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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 収録時点 令和8年7月4日読了 7 分7 分7 分

信託法 第88条(受益権の取得)

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  1. 信託行為の定めにより受益者となるべき者として指定された者(次条第一項に規定する受益者指定権等の行使により受益者又は変更後の受益者として指定された者を含む。)は、当然に受益権を取得する。ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。
  2. 2.受託者は、前項に規定する受益者となるべき者として指定された者が同項の規定により受益権を取得したことを知らないときは、その者に対し、遅滞なく、その旨を通知しなければならない。ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。

この条文の基本情報

受益権の取得とは何ですか?

定義受益権の取得とは、信託法第88条に定められた規定で、「信託行為の定めにより受益者となるべき者として指定された者(次条第一項に規定する受益者指定権等の行使により受益者又は変更後の受益者として指定された者を含む。」と規定しています。

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 信託法第88条(受益権の取得)は、日本の信託法に含まれる条文です。
  2. 信託法第88条の条文原文は「信託行為の定めにより受益者となるべき者として指定された者(次条第一項に規定する受益者指定権等の行使により受益者又は変更後の受益者として指定された者を含む。」で始まります。
  3. 信託法第88条は第一節 受益者の権利の取得及び行使に置かれています。
  4. 信託法の公布日は平成18年12月15日です。
  5. 信託法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
  6. 信託法第88条の前の条は信託法第87条です。
  7. 信託法第88条の次の条は信託法第89条です。
  8. 信託法第88条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式信託法(平成十八年法律第百八号)第88条
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/418AC0000000108
  • 本サイト収録信託法(平成十八年法律第百八号)第88条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/418AC0000000108/88

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点信託法88条により、信託行為で受益者に指定された者は意思表示なしに当然に受益権を取得する。本人が知らなければ受託者に通知義務がある。

Q · 親の信託で自分が受益者に指定されていたら、同意していなくても受益者になるの?

はい、指定された時点で同意なく受益者になります

信託法88条1項により、信託行為で受益者として指定された者は、受益の意思表示をしなくても当然に受益権を取得します。民法537条の第三者のためにする契約と異なり、本人の承諾は要りません。本人が取得を知らないときは、受託者が遅滞なく通知する義務を負います(同条2項)。ただし、取得時期や通知の要否は信託行為で別に定めることができます。受益を望まなければ、受託者への意思表示で放棄できます(99条)。

解説

受益者になるのに、本人の「はい」は要らない。信託契約や遺言で受益者として名前を書かれた時点で、あなたは知らないうちに受益権(信託財産から利益を受け取る権利)を手にしている。民法の第三者のためにする契約(537条)では、受益者が「利益を受ける」と意思表示して初めて権利が生まれる。信託ではこの意思表示が要らない。さらに2項は、本人が取得を知らなければ、受託者(財産を預かって管理する人)が遅滞なく知らせる義務を負うと定める。ただし1項も2項も、信託行為(信託契約や遺言など、信託を設定する行為)で外すことができる。通知を外した家族信託では、あなたが自分が受益者だと知らない一方で、受託者が出した調書が先に税務署へ届いていることもありうる。対価を払わずに受益者になれば、相続税法上は贈与や遺贈とみなされるからだ。親が家族信託を組んだと聞いたら、契約書のどこに自分の名前が書かれているかを確かめる価値がある。

法的な位置づけ

信託法88条は受益権の当然取得を定める規定であり、信託行為で受益者として指定された者(89条の受益者指定権等の行使による指定を含む)は、受益の意思表示を要せずに受益権を取得する。受益者が取得を知らないときは受託者が遅滞なく通知する義務を負い、いずれも信託行為の別段の定めが優先する。

よくある質問 AI による整理

Q1信託の受益権とは何ですか?

信託財産から給付を受ける権利(受益債権)と、受託者を監督する権利などを合わせた権利です。信託行為で指定された受益者が取得します。

Q2家族信託の受益者になると贈与税はかかる?

適正な対価を払わずに受益者になると、相続税法9条の2により贈与(委託者の死亡が原因なら遺贈)とみなされ、課税対象になりえます。

Q3受託者が受益者に通知しないと違法?

信託行為に通知不要の定めがなければ、88条2項の通知義務違反になります。受託者の善管注意義務(29条)違反を問われる材料にもなります。

Q4信託の受益者はどうやって指定・変更する?

信託行為で直接定めるか、受益者指定権等を持つ者が受託者に意思表示して指定・変更します(89条)。遺言で行うこともできます。

Q5遺言代用信託の受益権はいつ取得する?

委託者の死亡時に取得する旨の定めがあればその時です。委託者は原則として生前に受益者を変更でき(90条1項)、相続手続を待たずに承継できます。

Q6受益者は信託の帳簿を見られる?

見られます。受益者は受託者に帳簿等の閲覧・謄写を請求でき(38条)、この権利は信託行為でも制限できません(92条)。

Q7受益債権の消滅時効はいつから進む?

債権の消滅時効の例によりますが、受益者が自分が指定されたことを知るまでは進行しません(102条2項)。

Q8信託行為の「別段の定め」とはどんな例?

「委託者の死亡時に取得する」と取得時期を遅らせる定めや、「受託者は受益者に通知しない」と2項の通知義務を外す定めなどがあります。

この条文についての質問 AI による整理

Q1親が勝手に作った信託で、私が受益者になってるらしいんですけど、断れますか?

断れる。受益者は受託者への意思表示で受益権を放棄でき、放棄すると初めから受益権を持っていなかったものとみなされる(99条)。ただし、自分が信託行為の当事者になっている場合は放棄できない。実務のポイント:放棄の前に給付を受け取ってしまうと、税務上も事実関係の上でも話がこじれやすい。通知に反応する前に、まず契約書の写しを取り寄せること

Q2通知が来るまでは、まだ受益者じゃないってことですよね?

違う。通知の有無に関係なく、指定された時点で受益者である(88条1項)。通知は受託者の義務であって、受益権を取得する条件ではない。しかも通知義務自体を信託行為で外すこともできる(同条2項ただし書)。実務のポイント:受託者は税務署に受益者別調書を出す義務を負う(相続税法59条)。本人より先に税務署が把握している、という逆転が起こりうる

Q3家族信託の受益権って、相続放棄したらなくなりますか?

受益権は信託行為に基づいて取得するもので、遺産分割の対象外として扱うのが一般的である。そのため相続放棄をしても受益権は残ると考えられている。一方で、相続税法9条の2により相続税の課税対象にはなる。実務のポイント:遺留分を逃れる目的の信託が一部無効とされた例(東京地判平成30.9.12)があり、実務上、評価は分かれている。「信託にすればもめない」は過信である

間違えやすい点 AI による整理

  • あなたから見れば「親が勝手に作った契約で、自分は署名もしていない」。しかし法律から見れば、署名していないことは受益権の取得を妨げない。契約の当事者でない者が権利を得ることこそ、信託の設計そのものである。この認識のずれが、贈与税の申告漏れや遺産分割の争いで効いてくる
  • 受益者になると借金や管理費まで背負わされると警戒する人は多い。旧信託法には受益者の費用負担の規定があったが、現行法では、受託者が受益者に費用を請求できるのは両者の個別の合意がある場合に限られる(48条5項)。本当に怖いのは費用ではない。気付かないうちに贈与とみなされ、課税されることの方である
  • 「通知が来ていないから、自分は受益者ではない」という推論は成り立たない。通知は受益権を取得するための条件ではなく、通知義務そのもの(2項)も信託行為で外せる。確かめるべきは「通知が来たか」ではなく、「信託行為に自分の名前がどう書かれているか」である
比較の観点この条文ほかの条文
規律の対象信託法88条:指定された受益者の受益権の当然取得と、受託者の通知義務信託法90条:遺言代用信託における委託者の受益者変更権と権利取得時期の特例
信託法99条:当然に取得した受益権の放棄
受益者の意思表示不要(指定されれば当然に取得)不要(ただし死亡後給付型の受益者は委託者死亡まで受益者としての権利なし)
放棄には受託者への意思表示が必要
効果指定時または信託行為で定めた時に受益権を取得委託者は原則として受益者を変更できる
初めから受益権を有していなかったものとみなす(第三者の権利は害せない)
例外・制限1項・2項とも信託行為の別段の定めが優先信託行為の別段の定めが優先
受益者が信託行為の当事者である場合は放棄できない

他国ではどう定めているか 5 か国

台湾
台湾信託法第17条

受益者は信託の成立によって信託利益を享受し、信託行為に別段の定めがあればそれに従う。同条2項で受益権の放棄も認める。日本の旧信託法の当然取得原則と同じ構造

韓国
韓国신탁법 제56조

2011年全部改正で、指定された受益者の当然取得と、受託者が遅滞なく知らせる義務を規定。日本の現行88条とほぼ同じ構成

中国
中華人民共和国信託法 第44条

受益者は信託の効力発生日から受益権を享有し、信託文書に別段の定めがあればそれに従う。受託者の通知義務に相当する明文規定はない

ドイツ
BGB § 328・§ 333

信託法典がないため、機能的には第三者のためにする契約が近い。第三者は直接権利を取得し、拒絶すれば初めから取得しなかったものとみなされる

アメリカ
Uniform Trust Code § 813

受益者の受諾は不要とされる一方、受託者に一定の受益者への通知・情報提供義務を課す。採用の有無と内容は州ごとに異なる

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • 父が亡くなって一週間後、信託銀行から「遺言代用信託の受益者に指定されています」という封書が届いたら、手続はどう進む? 相続人全員の実印も遺産分割協議も要らない。信託行為の定め(90条)に従い、受益権は指定された者としてすでにあなたが取得している。分割協議が終わるまで凍結される預金の相続とは、ここが決定的に違う
  • あなたは長男として、母の不動産を管理する家族信託の受託者を引き受けた。母が亡くなり、二次受益者に指定されていた妹が受益権を取得した。契約書に通知を不要とする条項はなく、妹はまだそのことを知らない。2項により、妹に知らせる義務はあなたにある。黙っていると、後で兄妹がもめたときに「財産を隠していた」と言われる材料になる
  • 祖父がひそかに孫を受益者とする信託を設定していた。孫は大学に入るまで何も知らなかった。信託行為に別段の定めがなければ、受益権は設定のときから孫のものである。
  • 1月、父が去年の秋に組んだ家族信託で、受益者が自分一人になっていたと知った。父は存命で、自分は対価を一円も払っていない。贈与とみなされる可能性があり、申告期限の3月15日まで二か月を切っている。今週中に契約書を税理士に見せないと間に合わない
  • 借金を抱えた親族の信託で受益者にされた。受益者になると管理費や借金まで背負わされるのか? 現行法では、受託者と個別に合意していない限り、受益者が信託費用を払う義務はない(48条5項)。それでも関わりたくなければ、受託者に意思表示をして受益権を放棄できる(99条)

取るべき行動

被害を受けた側:1. 受託者に信託行為の写しと信託財産の状況を確認する。受益者には帳簿等の閲覧・謄写の請求権があり(38条)、信託行為でもこの権利は制限できない(92条) 2. 受益権を取得した時期と対価の有無を確認し、相続税法9条の2で贈与・遺贈とみなされるかを税理士と検討する3. 費用負担の合意(48条5項)を求められても、その場で応じない4. 受益を望まないなら受託者への意思表示で放棄できる(99条)。ただし税務上の効果は事前に確認する

訴えられた側:1. 受託者として、受益者に指定された者が取得を知っているかを確認し、知らなければ遅滞なく書面で通知する(88条2項) 2. 信託行為に通知不要の定めがあっても、税務署への受益者別調書の提出(相続税法59条)は別の義務として残る3. 通知の日付と内容を記録に残す。後で注意義務違反(29条)を追及されたときの防御材料になる4. 通知を外す設計を選ぶなら、信託監督人や受益者代理人の選任をあわせて検討する

時効(請求できる期限):受益権の取得そのものに時効はない(指定によって当然に取得する)。受益債権の消滅時効は債権の例による(民法166条:知った時から5年、行使できる時から10年)が、受益者が指定を知るまでは進行しない(信託法102条2項)。贈与とみなされる場合、贈与税の申告期限は信託の効力が生じた年の翌年2月1日から3月15日まで(相続税法28条)(最新の改正状況をご確認ください)

学説

通説:受益者は信託行為の当事者ではないため、民法537条の受益の意思表示を要件とすると委託者の意図した財産承継が不安定になる。そこで受益権の当然取得を原則とし、受益者の保護は通知義務・放棄・時効の不進行で補う構造と理解されている

改正沿革 AI による整理

  • 平成18年(2006年)信託法全部改正(2007年9月30日施行) 旧信託法7条の「受益者として指定された者は当然に信託の利益を享受する」という原則を承継した。受益者指定権等の行使による指定を含むことを明記し、受益者が取得を知らない場合の受託者の通知義務(2項)を新たに設けた

改正の年表

  1. 1.大正11年(1922年) 新設:旧信託法7条で「受益者として指定された者は当然に信託の利益を享受する」という原則を定める
  2. 2.平成18年(2006年) 改正:信託法全部改正で現行88条に移行。受益者指定権等の行使による指定を含むことを明記し、受託者の通知義務(2項)を新設。2007年9月30日施行

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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

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