受講中の講座ブックマーク無料で登録

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 収録時点 令和8年7月4日読了 9 分9 分9 分

信託法 第4条(信託の効力の発生)

クイックジャンプ
  1. 前条第一号に掲げる方法によってされる信託は、委託者となるべき者と受託者となるべき者との間の信託契約の締結によってその効力を生ずる。
  2. 2.前条第二号に掲げる方法によってされる信託は、当該遺言の効力の発生によってその効力を生ずる。
  3. 3.前条第三号に掲げる方法によってされる信託は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定めるものによってその効力を生ずる。
  4. 一公正証書又は公証人の認証を受けた書面若しくは電磁的記録(以下この号及び次号において「公正証書等」と総称する。)によってされる場合当該公正証書等の作成
  5. 二公正証書等以外の書面又は電磁的記録によってされる場合受益者となるべき者として指定された第三者(当該第三者が二人以上ある場合にあっては、その一人)に対する確定日付のある証書による当該信託がされた旨及びその内容の通知
  6. 4.前三項の規定にかかわらず、信託は、信託行為に停止条件又は始期が付されているときは、当該停止条件の成就又は当該始期の到来によってその効力を生ずる。

この条文の基本情報

信託の効力の発生とは何ですか?

定義信託の効力の発生とは、信託法第4条に定められた規定で、「前条第一号に掲げる方法によってされる信託は、委託者となるべき者と受託者となるべき者との間の信託契約の締結によってその効力を生ずる。」と規定しています。

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 信託法第4条(信託の効力の発生)は、日本の信託法に含まれる条文です。
  2. 信託法第4条の条文原文は「前条第一号に掲げる方法によってされる信託は、委託者となるべき者と受託者となるべき者との間の信託契約の締結によってその効力を生ずる。」で始まります。
  3. 信託法第4条は第一章 総則に置かれています。
  4. 信託法の公布日は平成18年12月15日です。
  5. 信託法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
  6. 信託法第4条の前の条は信託法第3条です。
  7. 信託法第4条の次の条は信託法第5条です。
  8. 信託法第4条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式信託法(平成十八年法律第百八号)第4条
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/418AC0000000108
  • 本サイト収録信託法(平成十八年法律第百八号)第4条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/418AC0000000108/4

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点信託法4条は、信託の効力発生時期を方法別に定める。契約信託は締結時、遺言信託は遺言の効力発生時、自己信託は公正証書等の作成時または受益者への確定日付ある通知時に効力を生ずる。

Q · 家族信託って、契約書にハンコを押した日から始まるの?それとも財産を移した日から?

契約を締結した日。財産を移す前でも効力が生じる

信託法4条1項により、信託契約による信託は、委託者と受託者の間で信託契約を締結した時点で効力を生じます。不動産の名義変更や預金の移動は、成立した信託に基づく履行の問題であり、効力発生の要件ではありません。一方、遺言による信託は遺言者の死亡時(2項)、自己信託は公正証書等の作成時または受益者への確定日付のある通知時(3項)に効力を生じます。停止条件や始期を付ければ、その成就・到来時まで効力発生を遅らせることもできます(4項)。

解説

信託がいつ「生まれる」か。答えは方法ごとに違い、どれを選んだかで、家族の財産を守れるか、債権者に差し押さえられるかが変わる。契約による信託は、契約を締結した時点で効力を生じる。財産を受託者に移す前でもよい。遺言による信託は、あなたが亡くなって遺言が効力を持った時に初めて動き出す。それまでは何も起きていない。いちばん注意が要るのは自己信託である。自分の財産を、自分が受託者として他人のために管理すると宣言する方法だ。公正証書等で作れば作成した時点で効力が生じる。それ以外の書面であれば、受益者に指定した第三者へ確定日付のある証書(内容証明郵便など)で通知した時点で初めて効力が生じる。「去年から信託していた」と日付をさかのぼらせ、差押えを逃れる手口を封じるための仕組みである。さらに停止条件や始期を付ければ、効力発生のタイミングを将来にずらすこともできる。

法的な位置づけ

信託法4条は信託の効力発生時期を定める規定であり、信託契約による信託は契約締結時、遺言による信託は遺言の効力発生時、自己信託は公正証書等の作成時または受益者となるべき第三者への確定日付のある証書による通知時に効力を生ずるとする。信託行為に停止条件または始期が付された場合は、その成就または到来の時に効力を生ずる。

手順

  1. 1.信託の設定方法を選ぶ 契約による信託、遺言による信託、自己信託のどれを使うかを決める。方法ごとに効力発生の時点が異なるため、財産を守りたい時期と管理を始めたい時期から逆算して選ぶ
  2. 2.効力発生のタイミングを設計する 即時に効力を発生させるか、停止条件や始期を付けて将来にずらすかを決める。委託者の判断能力が低下するおそれがある場合は、条件成就時に手続が滞らないよう即時発生を基本に検討する
  3. 3.公正証書で信託行為を作成する 公証役場に予約を入れ、信託契約または自己信託を公正証書で作成する。自己信託なら作成時点が効力発生日となり、契約信託でも締結日と意思能力の証明力が高まる
  4. 4.公正証書以外の自己信託は受益者へ確定日付通知 公正証書等を使わずに自己信託をした場合、受益者となるべき第三者(複数なら一人で可)に、信託をした旨と内容を内容証明郵便などの確定日付のある証書で通知する。控えと配達証明は永久保存する
  5. 5.信託登記・信託口口座で分別管理を整える 効力発生後、不動産は信託の登記を行い、金銭は信託口口座で管理する。登記がなければ第三者に信託財産であることを対抗できない財産がある点に注意する(信託法14条)

よくある質問 AI による整理

Q1信託の効力発生日とはいつですか?

設定方法で異なります。契約なら締結時、遺言なら遺言の効力発生時(死亡時)、自己信託なら公正証書等の作成時か確定日付ある通知時です(信託法4条)。

Q2家族信託はいつから効力が発生する?

家族信託は通常、信託契約で設定するため、契約を締結した時点で効力が生じます。停止条件や始期を付けていれば、その成就・到来時からになります。

Q3自己信託とは何ですか?

委託者が自分の財産を、自ら受託者として他人のために管理・処分すると宣言する信託です。信託宣言とも呼ばれ、信託法3条3号が方法を定めています。

Q4自己信託の通知は内容証明郵便でいい?

内容証明郵便は確定日付のある証書にあたるため使えます。信託をした旨と内容を受益者に通知し、配達証明を付けて控えを保存しておくのが安全です。

Q5停止条件付きの信託は有効ですか?

有効です。信託法4条4項により、停止条件を付けた信託は条件が成就した時に効力を生じます。ただし条件成就時の手続が実務上滞るリスクがあります。

Q6受益者が複数いる自己信託の通知は全員に必要?

不要です。受益者となるべき第三者が二人以上いる場合、そのうち一人に確定日付のある証書で通知すれば効力が生じます(信託法4条3項2号)。

Q7信託契約後に財産を移さないとどうなる?

信託自体は契約締結時に効力を生じています。財産を移さないのは委託者の債務不履行の問題となり、受託者は財産の移転を求めることになります。

Q8遺言信託と遺言代用信託の違いは?

遺言信託は遺言で設定し死亡時に効力を生じます。遺言代用信託は生前の信託契約で設定し、死亡時に受益権を移す仕組みで、効力は契約締結時に生じます。

この条文についての質問 AI による整理

Q1家族信託の契約書って、公正証書にしないとダメなんですか?

法律上は不要である。契約による信託は、契約を締結した時点で効力を生じ(信託法4条1項)、方式の定めはない。実務のポイント:実務では、金融機関が信託口口座の開設に公正証書を求めることが多い。さらに公証人が本人の意思を確認した記録が残るため、親の死後にほかの兄弟から「その時もう認知症だった」と無効を主張されたとき、最も強い防御になる。費用を惜しんで私文書にすると、あとで高くつきやすい

Q2遺言で信託を作っておけば、死んだらすぐ受託者が財産を管理してくれますよね?

効力が生じるのは遺言が効力を生じた時、つまり死亡時である(4条2項)。ただし指定された受託者に引き受ける義務はない。利害関係人が催告しても確答がなければ、引き受けなかったものとみなされる(5条)。その場合は裁判所に受託者を選任してもらう(6条)。実務のポイント:遺言を書く前に受託者予定者の内諾を取り、予備的受託者も指定しておく。これだけで死後に管理が空白になるリスクを大きく減らせる

Q3借金があるうちに自己信託しておけば、家だけは守れますか?

守れる可能性は低い。自己信託は公正証書の作成か、受益者への確定日付のある通知がなければ効力が生じず(4条3項)、日付をさかのぼらせることはできない。さらに債権者を害すると知りながら設定した場合、債権者は取消訴訟を経ずに信託財産へ強制執行できる(23条2項)。実務のポイント:この特則が使えるのは信託から2年以内である。逆に言えば、債権者側は2年以内に動けるかどうかが勝負になる

間違えやすい点 AI による整理

  • 「信託銀行の遺言信託に申し込めば、遺言で信託を作ったことになる」という問いの立て方自体がずれている。信託銀行が販売する「遺言信託」の多くは、遺言書の作成支援・保管・遺言執行を請け負うサービスであり、本条2項の遺言による信託とは別物である。死後も長期にわたって財産を管理させたいなら、遺言の中で信託そのものを設定する必要がある
  • 信託は財産を受託者名義に移した時点で始まると思われがちである。しかし契約による信託は、契約を締結した時点で効力を生じる(1項)。旧信託法の下では財産の移転まで必要かどうかが争われていたが、現行法は契約の締結で効力が生じると整理した。財産の移転は、成立した信託に基づく履行の問題になる
  • 自己信託が公正証書なしでも作れることは知られている。だが、その場合は受益者への確定日付のある通知がなければ効力が一切生じない、という深刻さはあまり知られていない。受益者が二人以上いれば一人への通知で足りるが、通知を出さないまま委託者が倒れれば、信託の効力は発生しないまま残る
比較の観点この条文ほかの条文
規律する内容信託法4条:信託がいつ効力を生ずるか信託法3条:信託をどの方法で設定するか(契約・遺言・自己信託)
信託法23条:自己信託の信託財産に対する強制執行の特則
自己信託の扱い公正証書等の作成時、またはそれ以外の書面なら確定日付ある通知時に効力発生公正証書等その他の書面・電磁的記録で意思表示する方法と定める
債権者を害する自己信託には取消訴訟なしで強制執行可(信託時から2年以内)
遺言信託の扱い遺言の効力発生(死亡)時に効力発生遺言で信託を設定できると定める
(遺言信託の受託者確保は5条・6条が規律)

他国ではどう定めているか 4 か国

台湾
台湾信託法第2条・第71条

台湾は信託を原則として契約または遺言で設定し、宣言信託は法人による公益信託に限定する。私人の自己信託を広く認める日本とは大きく異なる

韓国
韓国신탁법 제3조

韓国は2011年改正で信託宣言を導入し、公正証書による設定を要件とする。日本のような確定日付通知による代替ルートは設けていない

中国
中华人民共和国信托法 第8条

中国は信託の設定に書面形式を要求し、信託契約形式なら契約締結時に信託が成立すると定める。自己信託の規定はない

アメリカ
Uniform Trust Code § 401–402

米国統一信託法典は財産移転・信託宣言・指名権行使による設定を認め、信託宣言(declaration of trust)も一般に許容する

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • 父が認知症と診断される前に家族信託を組みたい。契約書に「認知症と診断されたら信託を開始する」と書いたら、どうなる? 4項の停止条件として法的には有効である。ただし実務上、条件が成就した時点では父の意思確認ができず、不動産の信託登記や信託口口座の開設が止まるおそれがある。そのため、契約と同時に効力を発生させる設計を勧める専門家が多い
  • 事業の借入れが膨らみ、あなたは自宅を子どものための自己信託にしておこうと考えた。しかし日付を書いたメモを手元に置いておくだけでは効力は生じない。公正証書等を使わない限り、子どもへの確定日付のある通知が発効日になる。しかも債権者を害すると知りながら自己信託をすれば、債権者は詐害信託の取消訴訟を経ずに信託財産へ強制執行できる(23条2項)。財産隠しの手段としては最も分が悪い
  • 母の遺言に「長男を受託者として、妹の生活費を管理する信託を設定する」とあった。母が亡くなった日に信託は効力を生じる。しかし長男が引受けを拒めば、裁判所に受託者を選任してもらう手続(6条)に進むしかない
  • 父の不動産の売却決済まであと3週間。銀行は信託口口座の開設に、公正証書で作った信託契約を求めてきた。法律上、信託契約は私文書でも締結した時点で成立する。だが銀行の運用は変えられず、公証役場の予約は数週間先まで埋まっていることもある。今日中に公証人との打合せを入れなければ、決済日に間に合わない

取るべき行動

被害を受けた側:1. 債務者が自己信託で財産を移したと疑うなら、まず公正証書の作成日、または受益者への通知の確定日付を確認し、本当の効力発生日を特定する2. 債権者を害すると知りながら設定された自己信託であり、効力発生から2年以内なら、23条2項により取消訴訟を経ずに信託財産へ強制執行できるか弁護士と検討する3. 2年を過ぎていれば、詐害信託の取消し(11条)へ切り替える4. 遺言信託で取り分を削られた相続人は、遺留分侵害額請求の期限を最優先で確認する

訴えられた側:1. 委託者・受託者の側に立つなら、信託は原則として公正証書で作り、効力発生日と意思能力の争いを封じる2. 公正証書以外で自己信託をした場合は、受益者への内容証明の控えと配達証明を永久保存する3. 債務超過の状態や、それに近い状態で自己信託をすれば強制執行の対象になりうるため避ける4. 遺言信託では、受託者予定者の内諾を事前に得て、予備的受託者と遺留分への配慮を遺言に盛り込む

時効(請求できる期限):本条そのものに時効はない。ただし、自己信託について委託者の債権者が23条2項で信託財産に直接強制執行できるのは、信託がされた時から2年以内(同条4項)。詐害信託の取消しは、債権者が詐害を知った時から2年、行為の時から10年(民法426条)。遺言信託で遺留分を侵害された場合は、相続の開始と侵害を知った時から1年、相続開始から10年(民法1048条)(最新の改正状況をご確認ください)

学説

諾成契約説(現行法による立法的整理):旧信託法下では信託契約の成立に財産権の移転を要するとする要物契約説も有力だったが、現行法4条1項は契約締結によって効力を生ずると定め、諾成契約として整理した。

改正沿革 AI による整理

  • 平成18年(2006年) 信託法の全部改正(新信託法、平成19年(2007年)9月30日施行)により新設。契約による信託の効力発生時点を契約締結時と明文化し、自己信託の効力発生要件を定めた。自己信託(3条3号)は附則により施行後1年間適用が猶予された。その後の改正の有無は要確認

改正の年表

  1. 1.平成18年(2006年) 新設:信託法の全部改正により新設。契約・遺言・自己信託ごとの効力発生時点を明文化し、平成19年(2007年)9月30日施行。自己信託は附則により施行後1年間適用が猶予された

ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。

信託法の全文を見る所属する編章節を開く:第一章 総則

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

次に調べる

判例を探す:条文単位の判例の紐づけは準備中です。上のカードから法令名で検索できます。裁判所「裁判例検索」で探す ›