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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 収録時点 令和8年7月4日読了 8 分8 分8 分

信託法 第41条(法人である受託者の役員の連帯責任)

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法人である受託者の理事、取締役若しくは執行役又はこれらに準ずる者は、当該法人が前条の規定による責任を負う場合において、当該法人が行った法令又は信託行為の定めに違反する行為につき悪意又は重大な過失があるときは、受益者に対し、当該法人と連帯して、損失のてん補又は原状の回復をする責任を負う。

この条文の基本情報

法人である受託者の役員の連帯責任とは何ですか?

定義法人である受託者の役員の連帯責任とは、信託法第41条に定められた規定で、「法人である受託者の理事、取締役若しくは執行役又はこれらに準ずる者は、当該法人が前条の規定による責任を負う場合において、当該法人が行った法令又は信託行為の定めに違…」と規定しています。

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 信託法第41条(法人である受託者の役員の連帯責任)は、日本の信託法に含まれる条文です。
  2. 信託法第41条の条文原文は「法人である受託者の理事、取締役若しくは執行役又はこれらに準ずる者は、当該法人が前条の規定による責任を負う場合において、当該法人が行った法令又は信託行為の定めに違…」で始まります。
  3. 信託法第41条は第三節 受託者の責任等に置かれています。
  4. 信託法の公布日は平成18年12月15日です。
  5. 信託法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
  6. 信託法第41条の前の条は信託法第40条です。
  7. 信託法第41条の次の条は信託法第42条です。
  8. 信託法第41条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式信託法(平成十八年法律第百八号)第41条
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/418AC0000000108
  • 本サイト収録信託法(平成十八年法律第百八号)第41条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/418AC0000000108/41

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点信託法41条は、法人受託者が40条の責任を負う場合に、法令・信託行為違反につき悪意又は重大な過失のある理事・取締役等が、受益者に対し法人と連帯して損失てん補・原状回復の責任を負う。

Q · 信託の受託者が会社や社団のとき、ミスをした役員個人にも責任を問えるの?

悪意か重大な過失があれば、役員個人も法人と連帯して責任を負う

信託法41条により、法人である受託者が40条の損失てん補・原状回復責任を負う場合、その原因となった法令違反または信託行為違反の行為について悪意または重大な過失のある理事・取締役・執行役等は、受益者に対し法人と連帯して同じ責任を負います。通常の過失にとどまる役員は対象外です。請求権は行使できることを知った時から5年、行使できる時から10年で時効にかかります(同法43条2項)。

解説

信託銀行や信託会社、家族信託の受け皿として作られた一般社団法人。受託者が法人であれば、ミスの責任は「法人の財布」の中で止まると考えがちだ。信託法41条は、その考えに例外を設けている。法人である受託者が任務を怠り、40条の責任(信託財産に生じた損失のてん補、または元の状態に戻す原状回復)を負う場面がある。その原因となった法令違反や信託行為(信託契約や遺言で決めた信託のルール)違反について、理事・取締役・執行役などが悪意(違反だと知っていた)または重大な過失(少し注意すれば気付けたのに見逃した)を持っていれば、その役員個人も法人と連帯して責任を負う。受益者のあなたから見れば、法人にお金がなくても、役員個人の財産という第二の回収先があるということだ。逆に、家族信託の社団で「名前だけ理事」を引き受けた人から見れば、自分の預金や自宅まで責任の範囲に入りうるということになる。

法的な位置づけ

信託法41条は、法人受託者の役員の受益者に対する責任を定める規定である。法人受託者が40条の責任を負う場合で、当該法人の法令違反又は信託行為違反の行為につき理事・取締役・執行役又はこれらに準ずる者に悪意又は重大な過失があるとき、その者は法人と連帯して損失のてん補又は原状の回復の責任を負う。

手順

  1. 1.報告請求と帳簿閲覧で事実を特定する 受託法人に対し、信託事務の報告請求(信託法36条)と帳簿等の閲覧請求(38条)を書面で行い、損失が生じた時期・取引内容・決裁者を特定する
  2. 2.違反した条項と法令を整理する 問題の行為が、信託行為のどの禁止条項、またはどの法令(善管注意義務29条、忠実義務30条、利益相反行為の制限31条など)に違反するかを一覧化する
  3. 3.役員の悪意・重大な過失を示す証拠を保全する 登記事項証明書で違反当時の役員を確認し、理事会議事録・稟議書・メールなど、違反を知っていた、または容易に気付けたことを示す資料を確保する。法人が破産する前に動く
  4. 4.法人と役員の連名あてに内容証明で請求する 受託法人と該当役員の双方を名宛人として、信託財産への損失てん補または原状回復を内容証明郵便で請求する。催告による時効の完成猶予は6か月に限られるため、訴訟提起の準備も並行する
  5. 5.応じなければ訴訟を提起する 法人と役員を共同被告として損失てん補・原状回復請求訴訟を提起する。勝訴すれば、弁護士報酬のうち相当額を信託財産から支弁できる(信託法45条)

よくある質問 AI による整理

Q1信託法41条とは?

法人である受託者が信託違反で損失を出したとき、違反に悪意または重大な過失のある役員も、受益者に対し法人と連帯して損失てん補・原状回復の責任を負うと定めた条文です。

Q2受託法人の役員への請求はいつまでできる?

行使できることを知った時から5年、行使できる時から10年で時効になります(信託法43条2項)。加えて損失等が生じた時から20年の期間制限があります(同条4項)。

Q3信託法41条の「これらに準ずる者」とは誰?

理事・取締役・執行役と同様に法人の業務執行を担う立場の者を指すと解されています。肩書きではなく、実際に法人の意思決定に関与しているかが判断の目安になります。

Q4受託者が個人の場合も41条は使える?

使えません。41条は法人である受託者の役員に関する規定です。個人の受託者は、40条により自ら損失てん補・原状回復の責任を負います。

Q5役員を辞任すれば41条の責任は消える?

原則として消えません。責任は違反行為の時点で役員だったかどうかで判断されるため、後から辞任しても、当時の悪意や重大な過失による責任は残ります。

Q6信託法41条と会社法429条の違いは?

どちらも悪意・重大な過失を要件とする役員の個人責任ですが、41条は受益者に対する責任で、内容は損失てん補・原状回復に限られます。429条は第三者への損害賠償責任です。

Q7受託法人の役員責任はD&O保険で補償される?

保険契約の内容次第です。一般にD&O保険は故意や法令違反を認識した行為を免責とすることが多く、悪意の場合は補償されない可能性が高いため、約款の確認が必要です。

Q8受益者が複数いる場合、誰が役員に請求できる?

40条・41条の請求権は信託行為で制限できない受益者の権利とされ(92条)、各受益者が単独で行使できると解されています。他の受益者の同意を待つ必要はありません。

この条文についての質問 AI による整理

Q1家族信託で社団の理事になってって頼まれたんですけど、何かあったら私も払わされるんですか?

理事であるというだけで払う義務はありません。信託法41条の責任が生じるのは、社団が40条の責任を負い、かつ法令や信託行為に違反する行為について理事に悪意か重大な過失がある場合に限られます。ただし要件を満たせば、社団と連帯して全額が対象になります。実務のポイント:仕組みを提案する専門家は、設計の説明には熱心でも、理事の個人責任の説明は手薄になりがちです。就任前に、理事会の開催や帳簿確認の頻度を定款や信託契約に書き込ませておくと、重大な過失を否定する材料が日頃から積み上がります

Q2信託銀行の役員を個人的に訴えるなんて、現実的にできるんですか?

法的には可能です。ただ、信託銀行は資力が大きいので、法人への40条の請求だけで回収が足りる場合が多く、役員個人を被告に加える意味は、交渉力と事実の解明にあります。実務のポイント:勝訴した受益者は、訴訟費用以外の必要な費用や弁護士報酬のうち、相当と認められる額を信託財産から支弁できます(信託法45条)。費用倒れを恐れて諦める前に、この規定を前提に弁護士と費用の見通しを立てると、判断が変わることがあります

Q3受託者の会社から『この件は了承します』って書類にハンコを求められたんですけど、押して大丈夫ですか?

注意が必要です。受益者は40条や41条の責任を免除できる(信託法42条)ため、文言によっては役員個人への請求権まで手放すことになりかねません。一方で、信託行為によって事前にこの請求権を制限することはできません(92条)。実務のポイント:承認や清算の文言が免除を含むかどうかは、後から解釈の争いになりやすい部分です。押す前に「何についての承認か」「将来の請求を放棄する趣旨を含まないか」を書面で確認し、含むなら削除を求めてください

間違えやすい点 AI による整理

  • 「受託者が法人なら、責任を負うのは法人だけ」と思われがちだが、41条は悪意または重大な過失のある役員を法人と連帯させている。連帯とは、受益者が法人と役員のどちらに対しても、全額を請求できるという意味である
  • 「役員から受けた賠償を、自分の口座に振り込んでもらえるか」という問いの立て方そのものがずれている。41条の責任は40条と同じく損失のてん補と原状回復であり、回復する先は原則として信託財産である。受益者は、回復した信託財産から、信託行為の定めに従って受け取ることになる
  • 個人責任を問われるのは重大な過失以上なので、普通のうっかりなら安全だと軽く見られやすい。しかし、禁止事項が信託契約に明記されているのに確認しなかった、帳簿を一度も見ていない、といった事情は、重大な過失と評価される余地が大きい。非常勤役員の監視義務違反をどこまで含めるかは、実務上解釈が分かれている。家族信託の社団で形だけ理事になる人ほど、この深刻さを知らない
  • 家族の側から見れば「兄妹の揉め事」にすぎないが、法律から見れば受益者の権利の侵害である。40条・41条にもとづく請求権は、信託行為で定めても制限できない権利とされている(92条)。「身内だから話し合いで」と先延ばしにしている間に、時効が進んでいく
比較の観点この条文ほかの条文
責任を負う者信託法41条:法人受託者の理事・取締役・執行役等信託法40条:受託者(法人・個人)自身
会社法429条:株式会社の役員等
主観的要件法令・信託行為違反の行為につき悪意又は重大な過失任務を怠ったこと(悪意・重過失は不要)
職務を行うについての悪意又は重大な過失
請求できる者と責任の内容受益者が、法人と連帯した損失てん補・原状回復を請求受益者が、損失てん補・原状回復を請求
第三者が、生じた損害の賠償を請求
免除・時効受益者による免除可(42条)、知った時から5年・行使できる時から10年(43条2項)受益者による免除可(42条)、一般の債権と同様の時効(43条1項)
民法の一般規定による

他国ではどう定めているか 4 か国

台湾
公司法第23条第2項・信託法第23条

台湾は信託法自体に法人受託者の役員責任を定める明文は置かず、公司法上の負責人の連帯賠償責任で対応する構造。日本のように信託法内で受益者に直接責任を負わせる規定とは整理が異なる

韓国
상법 제401조

韓国商法は理事の第三者責任を悪意・重大な過失要件で定め、日本の会社法429条と類似する。信託分野での役員責任の扱いは信託法の規定と併せて確認が必要

中国
信託法 第22条

中国信託法は受託者の違反に対する原状回復・賠償を定めるが、法人受託者の役員個人を連帯させる明文は確認できない。日本法の役員個人責任はより踏み込んだ構造

アメリカ
Uniform Trust Code § 1002

米国は breach of trust の救済を UTC で定め、法人受託者の役員個人の責任は主に common law の参加者責任等で処理される。州ごとに扱いが異なる

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • 社団の口座が空っぽでも、お金を流用した理事本人に請求できるのか? 父の認知症対策で家族信託を組み、長男が代表理事を務める一般社団法人を受託者にした。その長男が、信託口座の資金を自分の事業の運転資金に回していた。41条を使えば、妹のあなたは、悪意のある理事である長男個人に対して、社団と連帯して損失をてん補するよう求められる
  • あなたは親戚に頼まれて、家族信託の一般社団法人で非常勤理事を引き受けた。報酬はゼロで、理事会に出たこともない。その間に代表理事が、信託契約で禁止されている不動産売却を強行した。帳簿を一度も確認していなかったあなたにも、重大な過失を問われる余地がある。無報酬だからといって免責されるわけではない
  • 信託銀行の担当役員が、利益相反取引(信託法31条)だと知りながら決裁した。銀行が支払えなくなることはまずないが、役員個人も連帯責任を負う側に名前が加わる。
  • 受託法人の不正に気付いてから、もう4年半が経った。役員個人への請求権は、行使できると知った時から5年で時効にかかる(43条2項)。残りは半年しかない。内容証明による催告で時効の完成が猶予されるのは6か月だけ(民法150条)なので、その間に訴えを起こす段取りまで組んでおく必要がある
  • 賃貸ビルを信託受益権の形で購入した投資家。受託者である信託会社が、信託契約で禁止されている関連会社に、相場よりはるかに安い賃料で貸していた。会社の責任を追及するのと並行して、決裁した取締役の悪意や重大な過失を社内の稟議書から立証できれば、交渉の相手を一人増やせる

取るべき行動

被害を受けた側:1. 信託法36条の報告請求と38条の帳簿閲覧請求で、損失が生じた時期と決裁者を特定する2. 違反した行為が、信託行為のどの条項や、どの法令(善管注意義務29条、忠実義務30条など)に反するかを整理する3. 役員の悪意や重大な過失を示す議事録やメールを保全する4. 法人と役員の連名あてに、内容証明で損失のてん補を請求する。応じなければ訴訟を起こす。勝訴すれば、弁護士報酬のうち相当額を信託財産から支弁できる(45条)

訴えられた側:1. 違反行為を知った時期と、知り得た資料を時系列で整理し、悪意も重大な過失もなかったことを示す(通常の過失なら41条の責任は生じない) 2. 決裁の過程で専門家の意見や社内確認を経ていれば、その記録を確保する3. 受益者による免除(42条)や和解の可能性を探る4. D&O 保険(役員賠償責任保険)の補償範囲と事故通知の期限をすぐ確認する5. 支払った場合に法人へ求償できるかも整理しておく

時効(請求できる期限):役員個人への請求権(41条)は、受益者が行使できることを知った時から5年、行使できる時から10年で時効により消滅する(信託法43条2項)。受益者が、自分が受益者に指定されたことを知るまでは、時効は進行しない(同条3項)。さらに、損失や変更が生じた時から20年の期間制限がある(同条4項)(最新の改正状況をご確認ください)

学説

解釈論(非常勤役員の監視義務):法人の違反行為を直接決裁していない非常勤の理事・取締役について、監視義務を怠ったことが本条の「重大な過失」に当たるかは解釈が分かれる。帳簿を一切確認しない、禁止条項を把握していないといった事情は重過失評価に傾きやすいとされる。

改正沿革 AI による整理

  • 平成18年(2006年) 信託法の全部改正(新信託法の制定)に伴い設けられた規定。法人である受託者の役員が悪意または重大な過失により違反行為に関与した場合に、受益者に対する連帯責任を負わせる仕組みを明文化した

改正の年表

  1. 1.平成18年(2006年) 新設:旧信託法(大正11年法律第62号)を全面的に改める新信託法の制定に伴い新設。法人受託者の役員が悪意又は重大な過失により違反行為に関与した場合の、受益者に対する連帯責任を明文化した

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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

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