確定裁判を経ていない二個以上の罪を併合罪とする。ある罪について拘禁刑以上の刑に処する確定裁判があったときは、その罪とその裁判が確定する前に犯した罪とに限り、併合罪とする。
要点刑法45条は、確定裁判を経ていない二個以上の罪を併合罪と定める。併合罪は単純な足し算でなく、最も重い罪の上限を1.5倍した範囲が刑の天井となる(刑法47条)。
Q · 罪を3つ犯したら、刑期は3つ分そのまま足されるの?
足し算にならず、最も重い罪の上限の1.5倍が天井になる
刑法45条により、確定裁判を経ていない二個以上の罪は併合罪としてまとめて処断されます。有期拘禁刑なら、最も重い罪の上限を1.5倍した範囲が刑の天井となり(刑法47条)、各罪の上限を単純に合計した刑期にはなりません。さらに「確定裁判」という境界線が重要で、ある罪の判決が確定する前に犯した罪だけがその罪と併合罪になります。確定後に犯した罪は別グループとして新たに数え直されるため、いつ犯し、いつ判決が確定したかで刑期が大きく変わります。
罪を二つ犯せば刑も二倍、三つなら三倍。そう思い込んでいないだろうか。刑法45条が定める「併合罪」は、その直感を裏切る。確定裁判を経ていない複数の罪は「併合罪」としてまとめて処理され、刑は単純な足し算にならない。有期拘禁刑なら、最も重い罪の上限を1.5倍した範囲が天井になる(刑法47条)。罪が増えても、刑の上限には頭打ちがある。さらに鍵を握るのが「確定裁判」(判決が上訴できなくなって固まること)という見えない境界線だ。ある罪の判決が確定する前に犯した罪だけが、その罪と併合罪になる。確定後に犯した罪は、別グループとして新たに数え直される。同じ三つの罪でも、いつ犯したか、いつ判決が確定したかで、足し算で積み上がるか1.5倍で止まるかが分かれる。被告人にとって、この境界線がどこに引かれているかこそが、刑期そのものを左右する。
併合罪とは、確定裁判を経ていない二個以上の罪をまとめて一個の刑で処断する制度をいう。有期拘禁刑の場合、最も重い罪の上限を1.5倍した範囲が処断刑の上限となり(刑法47条)、単純な刑の合算による過剰な累積を防ぐ。ある罪に拘禁刑以上の確定裁判があれば、その確定前に犯した罪のみがその罪と併合罪となる。
AI 輔助整理,以條文原文為準
確定裁判を経ていない二個以上の罪をまとめて一個の刑で処断する制度です(刑法45条)。有期拘禁刑なら最も重い罪の上限の1.5倍が天井になります。
併合罪は複数の罪を一個の刑で処断する数罪、科刑上一罪(観念的競合・牽連犯、刑法54条)は複数の罪を一罪として扱い最も重い刑で処断する点が異なります。
判決が上訴できなくなって固まることです。有罪判決後の上訴期間14日(刑訴373条)の経過で確定し、これが併合罪の境界線になります。
その余罪が過去の確定判決の前に犯されていれば、確定済みの罪と併合罪の関係に立ち、刑法50条で改めて処断されます。
各罪の上限を単純合計する代わりに、最も重い罪の上限を1.5倍した範囲が天井になります。上限10年の罪が最も重ければ15年が天井です。
併合罪ですが処理が異なります。死刑・無期拘禁刑を科すときは他の刑を併科しない特則があり(刑法46条)、1.5倍の枠は適用されません。
令和4年改正で懲役・禁錮が拘禁刑に統一され、45条後段の要件が「禁錮以上」から「拘禁刑以上の刑に処する確定裁判」へ変更されました。
併合罪は確定裁判前の複数の罪をまとめる制度、累犯(刑法56条)は前刑の執行後に再び罪を犯した場合に刑を加重する制度で、確定裁判の前後で区別されます。
足し算にはなりません。確定裁判を経ていない複数の罪は併合罪として処理され、有期拘禁刑なら最も重い罪の上限を1.5倍した範囲が天井になります(刑法47条)。上限10年の罪が最も重ければ、他を足しても15年が天井で、各罪の上限の合計は超えません。業界裏話ヒント:報道では「懲役合計○年」と足し算で語られがちですが、実際の判決は1.5倍の枠内で一個の刑として言い渡される。複数事件で不安なときは、まず最も重い罪の法定刑上限を確認すると現実的な天井が見える
鍵はその罰金がいつ確定したかです。今回の罪をその確定より前に犯していれば併合罪になり得ますが(刑法45条後段)、確定後に犯した罪なら別グループとして新たに処断されます。確定済みの罪と未確定の罪が混在する場合は刑法50条で処理されます。業界裏話ヒント:古い罰金前科を「もう終わった話」と軽視しがちですが、その確定日が今回の量刑グループの境界線になる。前科の確定日を正確に弁護人へ伝えるかどうかで、刑期の計算が変わる
弁論の併合(刑事訴訟法313条)を申し立てれば、同一裁判所での併合審理が可能になる場合があります。併せて審理されれば併合罪として刑法47条の1.5倍の枠内で一個の刑になり、別々に確定するより有利になることが多い。業界裏話ヒント:検察が事件を小出しに起訴してくると、それぞれ別個に確定し、併合罪の有利な扱いを受けられなくなることがある。複数事件を抱えたら、併合審理を求めるべきか早い段階で弁護人に相談する
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 罪数の扱い | 併合罪(45条):数罪をまとめて一個の刑で処断 | — |
| 刑の上限 | 最も重い罪の上限を1.5倍した範囲(47条) | — |
| 適用前提 | 確定裁判を経ていない二個以上の罪 | — |
| 被告人への影響 | 天井がかかり過剰累積が抑えられる | — |
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