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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 収録時点 令和8年7月4日読了 6 分6 分6 分

信託法 第260条(受益者の定めのない信託における委託者の権利)

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  1. 第三条第一号に掲げる方法によってされた受益者の定めのない信託においては、委託者(委託者が二人以上ある場合にあっては、そのすべての委託者)が第百四十五条第二項各号(第六号を除く。)に掲げる権利を有する旨及び受託者が同条第四項各号に掲げる義務を負う旨の定めが設けられたものとみなす。この場合においては、信託の変更によってこれを変更することはできない。
  2. 2.第三条第二号に掲げる方法によってされた受益者の定めのない信託であって、第二百五十八条第五項後段又は第六項後段の規定により同条第四項前段の定めが設けられたものとみなされるものにおいては、信託の変更によって信託管理人の権限のうち第百四十五条第二項各号(第六号を除く。)に掲げるものを行使する権限を制限することはできない。

この条文の基本情報

受益者の定めのない信託における委託者の権利とは何ですか?

定義受益者の定めのない信託における委託者の権利とは、信託法第260条に定められた規定で、「第三条第一号に掲げる方法によってされた受益者の定めのない信託においては、委託者(委託者が二人以上ある場合にあっては、そのすべての委託者)が第百四十五条第二項各号…」と規定しています。

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 信託法第260条(受益者の定めのない信託における委託者の権利)は、日本の信託法に含まれる条文です。
  2. 信託法第260条の条文原文は「第三条第一号に掲げる方法によってされた受益者の定めのない信託においては、委託者(委託者が二人以上ある場合にあっては、そのすべての委託者)が第百四十五条第二項各号…」で始まります。
  3. 信託法第260条は第十一章 受益者の定めのない信託の特例に置かれています。
  4. 信託法の公布日は平成18年12月15日です。
  5. 信託法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
  6. 信託法第260条の前の条は信託法第259条です。
  7. 信託法第260条の次の条は信託法第261条です。
  8. 信託法第260条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式信託法(平成十八年法律第百八号)第260条
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/418AC0000000108
  • 本サイト収録信託法(平成十八年法律第百八号)第260条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/418AC0000000108/260

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点信託法260条は、契約で作る目的信託では委託者に監督権を、遺言で作る場合は信託管理人に監督権限を法定し、信託の変更でも外せないと定める。

Q · 目的信託の契約で「委託者は一切口出ししない」と決めたら、その条項は有効?

無効化される。監督権は法律が書き戻し、変更でも削れない

信託法260条1項により、契約で作った受益者の定めのない信託では、すべての委託者が145条2項各号(6号を除く)の監督権を持ち、受託者が同条4項各号の通知・報告義務を負う旨の定めがあるものとみなされます。後から信託の変更で外すこともできません。遺言で作った場合は、同条2項により信託管理人の監督権限を制限できません。

解説

受益者のいない信託には、受託者を見張る「目」が最初から一つ欠けている。通常の信託なら、財産から利益を受ける受益者が「帳簿を見せろ」「勝手な処分をやめろ」と声を上げる。ところが「愛犬の世話」「先祖の墓の維持」「地域の祭りの継続」のように目的だけを定めた信託では、文句を言う当事者が構造上いない。この空白を埋める安全装置が本条である。契約で作った目的信託では、受託者への報告請求や差止請求など受益者並みの監督権を委託者が持つ。委託者が複数なら、その全員が持つ。受託者の側は、委託者に対する通知や報告の義務を負う。信託行為(信託を設定する契約や遺言)にこうした定めがあるものと法律がみなすため、書き忘れても効力は生じるし、後から信託の変更で外すこともできない。遺言で作った場合は委託者がすでに亡くなっているので、監督役は信託管理人(受益者に代わって権利を行使する人)に移り、その権限も削れない。設計する側が本当に考えるべきなのは条項の文言ではなく、この「目」を何十年も担い続けられる人が誰かである。

法的な位置づけ

信託法260条は、受益者の定めのない信託における監督機能の確保に関する規定である。契約による目的信託では委託者に受益者並みの監督権と受託者の通知・報告義務を法定し、遺言による目的信託では信託管理人の監督権限を保障する。いずれも信託の変更による制限を認めない強行的な規律として機能する。

手順

  1. 1.設定方法(契約か遺言か)を決める 目的信託は契約か遺言でしか作れない。生前に委託者自身が監督したいなら契約型、死後に効力を生じさせるなら遺言型を選ぶ。どちらを選ぶかで、監督役が委託者になるか信託管理人になるかが決まる
  2. 2.受託者になってくれる法人を確認する 公益目的を除く目的信託では、受託者になれるのが政令で定める財産的基礎を持つ法人などに限られる。設計を詰める前に、引き受け手が実際にいるかを確認する
  3. 3.監督役と後任候補を指定する 契約型では委託者の地位を誰が承継するかを定め、遺言型では信託管理人とその後任候補を遺言書に書いておく。監督役が不在のまま1年が過ぎると、遺言型の信託は終了してしまう
  4. 4.報告の頻度と様式を契約で定型化する 監督権そのものは削れないので、報告の時期・様式・送付先を定めて運用の手間を減らす。委託者が複数なら全員に同じ情報を同時に送る仕組みにする

よくある質問 AI による整理

Q1目的信託とは何ですか?

受益者を定めず、ペットの世話や墓の維持など特定の目的のために財産を管理させる信託です。契約か遺言でのみ設定でき(信託法258条1項)、存続期間は20年が上限です。

Q2目的信託の委託者はどんな権利を持ちますか?

契約型なら、信託法145条2項各号(6号を除く)の権利、つまり帳簿の閲覧請求や損失てん補請求、差止請求などの監督権を持つとみなされます(同法260条1項)。

Q3目的信託の監督条項は信託の変更で外せますか?

外せません。信託法260条1項後段は、委託者の権利と受託者の義務について、信託の変更による変更を明文で禁じています。

Q4遺言で目的信託を作ったら誰が監督しますか?

信託管理人です。遺言型では信託管理人の指定が必要で(信託法258条4項)、その監督権限は信託の変更によっても制限できません(同法260条2項)。

Q5委託者が複数いる目的信託では誰が監督権を持ちますか?

すべての委託者が持ちます。信託法260条1項は「そのすべての委託者」と定めるため、一人ひとりが受託者に報告を求めることができます。

Q6目的信託の受託者の報告義務はいつまで続きますか?

信託が続く限り続きます。信託法260条1項により、受託者は145条4項各号の義務を負うものとみなされ、信託の変更でも免除されません。

Q7信託管理人がいなくなったら目的信託はどうなりますか?

遺言で作った目的信託では、信託管理人が欠けた状態が1年続くと信託が終了します(信託法258条8項)。早めに後任を選ぶ必要があります。

Q8目的信託は自己信託で作れますか?

作れません。受益者の定めのない信託は契約か遺言でのみ設定できます(信託法258条1項)。このため260条も契約型と遺言型の2つの項に分かれています。

この条文についての質問 AI による整理

Q1ペットのために信託を作ったら、自分は口出しできなくなるんですか?

契約で作った目的信託なら、逆に口出しする権利が法律で保障される。信託法260条第1項により、報告請求や差止請求などの監督権を委託者が持ち、これは信託の変更でも外せない。実務のポイント:実務では、ペットの世話の大半を受益者のある信託として組み、飼い主の親族などを受益者にする設計が主流である。目的信託は受託者の資格に制限があり、引き受け手が見つかりにくいからだ

Q2遺言で目的信託を作るとき、監督役は誰になるんですか?

信託管理人である。遺言による目的信託では信託管理人の指定が必須で(信託法258条第4項)、その監督権限は制限できない(同条第4項後段、本条第2項)。実務のポイント:信託管理人に高齢の親友を一人だけ指定すると、その人の死亡や辞任のたびに選任手続が必要になる。後任候補を遺言に書いておくか、専門職や法人を指定すると、1年の空白で信託が終わるリスクを避けやすい

Q3受託者は誰でもなれますか?知り合いに頼みたいんですが

公益目的を除く受益者の定めのない信託は、当面の間、政令で定める一定の財産的基礎を持つ法人などしか受託者になれない(信託法附則第3項、信託法施行令3条)。個人の知り合いには原則として頼めない(最新の改正状況をご確認ください)。実務のポイント:この受託者の制限が、目的信託がほとんど使われない最大の理由である。設計前にまず引き受け手の当てを確認すべきだ

間違えやすい点 AI による整理

  • 「信託は契約だから、当事者が合意すれば監督の仕組みも自由に削れる」と考えがちだ。だが本条の対象となる目的信託では、委託者の監督権と受託者の報告義務は、信託行為に定めがあるものとみなされ、信託の変更でも外せない。私的自治が強く引っ込む数少ない場面である
  • 目的信託を「ペットや墓のための、ほのぼのした仕組み」と見ている人は多い。法律の側から見れば、利益を受ける人がいない以上、受託者の横領や放漫運用を止めるブレーキが構造的に弱い危険な器である。本条が強行的に監督者を置くのはそのためで、甘い見方のまま設計すると、監督者が亡くなった瞬間にブレーキが消える
  • 「目的信託なら自分ひとりで宣言して作れる」という問いの立て方自体が誤っている。受益者の定めのない信託は、契約か遺言でしか作れない(信託法258条第1項)。自己信託(自分自身が受託者になると宣言して作る信託)は使えないので、本条も契約型と遺言型の二本立てになっている
比較の観点この条文ほかの条文
規律の対象信託法260条:受益者の定めのない信託の監督権信託法145条:受益者のある信託の委託者の権利等
信託法258条:目的信託の設定方法と信託管理人
委託者の監督権の扱い契約型では定めがあるものとみなされ、変更でも外せない信託行為で定めた場合に限り委託者が持つ(任意)
直接の規定なし(設定要件を規律)
遺言型の監督者信託管理人の権限を信託の変更で制限できない受益者自身が監督する前提
信託管理人の指定が必要、不在1年で信託終了

他国ではどう定めているか 3 か国

台湾
信託法第52条・第69条以下

台湾は非公益の目的信託を明文で認めていない。受益者が不特定の場合などは、裁判所が選任する信託監察人が監督を担う

中国
信託法 第64条

中国も目的信託は公益信託が中心である。公益信託には信託監察人の設置が義務付けられている

アメリカ
Uniform Trust Code § 408・§ 409

動物の世話や受益者を確定できない非公益目的の信託を認める。信託行為で指定された者、または裁判所が選任した者が執行する

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • 自分の死後も愛猫の世話代を確実に払い続けたい。そう考えて、信頼する知人の法人と目的信託の契約を結ぼうとしている。相手から「監督は不要、全部任せてほしい」という条項案が届いた。だが本条があるので、その一文を入れても委託者の監督権は消えない。逆に、相手がその条項を求めてきたこと自体が警戒すべきサインになる
  • 受託者として地域の祭礼基金を預かる立場になったが、委託者の一人がことあるごとに帳簿の開示や報告を求めてくる。「面倒だから信託を変更して報告義務を外したい」と考えたが、本条第1項後段で変更は封じられている。やるべきは義務を外すことではなく、報告を定型化して手間を減らすことだ
  • 父の遺言で、実家の墓と仏壇を守る目的信託が設定されていた。信託管理人の権限を「年1回の報告受領のみ」に絞る一文があった場合、その制限はどうなるのか? 本条第2項と信託法258条第4項により、差止請求などの中核的な監督権は制限できない
  • 委託者が三人の共同出資で作った目的信託。うち一人と受託者がもめている。本条は「すべての委託者」が権利を持つと定めているため、残る二人が黙っていても、一人だけで監督権を動かせる余地がある
  • 信託管理人が辞任したまま、後任が決まらず10か月が過ぎた。信託管理人が欠けた状態が1年続くと、遺言で作った目的信託は終了する(信託法258条第8項)。残された時間はあと2か月しかない

取るべき行動

被害を受けた側:1. 委託者または信託管理人の立場で受託者の動きに不安を感じたら、まず信託法36条に基づいて信託事務の処理状況の報告を書面で求める2. 回答が曖昧なら帳簿や財産目録の確認を求め、記録をすべて保存する3. 信託財産が目的外に流出しそうなら差止請求(信託法44条)を検討する。損失が出ていれば損失のてん補を請求する(同40条) 4. 信託契約に権利を制限する条項があっても、本条により無効化される可能性が高いので、その条項を理由に引き下がらない

訴えられた側:1. 受託者として報告や開示を求められたら、拒否ではなく速やかに応じる。本条の監督権は信託行為でも変更でも外せないので、拒否は不利な材料にしかならない2. 報告を年次・四半期ごとの定型フォーマットに整え、要求のたびに一から対応する手間を減らす3. 委託者が複数いる場合は、全員に同じ情報を同時に送り、特定の委託者だけを優遇・冷遇したという疑いを避ける4. 目的外の支出を指摘されたら、信託目的との関連を示す証拠を整理し、早めに専門家へ相談する

時効(請求できる期限):本条自体に特定の時効はないが、一般消滅時効(民法166条、債権5年または10年)が適用される。受益者の定めのない信託の存続期間は20年が上限(信託法259条)。遺言型で信託管理人が欠けた状態が1年続くと信託は終了する(同258条第8項)(最新の改正状況をご確認ください)

学説

一般的理解:受益者の定めのない信託では、受託者の義務違反を追及する者が構造的にいない。本条は委託者や信託管理人に受益者に代わる監督権を強行的に持たせ、受託者による信託財産の私物化を防ぐ趣旨と理解されている。契約型における委託者の地位の承継については議論がある。

改正沿革 AI による整理

  • 平成18年(2006年)信託法全部改正 旧信託法(大正11年法律)の全面改正により、受益者の定めのない信託の制度とともに設けられた。平成19年(2007年)9月30日施行。その後の改正の有無と内容は人的検証が必要

改正の年表

  1. 1.平成18年(2006年) 新設:信託法の全部改正(平成18年法律第108号)により、受益者の定めのない信託の制度とともに新設された。平成19年(2007年)9月30日に施行。

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信託法の全文を見る所属する編章節を開く:第十一章 受益者の定めのない信託の特例

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

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