要点刑法163条の2は、支払用カードの電磁的記録を不正に作出した者を十年以下の拘禁刑または百万円以下の罰金に処す。作出・供用・譲渡を独立に処罰し、実際の使用前でも犯罪が成立する。
Q · 偽造カードを作っただけで、まだ使っていなければセーフですか?
セーフではありません。作った時点で既遂です。
刑法163条の2は、人の財産上の事務処理を誤らせる目的で支払用カードの電磁的記録を不正に作出した時点で既遂とします。法定刑は十年以下の拘禁刑または百万円以下の罰金です。実際に使用したか(供用)、第三者に渡したか(譲渡・貸与・輸入)は、それぞれ独立した処罰類型であり量刑事情にすぎません。「まだ一円も引き出していない」「被害者がいない」という段階でも、すでに重罪が成立しています。
カードの裏にある黒い磁気ストライプ、そこに刻まれた数列は、紙幣と同じく「信用そのもの」だ。刑法163条の2は、他人のカード情報をコピーして偽造カードの電磁的記録を不正に作った瞬間、まだ一円も引き出していなくても、十年以下の拘禁刑または百万円以下の罰金を科す。ここがあなたの直感とずれる急所だ。多くの人は「実際に使って初めて犯罪」と思うが、本条は「作った(作出)」「使えるようにした(供用)」「渡した・貸した・輸入した」の三段階を、それぞれ独立に処罰する。つまり、被害者がまだ存在しない段階、誰の口座からも金が消えていない段階で、すでに重罪が成立している。ここで守られているのはあなた個人の財産ではなく、キャッシュレス社会そのものへの信頼だ。だからこそ未遂(163条の5)も、スキマー機器の準備行為(163条の4)も、芋づる式に処罰の網にかかる。
刑法163条の2は支払用カード電磁的記録不正作出罪を定める規定であり、人の財産上の事務処理を誤らせる目的で、クレジットカードや預貯金引出用カードを構成する電磁的記録を不正に作出する行為を処罰する。作出のほか、不正な電磁的記録の供用、当該記録を構成部分とするカードの譲渡・貸与・輸入も同等の刑をもって処罰の対象とする。
クレジットカードや預貯金引出用カードの磁気・ICデータを不正に作る行為を処罰する罪です。刑法163条の2が根拠で、法定刑は十年以下の拘禁刑または百万円以下の罰金です。
私文書偽造(159条)の上限が5年なのに対し、本罪は10年です。守る対象が個人の文書ではなく、キャッシュレス決済システム全体の信頼という社会的法益だからです。
作出の時点で既遂となり、十年以下の拘禁刑の射程に入ります。使用の有無は成立ではなく量刑の問題です。未遂(163条の5)も処罰されます。
長期10年の拘禁刑にあたる罪のため、公訴時効は7年です(刑訴法250条2項)。作出・供用・譲渡は別個の行為として、それぞれ時効が独立に進行します。
対象です。本条1項後段はクレジットカードに加え、預貯金の引出用カードを構成する電磁的記録の不正作出も同様に処罰すると定めています。
163条の2の供用に加え、電子計算機使用詐欺(246条の2)や窃盗が別途成立しえます。複数の罪が併合罪として処理され、刑が加重される可能性があります。
不正作出の目的で器械や原料を準備すると、163条の4の準備罪(3年以下の拘禁刑)に問われます。ただし不正作出の目的の立証が必要です。
ただちに黙秘権を行使し、当番弁護士を呼ぶことです。『目的』と『作出の故意』が成立の核心のため、供述が固まる前の初動が結果を左右します。
『人の財産上の事務処理を誤らせる目的』があれば、自分名義のカードでも163条の2の対象になりえます。純粋な予備用として作るだけなら目的を欠き不成立の余地がありますが、それを店で使えば供用(2項)に該当します。業界裏話ヒント:実務では『目的』の立証が検察の急所です。捜査機関は所持していた機器、検索履歴、複数枚の作成状況から目的を推認しようとする。だから弁護側が『なぜ作ったか』の合理的説明を早期に固められるかどうかで、結論が分かれる
不正作出の目的で器械や原料を準備すると163条の4の準備罪(3年以下の拘禁刑)に問われます。ただ持っているだけでなく『不正作出の目的』が必要で、目的が立証できなければ準備罪も成立しません。業界裏話ヒント:市販のカードリーダー自体は適法な用途も多く、所持イコール犯罪ではない。捜査では機器の改造の有無、他人のカード情報の保有、通信記録が決め手になる。正規の業務用途を示す書類があるかどうかが分水嶺になる
163条の2の2項(供用)は『その目的で』使うことを要件とし、偽造の事実を知らなければ故意を欠き不成立です。ただし、知らなかったことを客観的に示せるかが問題になります。業界裏話ヒント:『知らなかった』は最も主張されやすく、最も信じてもらいにくい弁解です。入手経路、価格の不自然さ、使用態様から故意が推認される。逆に、正規の入手を示すレシートや会話履歴を残していれば、故意の推認を覆す有力な材料になる
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 処罰される行為 | 163条の2:電磁的記録の不正作出・供用・譲渡等 | — |
| 法定刑の重さ | 十年以下の拘禁刑または百万円以下の罰金 | — |
| 成立のタイミング | 偽造データを作出・使用・譲渡した時点 | — |
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