年法律第百八号)第162条
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/418AC0000000108
  • 本サイト収録信託法(平成十八年法律第百八号)第162条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/418AC0000000108/162

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点信託法162条は、新規信託分割で個別の催告を受けなかった債権者が、分割前の債権に基づきもう一方の信託財産にも履行を請求できると定める。上限は効力発生日の信託財産の価額。

Q · 信託が分割されたのに通知が来なかった。自分の債権はどこから回収できるの?

催告がなければ、もう一方の信託財産にも請求できる

信託法162条により、新規信託分割で個別の催告(160条2項)を受けるべきだったのに受けなかった債権者は、分割前からの債権に基づき、本来は対象外となる「もう一方の信託」の財産にも履行を請求できます。従前の信託の債務なら新たな信託の財産へ(1号)、新たな信託に移された159条1項6号の債務なら従前の信託の財産へ(2号)請求できます。上限は分割の効力発生日における当該信託財産の価額です。

解説

同じ受託者が二つの信託を抱えていても、二つの信託財産の間には壁がある。一方の信託の債権者は、もう一方の財産に手を出せない。これが信託法の大原則だ。ところが本条は、この壁に例外の窓を開ける。条件は一つだけである。新規信託分割(一つの信託を切り分けて、同じ受託者のもとに新しい信託を作る手続)のとき、受託者があなたに個別の催告(「分割するので異議があれば述べよ」という個別の通知)を送るべきだったのに、送らなかったことだ。この場合、あなたは分割前から持っていた債権について、本来なら手が届かない「もう一方の信託」の財産からも支払を求められる。上限は、分割の効力が生じた日におけるその信託財産の価額である。つまり、受託者の手続ミスは、債権者にとって回収先が増えるチャンスになる。通知が届いていないことを、ただの不手際で終わらせてはいけない

法的な位置づけ

信託法162条は、新規信託分割における催告漏れ債権者の保護を定める規定である。160条2項により各別の催告を要する債権者がその催告を受けなかった場合、分割前から有する債権について、分割後のもう一方の信託の信託財産をもって履行を請求することを認める。請求額は分割の効力発生日における当該信託財産の価額を限度とする。

手順

  1. 1.分割の事実と催告の有無を確認する 新規信託分割の効力発生日、官報公告の有無、自分宛ての個別の催告が届いたかどうかを確認する。受託者に分割の内容を書面で問い合わせる
  2. 2.「知れている債権者」だったことの証拠を揃える 受託者との取引記録、請求書、メールなど、分割前から受託者が債権の存在を認識していたことを示す資料を集める。債権が分割前に発生していたことも併せて整理する
  3. 3.1号と2号のどちらに当たるかを整理する 自分の債権が従前の信託に残った債務か(1号)、159条1項6号により新たな信託へ移された債務か(2号)を確認し、請求先となる信託財産を特定する
  4. 4.効力発生日の価額を開示させ、請求額を確定する 効力発生日における請求先信託の信託財産の価額の開示を受託者に書面で求め、上限の範囲内で請求額を確定し、履行を請求する。応じない場合は弁護士に相談のうえ訴訟を検討する

よくある質問 AI による整理

Q1新規信託分割とは何ですか?

ある信託の財産の一部を、同じ受託者のもとで新たに設ける信託へ移す手続です。信託法159条以下が方法と債権者保護を定めています。

Q2信託分割の債権者異議手続とは?

新規信託分割の前に、債権者が異議を述べる機会を設ける手続です(信託法160条)。受託者は公告に加え、知れている債権者に個別の催告をします。

Q3信託法162条の請求はいつまでできる?

本条に固有の期間制限はありません。ただし元の債権の消滅時効(民法166条)にかかるため、時効期間内に請求する必要があります。

Q4催告を受けなかった債権者は何を請求できる?

分割前からの債権に基づき、本来は責任財産でない「もう一方の信託」の財産をもって債務を履行するよう、受託者に請求できます。

Q5信託法162条の請求額の上限は?

1号の請求は新たな信託の、2号の請求は従前の信託の、それぞれ分割の効力発生日における信託財産の価額が上限です。

Q6「知れている債権者」とは誰のこと?

受託者が債権の存在と債権者を認識している債権者をいいます。継続的な取引先や請求書を送ってくる相手は、通常これに当たると考えられます。

Q7信託法162条で分割は無効になる?

なりません。本条は分割の効力を前提にしたまま、催告漏れの債権者の回収先を広げる規定です。分割を覆す制度とは別物です。

Q8家族信託の分割でも162条は適用される?

家族信託も信託法上の信託である以上、新規信託分割を行えば160条・162条の規律が及びます。未払いの取引先がいる場合は催告が必要です。

この条文についての質問 AI による整理

Q1官報に公告が出てたらしいんですが、見てなかった私が悪いんですか?

受託者に知れている債権者には、公告に加えて個別の催告が必要とされる(信託法160条2項)。個別の催告を受けるべきだったのに受けていなければ、本条により、もう一方の信託財産にも請求できる。実務のポイント:受託者側は「公告済み」を盾にすることが多いが、取引継続中の相手が「知れていない」と言える場面はまずない。請求書のやり取り一通が立証材料になる

Q2新しい信託にいい資産が全部移されたら、私の債権は取りっぱぐれですか?

個別の催告を受けていなければ、本条1号で新しい信託の財産にも請求できる。上限は分割の効力発生日における新しい信託の信託財産の価額である。実務のポイント:上限は「移された資産の額」ではなく「新しい信託の財産全体の価額」で測る条文構造になっている。移転資産以外の財産も視野に入るため、受託者に効力発生日時点の財産状況の開示を求めるのが先決だ

Q3催告をきちんと受けて、異議を出さなかったらどうなるんですか?

定められた期間内に異議を述べなかった債権者は、分割を承認したものとみなされ(信託法160条)、本条の請求はできない。本条は催告を受けなかった債権者のための救済だからだ。実務のポイント:催告が届いた時点で「異議を述べる」のが最も強い一手である。異議を受けた受託者は、弁済や担保提供などの対応を迫られる(同条、ただし債権者を害するおそれがない場合を除く)

間違えやすい点 AI による整理

  • 「信託が分割されたら、自分の債権は元の信託の財産からしか回収できない」と思いがちだが、個別の催告を受けていなければ、もう一方の信託の財産にも請求できる。ただし請求できる額は、分割の効力が生じた日における当該信託財産の価額が上限になる
  • 問いの立て方がずれていることがある。「分割は無効か」を争う前に考えるべきは、「自分は個別の催告を受けるべき債権者だったか」である。本条は分割そのものを覆す規定ではない。分割を前提にしつつ、回収先を広げる規定だ。無効を主張して長期戦にするより、本条で請求する方が早い場面は多い
  • 受託者から見れば、催告漏れは「事務手続の小さなミス」にすぎない。しかし法律から見れば、切り離したはずの信託財産が、分割前の債権者に対して責任財産として戻ってくることを意味する。この認識の落差が、信託スキームの設計を根底から崩す
比較の観点この条文ほかの条文
役割信託法162条:催告漏れ債権者への事後救済信託法160条:分割前の債権者異議手続(事前の歯止め)
会社法764条:新設分割での催告漏れ債権者保護(会社版の同型規定)
対象となる債権者160条2項の各別の催告を要するのに受けなかった債権者新規信託分割に異議を述べられる債権者全般
各別の催告を受けなかった分割会社の債権者
効果もう一方の信託財産をもって履行を請求できる異議があれば受託者は弁済・担保提供等の対応を要する
分割会社または新設会社に対して履行を請求できる
上限効力発生日における請求先信託の信託財産の価額上限の概念なし(異議手続そのもの)
承継した財産の価額等を限度とする

他国ではどう定めているか 3 か国

台湾
台湾 信託法/公司法第319条之1

台湾信託法には信託分割の規定がなく、同種の問題は生じにくい。会社分割については公司法第319条之1が承継会社の連帯責任を定めており、発想は近い。

韓国
대한민국 신탁법(2011年全部改正)

韓国も2011年の全部改正で信託の分割制度を導入し、債権者保護手続を整備した。日本の新信託法の影響が指摘される。

アメリカ
Uniform Trust Code § 417

米国統一信託法典は受益者の権利を害さない限り信託の分割を認めるが、日本のような債権者異議手続と催告漏れ救済を組み合わせた規律は置いていない。

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • 不動産信託に建物の修繕代金800万円の債権を持つ工務店。気付けば信託は二つに分かれ、優良物件は新しい信託へ移り、元の信託には空室だらけのビルだけが残っていた。分割の通知は一度も届いていない。本条1号により、新しい信託の財産にも請求できる
  • もし受託者が「官報に公告したから手続は済んでいる」と言い張ったら、どうなる? 本条の対象は、160条2項で個別の催告が義務付けられていた債権者に限られる。あなたが受託者に「知れている債権者」だったかどうか、取引記録や請求書のやり取りが勝負を分ける
  • あなたは信託会社の担当者として新規信託分割を進めた。催告リストから取引先1社が漏れていた。その1社は、分割後の新しい信託の財産にも請求できる。分割で切り離したはずのリスクが、そのまま戻ってくる
  • 分割から半年後、債務の移転先の信託が資金繰りに詰まった。あなたの債権は分割の合意で新しい信託へ移されたものだった(159条1項6号の債務)。催告を受けていなければ、本条2号で元の信託の財産にも請求できる。元の信託の資産が他の債権者に食われる前に、今週中に請求書を出すべきだ

取るべき行動

被害を受けた側:1. 新規信託分割の効力発生日、官報公告の有無、自分宛ての個別の催告の有無を確認する2. 受託者との取引記録、請求書、メールを揃え、自分が「知れている債権者」だったことを立証する材料にする3. 債権が分割前からあったこと、1号と2号のどちらに当たるかを整理する4. 効力発生日の信託財産の価額を開示するよう受託者に書面で求め、上限の範囲内で請求額を確定する5. 応じなければ、弁護士に相談のうえ、もう一方の信託財産への強制執行を視野に訴訟を起こす

訴えられた側:1. 分割前に債権者リストを帳簿・契約・請求履歴から洗い出し、催告漏れをゼロにする2. 催告の発送記録(内容証明、配達記録)を保存する3. 請求を受けたら、相手が160条2項で個別の催告を受けるべき債権者に当たるか、債権が分割前のものかを精査する4. 効力発生日の信託財産の価額を算定し、上限を超える請求を拒む5. 受益者への説明責任も見据え、信託間の負担調整を早めに検討する

時効(請求できる期限):本条固有の時効はないが、一般消滅時効(民法166条、権利を行使できることを知った時から5年、行使できる時から10年)が元の債権に適用される。分割時の異議申述期間は160条2項で受託者が定める期間(1か月を下回れない、最新の改正状況をご確認ください)

学説

通説:本条は会社法の会社分割における催告漏れ債権者保護と同趣旨の規定であり、分割の効力を維持しつつ、手続から漏れた債権者に限って信託財産の独立性の例外を認めるものと理解される。

改正沿革 AI による整理

  • 平成18年(2006年)信託法全部改正 新信託法の制定により、信託の分割制度(吸収信託分割・新規信託分割)とともに規定された。その後の改正の有無は人的検証が必要

改正の年表

  1. 1.平成18年(2006年) 新設:信託法全部改正(平成18年法律第108号)により、吸収信託分割・新規信託分割の制度とともに新設された。施行は平成19年(2007年)9月30日。その後の改正の有無は要確認。

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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

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