窃盗が、財物を得てこれを取り返されることを防ぎ、逮捕を免れ、又は罪跡を隠滅するために、暴行又は脅迫をしたときは、強盗として論ずる。
要点刑法238条は、窃盗犯が逮捕を免れる等のために暴行・脅迫をしたとき強盗として論ずると定める。盗品の金額は問わず、暴行が反抗抑圧の程度に達すれば成立する。
Q · 万引きで捕まりそうになって店員を突き飛ばしたら、罪はどうなりますか?
窃盗ではなく強盗(事後強盗)として処断されます
刑法238条により、窃盗犯が逮捕を免れる等のために暴行・脅迫を加えると、強盗として論じられます。盗品が数百円でも関係なく、暴行が相手の反抗を抑圧する程度に達すれば成立し、法定刑は強盗罪と同じ5年以上の有期拘禁刑です。さらに相手が負傷すれば強盗致傷罪(240条)となり、下限が6年に上がって執行猶予はほぼ不可能になります。逃げ切ったかどうかは成立に影響せず、暴行・脅迫をした瞬間に既遂・未遂が確定します。
コンビニでチョコ一個を万引きした。店を出たところで警備員に肩をつかまれ、振りほどこうと咄嗟に突き飛ばした。この瞬間、あなたの罪は窃盗罪(10年以下の拘禁刑)から強盗罪(5年以上の有期拘禁刑)へ一段跳ね上がる。盗んだ物がチョコ一個でも関係ない。刑法238条はこう定める。窃盗犯が、盗品を取り返されるのを防ぐため、逮捕を免れるため、または証拠を隠すために暴行・脅迫をすれば、強盗として扱う。押さえるべき線は三つ。第一に、主体は窃盗を始めた者に限られる(身分犯)。第二に、暴行・脅迫は相手の抵抗を抑え込む程度の強さが必要で、軽く払いのける程度では足りないことがある。第三に、判例は窃盗の機会が継続している中での暴行であることを要求する。盗んでから時間が経ち、別の場所で警官に出くわして暴れても、それは事後強盗にならないことがある。この三本の線のどこに立つかで、あなたの量刑は数年単位で動く。
刑法238条は事後強盗罪を定める規定であり、窃盗を犯した者が、財物の取り返しを防ぐため、逮捕を免れるため、又は罪跡を隠滅するために暴行又は脅迫を加えた場合に、これを強盗として論ずる旨を規定する。主体を窃盗犯に限る身分犯であり、暴行・脅迫は相手の反抗を抑圧する程度に達することを要する。
AI 輔助整理,以條文原文為準
窃盗犯が、盗品の取り返しを防ぐ・逮捕を免れる・罪跡を隠すために暴行や脅迫をした場合に、強盗として処罰される罪です。刑法238条が根拠で、準強盗とも呼ばれます。
強盗(236条)は最初から暴行・脅迫で奪う罪、事後強盗(238条)は先に盗んでから暴れる罪です。暴行の時点が財物奪取の前か後かで条文が分かれますが、法定刑は同じです。
なります。盗む前に見つかって暴れた場合、窃盗未遂を前提とする事後強盗未遂(243条)で処理されます。既遂・未遂は窃盗の成否で決まる、というのが判例の枠組みです。
強盗罪と同じく5年以上の有期拘禁刑です。窃盗罪の上限10年とは別枠で下限が5年に固定されるため、暴行を加えた瞬間に量刑が数年単位で重くなります。
なります。条文は「暴行又は脅迫」を並列しており、刃物をちらつかせる・危害を加えると告げるなど、相手の反抗を抑圧する程度の脅迫であれば暴行がなくても成立します。
強盗として処断されるため公訴時効は10年です(刑事訴訟法250条)。負傷させた強盗致傷なら15年、死亡させた場合は時効が進行しない罪に当たることがあります。
法定刑の下限が5年のため、酌量減軽がなければ執行猶予は付きません。暴行が軽微で窃盗+暴行罪に下がる、または減軽事由が認められれば猶予の余地が生まれます。
盗犯等防止法により常習累犯強盗として加重される場合があります。前科や常習性があると量刑・罪名の両面で不利になるため、弁護人と前歴の影響を確認すべきです。
なります。事後強盗罪(238条)は盗品の金額を問いません。決め手は、逮捕を免れる等のために暴行・脅迫を加えたかどうかです。店員を突き飛ばす、殴る、刃物をちらつかせる、これらが反抗を抑圧する程度に達すれば、数百円の万引きでも強盗(5年以上)として処断されます。業界裏話ヒント:弁護では「その暴行が反抗を抑圧する程度に達していなかった」と争うのが定石。軽く振り払った程度なら暴行罪止まりになる余地があり、下限5年の強盗と、執行猶予が可能な窃盗+暴行とでは天と地ほど違う
ならない、というのが誤解です。暴行・脅迫をした時点で事後強盗は成立し、逃げ切ったかどうかは無関係です。ただし既遂・未遂は窃盗の既遂・未遂で決まります(判例)。盗みが成功していれば事後強盗既遂、盗む前に見つかって暴れたなら窃盗未遂なので事後強盗未遂です。業界裏話ヒント:「窃盗の機会が継続していたか」が隠れた争点。盗んでから相当時間が経ち、別の場所で職務質問されて暴れた場合、窃盗の機会は終わっているとして事後強盗が否定され、窃盗罪と公務執行妨害罪に分解されることがある。時間と場所の距離が弁護の武器になる
事後強盗ではなく強盗致傷罪(240条前段)になります。法定刑は無期または6年以上の拘禁刑で、執行猶予はほぼ不可能になります。直接殴っていなくても、振り払った結果として相手が転倒・負傷すれば適用されうる。業界裏話ヒント:被害者が怪我をしたか、診断書が出るかで罪名が一段重くなる。だからこそ被害者側は受診と診断書取得を勧められ、被疑者側は怪我と暴行の因果関係(本当に自分の行為で転んだのか)を争点にする。この一枚の診断書の有無が、6年と執行猶予を分ける
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 暴行・脅迫の時点 | 238条 事後強盗:窃盗の後に暴行・脅迫 | — |
| 主体 | 窃盗を犯した者に限る(身分犯) | — |
| 法定刑 | 強盗として論ずる=5年以上の有期拘禁刑 | — |
| 既遂・未遂の基準 | 窃盗の既遂・未遂で決まる(243条で未遂処罰) | — |
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