信託法 第168条(法務大臣の関与)
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- 裁判所は、第百六十六条第一項の申立てについての裁判をする場合には、法務大臣に対し、意見を求めなければならない。
- 2.法務大臣は、裁判所が前項の申立てに係る事件について審問をするときは、当該審問に立ち会うことができる。
- 3.裁判所は、法務大臣に対し、第一項の申立てに係る事件が係属したこと及び前項の審問の期日を通知しなければならない。
- 4.第一項の申立てを却下する裁判に対しては、第百六十六条第四項に規定する者のほか、法務大臣も、即時抗告をすることができる。
この条文の基本情報
法務大臣の関与とは何ですか?
定義法務大臣の関与とは、信託法第168条に定められた規定で、「裁判所は、第百六十六条第一項の申立てについての裁判をする場合には、法務大臣に対し、意見を求めなければならない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 信託法第168条(法務大臣の関与)は、日本の信託法に含まれる条文です。
- 信託法第168条の条文原文は「裁判所は、第百六十六条第一項の申立てについての裁判をする場合には、法務大臣に対し、意見を求めなければならない。」で始まります。
- 信託法第168条は第一節 信託の終了に置かれています。
- 信託法の公布日は平成18年12月15日です。
- 信託法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 信託法第168条の前の条は信託法第167条です。
- 信託法第168条の次の条は信託法第169条です。
- 信託法第168条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
信託法(平成十八年法律第百八号)第168条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/418AC0000000108 - 本サイト収録
信託法(平成十八年法律第百八号)第168条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/418AC0000000108/168
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点信託法168条は、166条1項の信託終了命令の申立てについて、裁判所に法務大臣への意見聴取と期日通知を義務付け、法務大臣に審問立会いと却下に対する即時抗告を認める規定。
Q · 信託の終了命令の裁判に、法務大臣はどう関わるの?
必ず意見を聞かれ、立会いと抗告もできる
信託法168条により、裁判所は166条1項の終了命令の申立てについて裁判をする前に、法務大臣の意見を求めなければなりません(1項)。また事件の係属と審問期日を法務大臣に通知し(3項)、法務大臣は審問に立ち会うことができます(2項)。さらに申立てが却下された場合、166条4項の不服申立権者のほか、法務大臣も即時抗告ができます(4項)。
解説
信託を「強制的に終わらせる」裁判には、当事者でなくても必ず関わる人物がいる。法務大臣だ。信託法166条の終了命令は、不法な目的で設定された信託や、法務大臣の書面警告を受けても受託者が権限の逸脱・濫用や犯罪行為をやめない信託を、公益のために裁判所が終わらせる仕組みである。168条はその審理に国の目を入れる。裁判所は判断の前に法務大臣の意見を必ず聞き、事件の係属と審問の期日(裁判所が関係者から直接話を聞く日)を知らせる。法務大臣は審問に立ち会うことができる。申立てが却下されたときは、申し立てたのが法務大臣でなくても、即時抗告(短い期限で上級の裁判所に判断のやり直しを求める不服申立て)ができる。申立てが退けられても、国が上の裁判所へ持ち込む道は残る。逆から見ると、「委託者と受託者の内輪の話」で済むと考えていた信託でも、違法な使い方をすれば国が手続に入ってくるということだ
法的な位置づけ
信託法168条は、公益確保のための信託終了命令事件における法務大臣の関与を定める規定である。裁判所は、終了命令の申立てについての裁判に先立ち法務大臣の意見を求め、事件の係属と審問期日を通知しなければならない。法務大臣は審問に立ち会うことができ、申立てを却下する裁判に対して即時抗告をすることができる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.濫用の証拠を保全する 受託者による権限逸脱や不法目的をうかがわせる帳簿・送金履歴・信託契約書・登記事項などを確保し、時系列で整理する
- 2.関係官庁への相談を検討する 刑罰法令に触れる疑いがあれば警察・検察に相談する。167条により、官庁等から法務大臣への通知につながる可能性がある
- 3.終了命令の申立書を提出する 166条1項に基づき裁判所に申立てを行う。公益を損なう具体的理由を明記し、法務大臣が意見を述べる材料となるよう構成する。必要なら169条の保全処分もあわせて検討する
- 4.審問に備える 裁判所から法務大臣に審問期日が通知され、法務大臣が立ち会う可能性がある。相手方の陳述に対する反論と、公益性の主張を事前に固めておく
- 5.却下時は2週間以内に動く 申立てが却下されたら、自らに166条4項の抗告権があるか確認し、あれば即時抗告する。ない場合は期間内に法務省へ公益性を示す資料を届けることを検討する
よくある質問 AI による整理
Q1信託法168条とは何ですか?
信託の終了命令(166条1項)の裁判で、法務大臣の意見聴取・期日通知・審問立会い・却下に対する即時抗告を定めた条文です。国が公益の観点から手続に関与する仕組みです。
Q2信託の終了命令とは?
不法な目的で設定された信託や、法務大臣の書面警告後も受託者が違法行為を続ける信託について、公益確保のために裁判所が信託を終了させる命令です(信託法166条)。
Q3信託終了命令の申立てが却下されたら即時抗告できる?
166条4項に定める者は即時抗告できます。168条4項により、法務大臣もこれに加えて即時抗告ができます。申立人に抗告権がなくても、上級審への道が残る場合があります。
Q4信託終了命令の即時抗告はいつまで?
非訟事件手続法67条により、裁判の告知を受けた日から2週間の不変期間内です。法務大臣について起算点がどう扱われるかは個別に確認が必要です。
Q5信託終了命令で裁判所が法務大臣の意見を聞かないと違法?
168条1項は「意見を求めなければならない」と定めており、意見聴取は裁判所の義務です。これを欠いた裁判は、手続上の瑕疵として争われる余地があります。
Q6信託の終了命令は誰が申し立てられる?
166条1項により、法務大臣のほか、委託者、受益者、信託債権者その他の利害関係人が申し立てることができます。手続の詳細は条文で確認してください。
Q7法務大臣は信託の審問に必ず出席する?
必ずではありません。168条2項は「立ち会うことができる」と定める任意の権限です。実務上は、法務省の職員が指定されて対応するのが通例とされています。
Q8信託終了命令の事件は法務大臣に通知される?
はい。168条3項により、裁判所は事件が係属したことと審問の期日を法務大臣に通知しなければなりません。法務大臣が関与の機会を逃さないための規定です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1家族信託をしてるんですが、国にいきなり潰されることってあるんですか?
通常の家族信託で、いきなり国に潰されることはありません。終了命令(166条)は、信託が不法な目的でされた場合か、受託者が法務大臣から書面で警告を受けても違法な行為を続けた場合に限られ、どちらも裁判所の判断を経ます。実務のポイント:問題になりやすいのは、借金を抱えた親の財産を、差押えの直前に信託へ移した場合です。この場合は終了命令より先に、詐害信託の取消し(11条)で争われることが多い。信託を設定した時期は、それだけで疑いの目を向けられる材料になります
Q2法務大臣って、本当に裁判の場に来るんですか?
大臣本人が出席するわけではなく、実際には法務省の職員が指定されて意見書の提出や立会いを担うのが通例です。168条2項の立会いは「できる」という規定なので、必ず出席するわけでもありません。実務のポイント:信託法166条の終了命令の公表事例は、ほとんど見当たりません。それでも条文があることには意味があります。申し立てれば国が必ず関わる構造そのものが、受託者に対する抑止として働いているからです
間違えやすい点 AI による整理
- 「信託は契約だから、国は口を出せない」と考えられがちだが、166条の終了命令の場面では、法務大臣は自ら申立人になれるうえ、他人の申立事件にも意見を述べ、立会い、抗告まで行える。私的自治の器であっても、公益に反する使い方をされれば国が当事者並みの立場で関与してくる
- 家族信託の利用者は、信託を壊されるリスクを「家族内の仲たがい」くらいにしか見ていない。一方、法律は、強制執行逃れや犯罪収益の隠し場所として使われた信託を、裁判所の命令で消せる対象として見ている。この見え方の落差が問題になるのは、債権者の申立てが法務省とつながったときだ
- 「却下されたら、そこで終わり」は前提から誤っている。166条4項の不服申立権者は限られているが、168条4項によって法務大臣にも抗告の道が開かれる。申立人の手を離れても、事件は国の判断で生き続けることがある
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律の対象 | 168条:終了命令事件における法務大臣の手続関与 | 166条:公益確保のための信託終了命令の要件と申立て 167条:官庁等から法務大臣への通知 |
| 主体 | 裁判所(意見聴取・通知義務)と法務大臣(立会い・抗告) | 申立人(法務大臣、委託者、受益者、信託債権者等)と裁判所 裁判所その他の官庁、検察官、吏員 |
| 手続上の段階 | 申立て後の審理から却下後の不服申立てまで | 申立てと終了命令の発令 申立て前の情報提供段階 |
| 不服申立て | 却下の裁判に対し法務大臣も即時抗告可(4項) | 166条4項に定める者に限り即時抗告可 規定なし |
他国ではどう定めているか 2 か国
台湾では私益信託は原則として法院が監督する。日本のように法務大臣が終了命令事件に意見を述べ、抗告する仕組みは置かれていない
米国では公益信託について州司法長官が適格受益者と同等の権利を持ち、公益の観点から手続に関与する。国家機関による公益の担保という発想は共通する
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 債権者が、元経営者が親族と組んだ家族信託を「差押え逃れの器だ」として166条1項で終了を申し立てた。だが裁判所は却下。条文上、166条4項で即時抗告ができるのは委託者・受託者・受益者だけで、信託債権者は含まれていない。そのとき抗告の権利が残るのは、意見を述べていた法務大臣である
- 受託者の側に立っているとしたら、どうなるか? 法務省から書面警告が届いたのに運用を変えず、終了の申立てを受けた。審問の日、相手方の席の向こうに法務大臣の指定した職員が座っている。166条2項の陳述の機会で何を語るかが、信託の存続を左右する
- 却下決定の告知から即時抗告の期限まで、2週間しかない。申立人の弁護士が上訴をあきらめても、法務大臣が抗告すれば事件は終わらない
取るべき行動
被害を受けた側:1. 受益者や債権者として信託の濫用に気付いたら、まず受託者の行為の記録(帳簿、送金履歴、契約書)を保全する2. 刑罰法令に触れる疑いがあれば警察・検察に相談する。167条によって官庁から法務大臣への通知につながりうる3. 166条1項の申立書には、公益を損なう理由を具体的に書く。法務大臣が意見を出すための材料になる4. 却下されたら、自分に抗告権があるか(166条4項)を確かめ、ない場合は2週間以内に法務省へ資料を提出することを検討する
訴えられた側:1. 法務大臣から書面警告が届いたら、それは166条1項2号の要件の出発点である。権限の逸脱と指摘された行為をただちに止め、是正したことを書面で記録する2. 申立てを受けたら、166条2項の陳述の機会に、信託の目的が正当であることと、是正の事実を示す3. 法務大臣の意見の内容は結論を左右しうるため、審問の前に弁護士と反論の筋道を固めておく4. 終了命令が出た場合は、2週間以内に即時抗告する。即時抗告には執行停止の効力がある(166条5項)
時効(請求できる期限):却下の裁判に対する即時抗告は、裁判の告知を受けた日から2週間の不変期間内に行う(非訟事件手続法67条)。法務大臣について期間の起算点がどう扱われるかは、実務上確認が必要である。終了の申立てそのものには特定の時効はない(最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
- 平成18年(2006年)信託法全部改正 大正11年制定の旧信託法を全面的に改めた現行信託法の制定時に、公益確保のための終了命令(166条)とあわせて、法務大臣の関与を定める規定として置かれた。その後、平成23年(2011年)の非訟事件手続法制定に伴う整備などで文言が改められたかどうかは、人による確認が必要である
改正の年表
- 1.平成18年(2006年) 新設:平成18年法律第108号として現行信託法が制定され、公益確保のための信託終了命令(166条)とともに、法務大臣の関与を定める本条が置かれた。その後の文言整備の有無は要確認
- 信託法 第166条公益確保のための信託終了命令
- 信託法 第167条官庁等から法務大臣への通知義務
- 信託法 第169条終了命令申立て時の信託財産保全処分
- 信託法 第163条終了命令の裁判を信託の終了事由とする規定
- 信託法 第11条詐害信託の取消し、濫用信託への別の攻め手
- 会社法 第904条会社解散命令における同型の法務大臣関与
- 非訟事件手続法 第67条即時抗告期間2週間の一般規定
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