受講中の講座ブックマーク無料で登録

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 収録時点 令和8年7月4日読了 6 分6 分6 分

信託法 第5条(遺言信託における信託の引受けの催告)

クイックジャンプ
  1. 第三条第二号に掲げる方法によって信託がされた場合において、当該遺言に受託者となるべき者を指定する定めがあるときは、利害関係人は、受託者となるべき者として指定された者に対し、相当の期間を定めて、その期間内に信託の引受けをするかどうかを確答すべき旨を催告することができる。ただし、当該定めに停止条件又は始期が付されているときは、当該停止条件が成就し、又は当該始期が到来した後に限る。
  2. 2.前項の規定による催告があった場合において、受託者となるべき者として指定された者は、同項の期間内に委託者の相続人に対し確答をしないときは、信託の引受けをしなかったものとみなす。
  3. 3.委託者の相続人が現に存しない場合における前項の規定の適用については、同項中「委託者の相続人」とあるのは、「受益者(二人以上の受益者が現に存する場合にあってはその一人、信託管理人が現に存する場合にあっては信託管理人)」とする。

この条文の基本情報

遺言信託における信託の引受けの催告とは何ですか?

定義遺言信託における信託の引受けの催告とは、信託法第5条に定められた規定で、「第三条第二号に掲げる方法によって信託がされた場合において、当該遺言に受託者となるべき者を指定する定めがあるときは、利害関係人は、受託者となるべき者として指定され…」と規定しています。

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 信託法第5条(遺言信託における信託の引受けの催告)は、日本の信託法に含まれる条文です。
  2. 信託法第5条の条文原文は「第三条第二号に掲げる方法によって信託がされた場合において、当該遺言に受託者となるべき者を指定する定めがあるときは、利害関係人は、受託者となるべき者として指定され…」で始まります。
  3. 信託法第5条は第一章 総則に置かれています。
  4. 信託法の公布日は平成18年12月15日です。
  5. 信託法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
  6. 信託法第5条の前の条は信託法第4条です。
  7. 信託法第5条の次の条は信託法第6条です。
  8. 信託法第5条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式信託法(平成十八年法律第百八号)第5条
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/418AC0000000108
  • 本サイト収録信託法(平成十八年法律第百八号)第5条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/418AC0000000108/5

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点信託法5条は、遺言で指定された受託者に対し、利害関係人が相当の期間を定めて引受けの確答を催告できると定める。期間内に相続人へ確答がなければ引受けなしとみなされる。

Q · 遺言で受託者に指名されたけど、催告に返事をしないとどうなるの?

期間内に相続人へ返事しないと「引き受けなかった」扱い

信託法5条2項により、利害関係人から相当の期間を定めた催告を受けた指定受託者が、その期間内に委託者の相続人へ確答しないときは、信託の引受けをしなかったものとみなされます。相続人がいない場合の確答先は受益者(信託管理人がいればその者)です(同条3項)。不引受けが確定しても信託は消えず、利害関係人は裁判所に新しい受託者の選任を申し立てられます(同法6条)。

解説

遺言書に「障害のある次男のために財産を長男に託し、生涯の生活費を渡させる」と書いても、長男にはそれを引き受ける義務がない。遺言信託(信託法3条2号、遺言で財産を託す方式)は委託者が一方的に決めるもので、指定された受託者の同意を得ていないからだ。引き受けるのかどうか分からない状態を終わらせるのが本条である。受益者や相続人などの利害関係人(その信託に法律上の利害を持つ人)は、指定された人に「期間内に引き受けるか答えよ」と催告できる。期間内に相続人へ確答がなければ、引き受けなかったものとみなされる。ここが落とし穴だ。遺贈を受けた人が黙っていれば「承認」(民法987条)、遺言執行者が黙っていれば「就職の承諾」(民法1008条)とみなされるのに、受託者だけは黙っていると「拒否」になる。ただし、断られても信託そのものは消えない。裁判所に新しい受託者の選任を申し立てる道(信託法6条)が残っている。

法的な位置づけ

信託法5条は、遺言信託において受託者として指定された者の引受けの諾否を確定させるための催告制度を定める規定である。利害関係人は相当の期間を定めて確答を催告でき、期間内に委託者の相続人(不存在の場合は受益者または信託管理人)に確答がないときは、信託の引受けをしなかったものとみなされる。

手順・フロー

AI による整理。効力は条文原文が基準です

手順

  1. 1.遺言書で指定の内容を確認する 遺言書を確認し、受託者の指定の有無、停止条件や始期の有無、予備の受託者の定め、報酬の定めを把握する。条件が付いていれば、成就・到来しているかを確かめる
  2. 2.相当の期間を定めて催告する 利害関係人が、指定された者に対し、相当の期間を定めて信託の引受けをするかどうか確答するよう催告する。到達日を証明できるよう内容証明郵便(配達証明付き)を使い、確答の宛先が委託者の相続人であることも書き添える
  3. 3.指定された者は期間内に相続人へ確答する 引き受ける場合も断る場合も、期間内に委託者の相続人(不存在なら受益者または信託管理人)宛てに書面で確答し、到達の記録を残す。相続人が複数いる場合は全員に同じ書面を送ると争いを避けやすい
  4. 4.不引受け確定後に受託者の選任を申し立てる 期間内に確答がない、または辞退の確答があったときは不引受けが確定する。利害関係人は信託法6条に基づき裁判所へ受託者の選任を申し立て、信託財産の管理の空白を早く埋める

よくある質問 AI による整理

Q1信託法5条とは何ですか?

遺言信託で受託者に指定された人に、利害関係人が期限付きで引き受けるかどうかの返事を求められる規定です。期間内に相続人へ確答がなければ不引受けとみなされます。

Q2受託者に指定されたら必ず引き受けなければならない?

義務はありません。遺言による指定は委託者の一方的な意思表示で、指定された人の同意を得ていないため、引き受けるかどうかは本人が自由に決められます。

Q3受託者が催告に返事しないとどうなる?

催告で定めた期間内に委託者の相続人へ確答しなければ、信託の引受けをしなかったものとみなされます(信託法5条2項)。沈黙は「拒否」として扱われます。

Q4引受けの催告は誰ができますか?

条文上は「利害関係人」です。受益者や委託者の相続人など、その信託に法律上の利害を持つ人が想定されます。範囲の細部は解釈に委ねられています。

Q5停止条件付きの受託者指定でも催告できますか?

条件の成就または始期の到来の後に限り催告できます(信託法5条1項ただし書)。条件成就前の催告は同項の催告として扱われません。

Q6引受けの催告は内容証明郵便でする必要がありますか?

条文上、方式の定めはありません。ただし催告の到達日と定めた期間を後から証明するため、実務では内容証明郵便(配達証明付き)を使うのが一般的です。

Q7信託銀行の遺言信託と信託法の遺言信託は違う?

違います。銀行の商品名「遺言信託」の多くは遺言書の作成支援・保管・執行のサービスで、信託法3条2号の遺言による信託設定とは別物です。

Q8受託者は引き受けたら報酬をもらえますか?

信託行為(遺言)に報酬の定めがある場合などに限り、信託財産から報酬を受けられます(信託法54条)。定めがなければ原則無報酬なので、引受け前に確認が必要です。

この条文についての質問 AI による整理

Q1受託者に指名されたけど、正直やりたくない。断ったら親の遺言は無効になっちゃうの?

無効にはならない。遺言信託は遺言の効力発生と同時に効力を生じ(信託法4条2項)、指定された人が引き受けなくても、利害関係人の申立てによって裁判所が受託者を選任できる(6条)。本条は、指定された人に断る自由があることを前提にしている。実務のポイント:断る場合も、黙っているより相続人へ書面で辞退を伝えておく方が、後で「引き受けたと思っていた」と揉めずに済む。断る理由を書く必要はない

Q2催告は弟から来たんだけど、返事は弟にすればいいの?相続人は兄弟三人いるんだけど

確答の相手は催告した人ではなく「委託者の相続人」であると本条2項は定めている。相続人がいなければ、受益者(複数いればそのうち一人、信託管理人がいればその人)に読み替える(3項)。実務のポイント:相続人が複数いるとき、一人に答えれば足りるかどうかは条文からははっきりしない。実務上は全員に同じ文面の書面を送り、争いの芽を摘んでおくのが無難である

間違えやすい点 AI による整理

  • 信託銀行で「遺言信託」を申し込んだから財産は信託される、と思っている人は多い。だが銀行の商品名としての「遺言信託」の多くは、遺言書の作成支援・保管・遺言執行を引き受けるサービスで、信託法3条2号の遺言信託とは別物である。本条の催告が問題になるのは、遺言で受託者を指定して財産を託す本来の遺言信託の場面だ
  • 指定された人が断れることは知っていても、断られた後の負担までは知らない人が多い。拒否が確定しても信託は自動的には消滅しないが、裁判所に受託者を選んでもらう手続(6条)には申立ての手間と時間がかかり、その間は財産の管理が止まる。遺言で予備の受託者を決めていなかったツケは、残された家族が払うことになる
  • 指定された側から見れば「親の頼みを引き受ける」という家族の情の話である。だが法律から見れば、善管注意義務(29条)、忠実義務(30条)、分別管理義務(34条)、違反したときの損失てん補責任(40条)をまとめて背負う法的地位を得ることになる。返事一つで、この落差に飛び込むことになる
比較の観点この条文ほかの条文
対象者信託法5条:遺言で指定された受託者となるべき者信託法6条:不引受け後に裁判所が選任する受託者
民法987条:遺贈を受けた受遺者
沈黙した場合の効果引受けをしなかったものとみなす(拒否擬制)沈黙の擬制はなく、裁判所の選任決定による
遺贈を承認したものとみなす(承認擬制)
誰が期限を切るか利害関係人が相当の期間を定めて催告利害関係人の申立てを受けて裁判所が判断
遺贈義務者その他の利害関係人が催告
役割受託者が引き受けるかどうかの未確定状態を終わらせる受託者不在の信託を生かし続ける
遺贈を受けるかどうかの未確定状態を終わらせる

他国ではどう定めているか 3 か国

台湾
信託法第46条

台湾は遺言で指定された受託者が拒絶・不能の場合の裁判所選任を定めるが、日本の5条のような期限付き催告と拒否擬制の明文はない

ドイツ
BGB § 2202 Abs. 3

ドイツは信託制度を持たないが、遺言執行者の就任について遺産裁判所が期間を定め、期間経過で拒絶とみなす仕組みが本条と同じ構造

アメリカ
Uniform Trust Code § 701

米国統一信託法典は、指定を知ってから相当期間内に引き受けない指定受託者は拒否したものとみなすと定め、本条と同じ方向

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • 父の葬儀の翌週、遺言で自分が受託者に指名されていたと知った。そこへ弟の代理人から「2週間以内に引き受けるかどうか回答せよ」という内容証明が届いたら、どうなる? 放置すれば、法律上は「引き受けなかった」扱いになる。断るつもりなら放置でも結果は同じだが、相続人宛てに書面で辞退を伝えておけば、後で「引き受けたと思っていた」と揉める火種を消せる
  • 叔母の遺言で、甥のあなたが受託者に指定されていた。善意で「やります」と返事した瞬間から、善管注意義務も帳簿を作る義務も背負うことになる。
  • 障害のある妹のための遺言信託で、受託者に指定された兄は「考えておく」と言ったまま半年が過ぎた。その間、信託財産である賃貸マンションの家賃管理は誰の手にも渡っていない。受益者の側から期限を切って催告し、拒否が確定したら6条で裁判所に受託者の選任を申し立てる。曖昧な返事を待ち続けるより、白黒をつけた方が早く前に進める

取るべき行動

被害を受けた側:1. 遺言書で、受託者の指定、停止条件や始期の有無、予備の受託者の定めを確認する2. 条件が成就していれば、指定された人に相当の期間(法定の日数はない)を定め、引き受けるかどうかの確答を求める催告を内容証明郵便で送る3. 確答の宛先は相続人である旨を書き添え、相続人どうしで情報を共有する4. 期間内に確答がなければ不引受けが確定する。信託法6条に基づき、裁判所へ受託者の選任を申し立てる

訴えられた側:1. 返事をする前に、信託財産の中身、受益者、信託期間、報酬の定め(信託法54条)を確認する2. 断るなら放置しても不引受けとみなされるが、紛争予防のため期間内に相続人へ書面で辞退を伝える3. 引き受けるなら期間内に相続人宛ての書面で確答し、届いた記録を残す4. 引き受ければ分別管理や帳簿作成の義務が始まるので、司法書士や税理士に相談できる体制を先に整える

時効(請求できる期限):特定の時効はなく、債権の一般消滅時効(民法166条)が問題になる場面でもない。法定の固定期間もない。催告した人が定めた「相当の期間」が満了した時点で、相続人(いなければ受益者または信託管理人)への確答がなければ、引き受けなかったものとみなされる(本条2項・3項)。停止条件や始期が付いた指定では、条件の成就または始期の到来より前に催告することはできない(本条1項ただし書)。定められた期間が短すぎた場合の効果については明文がなく、解釈に委ねられている

改正沿革 AI による整理

  • 平成18年(2006年)信託法全部改正 旧信託法(大正11年法律第62号)を全面的に改めた現行信託法(平成18年法律第108号)の一部として規定された。旧法に同じ趣旨の規定があったかどうか、および制定後の改正の有無は人的検証を要する

改正の年表

  1. 1.平成18年(2006年) 新設:旧信託法(大正11年法律第62号)を全面的に改めた現行信託法(平成18年法律第108号)の一部として規定。旧法との対応関係と制定後の改正の有無は要確認

ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。

信託法の全文を見る所属する編章節を開く:第一章 総則

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

次に調べる

判例を探す:条文単位の判例の紐づけは準備中です。上のカードから法令名で検索できます。裁判所「裁判例検索」で探す ›