未遂を罰する場合は、各本条で定める。
要点刑法 44 条は、未遂を罰するかどうかを各本条が個別に定めると規定する。殺人や強盗のように未遂処罰規定がある罪だけが処罰され、規定のない罪は処罰されない。
Q · やろうとして失敗したら、どんな犯罪でも未遂罪になるの?
ならない。未遂処罰規定がある罪だけ罰せられる
刑法 44 条により、未遂を罰するかどうかは各本条が個別に定めます。殺人(203 条)、窃盗・強盗(243 条)、詐欺・恐喝(250 条)のように条文が「未遂も罰する」と明記した罪だけが処罰対象です。器物損壊罪(261 条)などには未遂処罰規定がないため、壊しそこねた行為自体は未遂罪になりません。実行の着手は未遂成立の必要条件にすぎず、未遂処罰規定がなければ未遂罪は存在しません。
未遂は、いつでも罰せられるわけではない。これが刑法 44 条の正体だ。「未遂を罰する場合は、各本条で定める」。たった一文だが、ここに罪刑法定主義(何が罪かは事前に法律で明示せよという原則)の核心が詰まっている。日本の刑法は、犯罪を企てて失敗した行為を、自動的に処罰しない。殺人未遂(203 条)、窃盗・強盗未遂(243 条)、詐欺・恐喝未遂(250 条)のように、個々の条文が「未遂も罰する」と名指ししたものだけが処罰対象になる。逆に言えば、その明記がない罪は、どれだけ実行に着手しても、結果が出なければ未遂罪としては罰せられない。器物損壊罪(261 条)には未遂処罰規定がない。だから他人の物を壊そうとして失敗しても、その「壊しそこね」自体は犯罪にならない。あなたが「未遂なら当然犯罪」と思っているなら、その前提が崩れる。
刑法 44 条は未遂罪の処罰範囲を画する規定であり、未遂を処罰するか否かは各本条が個別に定めるという個別規定主義を採用する。実行に着手して結果が生じなかった行為は、当該罪に未遂処罰規定が存在する場合に限り未遂罪として処罰され、規定を欠く罪では実行に着手しても処罰されない。
犯罪の実行に着手したが結果が生じなかった場合に成立しうる罪です。ただし刑法 44 条により、未遂処罰規定がある罪に限って処罰されます。
「未遂を罰するかは各条文が決める」というルールです。条文が未遂処罰を明記していない罪は、失敗しても未遂罪になりません。これを個別規定主義といいます。
殺人(203 条)、窃盗・強盗(243 条)、詐欺・恐喝(250 条)、放火、傷害などです。重大な法益を侵害する罪に未遂処罰規定が置かれています。
罰せられません。器物損壊罪(261 条)には未遂処罰規定がないため、物を壊そうとして失敗しても未遂罪は成立しません。
犯罪の実現に向けた現実的危険のある行為を開始した時点をいいます。着手があって初めて未遂が問題となり、それ以前は予備の段階にとどまります。
既遂は犯罪結果が発生した状態、未遂は実行に着手したが結果が生じなかった状態です。未遂は規定がある罪のみ、刑も任意的に減軽されえます(43 条)。
刑法総則は特別法にも原則適用されます(8 条)。覚醒剤取締法などでも、その法律が未遂処罰を定めていれば処罰され、定めがなければ未遂は処罰されません。
44 条自体に時効はなく、未遂罪の公訴時効は当該罪の法定刑を基準に計算されます(刑訴 250 条)。殺人未遂など重大犯罪ほど時効期間は長くなります。
まず、その罪に未遂処罰規定がなければ未遂罪は成立しません(44 条)。規定がある罪でも、自分の意思でやめた場合は中止未遂(43 条但書)として刑が必ず減軽または免除されます。業界裏話ヒント:外的な事情で失敗したのか、自分の意思でやめたのかで結論が天と地ほど変わります。中止と認められれば刑の免除もありうる。取調べでこの経緯をどう語るかが決定的なので、供述前に必ず弁護人と詰めること
いいえ。未遂が処罰されるのは、各条文が「未遂も罰する」と明記した罪だけです(44 条)。殺人(203 条)、窃盗・強盗(243 条)、詐欺・恐喝(250 条)などは未遂も処罰されますが、暴行罪や器物損壊罪には未遂処罰規定がありません。業界裏話ヒント:報道で「未遂で逮捕」とあっても、罪名によっては未遂が処罰対象でないことがある。逮捕イコール有罪確定ではないので、まず罪名と未遂規定の有無を確認する習慣を持つと、過剰に怯えずに済む
予備は犯罪の準備段階、未遂は実行に着手したが結果が出なかった段階です。多くの罪は未遂を罰しても予備は罰せず、殺人(201 条)や強盗などごく一部だけが予備も処罰します。業界裏話ヒント:弁護では「実行の着手」があったかが最大の争点になります。着手前の予備段階にとどまると認められれば、予備罪のない罪なら無罪、予備罪がある罪でも未遂より大幅に軽くなる。この一線の引き方が結果を左右する
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 行為の段階 | 未遂(44 条):実行に着手したが結果不発生 | — |
| 処罰の前提 | 各本条に未遂処罰規定があること(個別規定主義) | — |
| 刑の扱い | 刑を減軽することができる(43 条本文、任意的減軽) | — |
| 中止した場合 | 中止未遂なら刑を必ず減軽・免除(43 条但書) | — |
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