第百八十九条の罪を犯して、死体、遺骨、遺髪又は棺に納めてある物を損壊し、遺棄し、又は領得した者は、三月以上五年以下の拘禁刑に処する。
要点刑法 191 条は、墳墓を発掘して死体・遺骨・遺髪・棺内の物を損壊・遺棄・領得した者を 3 月以上 5 年以下の拘禁刑に処する結合犯規定で、保護法益は死者への宗教的感情である。
Q · 先祖代々の自分の家の墓でも、勝手に掘り起こして遺骨を動かしたら犯罪になるの?
なる。無許可で掘り遺骨を壊せば最大 5 年の拘禁刑
刑法 191 条により、墳墓発掘罪(189 条)を犯したうえで、出てきた死体・遺骨・遺髪・棺内の物を損壊・遺棄・領得すると、3 月以上 5 年以下の拘禁刑になります。本条が守るのは財産権ではなく死者への宗教的感情なので、自家の墓・自分の所有物であっても「自由に処分してよい物」ではありません。改葬には墓地埋葬法 5 条に基づく市町村長の許可という決まった手順があり、許可を取る前に掘れば、たとえ供養目的でも本条の射程に入ります。
親が亡くなり、田舎の墓を引き払って都会の納骨堂に移そうと考えた。よかれと思って自分で墓石をどけ、土を掘り返し、骨壺を取り出す。その瞬間、あなたは刑法191条の構成要件に片足を踏み入れている可能性がある。本条は二つの罪を結合した加重犯だ。墓を掘り起こす行為(189条の墳墓発掘)に、出てきた死体・遺骨・遺髪・棺の中の副葬品を壊す、捨てる、持ち去る行為(190条の行為)が連続したとき、刑が跳ね上がる。墳墓発掘だけなら2年以下、死体損壊等だけなら3年以下だが、両方が結合した191条は3月以上5年以下の拘禁刑になる。ここで守られているのは「財産」ではない。死者を敬う宗教的感情、つまり社会全体が共有する敬虔な気持ちだ。だから先祖代々あなたの家の墓であっても、自分の所有物だからという理屈は通らない。改葬には墓地埋葬法に基づく市町村長の許可という、決まった手順が用意されている。
刑法 191 条は墳墓発掘死体損壊等罪を定める規定であり、189 条の墳墓発掘罪を犯した者が、発掘により現れた死体・遺骨・遺髪または棺に納めてある物を損壊・遺棄・領得した場合に成立する結合犯である。墳墓発掘罪(189 条・2 年以下)と死体損壊等罪(190 条・3 年以下)の各単独犯より重く処断される加重類型として機能する。
墳墓を発掘する行為を処罰する刑法 189 条の罪です。2 年以下の拘禁刑。出てきた遺骨等を損壊・遺棄・領得すると 191 条の結合犯となり 5 年以下に加重されます。
必要です。墓地埋葬法 5 条で、遺骨を別の場所へ移す改葬には市町村長の改葬許可が要ります。許可前に掘ると無許可の墳墓発掘になりえます。
現在の墓地管理者の埋葬証明と移転先の受入証明を添え、現墓地のある市町村役場に改葬許可申請書を提出します。許可証が手元に届いてから撤去作業を行うのが安全です。
なりえます。無許可で墓を掘れば墳墓発掘罪、出てきた遺骨を移動・持ち去れば領得として刑法 191 条の対象になります。遺骨は通常の財物ではありません。
191 条の長期は 5 年なので公訴時効は 5 年(刑訴 250 条 2 項)。起算点は犯罪行為が終わった時です(同 253 条)。最新の改正状況をご確認ください。
必要です。作業を止めて警察に届けてください。自己判断で埋め戻したり処分したりすると領得・遺棄として 190 条・191 条に問われうるためです。
墓埋法違反は行政罰(罰金・拘留等)ですが、無許可の発掘に遺骨の損壊・遺棄が結合すると刑法 191 条の拘禁刑が別途科されます。行政罰と刑事罰は別物です。
金銭交渉が長引いても、改葬許可を取らずに墓を撤去・遺骨を搬出すれば刑事リスクが生じます。まず許可を取り、離檀料の当否は別途協議するのが安全です。
改葬許可を取らずに掘れば、墳墓発掘罪(刑法189条)が成立しえます。さらに掘り出した遺骨を壊したり捨てたり持ち去ったりすれば、191条で3月以上5年以下の拘禁刑です。墓地埋葬法5条で、改葬には市町村長の許可が必要だからです。業界裏話ヒント:実務では、施主本人ではなく石材店が撤去作業をします。良心的な石材店は改葬許可証を確認してからでないと着手しません。逆に「許可は後でいい」と言う業者は危険信号。許可証を見せてから動いてもらうのが、自分を守る最も確実な順番です
自己判断で埋め戻したり処分したりせず、作業を止めて警察に届けてください。勝手に動かせば領得・遺棄として190条・191条に問われうるうえ、事件性の判断は警察の役目だからです。業界裏話ヒント:建設現場では古い墓地跡からの出土が一定の頻度であります。届け出れば、その後は警察・自治体・場合によっては教育委員会(埋蔵文化財)が引き継ぎます。現場が恐れるのは工期遅延ですが、無断処分が後で発覚したときの刑事リスクと工事中止命令の方が、はるかに大きい損失になります
窃盗ではありません。遺骨は通常の「財物」ではないため、刑法190条・191条の領得の問題として扱われます。同時に、誰が遺骨を管理する権限を持つかは、祭祀承継者を定める民法897条で決まります。業界裏話ヒント:遺骨の取り合いは刑事告訴しても、警察が親族間トラブルとして及び腰になることが多いのが実情です。むしろ家庭裁判所で祭祀承継者を確定させ、正当な管理権者として遺骨の引渡しを求める方が、現実的に遺骨を取り戻す近道になることが少なくありません
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 成立要件 | 191 条:墳墓発掘 + 死体・遺骨・遺髪・棺内物の損壊・遺棄・領得(結合犯) | — |
| 法定刑 | 3 月以上 5 年以下の拘禁刑 | — |
| 典型場面 | 無許可で墓を掘り、出てきた遺骨を壊す・捨てる・持ち去る | — |
ログインすると、他の読者と一緒にこの条文へメモを残せます。
ログインして共同ノートを始める以下は各文が単独で意味の通る客観的事実です。引用は e-Gov法令検索を基準としてください。