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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 収録時点 令和8年7月4日読了 8 分8 分8 分

信託法 第91条(受益者の死亡により他の者が新たに受益権を取得する旨の定めのある信託の特例)

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受益者の死亡により、当該受益者の有する受益権が消滅し、他の者が新たな受益権を取得する旨の定め(受益者の死亡により順次他の者が受益権を取得する旨の定めを含む。)のある信託は、当該信託がされた時から三十年を経過した時以後に現に存する受益者が当該定めにより受益権を取得した場合であって当該受益者が死亡するまで又は当該受益権が消滅するまでの間、その効力を有する。

この条文の基本情報

受益者の死亡により他の者が新たに受益権を取得する旨の定めのある信託の特例とは何ですか?

定義受益者の死亡により他の者が新たに受益権を取得する旨の定めのある信託の特例とは、信託法第91条に定められた規定で、「受益者の死亡により、当該受益者の有する受益権が消滅し、他の者が新たな受益権を取得する旨の定め(受益者の死亡により順次他の者が受益権を取得する旨の定めを含む。」と規定しています。

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 信託法第91条(受益者の死亡により他の者が新たに受益権を取得する旨の定めのある信託の特例)は、日本の信託法に含まれる条文です。
  2. 信託法第91条の条文原文は「受益者の死亡により、当該受益者の有する受益権が消滅し、他の者が新たな受益権を取得する旨の定め(受益者の死亡により順次他の者が受益権を取得する旨の定めを含む。」で始まります。
  3. 信託法第91条は第一節 受益者の権利の取得及び行使に置かれています。
  4. 信託法の公布日は平成18年12月15日です。
  5. 信託法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
  6. 信託法第91条の前の条は信託法第90条です。
  7. 信託法第91条の次の条は信託法第92条です。
  8. 信託法第91条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式信託法(平成十八年法律第百八号)第91条
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/418AC0000000108
  • 本サイト収録信託法(平成十八年法律第百八号)第91条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/418AC0000000108/91

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点信託法91条は受益者連続信託の期限を定める。信託設定から30年経過後に受益権を取得できるのは一回だけで、その受益者の死亡で連続の定めは効力を失う。

Q · 家族信託で「妻の次は長男、その次は孫」と何代先まで決められるの?

信託から30年経過後は一代限りで、それ以降は効力なし

信託法91条により、受益者の死亡で次の人へ受益権が移る受益者連続信託は、信託がされた時から30年を経過した後に受益権を取得した受益者が死亡するか、その受益権が消滅するまで効力を有します。つまり上限は「30年+もう一代」です。起算点は委託者の死亡時ではなく信託の効力発生時で、生前の信託契約なら契約時、遺言信託なら遺言の効力発生時(同法4条)となります。

解説

死んだ後も財産の行き先を何代先まで決められるのか。日本の法律でこの問いに年数で答えた条文は、ほとんど信託法91条しかない。妻、長男、孫の順に「誰かが亡くなったら次の人へ」と受益権(信託財産から利益を受け取る権利)を引き継がせる信託を、後継ぎ遺贈型受益者連続信託と呼ぶ。遺言でこれを書こうとしても、民法上の「後継ぎ遺贈」は有効かどうか争いがある。一方、信託を使えば仕組みとして組める。ただし期限がある。信託がされた時から30年が経った後に受益権を取得できるのは一回だけで、その人が亡くなるか受益権が消えた時点で、連続の効力は終わる。つまり上限は「30年+もう一人」である。家族信託の契約書を作るとき、受益者を何人並べても、この時計を計算に入れていなければ、最後の世代は何も受け取れない。

法的な位置づけ

後継ぎ遺贈型受益者連続信託とは、受益者の死亡を契機として当該受益者の受益権が消滅し、他の者が新たに受益権を取得する旨の定めのある信託をいう。信託法91条はその効力を、信託設定時から30年経過後に受益権を取得した受益者が死亡し、または当該受益権が消滅するまでに限定する。

手順

  1. 1.受益者全員の年齢年表を作る 委託者と各受益者の生年月日を並べ、信託の効力発生日から30年後の西暦を書き込む。30年経過時点で誰が受益者になっていそうか、その次に取得する一人は誰かを試算する
  2. 2.起算点を選ぶ(生前契約か遺言信託か) 生前の信託契約は契約の効力発生時から30年が進む。遺言信託は遺言の効力発生時(信託法4条)が起算点となる。認知症対策の必要性と、後の世代に残る期間の長さを比べて設計を決める
  3. 3.最終の財産の行き先を必ず指定する 連続の定めが効力を失った後の残余財産受益者または帰属権利者(信託法182条)を契約書に明記する。空欄だと委託者の相続人全員を探して協議する事態になる
  4. 4.遺留分と相続税を試算する 受益者から外れる相続人の遺留分侵害額(民法1046条)と、受益者交代ごとのみなし遺贈課税(相続税法9条の2・9条の3)を試算し、代償金や生前贈与で調整する

よくある質問 AI による整理

Q1受益者連続信託とは何ですか?

受益者が亡くなるたびに受益権が消え、次の人が新たに受益権を取得する仕組みの信託です。信託法91条が効力の期限を定め、妻→子→孫のような承継順を設計できます。

Q2受益者連続信託は何代まで有効?

信託設定から30年経過後に受益権を取得した一人が最後です。その受益者が死亡するか受益権が消滅すれば、それ以降の承継の定めは効力を失います。

Q330年経過時点で生きている受益者は権利を失う?

失いません。30年経過時に現に受益者である人はそのまま権利を持ち続け、その後に受益権を取得できるのは一回だけ、という限定がかかるだけです。

Q4まだ生まれていない孫を受益者にできる?

できます。受益者は信託設定時に存在している必要はなく、「長男の子」のように指定できます。ただし取得時期が30年経過後の二回目以降になれば効力は及びません。

Q5受益者連続信託は遺留分の対象になる?

対象になりうると解する見解が有力です。遺留分を潜脱する目的が露骨な信託の一部を公序良俗違反で無効とした地裁判決もあり、遺留分対策として万能ではありません。

Q6受益者連続信託で不動産の登記は必要?

不動産を信託財産にする場合、所有権移転と信託の登記を行い、信託目録に受益者や信託条項が記録されます(不動産登記法97条)。受益者の交代も変更登記の対象です。

Q7家族信託の受託者には誰がなれる?

未成年者は受託者になれません(信託法7条)。家族内で長男などが受託者になるのが一般的で、営業として引き受けない限り信託業の免許は不要とされます。

Q830年を超える承継条項を書くと契約全体が無効?

契約全体が無効になるわけではありません。91条の期限を超える部分の承継の定めが効力を持たないだけで、それまでの受益者の順序は有効に機能します。

この条文についての質問 AI による整理

Q1妻の次は甥っ子、って遺言に書けば済む話じゃないんですか?

遺言で「妻に遺す、妻の死後は甥へ」と書く後継ぎ遺贈は、民法上有効かどうか争いがあり、妻が相続した時点で妻の財産になると考えるのが一般的です。信託なら91条の範囲で順番を確定できます。実務のポイント:遺言書の文案だけを見て「これで大丈夫」と言う専門家は要注意。後継ぎ遺贈の危うさを説明せずに作成した遺言は、二番目の相続で崩れることが多い

Q230年って、いつから数えるんですか? 父が死んだ日から?

「信託がされた時」からです(信託法91条)。生前の信託契約なら契約の効力発生時、遺言信託なら遺言の効力発生時、つまり死亡時です(同法4条)。実務のポイント:元気なうちに契約で組むと認知症対策にはなるが、委託者が長生きするほど後の世代に残る時間が減る。生前の契約と遺言信託を組み合わせ、起算点を調整する設計も実務では使われている

Q330年過ぎて最後の受益者が亡くなったら、財産はどこへ行くんですか?

連続の定めが効力を失い信託は終わるので、残余財産受益者または帰属権利者に渡ります(信託法182条)。契約書に指定がなければ委託者またはその相続人に帰属するとみなされます。実務のポイント:この最終の行き先を空欄のまま作られた家族信託は珍しくない。数十年後、委託者の相続人を全員探し出して遺産分割協議と同じ手間をかける羽目になる

Q4受益者が替わるたびに相続税がかかるって本当ですか?

本当です。受益者連続型信託では、次の受益者は前の受益者から遺贈により取得したとみなされます(相続税法9条の2)。実務のポイント:途中の受益者の「死ぬまでの権利」は本来価値が低いはずなのに、税法上は原則として制約がないものとして評価されます(同法9条の3)。家族信託は節税策ではなく承継の順番を確定する道具だと割り切った方が判断を誤らない(最新の改正状況をご確認ください)

間違えやすい点 AI による整理

  • 「信託なら何代先まででも財産の行き先を決められる」と思われがちだが、91条がはっきり上限を設けている。30年経過後に受益権を取得できるのは一回限りで、その受益者が亡くなれば連続の定めは効力を失う。曾孫、玄孫まで書いても、その条項は使われない可能性が高い
  • 30年という上限は知っていても、その起算点の重さを知らない人が多い。時計が動き出すのは「信託がされた時」であり、委託者が亡くなった時ではない。生前に元気なうちに信託契約を結ぶと、委託者が長生きした年数だけ、後の世代に残る期間が削られていく。遺言で信託を設定すれば、効力発生は遺言の効力発生時(信託法4条2項)となり、起算点は後ろにずれる
  • 「信託にしておけば遺留分の問題は消える」という問いの立て方自体がずれている。信託は遺留分制度の外にある仕組みではなく、遺留分侵害額請求(民法1046条)の対象になりうると解する見解が有力で、遺留分を潰す目的が露骨な信託の一部を公序良俗違反で無効とした地裁判決(東京地判平成30.9.12)もある。ただし受益権の評価方法などは実務上、解釈が分かれている
比較の観点この条文ほかの条文
規律する場面信託法91条:受益者の死亡で順次次の者が受益権を取得する連続型信託法90条:委託者の死亡時に受益者が受益権を取得する遺言代用信託
信託法89条:受益者指定権・変更権の行使方法
時間的な制限信託設定から30年経過後の取得は一回限り存続期間の上限は定めない(連続の定めがあれば91条が重ねて適用)
期間制限なし、指定権者の意思表示で行使
設計上の主な用途妻→甥、後妻→前妻の子など世代を超えた承継順の確定遺言の代わりに死亡時の財産承継先を決める
状況変化に応じて受益者を後から入れ替える柔軟性の確保

他国ではどう定めているか 5 か国

台湾
信託法(中華民国)・民法第1187条以下

受益者連続信託や存続期間の上限について明文規定がなく、日本のような「30年+一代」の枠組みは置かれていない

韓国
신탁법 제60조

2011年の全面改正で受益者連続信託を明文化。日本のような30年の期間制限は置かれていない

ドイツ
BGB § 2100 ff., § 2109

信託ではなく先位・後位相続で世代承継を実現し、相続開始から30年で後位相続が原則失効する。日本の30年と発想が近い

フランス
Code civil art. 1048 et s.

段階的無償処分(libéralités graduelles)を認めつつ、承継は一代に限定する

アメリカ
Rule Against Perpetuities / USRAP

永久拘束禁止則で財産の長期拘束を制限。USRAP は90年の wait-and-see を採用し、州によっては廃止して dynasty trust を認める

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • 子どものいない夫婦。夫は「自分の死後は妻に、妻の死後は妻の親族ではなく自分の甥に実家を渡したい」と考えている。遺言だけでは妻の死後の行き先までは縛れない可能性が高い。91条の範囲内で受益者連続信託を組めば、この希望を仕組みとして形にできる
  • 再婚した父が、自宅を後妻に住み続けさせ、後妻の死後は前妻との子に戻したいと考えた。もし後妻が先に遺言で自宅を自分の連れ子に遺したら、どうなる? 信託財産になっていれば、後妻はそもそも自宅の所有者ではないので、遺言で動かせない
  • あなたは家族信託で受託者を務める長男だ。信託契約から31年後、二番目の受益者が亡くなり、契約書どおり孫が受益権を取得した。孫が亡くなった後に「曾孫へ」と書かれた条項は、もう動かない。そのとき財産を誰に渡すのか、残余財産の帰属先が契約書に書いていなければ、親族間の争いがあなたの肩にのしかかる
  • 障害のある長女の「親亡き後」に備え、父が受益者を「自分、長女、長女の死後は施設を運営する法人の関係者ではなく次女」と並べた。順序と期限を誤ると、長女の生活費が途中で途切れる
  • 父の公正証書遺言の検認を終えたら、自宅も株もすべて信託に入っていて、自分は三番目の受益者にすぎないと分かった。遺留分侵害額請求の期限は、知った時から1年。残りは数か月しかない
  • 自社株を信託に入れ、議決権を長男、次に孫へとつなぐ事業承継スキーム。30年は長いようで、創業者60歳で組めば90歳前後で時計が切れる

取るべき行動

被害を受けた側:1. 受益者連続信託の存在を知ったら、信託契約書または遺言書の写しを受託者に請求する(受益者なら信託法38条の閲覧請求も可) 2. 自分が後順位受益者か、受益者から外れた相続人かを確認する3. 相続人として遺留分を侵害されているなら、知った時から1年以内に内容証明で遺留分侵害額請求の意思表示をする4. 信託が遺留分潰しを主目的とするなら公序良俗違反(民法90条)の主張も検討する。評価が難しい分野なので、民事信託の実績がある弁護士に相談する

訴えられた側:1. 受託者として訴えられたら、信託契約書の受益者の順序、30年の起算日、残余財産の帰属先を整理する2. 30年経過後の受益権取得が既に一回起きていないかを確認する。起きていれば、その受益者の死亡で連続の定めは効力を失う3. 遺留分侵害額請求には、受益権の評価や生前贈与の有無で反論できる余地がある4. 信託の目的が生活保障や事業承継など合理的なものであることを示す資料(委託者のメモ、打合せ記録)を集める

時効(請求できる期限):連続の定めの効力:信託がされた時(遺言信託は遺言の効力発生時、信託法4条)から30年経過後に受益権を取得した受益者が死亡するか、受益権が消滅するまで。遺留分侵害額請求:相続の開始と遺留分を侵害する贈与・遺贈を知った時から1年、相続開始から10年(民法1048条)

学説

後継ぎ遺贈無効説(有力説):遺言による後継ぎ遺贈は、第一次受遺者が取得した所有権を死後まで拘束することになり、所有権の性質と相容れないとして効力を否定する見解。信託法91条はこの限界を信託という器で立法的に乗り越えた規定と位置付けられる。

信託と遺留分の関係:受益者連続信託も遺留分侵害額請求の対象になりうるとする見解が有力。ただし請求対象を信託財産とみるか受益権とみるか、連続型受益権をどう評価するかは見解が分かれている。

改正沿革 AI による整理

  • 平成18年(2006年)信託法制定(平成19年9月30日施行) 大正11年の旧信託法を全面的に改めた現行信託法の制定時に新設。旧法に対応規定はなく、受益者連続信託の有効性と存続期間の上限を明文化した。制定後の本条の文言改正は確認されていない

改正の年表

  1. 1.平成18年(2006年) 新設:旧信託法(大正11年)を全面改正した現行信託法の制定に伴い新設。受益者連続信託の有効性と存続期間の上限を明文化した。平成19年9月30日施行

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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

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