強盗が、人を負傷させたときは無期又は六年以上の拘禁刑に処し、死亡させたときは死刑又は無期拘禁刑に処する。
要点刑法240条は、強盗が人を負傷させると無期又は六年以上の拘禁刑、死亡させると死刑又は無期拘禁刑に処すと定める。死傷は「強盗の機会」に生じれば足りる。
Q · 強盗のときに相手にちょっと怪我をさせただけでも、そんなに罪が重くなるの?
はい、負傷だけで下限六年、執行猶予はほぼ消えます
刑法240条前段により、強盗が人を負傷させると無期又は六年以上の拘禁刑となります。下限六年は拘禁刑三年超で執行猶予が原則つかない水準(刑法25条)のため、初犯でも実刑がほぼ確定します。死亡させれば後段で死刑又は無期拘禁刑。しかも死傷は殴打などの手段に限らず、逃走中の一押しや被害者が逃げて転んだ怪我など「強盗の機会」に生じたもので足ります。
コンビニ強盗が店員を突き飛ばして転倒させ、軽い打撲を負わせた。それだけで刑が別次元へ跳ね上がる。240条前段「強盗が、人を負傷させたとき」は無期又は六年以上の拘禁刑。通常の強盗(236条)が五年以上なのに、たった一つの打撲で下限が六年、上限は無期まで届く。さらに死亡させれば死刑又は無期。ここで握っておくべき急所が二つある。第一に、死傷は強盗の「手段」である必要がない。逃走中に突き飛ばした、被害者が逃げようとして自分で転んで怪我した、そういう「強盗の機会」に生じた死傷でも240条が適用される(機会説、判例)。第二に、後段の「死亡させた」には、過失で死なせた場合だけでなく、殺意をもって殺した強盗殺人も含まれる(判例)。つまりこの一条の中に、過失致死から計画的な強盗殺人まで、性質のまったく違う行為が同居している。あなたが報道で「強盗殺人」と聞くとき、それはこの240条後段のことだ。
刑法240条は強盗致死傷罪を定める規定であり、強盗(236条以下)の機会に人を負傷させ又は死亡させた場合に、結果の重大性に応じて刑を加重する。負傷のときは無期又は六年以上の拘禁刑、死亡のときは死刑又は無期拘禁刑とされ、死傷は強盗の手段に限らず強盗の機会に生じたもので足りる結果的加重犯である。
強盗の機会に人を死傷させた場合に成立する罪です(刑法240条)。負傷で無期又は六年以上の拘禁刑、死亡で死刑又は無期拘禁刑という重い結果的加重犯です。
前段の致傷は無期又は六年以上の拘禁刑です。通常の強盗(236条)が五年以上なのに対し、負傷が一つ生じるだけで下限が六年に跳ね上がります。
強盗致死は死刑を含むため公訴時効はありません(刑訴250条)。強盗致傷は無期を含むため三十年です(刑訴250条2項1号)。
バッグを離させるため被害者を引きずって負傷させると、暴行による財物奪取で強盗となり、240条前段の強盗致傷に問われ得ます。窃盗のつもりが重罪化します。
強盗致死傷は裁判員裁判の対象事件です(裁判員法2条)。市民が量刑判断に関与するため、情状立証の重要性が高まります。
下限六年で拘禁刑三年超のため、原則として執行猶予はつきません(刑法25条)。初犯でも実刑がほぼ確定する領域です。
なり得ます。見張り役でも実行役が被害者を死傷させれば強盗致死傷が及びます。「手を出していない」は理由になりません。
事後強盗(238条)も「強盗」に含まれるため、逃走中に店員を突き飛ばして負傷させれば240条前段が適用され得ます。
まず「強盗」が成立するかが分かれ目です。財物を奪う意図で暴行・脅迫を加えれば強盗(236条)、その機会に負傷が生じれば240条前段の強盗致傷になります。逆に財物奪取の意図がなく逃走のために突き飛ばしただけなら、傷害罪や窃盗罪にとどまる可能性があります。業界裏話ヒント:検察は「強盗の故意」を被疑者の供述と客観状況から立証します。取調べで「金を取るために突き飛ばした」と言うか「逃げるために押しのけた」と言うかで、罪名が240条か別罪かに分かれる。供述前に弁護人と方針を固めるのが決定的です
条文上はどちらも240条後段「死亡させた」に含まれます。殺意なく死なせた強盗致死も、殺意をもって殺した強盗殺人も、同じ「死刑又は無期拘禁刑」です。判例は240条後段に故意の殺人を含めると解しています。業界裏話ヒント:法定刑が同じでも殺意の有無は量刑で大きく効きます。さらに強盗殺人には未遂(243条)が成立しますが、殺意なき強盗致死には未遂がなく、死亡という結果が出て初めて成立します。報道の「強盗殺人」は殺意ありを指すことが多いが、法的には240条後段という同じ箱の中の話です
原則としてそうです。240条前段の「負傷」に怪我の軽重の限定はなく、軽傷でも強盗致傷罪が成立し、無期又は六年以上の拘禁刑の範囲で量刑されます。業界裏話ヒント:ごく軽微なかすり傷程度は強盗罪の暴行に吸収され傷害と評価しない、とする裁判例もありますが例外的です。実務では診断書が出れば致傷で立件されるのが通常。被害者の怪我がどう記録されたかが、六年の壁を越えるかどうかを左右します(最新の改正状況をご確認ください)
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 行為の中核 | 240条:強盗の機会に人を死傷させる | — |
| 法定刑 | 致傷=無期又は六年以上の拘禁刑/致死=死刑又は無期拘禁刑 | — |
| 死傷結果の要否 | 負傷又は死亡が必須 | — |
| 執行猶予の可能性 | 致傷でも下限六年で原則不可 | — |
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