信託法 第259条(受益者の定めのない信託の存続期間)
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受益者の定めのない信託の存続期間は、二十年を超えることができない。
この条文の基本情報
受益者の定めのない信託の存続期間とは何ですか?
定義受益者の定めのない信託の存続期間とは、信託法第259条に定められた規定で、「受益者の定めのない信託の存続期間は、二十年を超えることができない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 信託法第259条(受益者の定めのない信託の存続期間)は、日本の信託法に含まれる条文です。
- 信託法第259条の条文原文は「受益者の定めのない信託の存続期間は、二十年を超えることができない。」で始まります。
- 信託法第259条は第十一章 受益者の定めのない信託の特例に置かれています。
- 信託法の公布日は平成18年12月15日です。
- 信託法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 信託法第259条の前の条は信託法第258条です。
- 信託法第259条の次の条は信託法第260条です。
- 信託法第259条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
信託法(平成十八年法律第百八号)第259条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/418AC0000000108 - 本サイト収録
信託法(平成十八年法律第百八号)第259条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/418AC0000000108/259
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点信託法259条は、受益者の定めのない信託(目的信託)の存続期間を最長20年に制限する規定である。延長はできず、満了すると信託は終了し、残余財産は帰属権利者に渡る。
Q · ペットやお墓のための目的信託って、ずっと続けられるの?
できない。最長20年で終了し清算に入る
信託法259条により、受益者の定めのない信託(目的信託)の存続期間は20年が上限です。延長や更新の規定はなく、契約書や遺言に「永久に」と書いても20年を超える部分の効力は認められないと解されています。期間が満了すると信託は終了して清算に入り、残った財産は信託行為で定めた帰属権利者に、定めがなければ委託者やその相続人に帰属します(182条)。長期の存続を望むなら、公益信託や一般財団法人など別の仕組みを検討する必要があります。
解説
「愛犬が死ぬまで世話を続けてほしい」「祖父の古文書を研究に使い続けてほしい」。特定の人ではなく、目的のために財産を託す仕組みがある。信託法258条の目的信託(受益者の定めのない信託、つまり財産から利益を受け取る人をあえて決めない信託)である。その寿命は最長20年で、延長規定はない。契約書に「永久に」と書いても、20年を超える部分の効力は認められないと解するのが一般的だ。理由ははっきりしている。受け取る人がいない財産は監視する人がおらず、市場からも切り離されたままになる。放っておけば、亡くなった人の意思が何世代も先まで生きている人の財産を縛り続ける。期限が来ると信託は終わり、残った財産は信託行為(信託を作るときの契約や遺言)で決めた帰属権利者に渡る。決めていなければ委託者やその相続人に戻る(182条)。20年後の行き先を書いていない目的信託は、思ってもいない親族に財産を返すタイマーを抱えているのと同じである。
法的な位置づけ
信託法259条は、受益者の定めのない信託(目的信託、同法258条)の存続期間について上限を定める規定であり、その存続期間は20年を超えることができないとする。期間は信託の効力発生時から起算され、期間満了により信託は終了して清算手続に移行し、残余財産は同法182条の順序に従って帰属する。
よくある質問 AI による整理
Q1目的信託とは何ですか?
財産から利益を受け取る受益者をあえて定めず、ペットの世話や研究の継続など特定の目的のために財産を託す信託です。信託法258条が設定方法を、259条が存続期間を定めています。
Q2目的信託の20年はいつから数える?
信託の効力発生時から数えます。契約による信託は契約締結時、遺言による信託は遺言の効力発生時(委託者の死亡時)が起点です(信託法4条)。準備期間も20年に含まれます。
Q3目的信託が満了したら財産はどうなる?
信託は終了して清算に入り、残余財産は信託行為で定めた帰属権利者に渡ります。定めがなければ委託者やその相続人が帰属権利者とみなされます(信託法182条)。
Q4目的信託でお墓を永代供養できる?
目的信託は最長20年で終了するため、「永代」の管理を目的信託だけで実現することはできません。長期の墓守りには、寺院との永代供養契約や別の法人形態の検討が必要です。
Q5信託期間を30年と書いたら信託全体が無効?
信託全体が無効になるのではなく、20年を超える部分の効力が認められないと解するのが一般的です。ただし個別の条項の書き方次第で解釈が分かれる余地があり、専門家の確認が必要です。
Q6公益信託にも20年の期間制限はある?
公益信託は信託法259条の期間制限が適用されない仕組みとして別の法律で手当てされています。公益信託制度は近年改正されたため、最新の法令・施行状況を確認してください。
Q7目的信託に後から受益者を追加できる?
できません。信託法258条により、受益者の定めのない信託を信託の変更で受益者のある信託に切り替えることは認められていません。設計段階で受益者を置くかどうかを決める必要があります。
Q8目的信託に税金はかかる?
目的信託は税法上「法人課税信託」に該当し、財産を託した時点で受託者に法人税が課される場合があります。設計前に税理士へ課税関係を確認することが重要です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1目的信託って、20年たったら延長できないんですか?
延長も更新もできない。本条は強行規定(当事者の合意で外せないルール)であり、20年たてば信託は終わって清算に入る(163条、175条)。満了後に同じ財産で別の信託を作り直すことが許されるかどうかは、脱法と評価されるおそれがあり、実務上も解釈が分かれる。実務のポイント:長く続けたい目的なら、最初から公益信託の認可や一般財団法人と比べるべきだ。後から作り直すほうが手間も税負担も重い
Q2ペット信託って、この20年ルールに引っかかるんですか?
設計による。市販のペット信託の多くは新しい飼い主などを受益者に置いた通常の信託なので、本条の対象にならない。受益者を置かずに「ペットの世話」という目的だけで組むと、本条が適用される。実務のポイント:契約書でまず「受益者」の欄を探すこと。受益者が置かれていれば、その人に贈与税や相続税がかかる可能性がある(相続税法9条の2)。どちらの設計でも、どこかに負担が生じる
Q3目的信託の受託者を、信頼できる友人に頼めますか?
原則として難しい。信託法附則3項により、公益を目的とするもの以外の目的信託は当分の間、政令で定める法人しか受託者になれない(信託法施行令3条。純資産5000万円超などの要件。最新の改正状況をご確認ください)。実務のポイント:日本で目的信託がほとんど使われていない本当の理由は、20年の上限よりもこの受託者要件と法人課税である。相談相手がこの点に触れなければ、知識が足りていないと考えてよい
間違えやすい点 AI による整理
- 「信託にすれば、自分の死後も永遠に財産を目的どおり使わせられる」と考えがちだ。だが受益者を定めない限り、法律が許す寿命は最長20年。「永久」を本気で実現したいなら、公益信託の認可(期間制限なし、最新の改正状況をご確認ください)や一般財団法人の設立など、そもそも別の器を選ぶ必要がある
- 「20年を超えたらどうなるか」と問うこと自体がずれている。本当に問うべきは「20年後に財産を誰が受け取るか」だ。満了で信託が終わるのは決まった結論で、争いになるのは帰属先である。ここを書き忘れると、182条の補充ルールにより委託者の相続人へ戻り、目的とは無関係な遺産分割の火種になる
- 20年という長さは知っていても、それが「効力発生時から」数えられる重さには気づきにくい。遺言で作る信託は遺言の効力が生じた時点(死亡時)から時計が動く(4条2項)。準備に手間取る数年も20年の一部であり、実際に目的のために使える期間は思ったより短い
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 対象となる信託 | 信託法259条:受益者の定めのない信託(目的信託) | 信託法91条:受益者の死亡で他の者が受益権を取得する受益者連続型信託 信託法258条8項:遺言による目的信託で信託管理人が欠けた場合 |
| 期間の上限 | 存続期間は20年を超えることができない | 信託設定から30年経過後に受益権を取得した受益者の死亡または受益権消滅まで 信託管理人が就任しない状態が1年間継続するまで |
| 起算点 | 信託の効力発生時(信託法4条) | 信託がされた時 信託管理人が欠けた状態が始まった時 |
| 期間経過後の効果 | 信託は終了し清算へ、残余財産は182条に従い帰属 | その後の受益者連続の定めは効力を失う 信託は終了し清算へ |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾には私益目的の受益者なき信託を認める明文規定がなく、目的のために財産を託す場面は公益信託や財団法人で対応するのが基本となる。
フランスのフィデュシーは受益者を定める制度で目的信託とは性質が異なるが、存続期間に上限を置く点で財産の長期拘束を防ぐ発想が共通する。
受益者を確定できない非公益信託は21年まで有効とされ、ペット信託は動物の生存期間中の存続を認める特則がある。採用状況は州ごとに異なる。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし15年前に父が地元の郷土史研究のために作った目的信託が、あと5年で満期を迎えるとしたら? 研究会は延長できると思い込んでいるが、本条に延長の道はない。残った財産は帰属権利者の定めどおりに流れ、定めがなければ父の相続人であるあなたたち兄弟に戻ってくる。
- あなたの会社は目的信託の受託者を引き受けている法人だ。満了日を管理台帳に入れ忘れ、21年目も信託報酬を受け取りながら運用を続けた。法律上、信託はすでに終了して清算に入っている。清算事務を怠れば、帰属権利者から損失の穴埋めを求められかねない。
- 大型のオウムの世話のために信託を作りたい。種類によっては50年以上生きる。20年の上限は、鳥の寿命を待ってはくれない。
- 遺言で目的信託を作った祖母が亡くなって11か月。指定された信託管理人(受益者がいない信託を見張る役)が就任を断り、後任が決まっていない。信託管理人がいない状態が1年続くと信託は終わってしまう(258条8項)。残りは1か月、今週中に裁判所への選任申立てを準備しなければならない。
- 菩提寺の墓を永代に守らせるつもりで目的信託を組んだ。だが20年後には信託が消え、墓守りの費用を出す仕組みもなくなる。「永代」という言葉と本条の上限は、そもそも両立しない。
取るべき行動
被害を受けた側:1. 信託契約書または遺言を取り寄せ、効力発生日・存続期間・帰属権利者の定めを確認する2. 20年を超える期間が書かれていれば、満了日を20年で計算し直す3. 満了が近ければ、受託者に財産目録と清算スケジュールを書面で請求する4. 帰属の定めがなければ、委託者の相続人として財産を受け取る立場になりうる(182条2項)。相続人全員で受け取り方を協議し、必要なら弁護士に相談する
訴えられた側:1. 受託者として、効力発生日から20年の満了日を管理台帳に登録する2. 満了後は新しい運用を止め、清算受託者として債権の取立て・債務の弁済・残余財産の引渡しに移る(175条以下) 3. 帰属先がはっきりしないときは182条の順序に従い、勝手に判断しない4. 法人課税信託の清算として税務処理が必要になるため、税理士と早めに打ち合わせる
時効(請求できる期限):信託の効力発生時(契約による信託は契約締結時、遺言による信託は遺言の効力発生時、信託法4条)から最長20年。満了すると信託は終わり、清算に入る。残余財産の引渡請求などに本条固有の時効はなく、一般消滅時効(民法166条、債権5年または10年)が適用される
学説
一般的な解釈:本条は当事者の合意で排除できない強行規定と解され、信託行為で20年を超える存続期間を定めても、20年を超える部分の効力は認められないとするのが一般的な理解である。
再設定をめぐる議論:満了後に同一財産で新たな目的信託を設定し直すことが許されるかについては、期間制限の潜脱と評価されるおそれがあるとして、実務上も解釈が分かれている。
改正沿革 AI による整理
- 平成18年(2006年)信託法全部改正 受益者の定めのない信託(目的信託)の制度とともに新設された。存続期間の上限を20年とし、財産が長期にわたり固定されることを防ぐ規律を置いた。施行は平成19年(2007年)9月30日
改正の年表
- 1.平成18年(2006年) 新設:信託法全部改正により、受益者の定めのない信託(目的信託)の制度とともに新設。存続期間の上限を20年とした。施行は平成19年(2007年)9月30日。
- 信託法 第258条受益者の定めのない信託の設定要件
- 信託法 第260条目的信託における委託者の権利の特則
- 信託法 第163条信託の終了事由の一般規定
- 信託法 第182条満了後の残余財産の帰属順序
- 信託法 第91条受益者連続型信託の30年規律との対比
- 公益信託に関する法律 第2条公益信託の定義、期間制限の適用関係(現行効力を要確認)
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