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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 収録時点 令和8年7月4日読了 7 分7 分7 分

信託法 第61条(費用又は報酬の支弁等)

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  1. 第五十九条第五項又は前条第三項若しくは第五項の規定による請求に係る訴えを提起した受益者が勝訴(一部勝訴を含む。)した場合において、当該訴えに係る訴訟に関し、必要な費用(訴訟費用を除く。)を支出したとき、又は弁護士、弁護士法人、弁護士・外国法事務弁護士共同法人、司法書士若しくは司法書士法人に報酬を支払うべきときは、その費用又は報酬は、その額の範囲内で相当と認められる額を限度として、信託財産から支弁する。
  2. 2.前項の訴えを提起した受益者が敗訴した場合であっても、悪意があったときを除き、当該受益者は、受託者に対し、これによって生じた損害を賠償する義務を負わない。

この条文の基本情報

費用又は報酬の支弁等とは何ですか?

定義費用又は報酬の支弁等とは、信託法第61条に定められた規定で、「第五十九条第五項又は前条第三項若しくは第五項の規定による請求に係る訴えを提起した受益者が勝訴(一部勝訴を含む。」と規定しています。

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 信託法第61条(費用又は報酬の支弁等)は、日本の信託法に含まれる条文です。
  2. 信託法第61条の条文原文は「第五十九条第五項又は前条第三項若しくは第五項の規定による請求に係る訴えを提起した受益者が勝訴(一部勝訴を含む。」で始まります。
  3. 信託法第61条は第二款 前受託者の義務等に置かれています。
  4. 信託法の公布日は平成18年12月15日です。
  5. 信託法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
  6. 信託法第61条の前の条は信託法第60条です。
  7. 信託法第61条の次の条は信託法第62条です。
  8. 信託法第61条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式信託法(平成十八年法律第百八号)第61条
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/418AC0000000108
  • 本サイト収録信託法(平成十八年法律第百八号)第61条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/418AC0000000108/61

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点信託法61条は、信託財産の処分差止訴訟に勝訴した受益者の必要費用と弁護士等の報酬を、相当額を限度に信託財産から支弁すると定める。訴訟費用は対象外。

Q · 信託財産の売却を止める裁判に勝ったら、弁護士費用は誰が払うの?

相当額が信託財産から出る。ただし訴訟費用は対象外

信託法61条1項により、59条5項・60条3項・5項に基づく処分差止めの訴えで受益者が勝訴(一部勝訴を含む)した場合、支出した必要費用と弁護士・司法書士等への報酬は、その額の範囲内で相当と認められる額を限度に信託財産から支弁されます。ただし印紙代などの訴訟費用は除かれ、民事訴訟法61条以下の敗訴者負担に従います。敗訴した場合でも、悪意がない限り受託者への損害賠償義務は負いません(同条2項)。

解説

家族信託で実家を託された長男が急死し、その妻が「うちの財産だから」と売却話を進めている。受益者である母は、相続人に対して処分をやめるよう請求できる(信託法60条3項)。問題は、その裁判の弁護士費用を誰が出すかだ。本条がその答えを決めている。受益者が勝てば、一部勝訴でも、裁判に必要な費用と、弁護士や司法書士に払う報酬が信託財産から支払われる。ただし、実際に払った額の範囲内で「相当と認められる額」までだ。負けても、悪意がない限り受託者に損害賠償をする義務はない。ただし落とし穴がある。払うのは相手個人ではなく、信託財産そのものだ。受益者があなた一人なら、結局は自分の取り分から出ていく計算になる。しかも印紙代などの「訴訟費用」は本条の対象外で、民事訴訟法の敗訴者負担に従う。財布が二つに分かれていると知っているかどうかで、訴訟の損得計算はまるで変わる。

法的な位置づけ

信託法第61条は、受託者の任務終了後に前受託者、その相続人、破産管財人等が行う信託財産の処分について、受益者が提起した差止請求訴訟の費用負担を定める規定である。勝訴時には訴訟費用を除く必要費用と専門職報酬の相当額が信託財産から支弁され、敗訴時にも悪意がない限り受益者は受託者に対する損害賠償義務を負わない。

手順

  1. 1.処分対象が信託財産かを確認する 不動産なら登記簿の「信託」の記載と信託目録、預金なら信託口口座の名義を確認し、信託契約書と照らし合わせて信託財産であることを特定する
  2. 2.処分の中止を書面で請求する 前受託者・相続人・破産管財人に対し、59条5項または60条3項・5項に基づき処分をやめるよう内容証明郵便で請求する。決済日が迫っていれば保全処分を弁護士と検討する
  3. 3.弁護士等と委任契約を結び報酬根拠を明記する 着手金・報酬金の算定根拠を委任契約書に書面で残す。勝訴後に信託財産から支弁される額は相当額が上限のため、相場から大きく外れた報酬設定は避ける
  4. 4.新受託者の選任を並行して進める 信託行為に後継受託者の定めがなければ、利害関係人として裁判所に新受託者の選任を申し立てる(62条)。勝訴後に費用を支弁する主体を確保するための手続でもある
  5. 5.勝訴後に信託財産からの支弁を求める 判決確定後、新受託者に対し、領収書・委任契約書を添えて必要費用と報酬の支弁を請求する。訴訟費用は別途、民事訴訟法の訴訟費用額確定手続で処理する

よくある質問 AI による整理

Q1信託法61条とはどんな規定?

受託者の交代期に前受託者・相続人・破産管財人等が信託財産を処分しようとした際、差止めを求めて訴えた受益者の費用負担を定める規定です。勝訴時は相当額が信託財産から支弁されます。

Q2一部勝訴でも弁護士報酬は信託財産から出る?

出ます。条文は「勝訴(一部勝訴を含む。)」と明記しています。ただし支弁されるのは実際に支払った額の範囲内で相当と認められる額までです。

Q3差止訴訟の印紙代は信託財産から払える?

本条では払えません。1項は「訴訟費用を除く」としており、印紙代や予納郵券などの訴訟費用は民事訴訟法61条以下の敗訴者負担ルールで処理されます。

Q4受益者が差止訴訟に負けたら損害賠償が必要?

悪意がない限り、受託者に対する損害賠償義務は負いません(信託法61条2項)。理由がないと知りながら訴えたような場合に限って賠償責任が生じえます。

Q5司法書士への報酬も信託財産から支払われる?

条文は司法書士・司法書士法人を明記しているため対象になりえます。ただし訴訟代理ができるのは認定司法書士で、簡易裁判所の訴額140万円以下の事件に限られます。

Q6差止請求はいつまでできる?

新受託者などが信託事務を処理できるようになるまでの間に限られます(59条5項ただし書等)。処分が完了すると差し止める対象そのものがなくなる点にも注意が必要です。

Q7受託者が破産したら信託財産はどうなる?

信託財産は受託者の破産財団に属しません(信託法25条1項)。破産管財人が処分しようとすれば、受益者は60条5項に基づき差止めを請求でき、その費用は本条の対象です。

Q8相当と認められる額は誰が決める?

条文に算定基準はなく、まず新受託者との協議で決まり、争いになれば最終的には裁判所の判断になります。委任契約で報酬の算定根拠を書面化しておくことが重要です。

この条文についての質問 AI による整理

Q1裁判に勝ったけど、弁護士費用って誰に請求すればいいの?

請求先は前受託者個人ではなく信託財産で、実務上は新受託者に支払いを求める(信託法61条1項)。額は実際に払った範囲内で、相当と認められる額まで。実務のポイント:新受託者が決まっていなければ、払う人がいない。差止めと並行して新受託者の選任(62条)を進めておかないと、勝ったあとに支払いが宙に浮く。

Q2負けたら、相手の弁護士費用まで払わされるんですか?

本条2項により、悪意がない限り受託者に損害賠償をする義務はない。ただし印紙代などの訴訟費用は、民事訴訟法61条により敗訴者の負担になりうる。実務のポイント:日本では弁護士費用は原則として各自が負担し、敗訴者に回るのは訴訟費用だけだ。賠償リスクがほぼない以上、訴えをためらう理由は思っているより小さい。

Q3家族信託を頼んだ司法書士さんに、そのまま裁判もお願いできますか?

条文は弁護士と並んで司法書士・司法書士法人を明記しており、報酬が信託財産から支払われる余地はある。ただし訴訟代理ができるのは認定司法書士で、簡易裁判所の訴額140万円以下の事件に限られる(司法書士法3条1項6号)。実務のポイント:信託を組成した司法書士は契約の中身を熟知している。地方裁判所の事件になる場合は、その知識ごと弁護士に引き継いでもらうのが近道だ。

間違えやすい点 AI による整理

  • あなたから見れば「勝ったら費用は相手持ち」。法律から見れば「勝ったら信託財産持ち」。受益者があなた一人なら、勝っても実質は自腹に近い。失った分を取り戻すには、前受託者などに対する損害賠償を別に検討するしかない。この違いに気付かないまま勝訴の皮算用をすると、手元に残る額で必ず驚く
  • 訴えにかかったお金はすべて信託財産から出ると思われがちだが、条文は「訴訟費用を除く」と明記している。印紙代や予納郵券などの訴訟費用は、民事訴訟法61条以下の敗訴者負担のルールで処理される
  • 弁護士報酬が全額出るとは限らないことは知っていても、どれだけ削られうるかまでは知られていない。上限は実際に払った報酬額の範囲内で「相当と認められる額」だ。相場から外れた高い着手金で契約すると、超えた部分はあなたの持ち出しになる
  • 「負けたら相手に損害賠償させられるのが怖い」という悩み自体がずれている。2項は、悪意がない限り受託者への賠償義務を否定している。本当に怖いのは賠償ではなく、ためらっている間に処分が終わり、差し止める対象そのものが消えることだ
比較の観点この条文ほかの条文
対象となる訴え信託法61条:受託者の任務終了後、前受託者・相続人・破産管財人等の処分の差止請求(59条5項、60条3項・5項)信託法45条:在任中の受託者の法令・信託行為違反行為の差止請求(44条)
民事訴訟法61条:訴訟一般
勝訴時の費用必要費用と弁護士・司法書士等の報酬の相当額を信託財産から支弁同様に相当額を信託財産から支弁する同旨の規定
訴訟費用は原則として敗訴者が負担、弁護士費用は原則各自負担
敗訴時の責任悪意がない限り受託者への損害賠償義務なし悪意がない限り受託者への損害賠償義務なし
敗訴者が訴訟費用を負担
訴訟費用(印紙代等)の扱い本条の対象外、民訴法のルールに委ねる本条の対象外、民訴法のルールに委ねる
本条が直接規律

他国ではどう定めているか 2 か国

台湾
信託法第18條・第23條

台湾は受託人の違反処分に対する受益人の撤銷権と回復請求を定めるが、勝訴時に弁護士報酬を信託財産から支弁する明文規定は確認できず、費用は民事訴訟法の一般原則による

アメリカ
Uniform Trust Code § 1004

米国の統一信託法典は、裁判所が衡平に応じて合理的な弁護士費用を他方当事者または信託財産から支払わせることができるとし、日本より裁判所の裁量が広い

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • 受託者だった父の会社が破産し、破産管財人が信託口座の預金や信託不動産を売って現金化しようとしていたら、どうなる? 信託財産は受託者の破産財団に入らない(信託法25条1項)。受益者は処分の差止めを請求でき(60条5項)、その訴訟に勝てば、弁護士報酬のうち相当額は信託財産から支払われる
  • あなたは亡くなった兄の相続人として、兄名義の賃貸アパートを売りに出した。ところが登記簿には「信託」の文字がある。受益者から差止訴訟を起こされて負ければ、相手の弁護士報酬は信託財産から支払われ、あなたは売却益どころか物件の管理からも外れる。登記簿を一度見ていれば避けられた争いだ
  • 辞任した受託者が、新しい受託者が決まる前に信託財産の土地の売買契約を結んだと聞いた。決済まであと5日。差止請求ができるのは、新受託者などが信託事務を引き継げるようになるまでの間に限られる(59条5項ただし書)。差止めと新受託者の選任(62条)をどの順番で進めるか、数日で決めなければならない
  • 受益者は姉と自分の二人。差止訴訟に勝ち、弁護士報酬80万円が信託財産から支払われた。姉は「なぜ私の取り分まで減るのか」と怒っている。

取るべき行動

被害を受けた側:1. 登記簿と信託契約書で、処分されそうな財産が信託財産であることを確認する2. 内容証明郵便で処分の中止を請求する(59条5項、60条3項・5項) 3. 同時に新受託者の選任(62条)を進め、勝訴後に費用を払う相手を確保する4. 決済が迫っているなら保全処分を弁護士と検討する。保全の費用が本条の対象になるかは条文上はっきりしないため、事前に確認する5. 報酬の算定根拠を委任契約書に明記する

訴えられた側:1. 登記簿で「信託」の記載を確認する。信託財産であれば処分を直ちに止め、保管と引継ぎの義務(59条3項、60条)を果たす2. 受益者に連絡し、新受託者への引継ぎを急ぐ3. 新受託者として支払いを求められた場合は、報酬が「相当」かどうか内訳を確認する4. 受益者が理由のないことを知りながら訴えたと示せる証拠があれば、2項ただし書の「悪意」に当たるとして賠償請求を検討する

時効(請求できる期限):本条に特定の時効はないが、一般消滅時効(民法166条、債権5年または10年)が適用される。差止請求ができるのは、新受託者などが信託事務を処理できるようになるまでの間に限られる(59条5項ただし書等)。処分が完了すると差し止める対象そのものが消えるため、これが実質的な時間制限になる

学説

通説:本条は受託者在任中の差止訴訟に関する45条と同趣旨の規定であり、受託者の交代期という信託財産が最も危険にさらされる局面で、受益者の監督権行使を費用面から実質的に支える趣旨と理解されている。

改正沿革 AI による整理

  • 平成18年(2006年) 大正11年の旧信託法を全面的に置き換える新信託法の制定に伴って設けられた規定(施行は平成19年9月30日)
  • 令和期(年次要確認) 弁護士・外国法事務弁護士共同法人の制度創設に伴い、報酬支払いの対象に同法人が追加されたとみられる。改正の年次と経緯は人による検証が必要

改正の年表

  1. 1.平成18年(2006年) 新設:大正11年制定の旧信託法を全面的に置き換える新信託法(平成18年法律第108号)の制定に伴い新設。平成19年9月30日施行

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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

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