他人の刑事事件に関する証拠を隠滅し、偽造し、若しくは変造し、又は偽造若しくは変造の証拠を使用した者は、三年以下の拘禁刑又は三十万円以下の罰金に処する。
要点刑法104条は、他人の刑事事件に関する証拠を隠滅・偽造・変造した者を三年以下の拘禁刑又は三十万円以下の罰金に処する。自分の事件の証拠を隠しても本条では処罰されない。
Q · 友人の刑事事件の証拠を隠したら、どんな罪になりますか?
刑法104条の証拠隠滅罪、三年以下の拘禁刑
刑法104条により、他人の刑事事件に関する証拠を隠滅・偽造・変造し、又は偽造変造の証拠を使用した者は、三年以下の拘禁刑又は三十万円以下の罰金に処されます。重要なのは「他人の」事件に限られる点で、自分が被疑者である事件の証拠を自分で隠しても本条では処罰されません(憲法38条の自己負罪拒否特権の反映)。隠滅した証拠が被疑者に有利か不利かは問われません。親族のためにした場合は105条で刑が免除されうるものの、罪自体は成立します。
友人が傷害事件を起こした。あなたは良かれと思って、現場に落ちていた友人のスマホを拾って隠した。この瞬間、あなたは犯罪者になる。刑法104条の証拠隠滅罪、三年以下の拘禁刑だ。ところが奇妙なことに、もし事件を起こしたのが友人ではなくあなた自身なら、あなたが自分のスマホを隠しても罪にならない。条文の「他人の刑事事件」という四文字に、この巨大な落差が隠れている。なぜか。自分の身を守ろうとするのは人間の本能であり、それを罰すれば憲法38条の自己負罪拒否特権と衝突するからだ。だが他人の事件に手を出した瞬間、あなたは国家の刑事司法作用を妨害する側に回る。さらに見落とされがちなのが、隠滅できる証拠は被疑者に不利なものだけではない、有利な証拠を隠しても罪になるという点だ。証拠を消すという行為そのものが、真実発見を妨げるからである。
証拠隠滅罪は、他人の刑事事件に関する証拠を隠滅・偽造・変造し、又は偽造変造の証拠を使用する行為を処罰する罪である。保護法益は国家の刑事司法作用・真実発見であり、自己の刑事事件の証拠を隠す行為は自己負罪拒否の観点から処罰対象外とされる。隠滅対象の証拠が被疑者に有利か不利かを問わない点に特徴がある。
公訴時効は3年です(刑事訴訟法250条2項、長期5年未満の拘禁刑にあたる罪)。起算点は隠滅行為が終了した時点で、本体事件の時効とは別に進行します。
他人の刑事事件の証拠であれば、データの削除も隠滅に当たります。復元されれば削除行為自体が故意を示す証拠になり、かえって不利になることがあります。
証拠隠滅罪(104条)は『物・証拠』を対象とし、犯人蔵匿罪(103条)は『人(犯人)』を匿う行為を対象とします。守る法益はどちらも刑事司法作用です。
他人や会社の刑事事件の証拠であれば、削除を実行した本人が証拠隠滅罪の実行犯になります。組織の指示であっても免責されません。
刑法104条に未遂処罰規定はありません。隠滅・偽造などの行為が完了して初めて成立します。
なります。条文は証拠の内容が被疑者に有利か不利かを問いません。真実発見を妨げる行為そのものが処罰対象だからです。
証人への働きかけは、態様により証人等威迫罪(105条の2)や偽証教唆(169条)の問題となります。物的証拠の隠滅とは別の規定で評価されます。
依頼した本人にも証拠隠滅罪の教唆が成立しうるとされ、解釈が分かれる難しい論点です。共犯事件では特に慎重な判断が必要です。
刑法104条は「他人の刑事事件」の証拠と明記しているため、自分が被疑者・被告人である事件の証拠を自分で隠しても、本条では処罰されません。憲法38条の自己負罪拒否特権の表れです。業界裏話ヒント:ただし他人を巻き込んだ瞬間にアウト。共犯者がいる事件で相手の分の証拠まで消すと『他人の事件』の証拠隠滅に該当しうる。自分の証拠か他人の証拠かの線引きは、実務上、解釈が分かれている論点で、共犯事件では特に慎重な判断が要る
正確には、罪は成立しますが、刑法105条により裁判所が刑を免除できるという仕組みです。配偶者・直系血族・同居の親族などが対象。注意すべきは『免除できる』であって『必ず免除される』ではない点です。業界裏話ヒント:105条は任意的減免なので、悪質性が高いと免除されず前科がつくこともある。家族を守るつもりが自分も被告人になるリスクを、多くの人が『身内なら大丈夫』と取り違えている
条文は『隠滅・偽造・変造・偽造変造証拠の使用』を挙げます。物理的な破棄だけでなく、データの改ざん、嘘の書類の作成、証拠物を隠す行為すべてが含まれます。証人に圧力をかける行為は別途105条の2の証人等威迫罪にもなりうる。業界裏話ヒント:LINEやメールの削除も当然対象で、近年は立件例が増えている。『消したつもり』でも復元されれば、その削除自体が隠滅の故意を示す証拠になり、かえって不利になる
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 対象 | 104条:他人の刑事事件の『証拠(物)』 | — |
| 行為態様 | 隠滅・偽造・変造・偽造変造証拠の使用 | — |
| 法定刑 | 三年以下の拘禁刑又は三十万円以下の罰金 | — |
| 親族特例 | 105条で刑の任意的免除あり | — |
ログインすると、他の読者と一緒にこの条文へメモを残せます。
ログインして共同ノートを始める以下は各文が単独で意味の通る客観的事実です。引用は e-Gov法令検索を基準としてください。