事実を摘示しなくても、公然と人を侮辱した者は、一年以下の拘禁刑若しくは三十万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。
要点刑法 231 条の侮辱罪は、事実を摘示しなくても公然と人を侮辱すれば成立し、2022 年の改正で一年以下の拘禁刑または三十万円以下の罰金まで科されうる。
Q · 「バカ」「ブス」って書いただけで犯罪になるの?
公然と人を侮辱すれば、事実を書かなくても侮辱罪が成立します
刑法 231 条の侮辱罪は、事実を一つも摘示しなくても、公然と人を侮辱すれば成立します。不特定または多数人が見られる SNS やレビュー欄での罵倒が典型です。2022 年の改正で法定刑が引き上げられ、一年以下の拘禁刑または三十万円以下の罰金が科されうるほか、拘留・科料もあります。親告罪(232 条)なので被害者の告訴が必要ですが、告訴期間内に動かれれば刑事手続が始まります。
深夜、匿名アカウントで芸能人に「消えろ、ブス」と一言送る。その指の動きが、今は前科に直結する。かつて侮辱罪は拘留(30日未満の留置)か科料(1万円未満の支払い)だけの、刑法で最も軽い罪の一つだった。だが 2022 年、ネット上の誹謗中傷で命を絶つ人が相次いだことを受けて法定刑が一気に引き上げられ、「一年以下の拘禁刑若しくは三十万円以下の罰金」が加わった。名誉毀損罪(230 条)との決定的な違いは、具体的な事実を一つも言わなくても成立する点にある。「バカ」「無能」「ブス」のように、人格を貶める評価を不特定または多数の人が知りうる状態で投げつければ、それだけで犯罪になる。公然性、つまり「他人に伝わりうるか」が分水嶺だ。クローズドな DM は原則対象外、誰でも見られるリプライ欄やレビュー欄は直撃する。あなたが何気なく押した送信ボタンの一回が、人生に傷を残す側にも、回復を求める側にも回りうる。
侮辱罪は、刑法 231 条が定める犯罪であり、事実を摘示することなく、公然と他人を侮辱する行為を処罰する。公然性とは不特定または多数人が認識しうる状態をいい、具体的事実の摘示を要件とする名誉毀損罪(230 条)とは区別される。親告罪であり、告訴がなければ公訴を提起することができない。
刑法 231 条が定める犯罪で、事実を摘示しなくても公然と人を侮辱すれば成立します。名誉毀損罪と違い、具体的事実が一切なくても処罰対象になります。
名誉毀損(230 条)は具体的事実の摘示が要件ですが、侮辱罪(231 条)は事実ゼロの人格攻撃を罰します。名誉毀損には真実性による免責がありますが、侮辱罪にはありません。
2022 年の厳罰化で公訴時効が 1 年から 3 年へ延びました。親告罪のため、犯人を知った日から 6 か月以内に告訴する必要もあります(刑訴法 235 条)。
誰でも見られる SNS・リプライ欄・レビュー欄での罵倒は公然性を満たし、侮辱罪が成立しえます。鍵付きの一対一の DM は原則対象外です。
投稿の URL・スクショ・日時を保全し、発信者情報開示請求で相手を特定したうえで、6 か月以内に警察へ告訴します。民事の慰謝料請求も並行できます。
匿名投稿の発信者をプロバイダのログから特定する手続です。情報流通プラットフォーム対処法に基づき、ログ保存期間が短いため早期の対応が重要です。
事案により幅がありますが、ネットの侮辱では数万円から数十万円が一つの目安とされます。発信者特定費用や弁護士費用も別途考慮が必要です。
有罪が確定すれば前科がつきます。ただし親告罪のため、告訴前の謝罪・削除・示談で告訴自体を回避できれば、刑事手続そのものが始まりません。
公然性があれば侮辱罪(231 条)は成立しえます。不特定または多数が見られる SNS やレビュー欄なら、一語でも対象です。ただし即逮捕より、発信者情報開示で特定されてから告訴という流れが実際は多い。業界裏話ヒント:侮辱罪は親告罪(232 条)なので、被害者が告訴しなければ刑事手続は始まりません。逆に言えば、告訴される前に謝罪と削除で和解すれば事件化を止められる。特定された後に弁護士を通じて先手を打てるかどうかが、前科がつくかどうかの分かれ目です
名誉毀損(230 条)と侮辱(231 条)は別物です。名誉毀損は具体的事実の摘示が要件で、真実性が証明できれば免責の余地(230 条の 2)がある。侮辱は事実ゼロの人格攻撃なので、その免責ルートがそもそも使えません。業界裏話ヒント:罵倒する側は「事実を書かなければ安全」と誤解しがちですが、事実を避けたことで真実性の抗弁という逃げ道を自分で塞いでいる。弁護士は告訴を組むとき、事実摘示の有無を見て名誉毀損と侮辱のどちらで攻めるかを最初に振り分けます
メンバーの人数と性質によります。公然性は不特定または多数人が認識しうる状態を指すので、数人の鍵付きクローズドな会話では成立しにくく、十数人以上や転送されうる場では成立の余地が出ます。業界裏話ヒント:判例は「伝播可能性」も重視します。少人数でも、そこから外部へ広まる蓋然性が高ければ公然性ありと判断されたケースがある。スクショして拡散される前提のグループは、内輪のつもりでも法的には公然になりうると考えておくべきです
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 事実の摘示 | 不要(事実ゼロの罵倒でも成立) | — |
| 免責の余地 | 真実性の抗弁なし(逃げ道が使えない) | — |
| 法定刑 | 1 年以下の拘禁刑/30 万円以下の罰金/拘留/科料 | — |
| 保護法益 | 外部的名誉・人格的評価(事実不問) | — |
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