要点刑法236条は、暴行又は脅迫で他人の財物を強取する行為を強盗罪とし、5年以上の有期拘禁刑を定める。暴行・脅迫は反抗を抑圧する程度を要し、これに達しなければ恐喝罪となる。
Q · 脅して金を取ったら、全部強盗罪になるんですか?
暴行・脅迫が反抗を抑圧する程度かで強盗か恐喝かが分かれます
刑法236条1項は、暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取する行為を強盗罪とし、5年以上の有期拘禁刑を定めます。決定的なのは暴行・脅迫の強さで、判例は「相手方の反抗を抑圧するに足りる程度」を要求します。この一線を超えれば強盗、超えなければ恐喝罪(249条、下限なし)です。さらに2項は、財物そのものでなく財産上不法の利益を得る行為(料金の支払い免脱、債務免除の強要など)も強盗として処罰します。手に何も持ち帰らなくても成立する点に注意が必要です。
強盗と聞いて思い浮かぶのは、覆面で銀行に押し入る場面かもしれない。だが刑法236条が本当に問うのは、もっと地味で身近な境界線だ。「暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した者」、ここで決定的なのは暴行・脅迫の強さである。判例は「相手方の反抗を抑圧するに足りる程度」を要求する。この一線を超えれば強盗(下限は拘禁刑5年)、超えなければ恐喝(249条、下限なし)。同じ「脅して金を取る」でも、ナイフを突きつけたか、ただ凄んだだけかで、刑が天と地ほど変わる。さらに2項は見落とされがちだ。財物そのものでなく「財産上の利益」を奪っても強盗になる。暴行でタクシー代を踏み倒す、借用書を脅して破棄させ債務を逃れる、これらも236条2項の強盗だ。あなたが酔った勢いで踏み込んだ一線が、人生を5年単位で塗り替える。
刑法236条は強盗罪を定める規定であり、暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取する行為を1項で、暴行又は脅迫により財産上不法の利益を得又は他人に得させる行為を2項で処罰する。ここでの暴行・脅迫は相手方の反抗を抑圧するに足りる程度であることを要し、これに至らない場合は恐喝罪との区別が問題となる。法定刑は5年以上の有期拘禁刑である。
公訴時効は10年です(刑事訴訟法250条2項3号、強盗罪の長期は有期拘禁刑の上限20年)。犯罪行為が終わった時から起算されます。
窃盗犯が財物を取り返されまいとし、または逮捕を免れるため等に暴行・脅迫を加える罪です(刑法238条)。強盗として処断され、万引きの居直りが典型例です。
強盗の機会に人を負傷させると強盗致傷罪(刑法240条前段)に上がり、法定刑は6年以上の有期拘禁刑です。けがの有無で重さが一段階変わります。
下限が5年のため、態様・被害・前科で幅がありますが、執行猶予は酌量減軽がない限り付きにくく、実刑となる例が少なくありません。個別事情で大きく変動します。
あります。刑法243条が強盗の未遂を処罰します。財物の取得に至らなくても、暴行・脅迫に着手すれば未遂として処断されます。
被害者の主観ではなく、凶器の有無・人数・場所・時間帯などの客観的状況から、社会通念上反抗を抑圧するに足りるかで判断されます。
共同正犯(刑法60条)として各自が強盗罪の責任を負います。見張りや待機役でも、共謀と一部実行があれば全体について責任を問われます。
なり得ます。下限が5年で、執行猶予は原則3年以下の言渡しにしか付かないため(刑法25条)、減軽がなければ初犯でも実刑となる場合があります。
境界は「暴行・脅迫が相手の反抗を抑圧する程度に達したか」です(刑法236条と249条)。ナイフを突きつける、複数人で取り囲むなら強盗、ただ凄んで脅すだけなら恐喝になりやすい。強盗は下限5年、恐喝は10年以下で下限なし。業界裏話ヒント:この境界は被害者の主観ではなく、客観的状況(凶器・人数・場所・時間帯)で判断されます。取調べで「相手は怖がっていた」と言われても、客観的に反抗抑圧に至らなければ恐喝。弁護人がこの一点を争えるかで刑が大きく変わる
原則は窃盗(235条)です。すれ違いざまにバッグを奪って走り去るだけなら、暴行が反抗を抑圧する程度に至らないからです。ただし被害者が掴んで離さないのを引きずる、転倒させて奪うなど暴行が強まれば強盗(236条)、怪我をさせれば強盗致傷(240条)に上がります。業界裏話ヒント:同じひったくりでも、被害者の抵抗にどう対応したかで罪名が三段階に分かれる。「走って逃げただけ」と「引きずった」の境目が、窃盗と強盗の分かれ目です
本当です。刑法236条2項(強盗利得罪)は「財産上不法の利益」を対象にします。暴行・脅迫でタクシー料金の支払いを免れる、借金の証文を破棄させて債務を逃れる、こうした利益を得れば手ぶらでも強盗です。業界裏話ヒント:2項強盗は「強盗=物を奪う」という世間のイメージから外れるため、本人が罪の重さを自覚しないまま自白するケースがある。支払いトラブルが暴行を伴った時点で、脅迫や恐喝では済まない可能性がある
可能性はありますが容易ではありません。強盗罪の下限は5年で、執行猶予は原則3年以下の言渡しにしか付かない(刑法25条)ため、酌量減軽(66条)などで刑を下げないと執行猶予の土俵に乗りません。業界裏話ヒント:カギは起訴前の示談です。検察官が起訴を決める前に被害者と示談できれば、起訴猶予で前科がつかない道も残る。起訴後では量刑が下がるだけで前科は避けられない。逮捕直後の数日間の動きが、その後の人生を分ける
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 暴行・脅迫の程度 | 強盗罪(236条):反抗を抑圧するに足りる程度を要する | — |
| 客体 | 1項は財物、2項は財産上不法の利益 | — |
| 法定刑の下限 | 5年以上の有期拘禁刑(下限あり) | — |
| 境界の典型例 | ナイフを突きつける/複数人で取り囲む | — |
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