信託法 第198条(受益者の請求による受益権原簿記載事項の記載又は記録)
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- 受益証券発行信託の受益権を受益証券発行信託の受託者以外の者から取得した者(当該受託者を除く。)は、受益証券発行信託の受託者に対し、当該受益権に係る受益権原簿記載事項を受益権原簿に記載し、又は記録することを請求することができる。
- 2.前項の規定による請求は、利害関係人の利益を害するおそれがないものとして法務省令で定める場合を除き、その取得した受益権の受益者として受益権原簿に記載され、若しくは記録された者又はその相続人その他の一般承継人と共同してしなければならない。
- 3.前二項の規定は、無記名受益権については、適用しない。
この条文の基本情報
受益者の請求による受益権原簿記載事項の記載又は記録とは何ですか?
定義受益者の請求による受益権原簿記載事項の記載又は記録とは、信託法第198条に定められた規定で、「受益証券発行信託の受益権を受益証券発行信託の受託者以外の者から取得した者(当該受託者を除く。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 信託法第198条(受益者の請求による受益権原簿記載事項の記載又は記録)は、日本の信託法に含まれる条文です。
- 信託法第198条の条文原文は「受益証券発行信託の受益権を受益証券発行信託の受託者以外の者から取得した者(当該受託者を除く。」で始まります。
- 信託法第198条は第二節 受益権の譲渡等の特例に置かれています。
- 信託法の公布日は平成18年12月15日です。
- 信託法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 信託法第198条の前の条は信託法第197条です。
- 信託法第198条の次の条は信託法第199条です。
- 信託法第198条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
信託法(平成十八年法律第百八号)第198条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/418AC0000000108 - 本サイト収録
信託法(平成十八年法律第百八号)第198条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/418AC0000000108/198
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点信託法198条は、受益証券発行信託の受益権の取得者が受託者に受益権原簿の書換えを請求できると定める。請求は原則、名簿上の受益者又はその相続人と共同で行う。
Q · 受益権を買ったら、自分ひとりで受託者に名義書換を頼めるの?
原則できず、名簿上の売主と共同で請求する
信託法198条1項により、受益証券発行信託の受益権を受託者以外の者から取得した者は、受託者に受益権原簿への記載・記録を請求できます。ただし同条2項により、法務省令で定める場合を除き、名簿上の受益者(売主)又はその相続人その他の一般承継人と共同で請求しなければなりません。名簿に記載されるまでは受託者に対抗できない(同法195条)ため、決済時に売主の協力を確保することが重要です。無記名受益権には本条は適用されません。
解説
代金を払って受益権を手に入れても、それだけでは受託者に「受益者は自分だ」と言えない。受益証券発行信託(受益権を有価証券の形にした信託)では、受益権原簿(受託者が管理する受益者の名簿)にあなたの名前が載るまで、受託者に権利を主張できない(信託法195条)。名前を載せてもらう請求権を定めているのが本条である。ただし、あなた一人では請求できない。原則として、名簿上の前の受益者か、その相続人と一緒に請求する必要がある。売主が名簿上の受益者のまま、勝手に名義を書き換えさせないための仕組みだ。だから売買の最後にやるべきことは代金決済ではない。売主から名義書換の協力を確実に取り付けることだ。売主と連絡がつかなくなってから気付いても遅い。無記名受益権(名簿に名前を載せず、証券を持っている者が権利者として扱われる受益権)には本条は適用されない。
法的な位置づけ
信託法第198条は、受益証券発行信託の受益権を受託者以外の者から取得した者に、受託者に対する受益権原簿記載事項の記載・記録請求権を認める規定である。請求は、利害関係人の利益を害するおそれがないものとして法務省令で定める場合を除き、名簿上の受益者又はその相続人その他の一般承継人と共同してしなければならず、無記名受益権には適用されない。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.取得の証拠書類をそろえる 売買契約書、受益証券、代金の送金記録をまとめ、受益権を受託者以外の者から取得した事実を示せるようにする。無記名受益権でないことも受益証券の記載で確認する
- 2.受託者所定の請求書式を入手する 受託者(信託会社等)に連絡し、受益権原簿記載事項の記載請求書の書式と必要書類、受付期限を確認する。次の基準日も同時に確認する
- 3.決済時に売主の記名押印を受ける 代金支払と引き換えに、請求書の共同請求人欄へ名簿上の受益者(売主)の記名押印をもらう。売主が死亡している場合は相続人その他の一般承継人の協力を得る
- 4.受託者に共同請求を提出する 共同署名済みの請求書と添付書類を受託者に提出し、受益権原簿への記載完了の通知や確認書を受け取って保管する
- 5.協力が得られない場合は法的手段を検討 売主が協力しない、または行方不明の場合、法務省令で定める単独請求の例外に当たるかを確認し、当たらなければ弁護士に相談のうえ協力を求める訴訟を検討する
よくある質問 AI による整理
Q1受益権原簿とは何ですか?
受益証券発行信託の受託者が作成・管理する受益者の名簿です。受益者の氏名や受益権の内容が記載され、受託者はこの名簿を基準に分配や通知を行います。
Q2受益権 名義変更 やり方は?
取得者と名簿上の受益者(売主)が共同で、受託者所定の請求書により受益権原簿への記載を請求します。信託法198条2項が共同請求を原則としています。
Q3受益証券を受け取れば受益者になれる?
譲渡の効力は生じますが、受託者に対抗するには受益権原簿への記載が別に必要です(信託法194条・195条)。名簿が書き換わるまで分配金は前の受益者に払われます。
Q4名義書換を単独で請求できる場合はある?
利害関係人の利益を害するおそれがないものとして法務省令で定める場合に限り、単独請求が認められます。該当するかは受託者と弁護士に確認が必要です。
Q5売主が書換に協力しない場合どうする?
まず書面で協力を求め、応じなければ売主を相手に協力を求める訴訟を検討します。判決を得れば法務省令の例外として単独請求できる余地があります。
Q6受益者が死亡したら名義書換はどうなる?
本条2項により、名簿上の受益者の相続人その他の一般承継人と共同で請求できます。相続人が複数なら協力の取り付けに時間がかかる点に注意が必要です。
Q7無記名受益権も名義書換が必要?
不要です。信託法198条3項により、無記名受益権には本条が適用されません。無記名受益権は名簿ではなく受益証券の所持で権利者が扱われます。
Q8名義書換 いつまでにすべき?
本条に法定期限はありませんが、記載されるまで受託者に対抗できません。実務上は次の分配や議決権の基準日までに書換えを終えるのが目安です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1売主が亡くなっちゃったんですが、名義書換はもうできないんですか?
できます。本条2項は、名簿上の受益者の「相続人その他の一般承継人」と共同で請求することを認めています。ただし相続人が複数いると、全員から協力を取り付ける手間が一気に増えます。実務のポイント:本当に大変なのは、遺産分割協議が終わるまで相続人の誰が窓口になるのか決まらないことです。売主が高齢なら、売買の時点で書換えまで終わらせるのが鉄則です
Q2上場しているETFとかでも、毎回こんな手続が必要なんですか?
いいえ。上場商品の多くは振替制度(社債、株式等の振替に関する法律)の上で動いていて、名簿の書換えは振替機関からの通知で一括して処理されます。あなたが本条を使って自分で請求する場面はまずありません(具体的な処理は商品ごとに確認してください)。実務のポイント:本条が実際に問題になるのは、非上場の受益権を相対で取引したときや、振替制度に乗っていない受益権を相続したときです。リスクは上場の外にあります
間違えやすい点 AI による整理
- 「受益証券を受け取ったから、自分が受益者として扱われる」と思いがちだが、受益証券の交付は譲渡の効力発生要件(194条)にすぎない。受託者に対抗するには受益権原簿への記載(195条)が別に必要で、この二段階を一つだと思い込むのが最大の落とし穴である
- 名義書換の手続は事務的な作業で、いつでもできると思われがちだが、本当に深刻なのは時間が経つほど共同請求の相手を確保しにくくなることだ。売主の死亡、行方不明、関係の悪化。どれが起きても、ハンコ一つで済んだはずの手続が訴訟に変わる
- 「なぜ取得者一人で請求できないのか」と不満に思う人は、名簿が誰を守っているのかを見誤っている。名簿上の受益者の同意なしに書換えができるなら、受益権を盗んだ人や偽造書類を持つ人が名義を奪えてしまう。共同請求は手間ではなく、あなたが受益者側に立ったときにあなたを守る鍵でもある
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律する場面 | 信託法198条:取得者による受益権原簿の記載請求 | 信託法194条:受益証券の交付による譲渡の効力発生 信託法195条:受益権原簿記載による受託者への対抗 |
| 要件 | 受託者以外の者からの取得+原則として名簿上の受益者等との共同請求 | 受益証券の交付 受益権原簿への記載・記録 |
| 効果 | 受託者に名簿の書換えを求める請求権 | 当事者間で受益権が移転する 受託者に対して受益者であることを主張できる |
| 取得者がつまずく点 | 売主の協力がないと原則として請求できない | 証券を受け取っただけで受益者扱いと誤解しやすい 記載前は分配金・議決権が前の受益者に帰属する |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾信託法に受益証券発行信託の一般制度はなく、受益権譲渡は民法の債権譲渡規定を準用する。受益証券は証券化関連の特別法で扱われる
韓国も全部改正で受益証券発行信託を導入しており、日本法の影響が指摘される。条番号は要確認
発行者が登録証券の移転登録に応じる義務と要件を定める。名簿書換を発行者の義務として構成する点で比較対象となる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 非上場の受益証券発行信託の受益権を知人から相対で買った。代金も払い、受益証券も受け取った。ところが次の分配金は、名簿上の受益者である知人の口座に振り込まれた。受託者は名簿どおりに払っただけだ
- 売主が名義書換に協力しないまま連絡を絶ったら、どうなる? 共同請求の相手がいないので、法務省令で定める例外(例えば確定判決を得た場合など)に当てはまるようにするしかない。つまり裁判を起こすところから始めることになる
- あなたは受託者側の信託会社の担当者だ。取得者を名乗る人物が単独で書換を求めてきた。法務省令の例外に当たるか確かめずに応じれば、本当の受益者から責任を問われるのは受託者になる
- 基準日まであと5日。受益権を買ったのに名簿がまだ前の受益者のままで、このままでは今期の分配も受益者集会での議決権も前の受益者のものになる。今日中に売主の押印をもらって請求書を出さなければ間に合わない
取るべき行動
被害を受けた側:1. 取得の証拠(売買契約書、受益証券、代金の送金記録)をまとめて保管する2. 売主(またはその相続人)に、受託者所定の名義書換請求書への共同署名を書面で求める3. 協力が得られなければ、法務省令で定める単独請求の例外に当たるか受託者に確認する4. 例外に当たらなければ、売主を相手に書換請求への協力を求める訴訟を起こし、判決を得てから請求する(どの手段が使えるかは弁護士に確認)
訴えられた側:1. 受託者として単独請求を受けたら、法務省令の例外要件を満たしているか書類で確認する2. 要件を満たさない場合は、名簿上の受益者との共同請求を求めて受付を保留する3. 売主として協力を求められた場合、代金を受け取っていないなら、それを理由に協力を保留できるか契約書を確認する4. 書換えに応じたかどうか、その理由を記録に残す
時効(請求できる期限):本条の請求に特定の期限はない。ただし記載されるまでは受託者に対抗できない(信託法195条)ため、実務上の期限は次の基準日である。売買代金などの債権には一般消滅時効(民法166条:権利を行使できることを知った時から5年、行使できる時から10年)が適用される
改正沿革 AI による整理
- 平成18年(2006年)信託法全部改正 受益証券発行信託の制度とともに新設された。会社法の株主名簿書換請求(会社法133条)と同じ構造を採用している。施行後の改正の有無は要人的検証
改正の年表
- 1.平成18年(2006年) 新設:信託法全部改正により受益証券発行信託の制度とともに新設。受益権原簿の記載請求を共同請求方式で定めた。施行後の改正の有無は要確認
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