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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 収録時点 令和8年7月4日読了 6 分6 分6 分

信託法 第48条(信託財産からの費用等の償還等)

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  1. 受託者は、信託事務を処理するのに必要と認められる費用を固有財産から支出した場合には、信託財産から当該費用及び支出の日以後におけるその利息(以下「費用等」という。)の償還を受けることができる。ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。
  2. 2.受託者は、信託事務を処理するについて費用を要するときは、信託財産からその前払を受けることができる。ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。
  3. 3.受託者は、前項本文の規定により信託財産から費用の前払を受けるには、受益者に対し、前払を受ける額及びその算定根拠を通知しなければならない。ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。
  4. 4.第一項又は第二項の規定にかかわらず、費用等の償還又は費用の前払は、受託者が第四十条の規定による責任を負う場合には、これを履行した後でなければ、受けることができない。ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。
  5. 5.第一項又は第二項の場合には、受託者が受益者との間の合意に基づいて当該受益者から費用等の償還又は費用の前払を受けることを妨げない。

この条文の基本情報

信託財産からの費用等の償還等とは何ですか?

定義信託財産からの費用等の償還等とは、信託法第48条に定められた規定で、「受託者は、信託事務を処理するのに必要と認められる費用を固有財産から支出した場合には、信託財産から当該費用及び支出の日以後におけるその利息(以下「費用等」という。」と規定しています。

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 信託法第48条(信託財産からの費用等の償還等)は、日本の信託法に含まれる条文です。
  2. 信託法第48条の条文原文は「受託者は、信託事務を処理するのに必要と認められる費用を固有財産から支出した場合には、信託財産から当該費用及び支出の日以後におけるその利息(以下「費用等」という。」で始まります。
  3. 信託法第48条は第四節 受託者の費用等及び信託報酬等に置かれています。
  4. 信託法の公布日は平成18年12月15日です。
  5. 信託法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
  6. 信託法第48条の前の条は信託法第47条です。
  7. 信託法第48条の次の条は信託法第49条です。
  8. 信託法第48条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式信託法(平成十八年法律第百八号)第48条
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/418AC0000000108
  • 本サイト収録信託法(平成十八年法律第百八号)第48条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/418AC0000000108/48

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点信託法48条は、受託者が信託事務の費用を固有財産から支出した場合、信託財産から費用と支出日以後の利息の償還を受けられると定める。前払には受益者への通知が必要。

Q · 家族信託の受託者が立て替えた修繕費や税金は、どこから返してもらえるの?

信託財産から利息付きで回収でき、受益者には合意がなければ請求不可

信託法48条1項により、受託者が信託事務に必要な費用を自分の財産から支出した場合、信託財産から費用と支出日以後の利息の償還を受けられます。2項により前払も可能ですが、受益者へ額と算定根拠を通知する必要があります(3項)。受託者に任務違反による損失填補責任(40条)があれば、その履行が先です(4項)。受益者個人から回収できるのは、受益者と合意した場合に限られます(5項)。多くの項は信託行為の別段の定めで変更できます。

解説

家族信託で受託者になった子が、親の実家の屋根修理代80万円を自分の口座から払った。この80万円は「親孝行の持ち出し」で終わるわけではない。信託法48条1項によれば、信託事務に必要な費用を固有財産(受託者個人の財布)から立て替えた受託者は、信託財産から元本と支出日以後の利息を合わせて取り戻せる。2項では、立て替えずに信託財産から先に前払いを受けることもできる。ただし前払いを受けるなら、受益者(信託から利益を受ける人)に金額と算定根拠を通知しなければならない(3項)。見落とされやすい点が二つある。一つ目に、受託者自身の任務違反で信託財産に損失を出していれば、その損失を填補(穴埋め)するまで償還は受けられない(4項)。二つ目に、受益者個人に費用を請求できるのは、受益者と合意した場合だけである(5項)。つまり、取り戻せる先は原則として信託財産に限られる。信託財産が乏しければ、立替金はそのまま回収不能になる。信託契約の費用条項を、組成前に確認しておく必要がある。

法的な位置づけ

信託法48条は受託者の費用償還請求権および費用前払請求権を定める規定である。受託者は信託事務の処理に必要な費用を固有財産から支出したとき、信託財産から費用と利息の償還を受けることができ、前払を受ける場合は受益者に額と算定根拠を通知しなければならない。損失填補責任の履行が償還に優先し、受益者個人への請求は合意がある場合に限られる。

手順

  1. 1.信託契約の費用条項を確認する 受託者を引き受ける前に、信託契約書で費用償還・前払・受益者への通知について別段の定めがあるかを確認する。定めがなければ、通知方法や不足時の負担者の条項追加を提案する
  2. 2.立替のたびに台帳へ記録する 固有財産から費用を支払った日に、日付・金額・支払先・目的を立替台帳に記入し、領収書の画像と紐づける。信託事務に必要な費用であることを説明できる形にしておく
  3. 3.前払を受ける前に受益者へ通知する 信託財産から費用の前払を受ける場合、前払額と算定根拠を受益者に書面やメールで通知し、送付記録を保存する(48条3項)
  4. 4.信託財産から償還を受け精算する 台帳と領収書に基づき、費用元本と支出日以後の利息を計算して信託口座から償還を受ける。利息を請求しない場合は、その旨を台帳に明記する
  5. 5.残高不足が見えたら受益者と合意する 信託財産の残高が減り始めた段階で、受益者と費用負担の合意書を交わす(48条5項)。合意が得られない場合は52条の手続を検討する

よくある質問 AI による整理

Q1信託法48条とは何ですか?

受託者が信託事務のために支出した費用を、信託財産から利息付きで取り戻せること、前払を受けられることを定めた条文です。前払には受益者への通知が必要です。

Q2家族信託の固定資産税は誰が払う?

信託財産である不動産の固定資産税は、原則として信託財産から支払います。受託者が立て替えた場合は、信託法48条1項により信託財産から償還を受けられます。

Q3受託者の立替金に利息は付く?

付きます。48条1項は「支出の日以後におけるその利息」も償還対象と定めています。ただし信託行為に別段の定めがあれば、その定めに従います。

Q4受託者は信託口座から費用を先に引き出せる?

できます(48条2項)。ただし受益者に前払額と算定根拠を通知する必要があります(3項)。信託契約で通知方法を別に定めることも可能です。

Q5信託財産が足りないとき受益者に請求できる?

受益者との合意がなければ請求できません(48条5項)。旧信託法とは異なる点です。不足時は52条の通知・信託終了の手続を検討します。

Q6受託者が損失を出した場合、費用は回収できる?

40条の損失填補責任を負う場合、その責任を果たした後でなければ費用の償還も前払も受けられません(48条4項)。信託行為で別段の定めは可能です。

Q7立替金の請求に時効はある?

信託法に特別の期間はなく、民法166条の一般消滅時効(知った時から5年、行使できる時から10年)が問題になります。早めの精算か承認による更新が安全です。

Q8信託報酬と費用償還の違いは?

費用償還は実際に支出した経費の回収(48条)、信託報酬は受託者の労務への対価(54条)です。報酬は信託行為に定めがある場合などに限り請求できます。

この条文についての質問 AI による整理

Q1親の介護施設の費用を信託口座から払うのは、費用の前払いになるんですか?

ならないことが多い。施設費用は通常、受益者である親への給付として信託財産から支払うものであり、48条でいう「信託事務の処理費用」とは性質が違う。48条の費用は、税金・修繕・管理委託料など、財産の管理そのものにかかるコストである。実務のポイント:この二つを帳簿上で混ぜると、後に兄弟から使途を追及されたとき説明が成り立たなくなる。「給付」と「事務費用」は、口座の段階で分けておくべきである

Q2立て替えた分に利息を付けて返してもらうのって、家族相手だと気まずくないですか?

48条1項は「支出の日以後におけるその利息」を償還対象と明記している。気まずいなら利息を放棄してもよいが、放棄したことは書面に残すべきである。実務のポイント:利息を請求しないことが後に贈与と評価されないよう、「元本のみ回収、利息は請求しない」と台帳に一行書いておく。それだけで税務上も家族間でも説明がしやすくなる

Q3信託のお金が足りなくなったら、受託者が全部かぶるしかないんですか?

受益者個人には、合意がなければ請求できない(48条5項)。ただし52条により、信託財産が費用償還に足りない場合、受託者は委託者と受益者に通知し、一定期間内に手当てがなければ信託を終了させうる。実務のポイント:この「終了カード」の存在を知らないまま、何年も自腹で回し続ける受託者は少なくない。費用条項の設計段階で、不足時の負担者を明記しておくのが最も安上がりである

間違えやすい点 AI による整理

  • 「受託者が立て替えた費用は、最終的に受益者に請求すればいい」と考えている人が多い。実際は逆である。旧信託法では、受益者に対する費用補償請求が原則として認められていた。平成18年の新法は、これを受益者との合意がある場合に限った(48条5項)。信託財産が尽きたとき、受託者は受益者に請求する足場を失う
  • 立替金に利息が付くことは知られている。しかし、領収書がないと元本の回収すら危うくなることはあまり知られていない。「信託事務を処理するのに必要と認められる費用」であることの証明は受託者が負う。家族間で口約束のまま精算を先送りすると、相続で兄弟の利害が対立したとき、立替金は「贈与」や「使い込み」と扱われかねない
  • 「費用の前払いを受けるのは受託者の自由か」という問いは、そもそも立て方が違う。前払いは権利だが、受益者への通知がその前提条件になっている(3項)。信託契約に別段の定めがない限り、通知のない前払いは手続違反になる。問題は自由かどうかではなく、透明性を確保したかどうかである
比較の観点この条文ほかの条文
対象信託法48条:信託事務処理に要した費用と利息信託法54条:受託者の労務への対価(信託報酬)
信託法52条:信託財産が費用償還に不足する場合の措置
請求の相手方原則は信託財産。受益者個人へは合意がある場合のみ信託財産(信託行為の定め等が前提)
委託者・受益者への通知を経て信託終了も可能
受託者側の手続前払時は受益者に額と算定根拠を通知報酬額の定めがない場合は額と算定根拠を受益者に通知
不足の旨を委託者・受益者に通知し、相当期間を待つ
制限40条の損失填補責任を負う間は償還・前払不可信託行為に報酬の定めがある場合等に限られる
期間内に費用等の手当てがない場合に終了が可能となる

他国ではどう定めているか 3 か国

台湾
台湾信託法第39条・第40条

受託人は信託事務の費用を信託財産から充当できる。信託財産が不足する場合に受益人へ補償を求める余地を残す点で、合意を要件とする日本の48条5項より受託者寄りの設計となっている

韓国
韓国 신탁법 제46조

2011年全部改正で、受託者の費用償還請求権を信託財産に対して認める構造を整備した。日本の新法と方向性が近い

アメリカ
Uniform Trust Code § 709

受託者は信託管理のために適切に支出した費用について、信託財産から償還を受ける権利を持つ

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • 認知症が進む母の不動産を管理する受託者として、固定資産税・火災保険料・草刈り業者代を毎年30万円ほど自分のカードで払ってきた。5年分の領収書は残っているか? 残っていれば、150万円と利息を信託口座から回収できる。残っていなければ、兄弟から「横領ではないか」と疑われる材料になる
  • 信託財産である賃貸アパートの空室が続き、信託口座の残高は12万円しかない。そこへ給湯器の交換費用40万円の見積もりが来た。受託者のあなたは、受益者である叔父に「足りない分を払ってほしい」と言えるのか。信託契約か個別の合意がなければ、言えない(48条5項)
  • 受託者の兄が、信託口座から「事務費用の前払い」として50万円を引き出した。受益者の妹には通知も明細も届いていない。信託契約に別段の定めがなければ、これは3項の通知義務に反する
  • 受託者のあなたが、運用指示を確認しないまま信託財産で株を買い、200万円の含み損を出した。一方で、あなたは管理費として60万円を立て替えている。この60万円を先に回収できるかといえば、できない。4項により、40条の損失填補責任を果たすまで償還は止まる
  • 来月の家族会議で、信託終了時の精算について話し合う。あと3週間しかない。立替金の一覧表と領収書の写しを今から揃えなければ、清算の場で「受託者の持ち出し分」は誰にも認められずに消える

取るべき行動

被害を受けた側:(受益者として受託者の費用処理に疑問がある場合)1. 信託契約書の費用条項と、別段の定めの有無を確認する2. 受託者に、前払いの額と算定根拠、帳簿の開示を書面で求める(信託法36条、38条の閲覧請求も使える) 3. 受託者に任務違反による損失があるなら、40条の填補が先であることを指摘し、償還の差止めを求める4. 信託監督人や受益者代理人が置かれていれば、その人を通じて是正を求める

訴えられた側:(受託者として費用の回収を疑われている場合)1. 立替の日付・金額・支払先・目的を台帳にまとめ、領収書と紐づける2. 前払いを受けたなら、通知を送った記録を残す3. 必要性を説明できない支出は自主的に信託財産へ戻し、争点を絞る4. 信託財産が不足しそうなら、早めに受益者と費用負担の合意(48条5項)を書面で交わす。52条の不足時の手続も検討する

時効(請求できる期限):特定の時効はないが、一般消滅時効(民法166条、債権5年または10年)が適用される。利息は支出日から発生する(利率は通常、民法404条の法定利率により、現在は年3%。最新の改正状況をご確認ください)。立替から5年が経つ前に精算するか、承認を得て時効を更新しておくべきである

学説

立法趣旨に基づく一般的理解:平成18年改正で、旧法の受益者に対する費用補償請求は原則として廃止され、受益者との合意に基づく場合に限られた。受益者を予期しない負担から守り、信託財産を償還の引当てとする構造が明確になった。

改正沿革 AI による整理

  • 平成18年(2006年)信託法全部改正 旧信託法36条の費用補償請求の規律を引き継ぎつつ、現行法の条文として制定された。前払い時の受益者への通知、損失填補責任の先履行を明文化し、受益者に対する請求は合意がある場合に限った。施行は平成19年(2007年)9月30日。その後の改正の有無は人による検証が必要

改正の年表

  1. 1.大正11年(1922年) 新設:旧信託法制定。受託者の費用補償請求と、受益者に対する補償請求を定める規定(旧36条)が置かれた。
  2. 2.平成18年(2006年) 改正:信託法全部改正により現行48条を制定。前払時の受益者への通知、損失填補責任の先履行を明文化し、受益者への請求は合意がある場合に限った。平成19年(2007年)9月30日施行。

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信託法の全文を見る所属する編章節を開く:第四節 受託者の費用等及び信託報酬等

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

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