信託法 第262条(信託に関する非訟事件の管轄)
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- この法律の規定による非訟事件は、この条に特別の定めがある場合を除き、受託者の住所地を管轄する地方裁判所の管轄に属する。
- 2.受託者が二人以上ある場合における前項の規定の適用については、同項中「住所地」とあるのは、「いずれかの住所地」とする。
- 3.受託者の任務の終了後新受託者の就任前におけるこの法律の規定による裁判所に対する申立てに係る事件は、前受託者の住所地を管轄する地方裁判所の管轄に属する。
- 4.受託者が二人以上ある場合における前項の規定の適用については、同項中「受託者の任務」とあるのは、「すべての受託者の任務」とし、前受託者が二人以上ある場合における同項の規定の適用については、同項中「住所地」とあるのは、「いずれかの住所地」とする。
- 5.第六条第一項又は第二百五十八条第六項の申立てに係る事件は、遺言者の最後の住所地を管轄する地方裁判所の管轄に属する。
この条文の基本情報
信託に関する非訟事件の管轄とは何ですか?
定義信託に関する非訟事件の管轄とは、信託法第262条に定められた規定で、「この法律の規定による非訟事件は、この条に特別の定めがある場合を除き、受託者の住所地を管轄する地方裁判所の管轄に属する。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 信託法第262条(信託に関する非訟事件の管轄)は、日本の信託法に含まれる条文です。
- 信託法第262条の条文原文は「この法律の規定による非訟事件は、この条に特別の定めがある場合を除き、受託者の住所地を管轄する地方裁判所の管轄に属する。」で始まります。
- 信託法第262条は第一節 非訟に置かれています。
- 信託法の公布日は平成18年12月15日です。
- 信託法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 信託法第262条の前の条は信託法第261条です。
- 信託法第262条の次の条は信託法第263条です。
- 信託法第262条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
信託法(平成十八年法律第百八号)第262条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/418AC0000000108 - 本サイト収録
信託法(平成十八年法律第百八号)第262条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/418AC0000000108/262
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点信託法262条は、信託法上の非訟事件の管轄を受託者の住所地を管轄する地方裁判所と定める。受託者不在時は前受託者、遺言信託等は遺言者の最後の住所地が基準となる。
Q · 家族信託の受託者を解任したいとき、どこの裁判所に申し立てればいい?
受託者の住所地を管轄する地方裁判所です
信託法262条1項により、受託者の解任(58条4項)や新受託者の選任(62条4項)など信託法上の非訟事件は、受託者の住所地を管轄する地方裁判所に申し立てます。受託者が二人以上いればいずれかの住所地を選べます(2項)。受託者がいない期間は前受託者の住所地(3項)、遺言信託での受託者選任などは遺言者の最後の住所地(5項)が基準です。委託者や信託財産の所在地は基準になりません。
解説
家族信託の揉め事を裁くのは家庭裁判所ではない。地方裁判所である。しかも、どの地裁かを決めるのは親(委託者)の住所でも、信託した実家の所在地でもない。財産を預かる受託者の住所地だ。信託法262条はそう定めている。受託者の解任(58条4項)、新受託者の選任(62条4項)、信託の変更や終了を命じる裁判(150条、165条)などは非訟事件(判決で白黒をつける訴訟ではなく、裁判所が後見役として決定を出す手続)にあたり、原則としてすべてここに集まる。受託者が複数いれば、いずれか一人の住所地を選べる。受託者が死亡や辞任でいなくなった空白期間は、前受託者の住所地が基準になる。例外は遺言で信託を作った場合で、そのときは遺言者の最後の住所地になる。大阪の実家を横浜在住の長男に託したなら、長男の使い込みを止める申立ては横浜地裁に出すことになる。誰を受託者にするかを決めるとき、あなたは将来どこで争うかも同時に決めている。
法的な位置づけ
信託法262条は、信託法の規定による非訟事件の管轄を定める規定であり、原則として受託者の住所地を管轄する地方裁判所に管轄を認める。受託者が二人以上ある場合はいずれかの住所地、受託者の任務終了後新受託者就任前は前受託者の住所地、6条1項及び258条6項の申立ては遺言者の最後の住所地を基準とする。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.受託者の住所を確認する 信託契約書の受託者欄、信託不動産の登記事項証明書(信託目録・受託者の住所)などで、申立て時点の受託者の住所を確認する。法人受託者なら本店・主たる事務所の所在地を登記で確認する
- 2.求める手続を特定する 受託者の解任(58条4項)、新受託者の選任(62条4項)、信託財産管理命令(63条)など、どの非訟事件を申し立てるかを決める。使い込まれた金の回収(40条)は別の民事訴訟であり、管轄は民事訴訟法で決まる点を区別する
- 3.管轄裁判所を決定する 原則は受託者の住所地の地方裁判所(1項)。受託者が複数ならいずれかの住所地(2項)、受託者不在なら前受託者の住所地(3項・4項)、遺言信託の受託者選任などは遺言者の最後の住所地(5項)を基準に選ぶ
- 4.申立書を提出する 管轄の地方裁判所に申立書と添付資料を提出する。受託者不在の場合は、新受託者が就任しない状態が1年続くと信託が終了する(163条3号)ため、早期に申し立てる
よくある質問 AI による整理
Q1信託法262条とは?
信託法上の非訟事件(受託者の解任・新受託者の選任など)をどこの裁判所が扱うかを定めた条文です。原則は受託者の住所地を管轄する地方裁判所です。
Q2受託者の解任 申立て 方法
受託者の任務違反などの重要な事由があるとき、委託者または受益者が受託者の住所地の地方裁判所に解任を申し立てます(信託法58条4項、262条1項)。
Q3受託者が死亡したら 新受託者の選任は どこに申し立てる?
受託者の任務終了後、新受託者の就任前の申立ては、前受託者(亡くなった受託者)の住所地を管轄する地方裁判所に出します(信託法262条3項)。
Q4受託者が二人いる場合 管轄 どちら?
受託者が二人以上ある場合は、いずれかの受託者の住所地を管轄する地方裁判所に申し立てることができます(信託法262条2項)。
Q5遺言信託 受託者選任 申立て先
遺言で信託を設定し、受託者の選任を裁判所に求める申立て(6条1項)は、遺言者の最後の住所地を管轄する地方裁判所が扱います(262条5項)。
Q6受託者が法人の場合 管轄は どこ?
法人の住所は本店または主たる事務所の所在地とされるため、その所在地を管轄する地方裁判所が基準になります。家族の転居に左右されません。
Q7受託者が引っ越したら 管轄は変わる?
非訟事件の管轄は原則として申立て時を基準に定まるため、申立て後に受託者が転居しても、手続はそのまま申立てた裁判所で進みます。
Q8信託財産管理命令とは?
受託者の任務が終了し新受託者が選任されていない間、必要があるときに裁判所が利害関係人の申立てにより信託財産管理者による管理を命ずる処分です(63条)。
この条文についての質問 AI による整理
Q1家族信託で兄ともめてます。家庭裁判所に相談すればいいんですよね?
違う。信託法上の受託者解任や新受託者選任などの非訟事件は、受託者の住所地を管轄する地方裁判所が扱う(信託法262条1項)。兄が受託者なら、兄の住所地の地裁だ。実務のポイント:成年後見と同じ感覚で家裁に相談に行き、そこで初めて地裁だと知って時間を失う家族は珍しくない。家族信託の組成に関わった司法書士や弁護士に、まず申立て先を確認するのが近道である
Q2信託契約に「紛争は大阪地裁で」と書いておけば、そっちで解任の申立てができますか?
期待しすぎない方がいい。非訟事件手続法には民事訴訟法11条のような合意管轄の規定がなく、信託法262条の非訟管轄を契約条項で動かすことには否定的な見方が一般的である(実務上要確認)。一方、損害賠償などの訴訟には管轄合意が効く。実務のポイント:非訟の管轄地を本当に固定したいなら、条項を書くより、受託者を所在地の動かない法人にする設計の方が確実である
間違えやすい点 AI による整理
- 家族の財産と相続の話だから家庭裁判所の担当だと思われがちだが、信託法上の非訟事件は地方裁判所の管轄である。成年後見(家裁)と同じ感覚で書類を準備すると、出す裁判所を最初から間違える
- 「受託者をどこの裁判所に訴えるか」という問いの立て方そのものがずれている。262条が扱うのは解任・選任・信託変更などの非訟事件だけだ。受託者が使い込んだ金を取り戻す損失てん補請求(40条)は通常の民事訴訟で、管轄は民事訴訟法のルール(被告住所地、義務履行地など)で決まる。同じ不正でも、受託者を外す入口とお金を取り戻す入口は別々にある
- 受託者が亡くなっても後で誰かが引き継げばいいと考えている人は多いが、その空白の重さを見落としている。新受託者が就任しない状態が1年続くと信託は終了する(163条3号)。前受託者の住所地の地裁へ選任を申し立てる手続(3項、62条4項)を、葬儀や相続手続に追われて後回しにすると、信託の設計そのものが消える
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 信託法262条:信託非訟事件をどこの裁判所が扱うか(管轄) | 信託法58条4項:裁判所による受託者解任の要件 信託法62条4項:裁判所による新受託者選任の要件 |
| 申立てできる人 | 定めなし(各手続の条文による) | 委託者または受益者 利害関係人 |
| 管轄の基準 | 受託者の住所地(不在時は前受託者、遺言信託等は遺言者の最後の住所地) | 262条1項・2項:受託者の住所地の地方裁判所 262条3項・4項:前受託者の住所地の地方裁判所 |
| 時間的制約 | 本条自体に期限なし | 期限の定めなし(任務違反等の重要な事由が要件) 新受託者不在が1年続くと信託終了(163条3号) |
他国ではどう定めているか 2 か国
台湾も信託法上の法院が処理する信託事件を受託人の住所地の法院の管轄とし、受託者を基準とする点で日本と同じ発想をとる
米国の統一信託法典は、受託者個人の住所ではなく信託の主たる管理地(principal place of administration)を裁判地の基準とする。州ごとに採用状況が異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 受託者の兄が管理する実家のアパート、その家賃が信託口口座ではなく兄個人の口座に流れていたとしたら、受益者のあなたはどこに駆け込む? 実家のある大阪の家裁ではない。兄が住む横浜を管轄する横浜地裁に、受託者の解任(58条4項)を申し立てることになる
- あなたは受託者の長女。転勤で札幌へ引っ越した翌月、弟から「解任を申し立てる」と通告された。管轄は申立て時の受託者の住所地で決まるのが原則なので、弟が東京地裁に出してきたなら、管轄違いとして移送を求める余地がある。届いた申立書は、まず宛先の裁判所名から確認する
- 受託者だった父が急死し、後任が決まっていない。新受託者選任の申立て先は、亡くなった父の住所地の地裁だ(3項)。空白が1年続けば信託そのものが終わる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 受託者の住所(法人なら本店所在地)を確認する。受託者が複数なら、どちらの住所地の地裁が通いやすいか比べる2. 求めるものを整理する:受託者を外すなら解任(58条4項)、後任を置くなら選任(62条4項)、財産を守るなら信託財産管理命令(63条) 3. 使い込まれた金の回収は、別途民事訴訟(40条)として管轄を検討する4. 受託者が不在なら前受託者の住所地の地裁へ出し、1年の期限を意識して早めに動く
訴えられた側:1. 届いた申立書の宛先を確認する。自分の住所地以外の地裁に出されていれば、管轄違いを指摘して移送を求める余地がある2. 信託帳簿と信託口口座の記録を整理する(帳簿作成・保存義務、37条)。解任の判断は任務違反や重要な事由の有無で決まるため、記録が最大の防御になる3. 遠方で出頭が負担になるなら、電話会議やウェブ会議を利用できるか裁判所に相談する4. 辞任や後任への引継ぎで穏便に収める選択肢も、弁護士と比較検討する
時効(請求できる期限):本条自体に期限はない。ただし受託者が欠けて新受託者が就任しない状態が1年続くと信託は終了する(信託法163条3号、起算点は受託者が欠けた時)。非訟事件の裁判に即時抗告できる場合、その期間は裁判の告知を受けた日から2週間(非訟事件手続法67条、最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
- 平成18年(2006年)信託法全部改正 新信託法の制定時に置かれた管轄規定。その後、平成23年(2011年)の非訟事件手続法制定に伴う整備で文言が改正されたかどうかは人的検証が必要
改正の年表
- 1.平成18年(2006年) 新設:信託法の全部改正(平成18年法律第108号)により、信託法上の非訟事件の管轄規定として新設。受託者の住所地を基準とし、複数受託者・受託者不在・遺言信託の場合の特則を置いた
- 信託法 第58条裁判所による受託者解任の申立て
- 信託法 第62条裁判所による新受託者の選任
- 信託法 第163条受託者不在1年継続による信託終了
- 信託法 第6条遺言信託の受託者選任、5項の管轄対象
- 信託法 第258条目的信託の信託管理人選任、5項の管轄対象
- 非訟事件手続法 第5条複数管轄時は先に申立てを受けた裁判所が管轄
- 非訟事件手続法 第67条即時抗告期間2週間の一般規定
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