第二百三十五条から第二百三十六条まで、第二百三十八条から第二百四十条まで及び第二百四十一条第三項の罪の未遂は、罰する。
要点刑法 243 条は、窃盗・強盗とその加重類型の未遂を処罰すると定める。財物を取得せず結果が未完成でも、実行に着手した時点で刑事責任が生じる。
Q · 何も盗っていないのに、窃盗未遂で逮捕されることはあるの?
あります。実行に着手すれば未遂が成立します。
刑法 243 条により、窃盗(235 条)や強盗(236 条)は未遂も処罰されます。争点は被害額ではなく『実行の着手があったか』です。商品をかばんに隠す、他人のポケットに指を入れるなどの行為があれば未遂が成立し、状況によっては既に既遂とされることもあります。ただし自分の意思でやめた場合は、中止犯(43 条但書)として刑が必ず減軽または免除されます。
コンビニで商品をポケットに入れた、ただしまだレジは通っていない。この瞬間、あなたはもう「窃盗未遂」かもしれない。いや、状況によっては「既遂」ですらある。刑法243条は、235条(窃盗)から236条(強盗)、238条から240条(事後強盗・昏酔強盗・強盗致死傷)、そして241条3項(強盗・不同意性交等致死)について、その『未遂』も処罰すると定める短い条文である。なぜこの一行が重いのか。日本の刑法では、未遂を罰するのは『各本条で特に定めた場合だけ』(44条)。つまり世の中には罰される未遂と罰されない未遂があり、窃盗と強盗ははっきり『罰される側』に名指しされている。だから何も持ち出していなくても、実行に着手した瞬間に刑事責任のスイッチが入る。あなたが本当に知るべきは、その『着手』の線が、世間の常識よりずっと手前に引かれているという事実だ。
刑法 243 条は、窃盗罪・強盗罪およびその加重類型(事後強盗・強盗致死傷等)の未遂を処罰対象とする規定である。未遂は各本条が特に定めた場合のみ罰せられる(44 条)ところ、本条がその指定を行い、結果が未完成でも実行の着手があれば処罰されることを根拠づける。
窃盗罪(刑法 235 条)の実行に着手したが、財物の取得が完成しなかった段階を指します。243 条がこれを処罰対象と定めており、被害ゼロでも犯罪は成立します。
財物への侵害が現実的な危険に達した時点です。スリで他人のポケットに指を入れれば着手あり、外側を触る『アタリ』だけなら着手前とされる余地があります。
レジを通った時でも店を出た時でもなく、商品を自分の支配下に移した時点(取得説)です。かばんやポケットに隠せば、店内でも既遂とされた裁判例があります。
自分の意思で犯罪を中止することです。刑法 43 条但書により刑は『減軽し、又は免除する』必要的減免の対象となり、任意の未遂減軽より格段に有利です。
なりません。未遂減軽(43 条本文)は『減軽することができる』任意的減軽で、裁判官が減軽しない自由もあります。中止犯のみ必要的減免です。
窃盗罪・窃盗未遂は法定刑 10 年以下の拘禁刑のため公訴時効 7 年、強盗罪・強盗未遂は 10 年です(刑事訴訟法 250 条)。
ポケットの外側を触って中身を探るだけなら、実行の着手前として不可罰になりうります。財布に指を入れた段階で初めて窃盗未遂が成立します。
強盗未遂(236 条+243 条)の出発点は強盗既遂と同じ『5 年以上の有期拘禁刑』です。被害ゼロでも実刑になりやすい重罪です。
なります。刑法243条が窃盗(235条)の未遂を処罰すると定めているからです。争点は被害額ではなく『実行の着手があったか』。商品を隠した、ポケットに入れた等の行為があれば未遂、状況次第では既に既遂とされます。業界裏話ヒント:弁護人がまず見るのは着手の有無です。商品を手に取って棚の前で迷っていただけの段階なら『着手前で不可罰』と争える余地がある。捕まった瞬間にどの段階だったかを冷静に思い出せるかが分かれ目で、取調べで自分から『盗るつもりだった』と語ると、その余地が消える
犯罪の成立自体は消えませんが、中止犯(刑法43条但書)に当たれば刑が『減軽し、又は免除する』必要的減免の対象になります。任意的な未遂減軽より格段に有利です。業界裏話ヒント:鍵は『自己の意思で』やめたこと。『店員に気づかれそうになって慌てて戻した』は外部的な障害による中止なので中止犯になりません。同じ『戻した』でも、誰にも止められず自発的に思いとどまった事実を、防犯カメラや前後の行動で立証できるかどうかで結果が一変する
強盗未遂(236条+243条)であり、法定刑は強盗既遂と同じ『5年以上の有期拘禁刑』が出発点です。未遂減軽(43条本文)で下がる可能性はありますが、これは裁判官の裁量で、必ず軽くなるわけではありません。業界裏話ヒント:強盗未遂は被害ゼロでも実刑になりやすい重罪です。さらに強盗の機会に人を死傷させれば240条(強盗致死傷)の領域に入り、その未遂までこの243条の射程内。『取れなかったから軽い』という感覚で臨むと量刑の現実とのギャップに潰される
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|---|---|---|
| 規定の性格 | 243 条:窃盗・強盗の未遂を処罰する旨の指定規定 | — |
| 成立の分岐点 | 実行の着手があったか(被害は不要) | — |
| 効果 | 未遂を可罰とする(法定刑は本条の各罪に従う) | — |
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