前条第一項第三号又は第四号に掲げる物の全部又は一部を没収することができないときは、その価額を追徴することができる。
要点刑法 19 条の 2 は、犯罪により得た物(19 条 1 項 3 号・4 号)を没収できないとき、その価額を追徴できると定める。費消しても価額として回収され、賄賂・薬物では必要的となる。
Q · 犯罪で得たお金をもう使い切ってしまったら、もう取られないんですか?
使い切っても価額が追徴され、取られます。
刑法 19 条の 2 により、19 条 1 項 3 号・4 号に掲げる物(犯罪により生じ・得た物、その報酬や対価)の全部または一部を没収できないときは、その価額が追徴されます。現金を費消しても、別の資産に形を変えても、価額に換算して回収されるため『使い切れば取られない』は通用しません。賄賂罪(刑法 197 条の 5)や薬物事犯では没収・追徴が必要的です。罰金と異なり追徴に労役場留置はなく、財産への強制執行(刑訴 490 条)で回収されます。
賄賂で受け取った現金を生活費で使い切った。詐欺で得た金を別の口座に移した。麻薬の売上を豪遊で消した。こういうとき、国は「物そのもの」を取り上げられない。だが諦めない。刑法19条の2が用意しているのは、没収できない犯罪収益について、その金額分をあなたから取り立てる仕組みだ。これが追徴である。対象は19条1項3号(犯罪によって生じた物、得た物、犯罪の報酬として得た物)と4号(その対価として得た物)。使ってしまっても、形を変えても、価額に換算して回収される。重要なのは、これが罰金とは別物だという点だ。罰金は払えなければ労役場に留置されるが(刑法18条)、追徴に労役場留置はない。代わりに、あなたの財産へ強制執行がかかる(刑訴490条)。逃げ切れると思って消費した金は、価額という影になって追いかけてくる。
追徴とは、没収の対象となる物(刑法 19 条 1 項 3 号・4 号)を費消・処分等により没収できない場合に、その価額に相当する金銭を国が取り立てる処分をいう。没収が現物を対象とするのに対し、追徴はその代替として価額を対象とする付加的処分であり、付加刑たる没収を補完する機能を持つ。
犯罪で得た物を没収できないとき、その価額を国が取り立てる処分です。刑法 19 条の 2 が根拠で、現物没収の代替として金額で回収します。
没収は犯罪に関係する現物そのものを取り上げる処分、追徴はそれを没収できないときに価額を取り立てる処分です。追徴は没収の代替手段にあたります。
原則は任意的で裁判所の裁量があります。ただし賄賂罪(刑法 197 条の 5)や薬物事犯は特則で必要的とされ、必ず科されます。
実務では得た額(受領額・粗)を基準にし、原価や経費を控除しない運用が一般的です。評価の時点や犯罪収益性が争点になります。
原則として各共犯が自分の受領した分について追徴されます。全員が全額を連帯して負うわけではありません。
判決確定後、検察官の命令により財産へ強制執行されます(刑訴 490 条)。納付しなければ財産から回収されます。
されます。その対価として得た物(19 条 1 項 4 号)として追徴対象になり、形を変えても射程から逃れられません。
被害者のいる財産犯では、得た金は本来被害者に返すべきものとして、判決前の被害回復が進むと追徴対象から外れる余地があります。
取られます。賄賂罪では没収・追徴が必要的(刑法197条の5)で、現金を費消しても受領額が価額として追徴されます。使った・残っているは結論を変えません。業界裏話ヒント:追徴額は受け取った額そのままで、生活費に消えた分も控除されない。さらに共犯がいても、各自が自分の受け取った分について追徴されるのが原則です
行きません。これが罰金との決定的な違いです。罰金・科料は払えないと労役場留置(刑法18条)ですが、追徴に労役場留置はなく、財産への強制執行(刑訴490条)で回収されます。業界裏話ヒント:だから「払えないから身代わりに入る」はできない一方、回収できる財産が実際になければ、執行されないまま終わることもある。資力の有無で結末が大きく分かれます
原則として引かれません。実務では追徴額を「得た額」(受領額・粗利益)で計算し、原価や手数料を控除しない運用が一般的です(事案により判断が分かれる場面もあります)。業界裏話ヒント:「儲けは少なかった」という弁解は追徴額をほとんど下げない。争うなら、その金が本当に犯罪収益なのか、評価の時点はいつかという算定の前提から崩す必要があります
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 対象 | 追徴(19 条の 2):没収できない物の価額(金銭) | — |
| 発動の前提 | 19 条 1 項 3 号・4 号の物を没収できないこと | — |
| 支払えない場合 | 労役場留置なし、財産へ強制執行(刑訴 490 条) | — |
| 性質 | 付加的処分、原則任意的(賄賂・薬物は必要的) | — |
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