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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 収録時点 令和8年7月4日読了 6 分6 分6 分

信託法 第169条(信託財産に関する保全処分)

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  1. 裁判所は、第百六十六条第一項の申立てがあった場合には、法務大臣若しくは委託者、受益者、信託債権者その他の利害関係人の申立てにより又は職権で、同項の申立てにつき決定があるまでの間、信託財産に関し、管理人による管理を命ずる処分(次条において「管理命令」という。)その他の必要な保全処分を命ずることができる。
  2. 2.裁判所は、前項の規定による保全処分を変更し、又は取り消すことができる。
  3. 3.第一項の規定による保全処分及び前項の規定による決定に対しては、利害関係人に限り、即時抗告をすることができる。

この条文の基本情報

信託財産に関する保全処分とは何ですか?

定義信託財産に関する保全処分とは、信託法第169条に定められた規定で、「裁判所は、第百六十六条第一項の申立てがあった場合には、法務大臣若しくは委託者、受益者、信託債権者その他の利害関係人の申立てにより又は職権で、同項の申立てにつき決…」と規定しています。

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 信託法第169条(信託財産に関する保全処分)は、日本の信託法に含まれる条文です。
  2. 信託法第169条の条文原文は「裁判所は、第百六十六条第一項の申立てがあった場合には、法務大臣若しくは委託者、受益者、信託債権者その他の利害関係人の申立てにより又は職権で、同項の申立てにつき決…」で始まります。
  3. 信託法第169条は第一節 信託の終了に置かれています。
  4. 信託法の公布日は平成18年12月15日です。
  5. 信託法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
  6. 信託法第169条の前の条は信託法第168条です。
  7. 信託法第169条の次の条は信託法第170条です。
  8. 信託法第169条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式信託法(平成十八年法律第百八号)第169条
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/418AC0000000108
  • 本サイト収録信託法(平成十八年法律第百八号)第169条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/418AC0000000108/169

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点信託法169条は、166条1項の信託終了命令の申立てがあった場合、決定までの間、裁判所が管理命令その他の必要な保全処分を命じられると定める。

Q · 受託者が信託財産を使い込んでいるとき、信託法169条で裁判所に財産を押さえてもらえる?

原則使えない。169条は166条1項の申立てが前提

信託法169条の保全処分は、公益を理由とする信託終了命令の申立て(166条1項)がされていることが前提です。不法な目的の信託や、法務大臣の書面警告後も権限濫用を続けた場合などがこれに当たります。受託者による私的な使い込みへの対応としては、受益者による差止め(44条)、受託者の解任(58条)、損失てん補の請求(40条)が本来の手段です。

解説

信託を国が強制的に終わらせる裁判には、決定が出るまでの「空白期間」がある。この間に受託者が信託財産を動かしてしまえば、終了命令が出ても中身は空っぽになる。信託法169条は、この空白を埋めるための規定である。166条1項の申立て(公益を守るため信託の存続を許せないとして、信託の終了を求める申立て)がされると、裁判所は法務大臣、委託者、受益者、信託債権者などの利害関係人の申立てによって、または職権で、決定が出るまでの間、信託財産の保全処分を命じることができる。代表的なものが「管理命令」で、裁判所が選んだ管理人が受託者に代わって財産を管理する。ただし、この規定の前提は「公益」である。受託者による横領のような私的なトラブルを169条で止めようとするのは、使う規定を間違えている。受益者が自分の利益を守るなら、差止め(44条)や受託者の解任(58条)が本来の手段である。どの規定を使うかを最初に正しく選べるかどうかで、財産を守れる速さがまったく変わる。

法的な位置づけ

信託法169条は、信託終了命令の申立て(166条1項)から決定までの間に信託財産が散逸することを防ぐ保全処分の規定である。裁判所は、法務大臣、委託者、受益者、信託債権者その他の利害関係人の申立てまたは職権により、管理人による管理を命ずる管理命令その他の必要な保全処分を命ずることができ、その変更・取消しおよび即時抗告の手続も定められている。

手順・フロー

AI による整理。効力は条文原文が基準です

手順

  1. 1.166条1項の申立ての有無を確認する 信託終了命令の申立て(166条1項)が裁判所にされているかを確認する。申立てがなければ169条は使えないため、私的救済(44条の差止め、58条の解任、40条の損失てん補)に切り替える
  2. 2.財産流出の証拠を揃える 信託口座の入出金履歴、取引記録、受託者とのやり取りなど、決定前に財産が流出するおそれを示す具体的な証拠を整理する
  3. 3.利害関係人として保全処分を申し立てる 166条1項の申立てがされている裁判所に、管理命令その他の必要な保全処分を申し立てる。求める処分の内容(管理命令、処分禁止など)と必要性を具体的に示す
  4. 4.処分の告知後、2週間以内に対応を決める 保全処分または変更・取消しの決定の告知を受けたら日付を記録し、2週間以内に即時抗告をするかを判断する。受託者側は、2項にもとづく範囲の限定変更の求めも同時に検討する

よくある質問 AI による整理

Q1信託財産の保全処分とは何ですか?

信託の終了命令の申立てから決定までの間、信託財産が流出しないよう裁判所が命じる暫定措置です。信託法169条が根拠で、管理命令が代表例です。

Q2信託法169条の保全処分は誰が申し立てられますか?

法務大臣、委託者、受益者、信託債権者その他の利害関係人です。申立てがなくても、裁判所が職権で命じることもできます。

Q3信託の管理命令とはどんな処分ですか?

裁判所が選任した管理人に、受託者に代わって信託財産を管理させる処分です。管理人の権限などは信託法170条以下で定められています。

Q4信託の保全処分はいつまで効力がありますか?

166条1項の申立てについて決定があるまでの間の暫定措置です。その間も、裁判所は処分を変更し、または取り消すことができます(169条2項)。

Q5保全処分に不服があるときの即時抗告の期限は?

告知を受けた日から2週間の不変期間内です(非訟事件手続法67条1項)。即時抗告ができるのは利害関係人に限られます(169条3項)。

Q6信託終了命令が申し立てられるのはどんな場合?

不法な目的で信託がされた場合や、受託者が法務大臣の書面警告後もなお権限の逸脱・濫用を続けた場合など、公益確保のため信託の存立を許せない場合です(166条1項)。

Q7家族信託でも保全処分を受けることはありますか?

財産隠しなど不法な目的の信託と認定され、166条1項の申立てがされれば対象になり得ます。通常の家族間の対立だけでは169条は使えません。

Q8保全処分は受託者の同意なく出せますか?

出せます。利害関係人の申立てまたは職権で命じられます。受託者は即時抗告や、2項にもとづく変更・取消しの求めで争うことになります。

この条文についての質問 AI による整理

Q1受託者が勝手にお金を使ってるんですけど、この条文で裁判所に止めてもらえますか?

169条は、166条1項の申立て(公益を理由に信託の終了を求めるもの)があることが前提のため、通常の使い込みには使えない。受益者であれば、法令や信託行為に違反する行為の差止め(44条)、受託者の解任(58条)、損失てん補の請求(40条)が本来の手段である。実務のポイント:差止めは急ぐ場合、民事保全法の仮処分と組み合わせて使うことが多い。規定を選び間違えると、それだけで数か月を失う。

Q2管理命令が出たら、受託者はもう何もできなくなるんですか?

管理人が置かれると、信託財産の管理は原則として管理人に移り、受託者が自由に処分することはできなくなる(管理人の権限は170条以下)。不服があれば即時抗告をするか、2項にもとづいて変更や取消しを求める。実務のポイント:保全処分は、決定までの暫定措置である。受託者が法務大臣の警告後に是正した事実を早く示すほど、処分の範囲を絞り込める余地が広がる。

間違えやすい点 AI による整理

  • 前提を取り違えているケースが多い。「受託者が悪いことをしているなら、裁判所が169条で財産を押さえてくれる」と考えがちだが、169条は166条1項の申立てがあることを前提にしている。166条1項は、不法な目的による信託や、法務大臣の書面警告を受けた後も権限濫用を続けた場合など、公益を確保する必要がある場面に限られる。受益者個人の損害を防ぐ道具は、差止め(44条)、受託者の解任(58条)、損失てん補の請求(40条)として別に用意されている
  • 保全処分は管理命令だけだと思われやすいが、条文には「その他の必要な保全処分」とある。財産の処分を禁止する命令など、事案に応じた内容が考えられる。どこまでの処分が出せるかは裁判所の裁量に委ねられており、具体的な運用例は公表されたものが少ない。そのため、実務上の相場ははっきりしていない
  • 法的な位置付けにはずれがある。受託者から見れば「まだ何も決まっていないのに、財産を取り上げられた」と感じる。一方、法律上は、決定が出るまでの暫定措置にすぎない。不服があれば即時抗告をするか、裁判所に処分の変更や取消し(2項)を求める。ここで感情的に争って期限を過ぎると、反論の機会そのものを失う
比較の観点この条文ほかの条文
目的信託法169条:公益確保のための終了命令手続中の財産保全信託法44条:受益者による違法行為の差止め(私益保護)
信託法58条:受託者の解任(私益保護)
前提条件166条1項の申立てがされていること受託者の法令・信託行為違反のおそれと、信託財産に著しい損害が生ずるおそれ
任務違反による信託財産への著しい損害その他重要な事由など
申立権者法務大臣、委託者、受益者、信託債権者その他の利害関係人(職権も可)受益者
委託者・受益者(合意または裁判所への申立て)
効果の性質決定までの暫定措置(変更・取消し可、即時抗告可)特定の行為の停止
受託者の地位そのものの喪失

他国ではどう定めているか 2 か国

台湾
民事訴訟法第532条以下(仮処分)

台湾では信託財産の散逸防止は、一般の仮処分や受託者解任など信託法上の監督規定の組み合わせで対応するのが基本とされる

アメリカ
Uniform Trust Code § 1001

信託違反の救済として、裁判所が特別受託者を選任して信託財産を占有させることや、受託者の行為を差し止めることを認める。採用状況は州ごとに異なる

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • 「高利回りの信託」をうたう投資スキームに出資した。後になって、集めたお金が実態のない事業に回されていたと分かる。法務大臣が信託の終了を申し立てたというニュースが流れた日から、受託者の口座は日ごとに減っている。決定が出るまでに資金が流出し切ってしまう前に、受益者として管理命令を申し立てるかどうか、判断できる時間は長くない
  • 受託者の側に立った場合はどうなるか。法務大臣から書面で警告を受けた後も、権限外の取引を続けた。そこへ管理命令が出て、管理人が事務所の通帳と帳簿を引き取りに来る。異議があるなら、即時抗告の期限は2週間である
  • 受益者として信託に関わっている知人から、「受託者が使い込みをしているので、169条の保全処分で止めたい」と相談を受けた。しかし166条の申立てがなければ、169条は動かせない。私的な使い込みであれば、まず検討するのは44条の差止めである

取るべき行動

被害を受けた側:1. 166条1項の申立てがされているかを確認する。されていなければ169条は使えないため、私的な救済として差止め(44条)や受託者の解任(58条)を検討する。2. 申立てがされていれば、利害関係人として保全処分を申し立てる。財産流出の具体的な証拠(入出金履歴、取引記録)を揃える。3. 管理命令が出たら、管理人に対して把握している財産の情報を提供する。4. 損害の回復は別途、損失てん補の請求(40条)などで進める。

訴えられた側:1. 告知を受けた日を記録し、即時抗告の期限(2週間)を確定させる。2. 保全の必要性がないこと(財産を流出させるおそれがないこと、警告後に是正したこと)を証拠で示す。3. 全面的な取消しが難しい場合は、2項にもとづいて範囲を限定する変更を求める。4. 管理人の管理には協力し、妨げないようにする。妨げれば、本体の終了命令の判断でも不利になりうる。

時効(請求できる期限):保全処分を申し立てられるのは、166条1項の申立てがされてから、それに対する決定が出るまでの間である。保全処分や変更・取消しの決定に対する即時抗告は、告知を受けた日から2週間の不変期間内に行う(非訟事件手続法67条1項)。期間を過ぎると、その方法では争えなくなる(最新の改正状況をご確認ください)

改正沿革 AI による整理

  • 平成18年(2006年)信託法全部改正 新信託法の制定にともない、公益確保のための信託終了命令(166条)とセットで、信託財産の保全処分を定める規定として新設された。その後の文言修正の有無は人による検証が必要である

改正の年表

  1. 1.平成18年(2006年) 新設:信託法の全部改正(平成18年法律第108号)にともない、公益確保のための信託終了命令(166条)とあわせて、決定までの信託財産の保全処分を定める規定として新設された

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信託法の全文を見る所属する編章節を開く:第一節 信託の終了

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

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