信託法 第248条(会計監査人の設置等)
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- 受益証券発行信託である限定責任信託(以下「受益証券発行限定責任信託」という。)においては、信託行為の定めにより、会計監査人を置くことができる。
- 2.受益証券発行限定責任信託であって最終の貸借対照表(直近の第二百二十二条第四項の時期において作成された貸借対照表をいう。)の負債の部に計上した額の合計額が二百億円以上であるものにおいては、会計監査人を置かなければならない。
- 3.第一項の信託行為の定めのある信託及び前項に規定する信託(以下「会計監査人設置信託」と総称する。)においては、信託行為に会計監査人を指定する定めを設けなければならない。
この条文の基本情報
会計監査人の設置等とは何ですか?
定義会計監査人の設置等とは、信託法第248条に定められた規定で、「受益証券発行信託である限定責任信託(以下「受益証券発行限定責任信託」という。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 信託法第248条(会計監査人の設置等)は、日本の信託法に含まれる条文です。
- 信託法第248条の条文原文は「受益証券発行信託である限定責任信託(以下「受益証券発行限定責任信託」という。」で始まります。
- 信託法第248条は第十章 受益証券発行限定責任信託の特例に置かれています。
- 信託法の公布日は平成18年12月15日です。
- 信託法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 信託法第248条の前の条は信託法第247条です。
- 信託法第248条の次の条は信託法第249条です。
- 信託法第248条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
信託法(平成十八年法律第百八号)第248条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/418AC0000000108 - 本サイト収録
信託法(平成十八年法律第百八号)第248条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/418AC0000000108/248
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点信託法248条は、受益証券発行限定責任信託に会計監査人を置ける旨を定め、最終の貸借対照表の負債合計が200億円以上なら設置を義務づける。
Q · 受益証券を発行する限定責任信託には、必ず会計監査人を置かないといけないの?
負債200億円以上なら義務、未満なら信託行為で任意に置ける
信託法248条により、受益証券発行限定責任信託は信託行為の定めがあれば会計監査人を任意に置けます(1項)。最終の貸借対照表、つまり直近の222条4項の時期に作成された貸借対照表の負債の部の合計額が200億円以上なら、設置は義務です(2項)。どちらの場合も、信託行為に会計監査人を指定する定めを設けなければなりません(3項)。基準は資産や売上ではなく負債額である点に注意が必要です。
解説
会計監査人を置くかどうかを決める基準は、売上でも利益でもなく、貸借対照表の負債の合計額である。信託法248条は、受益証券発行限定責任信託(受益権を有価証券のような「受益証券」にして流通させ、しかも受託者が信託の債務を信託財産の範囲でしか負わない信託)について、二段構えのルールを置いている。第1項:信託行為(信託を設定する契約や遺言など)で定めれば、任意に会計監査人(外部から財務書類をチェックする公認会計士または監査法人)を置ける。第2項:最終の貸借対照表の負債合計が200億円以上になれば、置くことが義務になる。第3項:どちらの場合も、信託行為に会計監査人を指定する定めを設けなければならない。ここで押さえておきたいのは、受託者の個人財産という最後の支えが外れた信託では、債権者が頼れるのは信託財産と帳簿の正確さだけになるという点である。200億円という線は、その帳簿を第三者に検証させる場面を法律が決めた境界線である。受益証券を買う側、信託に貸し付ける側に立つなら、まず監査の有無を確認すること。それが本条を読んだ人と読まなかった人の差になる。
法的な位置づけ
信託法248条は、受益証券発行限定責任信託における会計監査人の設置を定める規定である。信託行為の定めによる任意設置を認めるとともに、直近の第222条第4項の時期に作成された貸借対照表の負債の部の合計額が200億円以上となる信託に設置を義務づけ、これらの会計監査人設置信託には信託行為で会計監査人を指定する定めを求める。
よくある質問 AI による整理
Q1受益証券発行限定責任信託とは何ですか?
受益権を有価証券である受益証券にして流通させる受益証券発行信託のうち、受託者が信託の債務を信託財産の範囲でのみ負う限定責任信託でもあるものです。
Q2会計監査人設置信託とは何ですか?
信託法248条1項の定めで任意に会計監査人を置いた信託と、負債200億円以上で設置が義務となる信託の総称です。信託行為に会計監査人を指定する定めが必要です。
Q3信託の会計監査人の設置基準は資産と負債のどちらですか?
負債です。信託法248条2項は、最終の貸借対照表の負債の部に計上した額の合計額が200億円以上かどうかで判定します。資産規模や売上は基準になりません。
Q4信託法248条と会社法328条は同じ基準ですか?
負債200億円以上で会計監査人を求める点が共通します。会社法では負債200億円以上の会社が大会社にあたり、大会社には会計監査人の設置が義務づけられています。
Q5限定責任信託の債権者は受託者個人に請求できますか?
原則としてできません。限定責任信託では、受託者は信託の債務について信託財産に属する財産の範囲でのみ責任を負います。だからこそ帳簿の正確さが重要になります。
Q6受益証券を買う前に会計監査の有無はどこで確認できますか?
信託行為の内容、目論見書などの開示書類、受託者への照会で確認します。会計監査人の指定の定めがあるか、直近の負債額がいくらかを合わせて見るのが基本です。
Q7信託行為に会計監査人の指定がない場合はどうなりますか?
会計監査人設置信託では信託行為に指定の定めが必要です(248条3項)。負債が200億円に達したのに定めがなければ、信託行為の変更で定めを設ける必要があります。
Q8信託法248条はいつから適用されていますか?
平成18年(2006年)の信託法全部改正で、受益証券発行信託・限定責任信託の制度とともに設けられた規定です。新信託法は平成19年(2007年)9月30日に施行されました。
この条文についての質問 AI による整理
Q1負債が200億円を超えたのが期の途中だったら、すぐ監査人を置かないとダメですか?
本条2項が基準にしているのは「最終の貸借対照表」、つまり直近の222条4項の時期に作成された貸借対照表の負債合計です。期中に一時的に超えても、それだけで直ちに義務が生じる構造にはなっていません。実務のポイント:期中に超えたら、次の期末も超える前提で準備を始めるのが実務の感覚です。監査法人は繁忙期に新規の引受けを渋ることが多く、決算直前に頼んでも間に合わないことがあります
Q2会計監査人って、税理士に頼んでもいいんですか?
できません。会計監査人は公認会計士または監査法人でなければなりません(信託法249条)。税理士は税務の専門家で、財務書類の監査証明は公認会計士の独占業務です。実務のポイント:信託の会計処理は信託計算規則という独自のルールで行われるので、信託案件の経験がある監査法人かどうかで、監査のスピードも指摘の的確さも大きく変わります。依頼する前に、受託実績を一度確認しておくとよいでしょう
Q3200億円未満なら、わざわざ会計監査人を置く意味はありますか?
本条1項により、信託行為で定めれば任意に置けます。任意でも、置いた以上は会計監査人設置信託として扱われ、3項の指定の定めが必要になります。実務のポイント:受益証券を広く売りたい場合や、金融機関から借り入れたい場合、任意の監査は資金調達のコストを下げる材料になります。外部の目が入っていることが、そのまま信用の値札になるからです
間違えやすい点 AI による整理
- 「信託は会社ではないから、会計監査人のような会社法の仕組みとは無縁」と思われがちだが、実は逆である。受益証券発行限定責任信託には、会社法の大会社(負債200億円以上の会社には会計監査人が必須、会社法328条)とよく似た監査ルールがそのまま組み込まれている。信託は形を変えた事業体として扱われている
- 監査が必要になるかどうかは信託財産の規模(資産の大きさ)で決まると考えがちだが、本条が見ているのは負債の部の合計額である。資産がいくら大きくても、負債が200億円未満なら設置は任意にとどまる。逆に借入れ中心のスキームでは、思ったより早く義務の線に届く。何を基準に測っているのかを取り違えると、準備のタイミングを誤る
- 受託者から見れば、会計監査人はコストのかかる外部のチェック役にすぎない。しかし法律から見れば、責任財産を信託財産だけに絞ることを認める代わりに求める条件の一つである。この見方のずれに気づかないまま監査を後回しにすると、債権者や投資家の信頼を失ったとき、限定責任という構造そのものが疑われる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定の内容 | 信託法248条:会計監査人の設置(任意設置・負債200億円以上で義務) | 信託法249条:会計監査人の資格(公認会計士または監査法人) 信託法216条:限定責任信託の要件(信託行為の定め+登記) |
| 問われること | 会計監査人を置く必要があるか | 誰を会計監査人にできるか 限定責任信託として効力が生じるか |
| 実務の確認ポイント | 最終の貸借対照表の負債合計額と、信託行為の指定の定め | 選任予定者の資格と信託案件の受託実績 信託行為の限定責任の定めと登記の有無 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾には日本の限定責任信託に直接対応する制度はなく、一定規模以上の会社の会計師査核簽證や、証券化スキームの財務報告規制が機能的に近い
韓国も2011年の信託法全部改正で有限責任信託を導入しており、外部監査との関係は条文で個別に確認が必要
ドイツには英米型の信託制度がなく、規模基準による法定監査は資本会社の制度として置かれている
米国では信託であっても証券を登録・公開すれば、監査済み財務書類の開示が証券規制として求められる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 受益証券発行限定責任信託のスキームで資金調達を設計していたら、借入の追加で負債が200億円を超える見込みになった。次の決算期の貸借対照表で基準を超えれば、会計監査人の設置が義務になる。信託行為に指定の定めがなければ、信託行為の変更から準備を始めることになる
- もし、あなたの会社が限定責任信託に数十億円を貸し付けていて、信託側の帳簿に会計監査が入っていなかったら、どうなる? 受託者の固有財産には請求できない。信用の裏付けは、誰も検証していない数字だけになる
- あなたが受託者の担当者だとする。期末の貸借対照表を作ってみたら、負債合計が200億3,000万円だった。この3,000万円で、外部監査の体制とその費用を負うかどうかが決まる
- 証券会社の窓口で受益証券を勧められた個人投資家から相談を受けた。目論見書に「限定責任信託」と書いてある。このとき見るべきは利回りより先に、会計監査人の有無と、その指定が信託行為に書かれているかどうかである
- 決算日まであと2か月。負債がちょうど200億円の前後で動いている。期末の数字次第で、翌期から監査法人との契約が必要になる。監査法人は直前に頼んですぐ引き受けてくれるとは限らないので、今のうちに打診しておく必要がある
取るべき行動
被害を受けた側:1. 信託の債権者や受益者として不安があるなら、まず信託行為に会計監査人の指定の定めがあるか、最終の貸借対照表の負債額がいくらかを確認する2. 負債が200億円以上なのに会計監査人がいないなら、受託者に書面で説明を求め、回答を保存する3. 受益者であれば、帳簿閲覧などの権利の行使を検討する4. 損害が生じそうなら、受託者の任務違反の責任を追及できるか、信託法と金融商品取引法の両面から弁護士に相談する
訴えられた側:1. 受託者の立場なら、毎期末の貸借対照表で負債合計を200億円の線と照らし合わせる管理表を作る2. 線に近づいた時点で監査法人に打診し、引受けの可否と報酬の見込みを確認しておく3. 信託行為に会計監査人の指定の定めがなければ、変更の手続と必要な合意を早めに整理する4. 会計監査人の資格(公認会計士または監査法人であること、信託法249条)を満たしているかを確認する
時効(請求できる期限):本条自体に特定の時効はなく、一般消滅時効(民法166条、債権5年または10年)が適用される。ただし設置義務の判定は、最終の貸借対照表(信託法222条4項の時期に作成されたもの)の負債合計で行われるので、毎期の決算日が実質的な期限になる
改正沿革 AI による整理
- 平成18年(2006年)信託法全部改正 旧信託法(大正11年)を全面的に改めた新信託法の制定で、受益証券発行信託・限定責任信託の制度とあわせて設けられた規定。その後の改正の有無は人的検証が必要
改正の年表
- 1.平成18年(2006年) 新設:信託法(平成18年法律第108号)の制定により、受益証券発行信託・限定責任信託の制度とあわせて新設。旧信託法(大正11年)には対応規定がない。その後の改正の有無は人的検証が必要
- 信託法 第216条限定責任信託の要件、本条の前提
- 信託法 第222条帳簿・貸借対照表の作成、負債額判定の基礎
- 信託法 第249条会計監査人の資格(公認会計士等)
- 信託法 第185条受益証券の発行に関する定め
- 会社法 第328条大会社の会計監査人設置義務、同じ基準
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