信託法 第261条(この法律の適用関係)
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- 受益者の定めのない信託に関する次の表の上欄に掲げるこの法律の規定の適用については、これらの規定中同表の中欄に掲げる字句は、同表の下欄に掲げる字句とする。
- 2.受益者の定めのない信託に係る受託者の費用等、損害の賠償及び信託報酬については、第四十八条第五項(第五十三条第二項及び第五十四条第四項において準用する場合を含む。)の規定は、適用しない。
- 3.受益者の定めのない信託に係る信託の変更については、第百四十九条第二項第一号及び第三項第二号の規定は、適用しない。
- 4.受益者の定めのない信託に係る信託の併合については、第百五十一条第二項第一号の規定は、適用しない。
- 5.受益者の定めのない信託に係る信託の分割については、第百五十五条第二項第一号及び第百五十九条第二項第一号の規定は、適用しない。
この条文の基本情報
この法律の適用関係とは何ですか?
定義この法律の適用関係とは、信託法第261条に定められた規定で、「受益者の定めのない信託に関する次の表の上欄に掲げるこの法律の規定の適用については、これらの規定中同表の中欄に掲げる字句は、同表の下欄に掲げる字句とする。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 信託法第261条(この法律の適用関係)は、日本の信託法に含まれる条文です。
- 信託法第261条の条文原文は「受益者の定めのない信託に関する次の表の上欄に掲げるこの法律の規定の適用については、これらの規定中同表の中欄に掲げる字句は、同表の下欄に掲げる字句とする。」で始まります。
- 信託法第261条は第十一章 受益者の定めのない信託の特例に置かれています。
- 信託法の公布日は平成18年12月15日です。
- 信託法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 信託法第261条の前の条は信託法第260条です。
- 信託法第261条の次の条は信託法第262条です。
- 信託法第261条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
信託法(平成十八年法律第百八号)第261条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/418AC0000000108 - 本サイト収録
信託法(平成十八年法律第百八号)第261条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/418AC0000000108/261
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点信託法261条は、受益者の定めのない信託について規定の字句を読み替え、受益者との合意による費用償還や信託変更等の簡易な手続を適用除外とする規定である。
Q · 受益者がいない信託では、普通の信託のルールがそのまま使えるの?
使えない。受益者との合意ルートは外され読み替えが入る
信託法261条により、受益者の定めのない信託では、1項の表に従って他の規定の字句が読み替えられます。さらに、受託者が受益者との合意で費用・損害賠償・信託報酬の償還を受ける48条5項(53条2項・54条4項で準用する場合を含む)や、信託の変更・併合・分割の簡易な手続(149条2項1号・3項2号、151条2項1号、155条2項1号、159条2項1号)は適用されません。そのため受託者の費用回収は信託財産に限られ、変更などには委託者や信託管理人を含む正規の手続が必要になります。
解説
受益者のいない信託では、普通の信託で受益者が持つはずの「同意」「合意」「償還」の権限を握る人が一人もいない。信託法261条は、この空白を埋めるための差し替え表である。1項で、他の条文に出てくる字句を読み替える。受益者が担うはずだった監督の役割の多くは、委託者や信託管理人が引き受ける形になる。2項から5項では、受益者がいることを前提にした近道を封じている。受託者が受益者と合意して費用・損害賠償・報酬を受け取るルート(48条5項など)も、受託者と受益者だけで信託を変更・併合・分割できる簡易ルート(149条2項1号など)も使えない。だから目的信託の受託者は、受益者からお金を引き出すことも、受益者と二人だけで信託の中身を書き換えることもできない。財産を「目的」に預けるなら、自分の死後に誰がその目的を見張り続けるのかを先に決めておく必要がある。設計図の段階で決めておかないと、後から簡単には直せない。
法的な位置づけ
信託法261条は、受益者の定めのない信託(目的信託)に関する適用関係の特則である。1項で他の規定中の字句を表に従い読み替え、2項から5項で、受益者との合意による受託者の費用等の償還(48条5項)および受益者の関与を前提とする信託の変更・併合・分割の簡易な手続(149条2項1号等)を適用除外とする。
よくある質問 AI による整理
Q1目的信託とは何ですか?
特定の受益者を定めず、ペットの世話や祭礼の継続など一定の目的のために財産を管理する信託です。信託法258条以下に規定があります。
Q2受益者のいない信託 読み替え規定とは?
信託法261条1項の表により、受益者を前提とする他の条文の字句を、目的信託に合う字句に置き換えて適用する仕組みです。
Q3目的信託の受託者は費用を誰に請求できる?
信託財産からの償還が基本です(48条1項)。受益者との合意で受益者から償還を受ける48条5項は、261条2項で適用されません。
Q4目的信託の内容は後から変更できる?
変更は可能ですが、受託者と受益者の合意による簡易ルート(149条2項1号)などは使えません。委託者や信託管理人を含む正規の手続が必要です。
Q5目的信託 信託管理人 いないとどうなる?
遺言で設定した目的信託で信託管理人が欠け、1年間新たに就任しないと信託は終了します(258条8項)。後任の定め方が重要です。
Q6目的信託の存続期間はいつまで?
信託法259条により20年を超えることができません。長期の目的を想定する場合は、期間満了後の財産の行方も設計に含める必要があります。
Q7目的信託の併合や分割はできる?
できますが、受益者の関与を前提とする簡易な手続(151条2項1号、155条2項1号、159条2項1号)は261条4項・5項で適用されません。
Q8目的信託は誰でも受託者になれる?
当分の間、受託者は政令で定める要件を満たす一定の法人に限られています。引受け前に要件と最新の改正状況を確認してください。
この条文についての質問 AI による整理
Q1受益者がいない信託って、結局だれが受託者を見張るんですか?
委託者と信託管理人である。信託法260条で委託者に監督的な権利が与えられ、本条1項の読み替えによって、受益者の役割の多くが委託者や信託管理人に移される。遺言で作る場合は信託管理人を置くことが必須である(258条4項)。実務のポイント:委託者が亡くなった後は、信託管理人が事実上ただ一人の見張り役になる。後任の選び方を信託行為に書いていないと、見張り役がいなくなった時点から終了へのカウントダウンが始まる
Q2受託者を引き受けたら、管理にかかったお金は誰に請求できるんですか?
信託財産からの償還が基本である(48条1項)。普通の信託では受益者と合意して受益者から償還を受ける道もあるが(48条5項)、目的信託ではそれが本条2項で外されている。損害賠償や信託報酬についても同じである。実務のポイント:目的信託を引き受けられる受託者の範囲は、当分の間、政令で一定の法人に限られている。受託を打診されたら、まず自分がその要件を満たすかを確認したうえで、財産規模と費用の見通しを出してもらう(最新の改正状況をご確認ください)
間違えやすい点 AI による整理
- 「受益者がいないなら、受託者が自由に運用・変更できる」と考える人がいるが、法律の発想は逆である。受益者を前提にした簡易な変更・併合・分割ルートが軒並み外されるため、受託者単独の裁量はむしろ狭くなり、委託者や信託管理人のチェックに強くさらされる
- 読み替え規定は形式的な技術条文だと思われがちである。しかし実務で見落とされているのは、その深刻さのほうだ。費用償還のルートが信託財産だけに絞られるので、財産規模を見誤った目的信託は、途中で受託者が赤字を抱えて身動きがとれなくなるリスクを構造的に抱えている
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定の役割 | 信託法261条:受益者を前提とする規定の読替と簡易ルートの適用除外 | 信託法258条:目的信託の設定方法と信託管理人 信託法260条:目的信託における委託者の権利 |
| 誰が監督するか | 読み替えにより受益者の役割の多くを委託者・信託管理人へ移す | 遺言設定の場合は信託管理人の選任が必須 委託者に監督的な権利を付与 |
| 受託者の費用回収・変更手続 | 受益者との合意による償還(48条5項)や簡易な変更手続を除外 | 信託法48条:費用は信託財産から償還が原則 信託法149条:信託の変更の方法(簡易ルートは目的信託で不可) |
他国ではどう定めているか 2 か国
台湾では受益者を特定しない信託は公益信託として主管機関の許可・監督に服する。私益目的の目的信託という一般制度はなく、日本の本条のような読替規定もない
米国の統一信託法典は、動物の世話のための信託や受益者を確定できない非公益信託を認め、信託条項で指定された者または裁判所が選任した者による執行を予定する。監督者を補充する発想は日本と共通する
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 父親が遺言で「地元の祭礼を続けるため」の目的信託を作ろうとしている。受益者はいない。遺言で作る場合は信託管理人を必ず置く(258条4項)。父の死後、受託者と誰かが二人だけ話し合っても信託を変えることはできない。信託管理人が1年いない状態が続けば、信託は終わってしまう(258条8項)
- 受託者が手元の資金から管理費用を立て替えた場合、「受益者」に請求できるのか? そもそも請求する相手がいない。受益者との合意による償還(48条5項)は261条2項で使えないので、回収元は信託財産に限られる。財産が尽きれば、立て替えた分はそのまま受託者の持ち出しになる
- あなたは法人の担当者として目的信託の受託を打診された。信託の期間はあと3か月で見直しの時期を迎える。普通の信託と同じ感覚で「受益者と合意して条項を変える」段取りを組んでいたなら、その手順はここで止まる。委託者や信託管理人を交えた変更手続(149条1項など)を、期限から逆算して今から組み直す必要がある
取るべき行動
被害を受けた側:委託者側、または目的の実現を期待する立場で、受託者の運営に疑問を持った場合の手順。1. 信託行為で信託管理人が置かれているか、現在も在任しているかを確認する2. 信託管理人または委託者を通じて、帳簿の閲覧や報告を求める(受益者の権利は委託者・信託管理人の側で行使される構造になっている) 3. 費用を信託財産から不当に引き出している形跡があれば、損失てん補などの責任追及を検討する。信託法に詳しい弁護士に相談する
訴えられた側:受託者として責任を問われた場合の手順。1. 支出がすべて信託財産からの正当な費用償還(48条1項)の範囲内かを帳簿で示す2. 信託の変更・併合・分割に関わる行為については、受益者との簡易ルートではなく、委託者や信託管理人を含む正規の手続を踏んだことを書面で示す3. 手続に瑕疵があれば早めに信託管理人と協議し、正規の手続でやり直すことを検討する
時効(請求できる期限):本条に固有の時効はないが、一般消滅時効(民法166条、債権5年または10年)が適用される。なお目的信託の存続期間は20年を超えることができず(信託法259条)、信託管理人が欠けた状態が1年続くと信託は終了する(258条8項)
改正沿革 AI による整理
- 平成18年(2006年)信託法全部改正 旧信託法を全面的に改めた現行信託法の制定にあわせ、受益者の定めのない信託の章が設けられ、本条が新設された。その後の改正の有無と内容は人的な検証が必要である
改正の年表
- 1.平成18年(2006年) 新設:信託法の全部改正(平成18年法律第108号)で、受益者の定めのない信託の章とともに本条が新設された。その後の改正の有無は人的な検証が必要である
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