要点刑法 3 条は、日本国外で殺人・傷害・詐欺・性犯罪など一定の重大犯罪を犯した日本国民に日本の刑法を適用すると定める。窃盗・強盗は対象に含まれない。
Q · 海外でやった犯罪は、日本に帰ってきたら日本で裁かれるの?
海外で詐欺や傷害をすれば日本で裁かれるが、窃盗は対象外
刑法 3 条により、日本国外で同条が列挙する重大犯罪(殺人 199 条、傷害 204 条、詐欺 246 条、業務上横領 253 条、不同意性交等 177 条、略取誘拐・人身売買 224〜228 条、放火 108 条、贈賄 198 条など)を犯した日本国民には、行為地の法律にかかわらず日本の刑法が適用されます(属人主義)。現地で不起訴・無罪となっても、刑法 5 条により日本での起訴は別軌道で進みます。一方で窃盗(235 条)と強盗(236 条)は列挙されておらず、対象外です。
バンコクの路上で日本人同士が殴り合い、片方が大怪我を負った。加害者が日本に帰国すれば、日本の警察は傷害罪で捜査し、日本の裁判所で裁ける。刑法3条がそれを可能にする。この規定は、日本国外で一定の重い罪を犯した「日本国民」に、日本の刑法をそのまま適用すると定める。殺人、傷害、詐欺、恐喝、業務上横領、性犯罪、略取誘拐、人身売買、放火、賄賂。並んだ罪名を見れば分かる通り、軽微犯のリストではない。注目すべきは、あなたが信じている「海外でやったから日本は関係ない」が通用しないという点だ。さらに、現地の国で不起訴や無罪になっても、日本での起訴は別軌道で動く(刑法5条)。パスポートは国境を越える鍵だが、日本の刑罰権からあなたを切り離す鍵ではない。
刑法 3 条は国民の国外犯を定める規定であり、日本国外において殺人・傷害・詐欺・恐喝・業務上横領・不同意性交等・略取誘拐・人身売買・放火・贈賄など列挙された重大犯罪を犯した日本国民に対し、属人主義に基づき日本の刑法を適用する旨を規定する。窃盗・強盗は列挙されず適用対象外であり、双罰性(行為地でも犯罪であること)は要件とされない。
AI 輔助整理,以條文原文為準
日本国民が日本国外で犯した一定の重大犯罪に、日本の刑法を適用する制度です。刑法 3 条が根拠で、犯人が日本国民であることを理由に刑罰権を及ぼす属人主義に基づきます。
殺人・傷害・詐欺・恐喝・業務上横領・不同意性交等・略取誘拐・人身売買・放火・贈賄・名誉毀損などが列挙されています。逆に窃盗と強盗は含まれていません。
刑法 3 条が列挙する罪に該当すれば、帰国後に日本の警察が捜査し立件できます。現地で立件されなかったことは、日本での捜査を妨げません。
刑事訴訟法 255 条により、犯人が国外にいる間は公訴時効の進行が停止します。海外に滞在し続けても時効は消化されません。
属地主義(刑法 1 条)は犯罪地が日本国内かで判断します。属人主義(刑法 3 条)は犯人が日本国民かで判断し、行為地が国外でも適用される点が異なります。
業務上横領(253 条)は刑法 3 条の対象です。現地で問われなくても、帰国後に日本で立件されうるため、帰任前に弁護士へ相談すべき局面です。
刑法 3 条の国民の国外犯では双罰性(行為地でも犯罪であること)は要件とされません。列挙犯罪に該当すれば、行為地の法律にかかわらず適用されます。
加害者が日本人なら、帰国を待って日本の警察に告訴できます。刑法 3 条が、現地で動かない場合の最後の足場になります。証拠保全を早めに行いましょう。
そうとは限りません。刑法5条は、外国で確定判決を受けても日本で同じ行為について改めて処罰できると定めます(外国で執行された刑は日本の刑の執行で考慮)。一事不再理は国境を越えないのです。業界裏話ヒント:「現地で釈放された」という報道を見て安心するのは早い。日本の検察は外国の処分とは独立に起訴・不起訴を判断するため、海外での結末は日本での立件可能性を消さない
刑法3条の国外犯では、いわゆる双罰性(行為地でも犯罪であること)は要件とされていません。列挙された罪に該当すれば、行為地の法律がどうであれ日本国民には日本刑法が適用されます。業界裏話ヒント:刑法2条(保護主義)と3条(属人主義)は双罰性不要、これに対し3条の2(国民以外の者の国外犯)や4条の2(条約による国外犯)は要件が異なる。どの条文が根拠になるかで結論が変わるので、専門家は最初にそこを切り分ける
業務上横領(253条)・詐欺(246条)・恐喝(249条)は刑法3条の対象ですが、窃盗(235条)と強盗(236条)はこの一覧に入っていません。同じ財産犯でも線引きが違うのです。業界裏話ヒント:この非対称は条文を逐一読まないと気付けない。海外でのリスク評価で「財産犯なら全部対象」と雑にまとめると判断を誤る。一覧の罪名を一つずつ照合するのが実務の作法だ
刑法198条の贈賄は日本の公務員を相手にした場合の規定で、外国公務員は対象外です。ただし不正競争防止法18条が外国公務員への贈賄を禁じ、日本国民の国外犯として処罰します(同法21条)。業界裏話ヒント:海外進出企業の法務が最も警戒するのがこれ。現地の商習慣だと思って渡したファシリテーション・ペイメントが、日本で外国公務員贈賄罪になりうる。刑法3条の発想が特別法側で生きている典型例だ
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 適用の根拠原理 | 刑法 3 条:属人主義(日本国民であること) | — |
| 対象者 | 日本国民 | — |
| 対象犯罪の範囲 | 列挙された重大犯罪のみ(窃盗・強盗は除外) | — |
| 双罰性の要否 | 不要(行為地で犯罪でなくても適用) | — |
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