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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 収録時点 令和8年7月4日読了 7 分7 分7 分

信託法 第183条(帰属権利者)

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  1. 信託行為の定めにより帰属権利者となるべき者として指定された者は、当然に残余財産の給付をすべき債務に係る債権を取得する。ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。
  2. 2.第八十八条第二項の規定は、前項に規定する帰属権利者となるべき者として指定された者について準用する。
  3. 3.信託行為の定めにより帰属権利者となった者は、受託者に対し、その権利を放棄する旨の意思表示をすることができる。ただし、信託行為の定めにより帰属権利者となった者が信託行為の当事者である場合は、この限りでない。
  4. 4.前項本文に規定する帰属権利者となった者は、同項の規定による意思表示をしたときは、当初から帰属権利者としての権利を取得していなかったものとみなす。ただし、第三者の権利を害することはできない。
  5. 5.第百条及び第百二条の規定は、帰属権利者が有する債権で残余財産の給付をすべき債務に係るものについて準用する。
  6. 6.帰属権利者は、信託の清算中は、受益者とみなす。

この条文の基本情報

帰属権利者とは何ですか?

定義帰属権利者とは、信託法第183条に定められた規定で、「信託行為の定めにより帰属権利者となるべき者として指定された者は、当然に残余財産の給付をすべき債務に係る債権を取得する。ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、…」と規定しています。

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 信託法第183条(帰属権利者)は、日本の信託法に含まれる条文です。
  2. 信託法第183条の条文原文は「信託行為の定めにより帰属権利者となるべき者として指定された者は、当然に残余財産の給付をすべき債務に係る債権を取得する。ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、…」で始まります。
  3. 信託法第183条は第二節 信託の清算に置かれています。
  4. 信託法の公布日は平成18年12月15日です。
  5. 信託法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
  6. 信託法第183条の前の条は信託法第182条です。
  7. 信託法第183条の次の条は信託法第184条です。
  8. 信託法第183条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式信託法(平成十八年法律第百八号)第183条
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/418AC0000000108
  • 本サイト収録信託法(平成十八年法律第百八号)第183条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/418AC0000000108/183

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点信託法183条により、帰属権利者に指定された者は承諾なしに残余財産の給付債権を取得する。受託者への意思表示で放棄でき、清算中は受益者とみなされる。

Q · 家族信託の契約書で「帰属権利者」に指定されていたら、何もしなくても財産をもらえるの?

給付を求める債権を当然に取得し、不要なら放棄もできる

信託法183条1項により、信託行為で帰属権利者に指定された者は、承諾や手続なしに残余財産の給付を求める債権を当然に取得します。本人が指定を知らないときは、受託者が遅滞なく通知しなければなりません(2項)。不要なら受託者への意思表示で放棄でき、当初から権利者でなかったものとみなされます(3項・4項)。ただし、信託行為の当事者は放棄できません。清算中は受益者とみなされ、帳簿閲覧などを通じて受託者を監督できます(6項)。

解説

信託が終わっても、財産は宙に浮かない。信託契約や遺言信託で「帰属権利者」と名指しされた者は、承諾も手続も要らず、残余財産を自分に渡すよう求める債権を当然に取得する(1項)。本人が知らないまま権利者になっていることもある。そのため、受託者には本人へ知らせる義務が課される(2項、88条2項準用)。ただし、手に入るのは「財産そのもの」ではなく「受託者に給付を求める債権」である。支払の引当ては原則として信託財産だけで、受託者個人の財布ではない(5項、100条準用)。要らなければ受託者への意思表示で放棄でき、最初から権利者でなかったものとみなされる(3項、4項)。ただし、委託者のように信託行為の当事者である者は放棄できない。さらに清算中に限り受益者とみなされ、帳簿を見て受託者を監督する立場に立つ(6項)。家族信託の契約書の最後の数行が、あなたの家の財産の最終着地点を決めている。

法的な位置づけ

帰属権利者とは、信託行為の定めにより、信託終了時に残余財産の給付を受けるべき者として指定された者をいう。信託法183条により、指定された者は承諾を要せず残余財産給付債権を当然に取得する。受託者への意思表示で遡及的に放棄でき、信託の清算中は受益者とみなされる。

手順

  1. 1.帰属権利者の定めを確認する 受託者に信託契約書または遺言の写しを求め、帰属権利者の指定、予備的な指定、信託行為上の「別段の定め」の有無を確認する
  2. 2.清算中に帳簿と財産目録を点検する 清算中は受益者とみなされる(183条6項)。帳簿や財産目録の閲覧を請求し(38条)、換価価格、支出、信託債務の弁済状況(181条)を確認する
  3. 3.最終計算に1か月以内に対応する 清算受託者から最終計算の承認を求められたら、届いた日から1か月以内に内容を精査する。疑義があれば異議を述べる。黙っていると承認したものとみなされる(184条)
  4. 4.受け取るか放棄するかを判断する 相続税法9条の2による課税を税理士と試算する。放棄する場合は、182条2項に従って財産がどこへ回るかを確認してから、受託者に放棄の意思表示を書面で行う

よくある質問 AI による整理

Q1帰属権利者とは何ですか?

信託が終了したときに残余財産の給付を受ける者として、信託行為で指定された者です。信託法183条により、指定されるだけで給付債権を当然に取得します。

Q2帰属権利者の定めがない場合、残余財産は誰のもの?

信託法182条2項により、委託者またはその相続人などが帰属権利者として指定されたものとみなされます。それでも定まらなければ、清算受託者に帰属します(同条3項)。

Q3委託者自身が帰属権利者なら放棄できますか?

できません。信託法183条3項ただし書により、信託行為の当事者である帰属権利者は放棄できません。自分で組んだ設計から後で離脱することは認められていません。

Q4信託の残余財産に相続税はかかりますか?

かかる場合があります。相続税法9条の2第4項により、残余財産の取得は受益者等からの贈与とみなされます。受益者の死亡で信託が終了した場合は遺贈とみなされます。

Q5帰属権利者の権利はいつまで請求できる?

信託法102条の準用により、原則として行使できると知った時から5年、行使できる時から10年で時効により消滅します。指定を知るまでは時効は進まず、最長20年です。

Q6清算中、帰属権利者は何ができますか?

清算中は受益者とみなされます(183条6項)。そのため、帳簿等の閲覧請求(38条)や任務違反による損失てん補の請求(40条)など、受益者としての監督権を行使できます。

Q7家族信託の帰属権利者は後から変更できますか?

信託の存続中であれば、信託の変更(149条)の手続や信託行為の定めにより変更できる余地があります。信託が終了した後は、指定を書き換えることはできません。

Q8信託終了後、不動産の名義変更はどうする?

受託者から帰属権利者への所有権移転登記と、信託登記の抹消を申請します。帰属権利者が取得するのは給付債権なので、受託者による引渡しと登記手続が必要です。

この条文についての質問 AI による整理

Q1帰属権利者と残余財産受益者って、何が違うんですか?

どちらも信託終了後に残余財産を受け取る者である(182条1項)。違いは信託存続中の立場で、残余財産受益者は最初から受益者として監督権を持つ。帰属権利者が受益者とみなされるのは清算中に限られる(183条6項)。実務のポイント:存続中に受託者へ口出しさせたくない設計では、あえて帰属権利者として指定する。受託者の暴走が心配な家族なら、逆を選ぶべきだ

Q2相続放棄したら、帰属権利者の権利も一緒に消えますか?

帰属権利者の地位は信託行為の定めで取得するもので、相続によるものではない。そのため、実務上は相続放棄の影響を受けないと解されている。ただし、税務上は遺贈とみなされうる(相続税法9条の2第4項)。実務のポイント:受取りを辞退したいなら、家庭裁判所での相続放棄ではなく、受託者への放棄の意思表示(183条3項)が必要になる。宛先を間違える人が多い

Q3自分が帰属権利者だなんて誰も教えてくれなかった。これって受託者の落ち度では?

受託者には、指定された者が権利取得を知らないとき、遅滞なく通知する義務がある(183条2項、88条2項準用)。ただし、信託行為に別段の定めがあればそれに従う。実務のポイント:指定を知るまでは受益債権の消滅時効が進行しない(102条2項準用)。知らされていなかった事実は、請求期限を守る盾にもなる

Q4受託者の兄が信託財産を使い込んでいたら、兄個人に払わせられますか?

残余財産の給付は、原則として信託財産だけで履行される(183条5項、100条準用)。ただし、清算中の帰属権利者は受益者とみなされる(6項)。そのため、任務違反による損失のてん補を受託者に請求できる(40条)。実務のポイント:最終計算を承認すると、不正行為がない限り受託者の責任は免除されたものとみなされる(184条)。疑いがあるなら、承認請求を受けたまま1か月を黙って過ごさないこと

間違えやすい点 AI による整理

  • 「この財産を兄弟でどう分けるか」と話し合う前に、まず確認すべきことがある。その財産はそもそも遺産なのか。信託財産は受託者の名義にあり、終了時の行き先は帰属権利者の定めで決まる。前提を間違えたまま遺産分割協議を重ねても、信託財産は一円も動かない
  • 放棄できることは知られていても、その効果の重さは知られていない。放棄すると当初から権利者でなかったものとみなされ(4項)、財産は182条2項に従って委託者やその相続人へ回る。放棄は単なる「辞退」ではなく「行き先の書き換え」である。誰に回るかを確かめずに放棄するのは危うい。しかも信託行為の当事者である帰属権利者は、そもそも放棄できない(3項ただし書)
  • あなたから見れば「もらえる財産」でも、法律から見れば「受託者に対する債権」にすぎない。引当ては原則として信託財産に限られる(5項、100条準用)。受託者が財産を散逸させた後に気づいても、受託者個人に追及するには任務違反による損失てん補責任(40条)という別の道を立証しなければならない
比較の観点この条文ほかの条文
規律対象信託法183条:帰属権利者の権利取得・通知・放棄・清算中の地位信託法182条:残余財産の帰属先の決定順位
信託法99条:受益者による受益権の放棄
権利取得の方法指定により当然に給付債権を取得(承諾不要)定めがなければ委託者・相続人を帰属権利者とみなし、それでも定まらなければ清算受託者に帰属
受益者は88条により受益権を当然に取得
放棄の可否と効果受託者への意思表示で遡及的に放棄可。ただし当事者は不可。第三者の権利は害せない全員が放棄した場合も182条2項の法定ルートが働く
受益者も受託者への意思表示で放棄可。ただし当事者は不可
信託存続中の監督権なし(清算中に限り受益者とみなされる)残余財産受益者は存続中から受益者として監督権あり
受益者は存続中から監督権を有する

他国ではどう定めているか 4 か国

台湾
台湾信託法第65条・第66条

信託行為に別段の定めがなければ、全部の信託利益を受ける受益者、次いで委託者またはその相続人に帰属する。移転完了までは信託が存続するものとみなし、帰属権利人を受益者とみなす点で日本法と同じ発想である

韓国
신탁법 제101조

信託終了時の財産は、原則として受益者(残余財産受益者)に帰属する。信託行為で帰属権利者を定めた場合は、その者に帰属する構造である

中国
信托法 第54条・第55条

信託文書の定める者に帰属し、定めがなければ受益者、次いで委託者またはその相続人の順となる。移転過程では信託が存続するものとみなし、権利帰属人を受益者とみなす

アメリカ
Uniform Trust Code § 817

終了時、受託者は合理的期間内に信託条項に従って財産を分配する。受益者に分配案を通知し、異議期間を設ける実務がある

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • 父の家族信託が父の死亡で終了し、契約書には「帰属権利者 長女」とだけ書かれていた。長男は何を主張できるのか? 帰属は信託行為に基づくため、遺産分割協議の議題にはそもそも載らない。遺留分との関係は実務上解釈が分かれており、信託の一部を公序良俗違反で無効とした裁判例もある
  • 兄として受託者を引き受け、母の死後に実家を売却して清算を進めている。帰属権利者である妹には、まだ何も連絡していない。妹は清算中は受益者とみなされる。帳簿の閲覧を求められ、説明のつかない支出があれば損失のてん補を請求される側に、あなたは立っている
  • 叔母の信託の受託者から一通の通知が届いた。そこで初めて、自分が帰属権利者に指定されていたと知った。承諾した覚えはないが、債権はすでにあなたのものになっている
  • 清算受託者から「最終計算の承認のお願い」が届いた。1か月以内に異議を述べなければ承認したものとみなされ、不正行為がない限り受託者の責任は免除される(184条)。封筒を開けたのは届いてから三週間後。残りは10日もない
  • 残余財産として回ってくるのが、買い手のつかない山林と老朽化した空き家だけだったら? 帰属権利者は受託者への意思表示で放棄できる。ただし、放棄された財産は182条2項のルートで委託者やその相続人へ流れていく。自分が手放した財産の行き先は、自分では選べない

取るべき行動

被害を受けた側:1. 受託者に信託契約書または遺言の写しを求め、帰属権利者の定めと信託行為上の「別段の定め」の有無を確認する2. 清算中は受益者とみなされる(6項)。帳簿や財産目録の閲覧を請求し(38条)、売却価格や支出を点検する3. 最終計算の承認請求が届いたら、1か月以内に異議を出すかどうか判断する4. 受取時の課税(相続税法9条の2)を税理士と試算する。不要な財産なら、放棄後の行き先を確認してから受託者に意思表示する

訴えられた側:1. 清算に入ったら帰属権利者を特定する。本人が権利を知らないなら、遅滞なく通知する(2項、88条2項準用) 2. 信託債権などの弁済を先に済ませる。弁済前に残余財産を給付することは原則できない(181条) 3. 換価と支出の記録を残し、最終計算を受益者等の全員に示して承認を求める(184条) 4. 放棄の意思表示を受けたら書面で残し、182条2項に従って次順位者への給付手続へ移る

時効(請求できる期限):残余財産の給付請求権には、受益債権の期間制限が準用される(5項、102条)。基本は民法166条で、権利を行使できることを知った時から5年、行使できる時から10年。ただし、帰属権利者としての指定を知るまでは時効は進行せず、行使できる時から20年で消滅する(102条2項、4項)。また、最終計算の承認請求を受けてから1か月以内に異議を述べなければ承認したものとみなされる(184条)(最新の改正状況をご確認ください)

学説

立案担当者の解説:帰属権利者は信託存続中は受益者ではなく、監督権を持たない。清算中に限り受益者とみなすことで、残余財産の給付が確定するまでの受託者監督を確保する設計とされる

実務上の解釈:帰属権利者の地位は信託行為に基づいて取得するもので、相続によるものではない。そのため相続放棄の影響を受けないと解されている。ただし、詐害信託(11条)や公序良俗による制約は別途問題となる

改正沿革 AI による整理

  • 平成18年(2006年)信託法全部改正 旧信託法(大正11年法律第62号)に代わる現行信託法の制定により、帰属権利者の権利取得・通知・放棄・清算中の地位を独立の条文として定めた。その後の改正の有無は人的検証を要する

改正の年表

  1. 1.平成18年(2006年) 新設:信託法全部改正(平成18年法律第108号)により、帰属権利者の権利取得・通知・放棄・清算中の地位を独立の条文として新設した。以後の改正の有無は要確認

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信託法の全文を見る所属する編章節を開く:第二節 信託の清算

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

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