他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。
要点刑法 235 条は、他人の財物を窃取した者を窃盗の罪とし、十年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処すると定める。成立には判例上「不法領得の意思」が必要とされる。
Q · 万引きで捕まったら、もう前科がついて人生終わりですか?
必ずしも前科はつかない。起訴前の示談が分岐点
刑法 235 条の窃盗罪は最高で拘禁刑 10 年と重いですが、初犯・軽微・被害弁償済みなら、警察段階の微罪処分や検察の起訴猶予で前科がつかずに終わることがあります。前科がつくのは正式起訴で有罪になるか、略式起訴で罰金を払った場合です。決定的なのは、検察官が起訴・不起訴を判断する「前」に被害店舗へ弁償・謝罪し示談を成立させること。同じ努力でもタイミングが数週間ずれるだけで、前科の有無という一生残る差になります。
コンビニでおにぎり一個をポケットに入れた。駐輪場で鍵のかかっていない自転車に乗って帰った。会社の備品を「どうせ余ってるから」と持ち帰った。法律から見れば、この三つはすべて同じ「窃盗」である。刑法 235 条は「他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する」と定める。あなたが知っておくべきは二つ。第一に、条文の文字には書かれていないが、窃盗が成立するには「不法領得の意思」(持ち主を排除して自分のものとして使う意思、判例で確立)が必要で、これがあるかないかで「ちょっと借りただけ」が罪になるか分かれる。第二に、窃盗は日本の刑事事件の中で件数が最も多く、その大半は万引きや自転車盗の軽微事案だ。だからこそ初犯であれば微罪処分・起訴猶予という出口があり、その鍵を握るのが被害弁償と示談である。捕まった瞬間に前科が確定するわけではない、そこから先の動き方で人生が分かれる。
刑法 235 条は窃盗罪を定める規定であり、他人が占有する財物を、その意思に反して自己又は第三者の占有に移す行為を処罰する。成立には客観的な窃取行為に加え、判例上確立した不法領得の意思、すなわち権利者を排除して他人の物を自己の所有物としてその経済的用法に従い利用・処分する意思を要する。
他人が占有する財物を、その意思に反して自己又は第三者の占有に移す犯罪です。刑法 235 条が根拠で、十年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処せられます。
権利者を排除して他人の物を自分の所有物として経済的用法に従い利用・処分する意思のこと。判例上、窃盗成立に必要とされ、一時使用との区別の基準になります。
窃盗罪の公訴時効は 7 年です(法定刑の長期が拘禁刑 10 年のため、刑事訴訟法 250 条)。起算点は犯罪行為が終わった時点です。
なり得ます。刑法 245 条は電気を財物とみなすため、業務用コンセントからの無断充電も理論上は窃盗に当たります。実務で立件されるのは稀です。
窃盗は他人の占有を侵害して財物を奪う罪、横領は自分が占有を委ねられた物を着服する罪です。物の占有が誰にあったかで適用条文が変わります。
盗犯等防止法 3 条により、常習として窃盗を反復した者は刑が大幅に加重され、三年以上の有期拘禁刑となります。初犯より格段に重く処罰されます。
処罰されます。刑法 243 条が窃盗の未遂を処罰対象としています。財物に手をかけ占有を移そうとした段階で未遂が成立し得ます。
被害が軽微で被害弁償・示談が済んだ事案について、警察限りで手続を終え検察に送致しない処分です。前科はつかず、初犯の軽微な窃盗で活用されます。
必ずしもつきません。初犯で被害額が小さく、被害店舗に弁償・謝罪して示談が成立すれば、微罪処分(警察段階で終了)や起訴猶予(検察が起訴しない)になる可能性が高く、その場合は前科がつきません。業界裏話ヒント:起訴猶予と無罪は別物で、起訴猶予でも前歴(警察・検察の記録)は残ります。前科がつくのは正式起訴されて有罪になった場合か、略式起訴で罰金を払った場合。だからこそ、起訴される前に弁償と示談を済ませて起訴猶予に持ち込むことが決定的に重要です(最新の運用状況をご確認ください)
なる可能性があります。刑法 242 条により、他人が占有している物は、たとえ自分の所有物でも窃盗罪の客体になりえます。日本は自力救済(実力での権利回収)を原則禁止しているためです。業界裏話ヒント:「自分の物だから取り返して当然」という正義感が、そのまま窃盗の被告人席につながるのが実務でよくある落とし穴。正しい回収手段は内容証明での請求、支払督促、少額訴訟(60 万円以下)です。腹立たしくても、手を出した瞬間に立場が逆転します
親族関係によります。刑法 244 条の親族相盗例により、配偶者・直系血族(親子等)・同居の親族の間の窃盗は刑が免除され、それ以外の親族(同居していない兄弟姉妹等)の場合は親告罪、つまり被害者の告訴がなければ起訴されません。業界裏話ヒント:この特例は窃盗・横領・詐欺など財産犯の一部にだけ適用され、強盗には適用されません。また、対象が親族でも、所有者が第三者(例:家族が預かっている他人の物)の場合は特例が及ばないことがある。家庭内だから安全と決めつけると、ケースによっては普通に立件されます
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 行為の手段 | 窃盗(235 条):暴行・脅迫を用いず、ひそかに占有を奪う | — |
| 財物の占有 | 他人の占有を侵害して移転させる | — |
| 法定刑 | 十年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金 | — |
| 不法領得の意思 | 必要(判例)。一時使用は不可罰の余地 | — |
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